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事例はすべて2015年1月1日以後に相続が開始したものとして作成しております。

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1 事例はすべて2015年1月1日以後に相続が開始したものとして作成しております。
相続アラカルト 相続人の特定・相続財産の管理 事例はすべて2015年1月1日以後に相続が開始したものとして作成しております。

2 相続人の特定 戸籍

3 相続人の特定(確定) 相続人を確定しないと、なにも進まない! 父 母 被相続人 相続人 相続人 分割協議の 相続人は自分達だけと思い、 無効
7年前に死亡 相続人 相続人は自分達だけと思い、 遺産分割協議 分割協議の 無効 相続人は、「戸籍」によってでしか確定はできない!  被相続人ついては、出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本、原戸籍謄本 ・除籍謄本が必要です。相続人については、基本的に戸籍謄本が必要です。

4 家族構成図が作れるのは本人だけ? 実際の相続では、複数の戸籍から誰が相続人かを特定
先妻 先妻の長女 婚姻と離別 後妻 長男 後妻の長女 被相続人

5 戸籍(抄本)は現在のものだけでは全く分からない
被相続人 先妻 先妻の長女 婚姻と離別 被相続人 後妻 長男 後妻の長女 被相続人

6 転勤とか引っ越しが多いと、調査に大変な時間がかかります。専門家に依頼する方法もあります
相続人特定の重要性 相続人の特定は、なぜ重要なのか? 相続人の特定は、「遺産分割協議」「相続対策」において基礎となる部分です。相続人の特定を誤ると、まとまった「遺産分割協議書」がすべて無効になってしまいます。また、相続対策においても法定相続分・遺留分・基礎控除等々がすべて変わってしまい、せっかくの対策が無駄に終わってしまうかもしれません。 転勤とか引っ越しが多いと、調査に大変な時間がかかります。専門家に依頼する方法もあります ◆ 相続人の調査・特定の方法 亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までのすべての 戸籍を調査し、その内容から相続人を特定していきます。 具体的な手順は 1. 被相続人の最新の戸籍を取得する 2. 取得した戸籍より前の戸籍があれば取得し、出生までさかのぼる 3. 取得した戸籍を元に相続人(仮)を特定する 4. 特定した相続人(子・両親・兄弟姉妹)が死亡していれば、その人の出生から   死亡までの戸籍を取得する(代襲相続人の調査) 5. 取得した戸籍を元に代襲相続人を特定する ※ 3で特定した相続人(仮)で死亡した人がいなければ、そのまま特定されます 1.同居の親族が自分たちだけが相続人・・・そうではなかった。先妻に子供がいた。正妻以外の子供を認知していた 2.自分は相続人と思っていた・・・再婚相手の連れ子だった。戦後しばしば・・しかし赤子のころで知らなかった 3.もちろん相続税の計算も そのために被相続人との関係を立証するために戸籍が必要 転籍前・改正前に婚姻・養子縁組・死亡等で除籍された人の情報は移記されない

7 一般的な相続人調査事例 【被相続人 近代 一郎(平成21年4月2日 死亡)の調査】 1 昭和28年 父 近代 太郎の長男として東京にて出生
           【被相続人 近代 一郎(平成21年4月2日 死亡)の調査】 1 昭和28年 父 近代 太郎の長男として東京にて出生       ●父の戸籍に記載される ① 2 昭和52年 妻 春子 と婚姻      ●婚姻により新戸籍編製(父の戸籍から除籍) ②   昭和53年 長女 夏子 出生 ③ 3 昭和55年 妻 春子 と協議離婚   長女 夏子 の親権者を母とする ④         4 昭和57年 仕事の関係で大阪府に転籍      ●東京都にて新戸籍編製(前戸籍は除籍) ⑤ 5 昭和58年 妻 和子 と婚姻 ⑥   昭和60年 長女 友子 昭和62年 長男 次郎 出生  ⑦ 6 平成20年 法律改正で戸籍をコンピュータ化     ●新戸籍編製(前戸籍は、改正原戸籍へ) ⑧ 7 平成21年 大阪市にて死去 ⑨     ●戸籍に死亡の記載(記載されている者がいなければ除籍) この場合は、計4枚の戸籍が必要になります。 相続人の特定には、被相続人の出生から死亡までの全戸籍が必要です。 戸籍は、普通の人で4~5枚で多い人は10枚以上にもなります。 市町村長が戸籍の事務を管掌    副本はその市町村長を管轄する法務局や支局が保存 請求できる人  本人、配偶者、直系尊属、卑属  その業務を遂行するために必要があれば税理士・司法書士、弁護士、行政書士等

