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火山噴火の中長期予測手法の開発のための戦略
北海道大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻 中川 光弘
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目次 中長期噴火予測とは 中長期噴火予測の現状と問題点 予測手法確立のための戦略 活火山での研究例 活動中の火山（三宅島火山）
長期休止中の火山（利尻火山） 今後の研究計画
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中長期噴火予測とは 火山の噴火の可能性（噴火ポテンシャル）を数年～数10年あるいはそれ以上の長期で評価する 噴火の規模・様式・場所
火山噴火推移予測
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中長期噴火予測の意義 火山噴火に備える 火山観測・監視体制の整備、 噴火時の災害対応体制構築、 都市計画・社会資本の整備
住民の火山に対する正しい理解 火山を理解する科学の確立を促す
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中長期予測の現状 階段ダイアグラムを用いた予測 北海道駒ケ岳の例（宇井ほか，1997）
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中長期噴火予測手法の確立に向けて 噴火史の精密復元 マグマ供給系・噴火メカニズムの解明とその時間変遷 火山毎のマグマ系-噴火機構の把握と現況
階段ダイアグラムは基本 マグマ供給系・噴火メカニズムの解明とその時間変遷 火山毎のマグマ系-噴火機構の把握と現況 －＞科学的予測へ 噴火・休止期では何が起こっているか
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物質科学的研究（岩石学）で噴火が理解できるか？
活動中の活火山の例：三宅島火山 安間・中川（1998），Amma-Miyasaka & Nakagawa (2002 & submit), Amma-Miyasaka, Nakagawa & Nakada (submit) 長い休止期中の火山の例：利尻火山 石塚（1999），石塚・中川（1999），Ishizuka & Nakagawa (submit)
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活動中の火山の研究例（三宅島火山） 2000年噴火の前に1469年から1983年まで12回の噴火
12回の噴火を通じてのマグマ供給系の構造と時間変化を解明 特殊な2000年噴火の理解と今後の活動予測
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三宅島2000年噴火： 海底噴火から山頂噴火そしてカルデラ形成へ
地震発生（山頂直下から西方へ移動） 6/27に海底噴火 地震は西方へ 7/8山頂噴火 カルデラ形成 山頂噴火継続 二酸化硫黄放出 中田ほか（2001）
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過去500年間に例のない噴火とマグマ 海底と山頂で別のマグマが噴出。
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三宅島歴史時代マグマの変遷 結晶分化とマグマ混合（これでは2000年噴火を説明できない）
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マグマ系解析のための新視点 集斑晶に注目：鉱物からマグマのタイプを決定
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三宅島火山のマグマ貯蔵・供給系 2種類の集斑晶（それぞれ別のマグマが晶出）が共存
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マグマ系の変遷（高温マグマの例） 集斑晶を解析することで，500年間のそれぞれのマグマの時間変化を追跡できた。
高温マグマは500年間の間に温度低下 低温マグマは温度上昇
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1983年の次の噴火で活動するマグマタイプを予測できた。
海底マグマ 山頂マグマ 海底マグマ 2000年噴火とは：山頂（高温マグマ）と海底（低温マグマ）から2つのマグマがそれぞれ噴火した。
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2000年噴火の解釈と今後の活動 500年間活動したマグマ系は破壊された ー＞中長期噴火予測へ
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長い休止期にある活火山の例（利尻火山） 最新の噴火が8～9千年前－＞活火山の仲間入り 将来の噴火の可能性を科学的に評価する必要
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火山地質学的調査 噴出順序・噴火様式・噴出量，そして噴火年代 層序のはっきりしたサンプルの採取
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利尻火山の発達史 多くの火山では活動期が区分できる
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火山には寿命がある？ 噴出率の時間変化（多くの火山で共通するかもしれない）
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岩石学的（物質科学的）手法によるマグマの進化の解明
全岩化学組成（主成分・微量成分・希土類・同位体比）や鉱物組成分析そして顕微鏡観察
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地殻起源のマグマの解析 噴出率とマグマ温度（地殻下部の温度）が相関している!!
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マントル起源マグマの時間変化 マントル起源マグマの性質が，噴出率と地殻下部の温度変化と対応
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利尻火山は火山としての一生を終えつつある？
利尻火山の発達史（例えば噴出率）とマグマの諸性質の変化は単一の熱源の上昇と冷却で説明できる。
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火山地質・物質科学的解析による 中長期噴火予測
三宅島火山 過去500年間のマグマ系は破壊 次の活動期への移行 利尻火山 火山としては寿命 永遠の眠りへ？ （次の熱源の上昇が必要：広域的に影響を 与える事件があるであろう）
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中長期噴火予測手法を確立するにあたって 方向としては正しい（唯一の方法？） 現段階では研究の域である 全ての活火山を同じようにやれるか？
種々の火山での研究例を積み重ねる 優先火山の選定と火山別のマニュアル作成 調査・解析手法をルーチン化
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今後数年間の研究対象（進行中） 安山岩～デイサイト質の爆発的噴火主体 北海道駒ケ岳，有珠山，樽前山 玄武岩質～安山岩質の爆発的噴火主体
十勝岳，雌阿寒 玄武岩質の溶岩流主体 三宅島 安山岩質の溶岩流も主体 桜島 カルデラ火山 支笏，洞爺，阿寒，摩周，十和田 日本とは異なるテクトニクス場にある火山 白頭山，ラバウル，ハワイ
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