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X線ガンマ線偏光観測小型衛星Polaris

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1 X線ガンマ線偏光観測小型衛星Polaris
Polaris Working Group 林田清、常深博、高原文郎、穴吹直久(阪大)、村上敏夫、米徳大輔(金沢大)、郡司修一、門叶冬樹、櫻井敬久、柴田晋平、滝沢元和(山形大)、 三原建弘、玉川徹、小浜光洋、磯辺直樹(理研)、鶴剛、松本浩典、谷森達、窪秀利、身内賢太朗(京大)、堂谷忠靖、高橋忠幸、斎藤芳隆(ISAS/JAXA)、 小賀坂康志、田村啓輔、古澤彰浩(名大)、片岡淳、河合誠之、植野優(東工大)、北本俊二(立教大)、深沢泰司、水野恒史、片桐秀明(広島大)  概要: PolarisはX線天体とガンマ線バーストの偏光測定を目的とする小型衛星計画である。X線天体の偏光測定には、スーパーミラーとイメージング偏光計を組み合わせ、 keVのワイドバンドの偏光測定をめざす。観測対象はかに星雲の1/100以上の明るさのX線源で、中性子星、ブラックホール、超新星残骸、活動銀河核、銀河団といった天体でX線偏光のはじめての検出を目指す。また、X線天体偏光測定装置とは独立に広視野のガンマ線偏光観測装置を搭載し、ガンマ線バーストの偏光測定を行う。年間10個程度のガンマ線バーストの偏光を測定し、ガンマ線の放射機構の解明を目指す。Polaris計画WGは、2006年11月、小型衛星WGのひとつとして承認された。今後より具体的な衛星デザインをすすめていく。 X線偏光観測は未開拓の分野:かに星雲からの偏光検出以降、30年間にわたり観測的進展がないものの、様々な課題がX線偏光測定に期待されている。 SN1006 宇宙線加速が起こっている場所で、どのような磁場構造になっているか、X線偏光測定により解明できる。 かに星雲 5.2keVの偏光が検出されている(Weisskopf et al.,1978)。X線偏光が検出されている現在唯一の天体。 パルサー、連星系パルサー X線偏光が期待される天体とその物理 シンクロトロン放射(磁場と高エネルギー電子の観測) 超新星残骸(パルサー星雲、シェル型) 銀河団 ブレーザー、クx-サー コンプトン散乱(直接撮像不可能な天体の構造) ブラックホール周辺の降着円盤 セイファート銀河の降着トーラス 磁場と散乱の複合 連星系パルサー X線画像は CXO/NASAによる Swank et al., 2004 SLAC sympo. X線画像は CXO/NASAによる Kii, 1987, PASJ 39,p.781 ブラックホール周辺での時空の曲がりによる偏光 ブラックホール周辺の降着円盤 反射成分によるX線偏光期待値(モデル計算) ガンマ線バーストの火の玉モデルと偏光 Polarization Degree ブラックホールの想像図 Credit: Ben Bromley (Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics) いずれも 偏光のX線エネルギー依存性が鍵 Matt, 1993, MNRAS 260 X-ray Energy (keV) Waxman, 2004, Nature 423, p.388  Connors et al., 1980, ApJ 235, p.224 ワイドバンドX線天体偏光観測装置 散乱型イメージング偏光計(SIP) NeXT衛星用スーパーミラー相当品1台(或いは1/2sスケール品4台)の焦点面に 軟X線用透過型 Neガスイメージング偏光計 硬X線用散乱型イメージング偏光計 を重ねて設置し、ワイドバンド、高S/N比を目指す  位置検出型光電子増倍管(MAPMT)の上に柱状プラスチックシンチレータとそれを取り囲むようにCsIシンチレータを設置する。プラスチックシンチレータに入射したX線が散乱されて、かつ、Compton-recoil電子による信号が検出されると散乱箇所が特定でき。2006年6月に、かに星雲の偏光観測気球実験を行った(PHENEX実験;穴吹他のポスター参照のこと)。PHENEX実験とは別に、井戸型偏光計を用いたPoGO-Lite気球実験も計画されている。