8 ① 昭和弐拾八年五月五日本籍で出生父近代太郎届出同月拾日受付入籍㊞
 昭和弐拾八年五月五日本籍で出生父近代太郎届出同月拾日受付入籍㊞  昭和五拾弐年壱月拾日田中春子と婚姻届出東京都中野区中央壱丁目壱参番地ノ五に夫の氏の新戸籍編製につき除籍㊞  昭和参年参月参日京都市左京区下鴨桜木町七番地で出生父鈴木次郎届出同月八日受付入籍㊞  昭和弐拾四年拾壱月弐拾四日近代太郎と婚姻届出京都市左京区下鴨桜木町七番地で出生父鈴木次郎戸籍より同日入籍㊞  平成七年九月四日夫死亡㊞  大正壱拾五年八月九日東京都中野区壱丁目拾参番地ノ五で出生父近代肇届出同月壱六日受付入籍㊞  鈴木花子と婚姻届出昭和弐拾四年拾壱月四日受付東京都中野区中央壱丁目拾参番地ノ五近代肇戸籍より入籍㊞  平成七年九月四日午後八時参拾分東京都中央区で死亡同月五日親族近代一郎届出除籍㊞  婚姻の届出により昭和弐拾四年壱月四日 夫婦につき本戸籍編製㊞ 籍 本 東京都中野区中央壱丁目参番地ノ五 名 氏 生出       一 郎 生出 生出 近 代 太 郎 昭和弐拾八年五月五日    花 子 近 代 太 郎 昭和参年参月参日     花 子    絹 子 鈴 木 次 郎 大正拾五年八月九日     太 郎    さくら 近 代 肇 男 長 女 二 男 長

9 ④ ④ ③ ② 昭和五拾参年拾壱月拾日東京都中央区で出生同月拾四日父届出入籍㊞ 昭和五拾五年九月四日親権者を母と定める旨父母届出㊞
 昭和五拾参年拾壱月拾日東京都中央区で出生同月拾四日父届出入籍㊞  昭和五拾五年九月四日親権者を母と定める旨父母届出㊞  昭和五拾五年拾壱月拾日母の氏を称する入籍親権者母届出同月拾四日京都市北区長から送付同区紫竹南雷門町八拾弐番地田中春子戸籍に入籍につき除籍㊞ (出生事項省略)  昭和五拾弐年壱月拾日近代一郎と婚姻届出京都市北区紫竹南雷門町八拾弐番地田中忠治戸籍から入籍㊞  昭和五拾五年九月四日夫一郎と協議離婚届出京都市北区紫竹南雷門町八拾二番地に新戸籍編製につき除籍㊞ (出生事項省略)  昭和五拾弐年壱月拾日田中春子と婚姻届出東京都中野区中央壱丁目拾参番地ノ五近代太朗戸籍から入籍㊞ 昭和五拾五年九月四日妻春子と協議離婚届出㊞  婚姻の届出により昭和五拾弐年壱月拾日編製㊞  昭和五拾七年八月参日大阪市北区東天満壱丁目拾壱番地ノ拾参に転籍届出同月五日同区長から送付除籍㊞ 籍 本 東京都中野区中央壱丁目参番地ノ五 名 氏 生出      夏 子 生出 生出 近 代 一 郎 昭和五拾参年拾壱月拾日    春 子 近 代 一 郎 昭和参拾年参月参日    春 子    美 子 田 中 忠 治 昭和弐拾八年五月五日    一 郎    花 子 近 代 太 朗 女 長 女 長 男 長

