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磁気圏型プラズマRT-1の分光計測とイオン加熱実験

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1 磁気圏型プラズマRT-1の分光計測とイオン加熱実験
  氏名 水島 龍徳 (指導教員 吉田 善章 教授)

2 高いβをもつプラズマの安定閉じ込め 先進核融合では弱い磁場で高温のプラズマを閉じ込める必要がある。弱い磁場で高温のプラズマを閉じ込めることは、プラズマのエネルギーが束縛するエネルギーに対する割合が増えることを意味し、プラズマの安定閉じ込めを制御することが難しくなる。βという無次元量をプラズマエネルギーが束縛するエネルギーに対する割合を評価するものとしてもちいる。βとはβ=2pμ/B2で表わされる量でプラズマ熱圧力を磁気圧力で規格化したものである。βが高いと少ない磁場で高温のプラズマを閉じ込めることができることを意味する。安定な高βプラズマの平衡構造は物理的にも興味深い。磁気圏型プラズマの代表例として、木星では局所βが100%を越えるようなプラズマが閉じ込められていることが観測されている。

3 プラズマの流れとイオン温度 高いβをもつプラズマは流れを作り、その流れがプラズマの圧力分布を変化させる。[1] 特に、磁気圏プラズマでシアアルフベン速度の0.06倍程度の流れを持つ場合プラズマの圧力勾配を急峻化させると計算されている。[2,3] 磁気圏型プラズマ閉じ込め装置であるRT-1では、これまでに局所βが40%のプラズマがECRHで生成、加熱され、0.1s間のエネルギー閉じ込め時間をもつ。イオンは直接加熱機構をもたず、電子からのエネルギー緩和により加熱される。イオンが高いβをもつプラズマは流れを作り、その流れがプラズマの平衡に与える影響を無視できなくなる。RT-1の場合はイオンのβは低いので、流れが平衡に与える影響は少ないが、電子は高いβをもつため電子の流れが平衡に影響を与える。そのため、RT-1の磁場配位でのトロイダル流速の温度依存性を調べることが重要である。 [1] ]S.M.Mahajan and Z.Yoshida, Phys.Rev.Lett.81,4863(1998) [2]J.Shiraishi,S,Ohsaki and Z.Yoshida, Phys.Plasma 12,092901(2005) [3]J.Shiraishi,M Furukawa, and Z.Yoshida,Plasma Fusion Res.1,050(2006)

4 目的 本研究では磁気圏型プラズマRT-1でイオンを高いβにするとどれだけ流れができるかを評価するため、イオン温度とイオン流速との関係を求めることを目的とした実験をおこなった。 温度と流速の関係を知ることは、現在の低いβのイオンと高いβの電子の平衡を考える上でも重要である。 今後のイオン加熱に必要なエネルギーを評価するためにイオンの閉じ込め時間を評価した。 イオンが高いβをもつようなプラズマを作るためイオン加熱の予備実験をおこなった。

5 磁気圏プラズマ閉じ込め装置RT-1 RT-1 ポロイダル磁場のみ 浮上コイル 電流250kAturn 電流中心r=250mm 吊上げコイル
浮上コイル  電流250kAturn 電流中心r=250mm 吊上げコイル  電流30kAturn  電流中心r=600mm, z=400mm プラズマ生成加熱 2.4GHz マグネトロン 8.2GHz  クライストロン 放電時間 1s or 2s

6 分光計測 Heプラズマ中のHe(II)(468.58nm) 水素プラズマ中の不純物C(II)(464.74nm) 分光器 装置幅
0.0185nm(Neランプで計測) 波長分解能0.012nm(CCDの1pixelに対応) 図 コリメーションレンズ系 真空容器 コリメーションレンズ 有効径Φ2.5mm、レンズΦ30mm、焦点距離100mm 測定光路 r=400mm(コイルの端) ~r=650mm(ビューポートから見える範囲) ビューポート 図 測定光路

7 イオン加熱用アンテナ設置 イオンサイクロトロン共鳴(ICRF) 2πf=qB/M ICRF加熱 周波数 220kHz 共鳴面の磁場強度
0.057T(He+), 0.014T(H+) Lアンテナ SUS304 r=960mm,z=240mm w=13mm,t=0.3mm R=0.7Ω,L=11μH, Lω(220kHz)=15Ω 図 RT-1断面図 図 CアンテナとLアンテナ

8 イオン加熱用電源開発 負荷 フルブリッジ回路で発振 周波数240kHz ② Irms=10A ① Vrms=140V
Mosfet 4×10個利用 負荷 図 フルブリッジ回路2 図 フルブリッジ回路 図 ドライバー回路 [4]”トランジスター技術3月号” ,CQ出版社,3,P170(2004) 図 フルブリッジ発振波計

