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μーTASへの応用を目指した ユリ花弁の吸水に関する研究
μーTASへの応用を目指した ユリ花弁の吸水に関する研究 東洋大学工学部機械工学科 生物機械システム研究室 阿部 淳司,望月 修
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μーTAS 粘性による流れの変化 シンプルな機構(駆動源) 省電力化 ポンプ 化学センサ ディスプレー ニードル
μ-TASとはMicro Total Analysis Systemの略称でポンプ、バルブ、センサなどを小型化・集積化した化学分析システムです。これは私がデザインしたμ-TASを搭載した機器です。指輪のように装着することができ、ポンプで血液を採取しその血液を化学センサを用い検査することで病気の発見、治療を行えます。ここで本研究で着目したのはポンプ機構になります。指輪サイズほどのμ-TASのポンプは小型であるため、通常サイズで使用されるピストン・シリンダーによる容積型ポンプや回転翼を用いるターボ型ポンプなどは使用できず新しい機構が求められる。ここで以下のことが必要となります。小型に伴い粘性により流れが変わるためそれに適したもの、次にシンプルな駆動機、そしてそれに伴う電気的問題です。ここで私が考えたのは何百mもの高さまで駆動機、電力なしに吸水する植物が応用できるのではと考えました。では植物の吸水はどのような機構を用いているかというと・・・ 省電力化 ディスプレー ニードル
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9000m 100m 0.8m 吸水メカニズムに関する従来の説 半透膜 濃い 薄い
ず一つ目に気孔からの蒸散によるもの、二つ目に導管での毛細管現象による吸水、三つ目に根での浸透圧による吸水が挙げられます。しかしこれはいまだ解明されておらず、この解明こそが本研究の第一目的です。ではこれらはどれだけの高さまで吸水することができるか算出したしたところ・・・・、植物は高いもので100mにも達することから気孔からの蒸散または植物の先端が植物の吸水に関係していると仮定し研究を行いました。
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対象植物 ユリ(カサブランカ) 花脈(bundle) Length=115mm Width=58mm
ユリ(カサブランカ) そこで研究対象としたのはユリのカサブランカです。これは、流れの可視化をするため白く大きな花弁を持つユリを使用しました。花弁では図のように花脈が広がり、また花脈はこのように導管の束でできています。では、実際に可視化したものをご覧下さい。 Length=115mm Width=58mm
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導管内流れ 単位時間当たりの吸水距離 A B C D E F 導管先端
花弁が3色にきれいに染まっています。これは先端このように導管が閉じ終点が分からず、逆に進入口は緑となっているため始点もわからないため、3色の間を測ることで正確な単位時間当たりの吸水距離を得るためです。またこのように左右六等分し測定することで速度などを算出します。ではこれより得られた速度をご覧下さい。 単位時間当たりの吸水距離
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花弁における吸水速度分布 Vmax=0.418(mm/s) Vmin =0.083(mm/s) A’ A B’ C’ D’ E’ F’ B
内側が速く外が遅い上に凸のグラフとなることがわかり、花弁ではこのように分布することが分かります。ここでこれほどもの速度差が何故生まれたかを光学顕微鏡を用い観察したところ、次のような結果が得られました。
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A C F 花弁における導管 本数:8本 管内径:13.8μm 本数:5本 管内径:9.3μm 本数:2本 管内径:6.4μm A’ A
B’ C’ D’ E’ F’ B C D E F 花弁における導管 A C F 内 外 ×1500 10μm ×1500 10μm ×1500 10μm 内側が導管径が太く、外に行くに連れ細くなることが分かります。また、管の数にも共に変化していることわかります。つまり、先ほどの速度差はこの管径、数に管径していると考えられる。また、ご覧いただけるように導管は螺旋細胞となっており管内抵抗減らすつくりになっています。これは産業技術研究所の伊藤氏などの研究により明らかになっています。また、本研究で着目した花弁での気孔分布を調べたところ・・・ 本数:8本 管内径:13.8μm 本数:5本 管内径:9.3μm 本数:2本 管内径:6.4μm
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花弁における 細胞と流量分布 表皮細胞 気孔 茎に近い緑の部分にこのように気孔が見られるがその他の部分ではこのように表皮細胞が隙間なく存在し気孔は見られなかった。また、速度、管径よりハーゲンポアズイユの式より圧力を求めたグラフがこれである。速度と同様に上に凸のグラフとなるが、気孔分布との関与性は伺えず、花弁における吸水には気孔が関係していないと考えられる。
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A B C D E F 結論 中心ほど管径が太く,吸水速度が速い 速い
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