10 ⑦ ⑥ ⑤ 昭和六拾弐年七月八日大阪市北区で出生父同月九日父届出入籍㊞ 昭和六拾年四月参日大阪府枚方市で出生同月六日父届出入籍㊞
 昭和六拾弐年七月八日大阪市北区で出生父同月九日父届出入籍㊞  昭和六拾年四月参日大阪府枚方市で出生同月六日父届出入籍㊞  平成拾九年五月五日山本太と婚姻届出同月七日京都市左京区長から送付同区修学院高野川町参町目八番地に夫の氏新戸籍編製につき除籍㊞ (出生事項省略)  昭和五拾八年弐月拾四日近代一郎と婚姻届出大阪府枚方市香里園花咲町壱百拾参番地橋本竜一戸籍から入籍㊞ (出生事項省略) 昭和五拾八年弐月拾四日橋本和子と婚姻届出㊞  昭和五拾七年八月参日東京都中野区中央壱丁目拾参番地ノ五から転籍届出㊞ 籍 本 大阪市北区東天満壱丁目拾壱番地ノ拾参 名 氏 生出     次 郎 生出     友 子 生出 生出 近 代 一 郎 昭和六拾壱年七月八日    和 子 近 代 一 郎 昭和六拾年四月参日     和 子 近 代 一 郎 昭和弐拾八年拾月弐拾日     和 子    菊 子 橋 本 竜 一 昭和弐拾八年五月五日     一 郎    花 子 近 代 太 郎 男 長 女 長 女 二 男 長

11 ⑧ ⑨ 全部事項証明 戸籍に記載 されている者 身分事項 出生 婚姻 配偶者の死亡 (出生事項省略) 本 籍 氏 名 近代一郎 戸籍事項
 されている者 身分事項  出生  婚姻  配偶者の死亡 【名】近代和子 【生年月日】昭和28年10月20日 【父】橋本竜一 【母】橋本菊子 【続柄】二女 (出生事項省略) 【婚姻日】昭和58年2月14日 【配偶者氏名】近代一郎 【従前戸籍】大阪府枚方市香里園花  咲町123番地 橋本竜一 【配偶者死亡地】平成21年4月2日 本 籍 氏 名 大阪市北区東天満一丁目11番地の13 近代一郎 戸籍事項  戸籍改製 【戸籍改製日】平成20年5月17日 【改製事由】平成6年法務省令  第51号附則第2条第1項による改製 戸籍に記載  されている者 身分事項  出生  婚姻  死亡 【名】近代一郎 【生年月日】昭和28年5月5日 【父】近代太朗 【母】近代花子 【続柄】長男 【出生日】昭和28年5年5日 【出生地】東京都中野区 【届出日】昭和28年5月10日 【届出人】父 【婚姻日】昭和58年2月14日 【配偶者氏名】橋本和子 【死亡日】平成21年4月2日 【死亡地】大阪市北区 【届出日】平成21年4月3日 改製後に死亡、婚姻、縁組等で除籍されると、×印ではなく除籍と表示されます 除籍 戸籍に記載  されている者 身分事項  出生 【名】近代次郎 【生年月日】昭和62年7月8日 【父】近代一郎 【母】近代和子 【続柄】長男 【出生日】昭和62年7月8日 【出生地】大阪市北区 【届出地】昭和62年7月9日 【届出人】父 以下余白

12 法改正後の戸籍 コンピュータ化戸籍(平成6年改正・ ただし実施時期は市町村の任意) 相続人確定には被相続人の 出生~死亡までの戸籍が必要
主な改正点 戸籍謄本⇒戸籍の全部事項証明書 戸籍抄本⇒戸籍の個人事項証明書 除籍謄本⇒のぞかれた戸籍の全部事項証明書 B4横長(縦書き)⇒A4縦(横書き) 漢数字⇒算用数字など 相続人確定には被相続人の 出生~死亡までの戸籍が必要 「(改正)原戸籍」を調べる 司法書士・行政書士などの 専門家に依頼した方が、コストはかかるが時間と労力が助かる

13 《相続関係図》 近代 花子 近代 太郎 長男 田中 春子 近代 春子 近代 一郎 近代 和子 長女 長男 長女 田中 夏子 近代 夏子
昭和24年婚姻 (平成七年死亡) 長男 昭和52年婚姻 昭和55年離婚 田中 春子 近代 春子 近代 一郎 近代 和子 昭和58年婚姻 (平成21年死亡) (昭和28年出生)     戸籍の見方・揃え方 出典:相続人確定のための    近代セールス社 長女 長男 長女 田中 夏子 近代 夏子 近代 次郎 山本 友子 (昭和53年出生) (昭和62年出生) (昭和60年出生) 平成19年婚姻