これらの偏光計をベースに、耐震性をや低エネルギー側の感度を高める改良を行う。 各偏光計の性能因子 ミラー焦点距離12m ミラー焦点距離6mx4台 GIP-on-SIP LI-on-SIP H8500 64ch読み 出し回路(80068) 放射光施設での較正: 80keVでM~53%,効率20% ( Kishimoto et l. ,2006) WXT (ミラー) 焦点距離 12m 6m 内径/外径x台数 120mm/400mmx1台 60mm/200mm x4台 焦点面スケール 1’/3.5mm 1’/1.7mm SIP (散乱型イメージング偏光計) シンチレータ柱サイズ 5.5mmx5.5mmx高さ40mm/1本 2.8mmx2.8mmx高さ40mm/1本 シンチレータ本数信号 プラスチック36本/CsI28本 使用する信号ch数 64ch GIP (ガスイメージング偏光計) サイズ/ピクセル間隔 20mmx20mm/0.2mm 10mmx10mm/0.2mm 信号ch数 8000ch 2000ch ガス Ne/1atm/1cm SIP+LI用Li サイズ (5-10mm直径x30mm高さ) 5-10mm直径x30mm高さ 台数 GIP-on-SIPx1 GIP-on-SIPx1 + LI-on-SIPx3 PHENEX気球実験 ガスイメージング偏光計(GIP)  光電吸収の際に放出される光電子の飛跡をガス検出器でとらえる。キャピラリープレートガス比例計数管(山形大学他)、m-PIC(京都大学他)、GEM(理研他)の開発が進んでおり、いずれも放射光施設での偏光検出に成功している。ガスの組成と圧力により、M値と検出効率の最適化を行う必要がある。散乱型偏光計でカバーできない低エネルギー側をカバーする。透過型のモデルを実現できれば、散乱型偏光計と重ねて使用できる。 m-PIC (600mmピッチ,1cmx1cm) Polaris観測装置の重量と消費電力 観測機器重量:  1)ワイドバンドX線天体偏光観測装置 焦点距離12m案  120kg  [ミラー40kg  進展式光学台60kg GIP-on-SIP 15kg DE5kg] 焦点距離6m案  121kg  [ミラー40kg  進展式光学台40kg GIP-on-SIP 15kg LI-on-SIPx3=21kg DE5kg]  2)広視野ガンマ線バースト偏光計  35kg [散乱型10kg ガス光電子追跡型 25kg] 観測機器消費電力: 焦点距離12m案 78W  [ミラー15W    GIP-on-SIP 58W DE 5W] 焦点距離6m案   67W  [ミラー15W    GIP-on-SIP 32W LI-on-SIPx3=15W DE 5W] 99W [散乱型 27W ガス光電子追跡型 30W その他32W] 20%のマージンを考慮すると、観測機器重量=187kg, 観測機器消費電力=212Wという値になる。 キャピラリープレートガス比例計数管の原理と撮像された光電子の飛跡(Sakurai et al.,2004) GEM (50mmピッチ,3cmx3cm) ワイドバンドX線望遠鏡(WXT)  名古屋大学他で開発されている多層膜スーパーミラーを利用する。小型衛星のサイズにあわせること、進展式光学台は開発課題。 InFOCmS気球実験(2001)で使用した多層膜硬X線望遠鏡(左)と、観測により得られたCygX-1の硬X線イメージ(右) SUMIT気球実験 2006Nov 期待される偏光検出感度:10mCrabの天体(e.g.明るいAGN)もターゲットとなる。 広視野ガンマ線バースト偏光計  金沢大学他では、ガンマ線バーストの偏光測定を目的にする、広視野の散乱型偏光計を開発している。散乱率の良いガンマ線散乱対として中心に 12 角形プラスチックシンチレータを配置し、周囲を取り囲む 12 枚の CsI シンチレータで散乱ガンマ線の強度分布を測定する。 MDP 4-10keV MDP 10-20keV MDP 20-40keV MDP 40-80keV 30% 以上の偏光度を持つ GRB なら 10発/年、10% 以上のものは 数発/年。


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