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Common Sense           No.21 2011.4.19 日本社会に「戦争を選択しない」という「戦争観」は確立されたか。

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1 労働運動への発信 ryo-sato@hyper.ocn.ne.jp
Common Sense           No.21 2011.4.19 日本社会に「戦争を選択しない」という「戦争観」は確立されたか。 ‥太平洋戦争はどう語られてきたか? 労働運動への発信

2 太平洋戦争はどう語られてきたか?(「昭和史の深層」保坂正康 平凡社)
太平洋戦争はどう語られてきたか?(「昭和史の深層」保坂正康 平凡社) 自存自衛の戦争 日本は東亜で平和を望んでいるにも関わらず、ABCD包囲網(アメリカ、イギリス、中国、オランダ)が敷かれている以上、立ち上がらなければならない。 開戦時の詔書-「自存自衛の戦争」を宣している。←戦争よりも外交や政治を選択すべきであった。 東亜解放の戦争 戦後、東南アジアの国々が独立を回復したことを称して、それは日本の貢献だったとの論。←独立した国からの何らの評価はない。むしろ、日本の軍国主義に多大な被害を蒙った。すでに台湾、朝鮮を植民地にしていた。 典型的な侵略戦争 天皇制権力を頂点とした帝国主義体制で侵略をつづけた。資源を略奪し、諸権利を抑圧した。ベストセラーとなった「昭和史」(岩波書店) 強要された戦争 「やむなく立ち上がった」論。日本は常に正しく、相手側のアメリカ、イギリスなどに一方的に平和の意思を妨害された。土壇場まで耐え抜き、刀に手をかけているがなかなか抜かない。←「忠臣蔵」風の太平洋戦争観である。 近代の清算の戦争 日露戦争時代は「統帥権」問題=「政治」と「戦闘」が伊藤博文⇔山県有朋の人間関係だった。東条英機が戦争政策を決定できたのは「統帥権独立」の錦の御旗があったからである。 政治的決断の失敗した戦争 ドイツのソ連領を攻撃を開始し、軍部は錯誤の世界に入った。ドイツを頼りに南進論を採った。アメリカはどうでるか。日本が戦争の決意で出ていけば、ルーズベルトは特別の対応措置はとらないと読み違えた。←政治・軍事指導者の責任検証において導き出されている。 民族解放戦争 軍事指導者の中に共産主義者が入り込んでいて、意図的に戦争に引き込み、そのプロセスで革命と結びつけたり、君主制国家を打倒するための戦争だった。日本人民解放戦争だった。 ●日本社会に「戦争観」は確立されたか。 →「戦争を選択しない」 ●戦後民主主義と日本型の民主主義とは何か。→アメリカンデモクラシー ●20世紀の昭和史をどう語り継ぐか。→20世紀の2/3を占める 「昭和史」 (昭和30年、34年改訂版、遠山茂樹、今井清一、藤原彰) 「この書には人間が描かれていない」-亀井勝一郎 呼称論 ・太平洋戦争 ・大東亜戦争 ・アジア太平洋戦争 ・第2次世界大戦 2月8日の開戦詔書-「自存自衛」しか謳っていない。 12日-大東亜戦争と命名。華々しく戦果があがったので「東亜解放論」をつけ加えた。 アメリカ、イギリスは民主主義を守るたたかい。 ソ連は祖国防衛戦争 中国は抗日戦争 韓国は日帝26年の支配を断ち切るための解放戦争 東南アジアの国々にとって英、仏、蘭の先進帝国主義による植民地獲得競争は侵略であった。日本もまたその侵略戦争に参加した。同時に米、英、仏などの先進帝国主義からの防衛を試みる側面を有していた。 日本は自省なき帝国主義国家をめざしていた。 論争の特徴 1.唯物史観の見方には一定の限界があった。 2.学問研究の枠内に入るほど昭和史の検証は進んでいなかった。 3.人間が軸という論にはある陥穽があった。 4.双方とも日本軍のアジアへの侵略については認めていた。 5.「戦前」の生き方が論争に影を落としていた。


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