14 戸籍(抄本)についてQ&A Q1.なぜ直前の戸籍だけでは相続手続きはできないのですか?
A1.現行法の戸籍謄本では戸籍に記載されるものは「一つの夫婦とこれと氏を    同じくする未婚の子」となっているのでそれ以前の情報は記載されません    また改製や転籍により、頻繁に作り直されます。転籍前や改製前に婚姻・    養子縁組・死亡等で除籍され人の情報は移記されません Q2.昔の戸籍はたくさんの人が記載され見づらいのはなぜですか? A2.昭和23年「法務省令による改製」以前は「戸主」を中心とした「家」を一つの    単位で戸籍が構成されていたため、母親や兄弟、子の配偶者や孫まで記載    する場合もあったためです Q3.現行の戸籍は手書きではないが、いつから変わったのですか? A3.従来は紙の帳簿での管理だったが、平成6年の改製でコンピュータで調整でき    るようになりました (市町村ごとで行うためコンピュータ化されていない市町村    もある)これによりコンピュータ化した市町村では戸籍謄本は「全部事項証明書」    を、戸籍抄本は「個人事項証明書」が交付されます Q4.「改正原戸籍」(かいせいはらこせき)とは何ですか? A4.法改正や新しい戸籍に作り変えられた(改製)場合の従前の戸籍のことです

15 戸籍(抄本)についてQ&A Q5.被相続人の戸籍をすべて揃えれば相続人は確定できますか?
A5.胎児がいる場合や相続放棄した人がいる場合は戸籍には記載されません        また認知などの情報は戸籍ではわからない場合があるので充分ヒアリング    することが大切です Q6.戸籍の一部が戦災で焼失しており、出生からの戸籍がとれないのですが? A6.市町村長にてその戸籍が焼失した旨の「焼失証明書」を取りよせてください Q7.独身の孫を養子縁組した場合は戸籍へはどのように記載されますか? A7.単身者の場合は養親の戸籍に入籍し、養親の身分事項欄に養子縁組の届け    出日等が記載されます。個人欄には実の父・母と養父・養母の記載をし、続柄    は「養子」と記載されます    養子・養親とも夫婦の場合は養親の戸籍に養子夫婦が入ることはありません    「いつ・どこの誰の養子となり、どこから入籍したのか」が記載され、夫婦それぞ    れの父母と養親の氏名および続柄「養子・養女」と記載されます Q8.外国人と結婚した場合の戸籍への記載はどのようになりますか? A8.日本国籍の者同士が結婚すると新たに戸籍が編製されますが、現行では外国    人と結婚しても国籍が変わることはありません。身分事項欄に配偶者の国籍・    氏名・生年月日・婚姻の事実等が記載されます

16 養子縁組の日付で相続人が変わる! 父親の相続人は誰か?
父(被相続人) ❺平成20年1月10日 父死亡 夫婦で養子縁組 ❷平成10年5月5日夫婦ともに養子縁組 ❹平成15年1月21日 夫死亡 長女 ❶平成8年12月25日長女出産 長男 ❸平成11年3月10日長男出産 (ヒント) 養子の代襲相続は、養子になった日と、孫の出生日で決まる!

17 (参考) 父親の相続人は誰か? ❺平成20年1月10日 父死亡 父(被相続人) 母 養子縁組 ❷平成10年5月5日夫養子縁組
(参考) 父親の相続人は誰か? 父(被相続人) ❺平成20年1月10日 父死亡 長女(妻) ❷平成10年5月5日夫養子縁組 養子縁組 ❹平成15年1月21日 夫死亡 長女 長男 ❶平成8年12月25日長女出産 (ヒント) 被相続人の血縁があれば、 養子縁組以前に生まれた子も相続人となる ❸平成11年3月10日長男出産

18 相続財産の管理

19 相続財産の管理 認知症等の障害状態になったら、財産の管理ができなくなる これまでにおこなった相続対策が無駄になる危険性がある 【 遺 言 】
【 遺 言 】 任意後見制度 相続財産の管理 いずれも、「認知症」になる前に手を打っておかなければ効果がない 信託(家族信託) 【生命保険】 相続 『税』 対策ができるのは生命保険だけ!