9 RT-1にイオン分光計測を適応 Heプラズマ中のHe(II)(468.58nm,パッシェンα) 13本ーのライン 実験データ
○Highβ(3.2×10-4Pa) ○Lowβ(1.2×10-2Pa) ドップラーブローディング 装置幅ー0.0185nm Lowβ―0.0164nm->0eV Highβ-0.0296nm->6.6eV ドップラーシフト(clock wise) Lowβ―0.0012nm->800m/s Highβ-0.0128nm->8200m/s

10 発光強度の径方向分布 2.45GHz 10kW Heガス圧力 2mPa 浮上なし 図 線強度の接する円半径変化 図 発光強度プロファイル
図 線強度の接する円半径変化 図 発光強度プロファイル ビューポート 2.45GHz 10kW Heガス圧力 2mPa 浮上なし 真空容器

11 加熱エネルギーと失うエネルギーが平衡状態
イオンの閉じ込め時間評価 ECRH 電子加熱 電子からの緩和 イオン加熱 τi 加熱エネルギーと失うエネルギーが平衡状態 (Te-Ti)/τe,i=Ti/τi τei=2τi イオン温度 Ti ドップラー ブロードニング βが高い時 Te=3Ti 干渉計 電子密度 ne βが低い時 ラングミュア プローブ 高いβの時のバルクの電子温度が不明 エネルギー閉じ込め時間の下限値 電子温度 Te 高速電子 SX

12 閉じ込め時間と荷電交換の時間 ne,Te,τc レート方程式 nn τn 図 閉じ込め時間 反応速度係数CXXは
バルクの電子温度でのCxxと10keVの高速電子のCxxそれぞれに密度比をかけて求めた。 レート方程式  nn τn ガス圧が低い時荷電交換の時間は0.3sで閉じ込め時間が0.1sであった。荷電交換以外の不安定性等によるエネルギーロスは少なくても0.1sより長い。 Ti=3.8eV,TeL =11.4eV, TeH=10keV、 nL=0.44×1016/m3, nH=1.24×1016/m3, He(I)8%, He(II)32%, He(III)60%,8.2GHz ECH-Power 22kW, 図 閉じ込め時間

13 電界計測 真空容器 アンテナ 電界計測 ポッケルスセンサー 真空容器内 大気状態 f=300kHz、Irms=1.8A, z=138mm
真空容器内 大気状態 f=300kHz、Irms=1.8A, z=138mm (アンテナz=240mm) EΘrms/Irms=8V/mA(r=800mm)

14 イオン加熱実験 加熱実験 ループアンテナ f=220kHz、Irms=10A 加熱パワー W=εωErms2
=0.042Wm-3 (220kHz,10A) 加熱パワー2 <I(t)V(t)>=275W(plasma有り) アンテナの抵抗で100W損失 175Wプラズマ加熱 加熱に必要なパワー W=ΔkTi×n/τ =0.03Wm-3/eV 図 イオン加熱の結果 ECH2GHz 5kW

15 RT-1でのドリフト速度 ーvtotal ーvκ ーv∇B ーvD イオン温度に比例 流れの方向はコイル電流と同じ方向
図 磁場強度の径方向変化 図 磁力線が曲率をもつ ーvtotal ーvκ ーv∇B ーvD イオン温度に比例 流れの方向はコイル電流と同じ方向 図 κ+∇B+∇P drift は外側で速い(T=1eV)

16 イオン温度とドリフト速度の関係 イオンを直接加熱したのでなく、ガス圧を変化させてイオン温度を変えている。
図 流れr=0.65m(He(II),2GHz-5kW) 図 流れr=0.4m(C(II),8GHz-12kW) イオンを直接加熱したのでなく、ガス圧を変化させてイオン温度を変えている。 外側では流れがイオン温度に比例していた。 内側でも流れの速さが外側と同程度の流れがあるが、イオン温度に比例していない。

17 開発成果 RT-1プラズマに分光計測を適応し、イオン温度とイオン流速が測定できることを確認した。
RT-1のイオン加熱電源として必要とされる数100kHz帯のインバータをMOSFETをフルブリッジ回路で組み立て、Irms=10A、Vrms=140V、240kHzまで発振できることを確認した。

