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Bi置換したCaMnO3の結晶構造と熱電特性
2007年日本熱電学会 Bi置換したCaMnO3の結晶構造と熱電特性 横浜国立大学 材料設計工学 ○鄭 鉉默、中津川 博
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研究背景 廃 熱 メリット 欠 点 電気エネルギー p-型 n-型 自動車の廃熱 ► 安い価格 ► 長い寿命 工場の廃熱 CPUの冷却
廃 熱 メリット p-型 ► 安い価格 ► 長い寿命 工場の廃熱 n-型 欠 点 CPUの冷却 ► 低い熱電変換効率 ► 高温での耐久性低 電気エネルギー
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研究背景 熱電素子の性能評価 熱電特性の 向上が要求 されている 低いρ 高いS 低いκ p-type n-type QH TH Lp Ln
TL Ap QL An 熱電特性の 向上が要求 されている 低いρ 高いS 低いκ R:外部抵抗 P型の電気抵抗率:ρp N型の電気抵抗率:ρn P型のゼーベック係数:Sp N型のゼーベック係数:Sn P型の内部抵抗:rp N型の内部抵抗:rn P型の熱伝導率:κp N型の熱伝導率:κn
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CaMnO3 (Perovskite-type)
b軸 Mn Mn Ca b ・格子定数 a = (2) b = (1) c a c = (3) 図. CaMnO3の結晶構造の概要図
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CaMnO3 (Perovskite-type)
研究目標 CaMnO3 (Perovskite-type) ・イオン半径 - Ca2+(0.18nm)、Bi3+(0.11nm) - Mn4+(0.54nm)、Mn3+(0.65nm) ・電荷密度 - Ca(9.88g/cm3)、Bi(1.54g/cm3) ・CaとMnサイトに元素を置換して熱電特性を向上した研究が報告されている ・Caサイトにレアアース元素を置換→熱電特性向上 - Yb10%→ZT = 低温側でCaサイトにBi置換した熱電特性と結晶構造の関係 *Gaojie Xu et al., J. Mater. Res., 17, 1092 (2002). *D. Flahaut et al., J. Appl. Phys., 100, (2006).
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研究方法 作製方法 試料 測定温度域 Ca1-xBixMnO3 (x=0 ~ 0.10)
►Powder : CaCO3, Bi2O3, Mn3O4 ►仮焼き : 850℃, 10h in air ►焼結 : 1300℃, 10h in air ►昇温(冷却)速度 : 100℃/1h 固相反応法 測定温度域 ►電気抵抗率 : 80K~385K ►ゼーベック係数 : 80K~385K ►Hall 係数 : 80K~380K ►磁化率 : 2K~352K, 100 Oe (印加磁場) 1.8mm 12mm
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図. Rietveld解析したCa1-xBixMnO3(x=0~0.10)の 格子定数(a)及びMn-O-Mnの角度(b)
XRD解析 (a) Mn O Mn ►全試料で結晶構造が大きく変化しない事から、Ca2+サイトにBi3+が置換されたと考えられる。 ►x=0.07までは格子定数に変化は見られなかったが、しかし、 x=0.08 からMn-Oの格子定数が増加する。 ►Mn-O-Mnの角度は160°程度、同じ値を示している。 (b) 図. Rietveld解析したCa1-xBixMnO3(x=0~0.10)の 格子定数(a)及びMn-O-Mnの角度(b)
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Hall 係数 RH n-型熱電変換材料 n=1/eRH ►Hall係数測定結果からn-型熱電材料であることを確認した。
図. Ca1-xBixMnO3(x=0.02, 0.05, )の キャリア濃度の温度依存性 ►Hall係数測定結果からn-型熱電材料であることを確認した。 ►キャリア濃度が10倍ぐらい大きくなったのはCa2+サイトにBi3+置換したことによりMn3+のeg電子(キャリア)が増加した為だと考えられる。
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Electrical resistivity ρ-Ⅰ 図. Ca1-xBixMnO3(x=0.02~0.10)の電気抵抗率の
TC 図. Ca1-xBixMnO3(x=0.02~0.10)の電気抵抗率の 温度依存性 図. Ca1-xBixMnO3( x=0.08, 0.10)磁化率と 電気抵抗率の温度依存性 ► Bi3+置換によりMn4+ (t2g3, eg0)サイトにMn3+ (t2g3, eg1)が生じるため、キャリア(eg)が増加することにより電気抵抗率は大きく減少する。 ►80K~110Kの間、ρの半導体的な挙動(x<0.08)はx>0.08から金属的挙動に変化した。これはBi置換量が8%のときから、Mn-Oの格子定数が増加したこと(XRD解析結果)とよく一致している。
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Electrical resistivity ρ-Ⅱ