20 【データ】 認知症高齢者の現状(平成22年) 全国の65歳以上の高齢者では、認知症有病率推定値15%、認知症有病者数約439万人と推計。なお、全国のMCI(正常ではなく、認知症でもない(正常と認知症の中間)状態の者)の有病率推定値13%、MCI有病者数約380万人と推計 介護保険制度を利用している認知症高齢者は約280万人 厚生労働省(H25.6.7「副大臣会見概要(認知症施策について)」配布資料より

21 (参考) 平成15年報告時の将来推計 単位:万人
認知症高齢者数将来推計 「認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上」とは、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意すれば自立できる状態をいう 将来推計 平成22年の将来推計                          単位:万人 将来推計(年) 平成22(2010)年 平成27(2015)年 平成32(2020)年 平成37(2025)年 日常生活自立度Ⅱ以上 280 345 410 470 65歳以上人口比率 9.5% 10.2% 11.3% 12.8% (参考) 平成15年報告時の将来推計                     単位:万人 将来推計(年) 平成14(2002)年 平成22(2010)年 平成27(2015)年 平成32(2020)年 平成37(2025)年 日常生活自立度Ⅱ以上 149 208 250 289 323 65歳以上人口比率 6.3% 7.2% 7.6% 8.4% 9.3% 厚生労働省(H25.6.7「副大臣会見概要(認知症施策について)」配布資料より

22 (参考)認知症高齢者の日常生活自立度 ランク 判定基準 見られる症状・行動の一例 日常生活自立度Ⅱ以上 Ⅰ
何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している。 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。 Ⅱa 家庭外で上記IIの状態が見られる。 たびたび道に迷うとか、買い物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ等 Ⅱb 家庭内でも上記IIの状態が見られる。 服薬管理ができない、電話の対応や訪問者との対応などひとりで留守番ができない等 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さがときどき見られ、介護が必要。 Ⅲa 日中を中心として上記IIIの状態が見られる。 着替え、食事、排便・排尿が上手にできない・時間がかかる、やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声を上げる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等 Ⅲb 夜間を中心として上記IIIの状態が見られる。 ランクⅢaに同じ 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護が必要。 ランクⅢに同じ 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。 せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態等 日常生活自立度Ⅱ以上

23 相続財産の管理 成年後見制度

24 このような方々を保護し、支援するのが成年後見制度です
成年後見制度とは? 自分で これらの ことをするのが困難 財産管理 各種契約 遺産分割協議 など 判断能力が 不十分な方々 認知症 知的障害 精神障害 悪徳商法の 被害にあう恐れも!! ○ 知的・精神的能力が低下した成年者を    保護する制度 ○ 成年後見人には親族がなる場合と専門家 がなる場合がある ○ 親族が成年後見人になった場合は利益    相反に注意する必要がある このような方々を保護し、支援するのが成年後見制度です

25 成年後見制度の種類 法定後見制度 任意後見制度 後 見 保 佐 補 助 任 意 成年後見制度 法定後見制度 任意後見制度 後 見 保 佐
後 見 保 佐 補 助 本人の事情に応じて 選択       法定後見制度       任意後見制度 後 見 保 佐 補 助 (著しく不十分) (不十分) (通常欠けている) ※( )内は判断能力 任 意 (問題なし)

26 法定後見制度の概要 後 見 保 佐 補 助 家庭裁判所の選任による (一般的には親族、法律・福祉の専門家など) 判断能力
法定後見制度の概要  後 見 保 佐 補 助 判断能力 精神上の障害により、 判断能力【事理弁識能力】が欠けている のが通常の状態の者 精神上の障害により、判断能力【事理弁識能力】が著しく不十分な者 精神上の障害により、判断能力【事理弁識能力】が不十分な者 支援者の名称 後見人 保佐人 補助人 法定後見人は誰がなるか 家庭裁判所の選任による (一般的には親族、法律・福祉の専門家など) 取消権の対象※1 日常生活に関する行為以外の行為 民法13条1項 各号所定の行為 申立ての範囲内で家庭裁判所が定める   「特定の法律行為」 代理権の対象※2 財産に関するすべての法律行為 申立ての範囲内で家庭裁判所が定める   「特定の行為」 ある物事の実態やその考えられる結果などについて理解でき、自ら有効な意思表示ができる能力を意味する表現。事理を弁識する能力。主に民法の中で用いられる表現。 第13条(保佐人の同意を要する行為等) 1 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。 (1)元本を領収し、又は利用すること。 (2)借財又は保証をすること。 (3)不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。 (4)訴訟行為をすること。 (5)贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。 (6)相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。 (7)贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。 (8)新築、改築、増築又は大修繕をすること。 (9)第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。 ※1本人が成年後見人の同意を得ないでした契約は取り消すことができる ※2本人に代わって契約等の行為を成年後見人等がする権限をいう。本人がしたものとして取り扱う