18 結論 イオン温度は放電前のガスの圧力が低い方が高く、He(II)イオンで最大5.5eV、C(II)イオンで18eVとなった。イオンのエネルギー閉じ込め時間を決める原因はイオンと原子の荷電交換による損失が支配的で閉じ込め時間は0.1sであった。荷電交換以外の不安定性等によるエネルギーロスは少なくても0.1sより長い。この閉じ込め時間でイオン加熱を考えると1eV加熱するのに0.03Wと求まった。 ICRFによるイオン温度上昇は0.4eV以下で統計的揺らぎの範囲であった。 ガス圧を下げるとイオン温度が上がり、その温度変化に比例するような流れが観測された。その流れはRT-1のカーバチャ―ドリフトと同じ方向でコイルの上から見て時計周りに流れていた。その大きさはr=650mmで5.5eVのイオンで6000m/sであり、計算で求めたカーバチャードリフト速度等と一致した。カーバチャ―ドリフト等は計算では内側が外側より遅いが、実験では内側でも外側と同程度の流れが発生していた。

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20 運動方程式

21 発表内容 図 RT-1で閉じ込められたプラズマ 序論 高いβをもつプラズマの安定閉じ込め プラズマの流れとイオン温度 目的 実験方法
分光計測 イオン温度とプラズマ流速計測 開発 イオン加熱用アンテナ設置 イオン加熱用電源開発 結果・考察 RT-1にイオン分光計測を適応 発行強度の径方向分布 イオンの閉じ込め時間評価 閉じこめ時間と荷電交換の時間 電界計測 イオン加熱実験 RT-1でのドリフト速度 イオン温度と流れの関係 開発成果 結論 図 RT-1で閉じ込められたプラズマ

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24 圧力分布

25 ICRF波入射時にHe(II)の発光強度が減少
図 加熱結果 図 RF入射時にHe(II)の発光量が減少 図 発光量現象は低ガス圧で顕著 イオンがICRF波を受け壁に当たる プラズマが不安定 Heの発光量が減る 図 イオン温度とGyro半径の関係 図 最外殻のプラズマが真空容器に衝突

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28 径方向分布 2.45GHz 10kW Heガス圧力 2mPa 浮上なし 図 発光強度プロファイル 図 線強度の接する円半径変化
図 発光強度プロファイル 図 線強度の接する円半径変化 図 流れの径方向分布 図 イオン温度の径方向分布

29 図 線強度の接する円半径変化 (O(II))

30 図 Heの電離度

31 図 測定抵抗の周波数依存 図 C(II)イオンのイオン温度 8GHz-22kW

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34 レート方程式 [4]Kato, T.Asano, E. NIFS-DATA,54(1999).
He(I)+e→He(II)+2e CI->II He(II)+e→He(III)+2e CII->III He(II)+e→He(I) CII->I He(III)+e→He(II) CIII->II [4]Kato, T.Asano, E. NIFS-DATA,54(1999).

35 荷電交換 [5] Gilbody, H et al.  Proc. R. Soc. London A 238 (1956)334

36 イオン温度 コイル浮上なしでのHeプラズマ中でのHe(II)イオンのイオン温度
2GHZのECRH-Power 13KWと8GHzのECRH-Power22kW Heプラズマ中のHe(II)イオンのドップラーブロードニングにより測定 ガス圧を下げるとイオン温度が高くなる。最大で4eV RT-1のコイル浮上状態、ECRH-Power 2G 20KW 水素プラズマ中の不純物イオンのC(II)のドップラーブロードニングにより測定、 Heの時より温度が高い、その原因はCとHとの荷電交換の断面積がHe同士の荷電交換の1/10だからである。

37 電子密度

38 ポッケルスセンサー

39 アンテナ抵抗

40 遅波による加熱 速波 遅波 、 、 vTは熱速度、Zはプラズマ分散関数でありωi~Ωの時 、 、
プラズマ周波数は1×1016/m3だと5.6×109 /sとなり、装置サイズが1mなのでkz=1/m、vT=10000m/s ωi=Ωとすると となる。よって共鳴面では1/1021m入射すると波が加熱のエネルギーに変わってしまうので、電磁波のエネルギーが全て加熱に使われると考えられる

41 研究業績 水島龍徳、小野督幸、柴田俊充、利根川明、河村和幸 デタッチプラズマでの磁力線方向の熱流束の空間分布測定
水島龍徳、小野督幸、柴田俊充、利根川明、河村和幸 デタッチプラズマでの磁力線方向の熱流束の空間分布測定 日本物理学会 2008年3月(近畿大学) 水島龍徳、林裕之、矢野善久、斎藤晴彦、森川惇二、吉田善章 磁気圏型プラズマ閉じ込め(RT-1)におけるトロイダル方向の流れ計測 日本物理学会 2009年3月(立教大学) 水島龍徳、小林慎也、矢野善久、斎藤晴彦、森川惇二、吉田善章 磁気圏型配位でのイオン加熱とイオン温度計測 日本物理学会 2009年9月(熊本大学黒髪キャンパス) 磁気圏型配位でのイオン加熱実験 日本物理学会 2010年3月(岡山大学)


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