s-orbital l = 1 p-orbitals l = 2 d-orbitals y軸 Px軌道 O2- Mn4+ dxy軌道 x軸 x軸 O2- Mn3+ y軸 Px軌道 dx2-y2軌道 p軌道とt2g軌道 p軌道とeg軌道
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Seebeck coefficient S キャリア濃度とゼーベック係数の相関関係(理論式)
: TC キャリア濃度とゼーベック係数の相関関係(理論式) k : Boltzmann Constant、 Nv : Density of state、 A : Transport Constant (0~2) キャリア増加によりゼーベック係数が減少した実験結果と よく一致している 図. Ca1-xBixMnO3(x=0.02~0.10)の ゼーベック係数の温度依存性 ►ρがTcまで半導体的な挙動(x<0.08)を示すことにより、Sが減少したが、金属的な挙動を示す(x>0.08)試料のSは温度増加によって増加する。 300K)以上となり高い値を示している。
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Table Ⅰ. 室温でCa1-xBixMnO3(x=0.02~
出力因子 (S2/ρ) Table Ⅰ. 室温でCa1-xBixMnO3(x=0.02~ 0.10)の出力因子 x S2/ρ (10-4W/mK2) 0.02 2.26 0.07 4.03 0.03 3.44 0.08 3.54 0.04 3.50 0.09 2.84 0.05 3.12 0.10 2.88 0.06 3.68 出力因子が最大値を示す。 図. Ca1-xBixMnO3(x=0.02, 0.06, 0.07, 0.08)の 出力因子の温度依存性
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熱伝導率と無次元性能指数(ZT) (S2T/ρκ)
Table Ⅰ. Ca1-xBixMnO3 (x=0.05, 0.07, 0.10)の熱伝導率と 無次元性能指数 at 300K 試料 x = 0.05 x = 0.07 x = 0.10 熱拡散率 (B) (cm2/sec) 0.0103 0.0105 0.0089 密度(C) (g/cm3) 4.359 4.447 4.482 比熱(D) (J/g・K) 0.658 0.653 0.640 格子熱伝導率 (κl) (W/m・K) 2.83 2.84 2.20 電子熱伝導率 (κe) 0.12 0.21 0.36 ZT 0.031 0.042 0.033 Best Ca0.93Bi0.07MnO3 ZT = 0.042 他の結果 密度=4.4g/cm3 κ= κl + κe κe =LTσ L=2.45×10-8WΩ/K2 ►キャリア濃度が増加することのため、x=0.10まで格子熱伝導率が増加した。
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Table Ⅱ. Ca1-xBixMnO3 (x=0.05, 0.07, 0.10, 0.15, 0.20)の熱伝導率 at 300K
試料 x = 0.05 x = 0.07 x = 0.10 x = 0.15 x = 0.20 熱拡散率 (B) (cm2/sec) 0.0103 0.0105 0.0089 0.0088 0.0066 密度(C) (g/cm3) 4.359 4.447 4.482 4.470 5.130 比熱(D) (J/g・K) 0.658 0.653 0.640 0.642 0.588 格子熱伝導率 (κl) (W/m・K) 2.854 2.845 2.215 2.151 1.647 電子熱伝導率 (κe) 0.096 0.205 0.345 0.369 0.343 ZT 0.031 0.042 0.033 0.036 0.015 ►Caより重元素であるBiを置換したが、絶対密度の変化はわずかな値であるのはBi置換量が増加するほど、相対密度が減少すると、その影響をもらえ、熱拡散率の値もBi置換量が増加するほど、減少したと考えられる。 ►Bi置換により、格子熱伝導率が減少することはこの相対密度の減少が原因であると考えられる。
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Ca1-xBixMnO3の結晶構造と熱電特性
Conclusion Ca1-xBixMnO3の結晶構造と熱電特性 ►Mn-Oの格子定数はx=0.07まで一定であったが、x=0.08から増加した。また、Mn-O-Mnの角度は160°程度の同じ値を示している。 - 全試料で結晶構造が大きく変化しなかったので、Ca2+サイトにBi3+が置換されたと考えられる。 - x=0.08からMn-Oの格子定数増加により、eg(Mn3+)の二重交換相互作用がおき、強磁性金属の特性を示した。 ► Hall係数測定結果からn-型熱電変換材料としてキャリアが電子(eg)であることとBi3+置換量に比例してキャリア濃度が増加したことを確認した。 - Bi3+置換量が増加することによりMn4+ (t2g3, eg0)サイトにMn3+ (t2g3, eg1)が生じるため、電気抵抗率は大きく減少したと考えられる。 ► Caより重元素であるBiを置換したが、絶対密度の変化はわずかな値であるのはBi置換量が増加するほど、相対密度が減少すると、その影響をもらえ、熱拡散率の値もBi置換量が増加するほど、減少したと考えられる。
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