27 法定後見制度の概要 (具体的行為の範囲) 種類 ○ 財産管理 ✖ 身上監護 その他 性質 具体的行為 対象の有無 事実行為としての財産管理
法定後見制度の概要 (具体的行為の範囲) 種類 性質 具体的行為 対象の有無 財産管理 事実行為としての財産管理 ・預金の管理等 ・年金等の社会保障給付の受領 ・保険や有価証券の管理 等 財産に関する法律行為 ・売買契約 ・賃貸借契約 ・消費貸借契約  ・保証契約 ・請負契約 等 財産に関する公法上の行為 ・税金の申告及び納付 ・登記手続き 等 身上監護 事実行為としての身上監護 ・食事 入浴 看病 着替え 等 身上監護に関する法律行為 ・医療契約 ・介護契約 ・施設入所契約 等 身上監護に関する公法上の行為 ・要介護認定の申請 その他 訴訟行為 ・裁判の原告や被告になる 等 身分行為たる法律行為 ・結婚 ・離婚 ・養子縁組 ・離縁 等 単独行為たる法律行為 ・遺言の作成 等 その他の事実行為 ・睡眠 読書 散歩 等

28 後見・保佐・補助 成年後見人の主な職務は本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら,財産を 適正に管理し,必要な代理行為を行うこと。  成年後見人は,申立てのきっかけとなったこと(保険金の受取等)だけをすれば よいものではなく,後見が終了するまで,行った職務の内容(後見事務)を定期的に 又は随時に家庭裁判所に報告しなければならない。家庭裁判所に対する報告は, 本人の判断能力が回復して後見が取り消されたり,本人が死亡するまで続く 後 見 保佐人の主な職務は,本人の意思を尊重し,かつ,本人の心身の状態や生活状況 に配慮しながら,本人が重要な財産行為を行う際に適切に同意を与えたり, 本人が保佐人の同意を得ないで重要な財産行為をした場合にこれを取り消したり すること。代理権付与の申立てが認められれば,その認められた範囲内で代理権 を行使することができる 保 佐 補助人は同意権付与の申立てが認められれば,その認められた範囲の行為に ついて,本人がその行為を行う際に同意を与えたり,本人が補助人の同意を 得ないでその行為をした場合にこれを取り消したりすることができる。代理権付与の 申立てが認められれば,その認められた範囲内で代理権を行使することができる 補 助

29 成年後見事件の概況【平成25年家庭裁判所処理状況】
(件) 2000年度 2001 年度 2002 年度 2003 年度 2004 年度 2005 年度 2006 年度 後見開始 7451 9297 12746 14462 14532 17910 29380 保佐開始 884 1043 1521 1627 1687 1968 2030 補助開始 621 645 737 805 784 945 859 任意後見 監督人選任 51 103 147 192 243 291 360 合計 9007 11088 15151 17086 17246 21114 32369 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 後見開始 21151 22532 22983 24905 25905 28472 28040 保佐開始 2235 2539 2837 3375 3708 4268 4510 補助開始 916 947 1043 1197 1144 1264 1282 任意後見 監督人選任 425 441 534 602 645 685 716 合計 24727 26459 27397 30079 31402 34689 34548 2006年までは4月~翌年3月までの年度集計 2007年より1月~12月の暦年集計です。 最高裁判所「成年後見関係事件の概況」より

30 任意後見制度と契約  本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自ら選んだ代理人(任意後見人受任者=任意後見人)に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約のこと ※公証人の作成する公正証書で結ばなければならない 任意後見契約とは? 認知症 など (任意後見)受任者 (一般的に家族や 福祉専門家など) 委任者 委任者 親族等が任意後見監督人の選任を家庭裁判所に申し立て 委任者の死亡 任意後見人の死亡 任意後見人 効力発生 後見終了 任意後見監督人は任意後見人の権限乱用を防止するため、任意後見人を裁判所に変わって監督する役目 任意後見監督人 (一般的に法律専門家) 家庭裁判所が選任

31 であれば、誰でも委任者になることができる
任意後見契約の当事者の資格要件 委任者 (本人) 意思能力(≒判断能力)を有している人 であれば、誰でも委任者になることができる 受任者 (任意後見人) 法律上の制限はありません。一般的には、本人の親族もしくは知人、弁護士もしくは司法書士等 の福祉の専門家が、任意後見人になることが多いと思われる  FPは広範囲の知識を持っているため、任意後見人には相応しいと考えられます。しかし、任意後見契約とは、あくまでも生活・療養看護・財産に関する事務全般を本人の代理人として行うことであり、金融・資金計画・資産運用を本人にアドバイスすることではないため、注意が必要です!!

32 任意後見制度の費用とメリット・デメリット
○任意後見制度は必ず公証人役場で公正証書を作成する必要があります。公正証書を作成  する費用は以下のとおりです。  (1)公正証書作成の基本手数料⇒1万1,000円  (2)登記嘱託手数料⇒1,400円  (3)登記所に納付する印紙代⇒2,600円 ○任意後見人・任意後見監督人への報酬として、各々通常月額3万円程度の金銭負担 メリット デメリット 1.本人の意思で信頼できる方を任意後見人、任意後見監督人に選任することができる 1.任意後見人受任者が同居の親族でないような場合には、本人の判断能力が減退したかどうかの把握が不十分になる可能性がある 2.不利益になる契約を締結してしまうリスクがなくなる 2.本人の判断能力が減退したことを知りながら、任意後見監督人の選任申立てを行わない可能性がある 3.公的機関が関与する ・任意後見契約書は、公証人が公正証書を作成し、公証役場にて原本を保管 ・任意後見契約書の内容は(法務局に)登記されるため、任意後見人の地位が公的に証明 ・家庭裁判所が任意後見監督人を選任。家庭裁判所は、任意後見監督人を通して任意後見人を監督 3.法定後見制度のような「取消権」がない 費用が必要なため実際にはなかなか進まない・・お金を払ってまで・??? 公正証書で詳細に今後のライフプラン的なものを決める(どうしていきたいのか?)・・このまま亡くなるまで

33 委任契約と任意後見契約 委任契約 + 任意後見契約 をセットで!
(問) 年を取って足腰が不自由になったり、身体能力が衰えて、何事をするにも不自由を感じるようになった場合に備えて、あらかじめ、誰かに財産管理等の事務をお願いしておきたいのですが、これも任意後見契約でまかなえますか? (回答)任意後見契約は、判断能力が低下した場合に備えた契約なので、ご質問のような場合には、任意後見契約によることはできず、通常の「委任契約」を締結することにより、対処することになります。  そして実際には、このような通常の委任契約を、任意後見契約とともに併せて締結する場合が多いのです。(契約見本参照)  理由は、任意後見契約は判断能力が衰えた場合に備えるものなので、判断能力が低下しない限りその効力を発動することがありません。しかし人は年を取ると、判断能力はしっかりしていても、身体的能力が衰え、何事にも不自由を感じるようになってきます。極端な話、寝たきりになってしまえば、いくら自分の預貯金があっても、お金をおろすこともできません。そのような事態に対処するためには、判断能力が衰えた場合にのみ発動される任意後見契約だけでは不十分です。通常の委任契約と、任意後見契約の両方を締結しておけば、いち早く気づくことができ、どちらの事態にも対処できます。そして判断能力が衰えた場合には、通常の委任契約に基づく事務処理から、任意後見契約に基づく事務処理へ移行することになります。 委任契約 任意後見契約 をセットで! 受任者 委任者

34 後見制度支援信託(平成24年2月スタート)  法定後見制度および未成年後見制度の被後見人を対象とし、被保佐人・被補助人・任意後見制度の本人は対象外となります。 また家庭裁判所へ後見開始の申し立てがされていることが前提となり、家庭裁判所が指示書を後見人に発行します。その指示書を信託銀行等に提示のうえ契約となります。管理できる財産は金銭に限定されており、安定的に運用するために元本補てん付の指定金銭信託を利用します。 定期交付・一時金交付 信託財産の返還 本人 後見人 (法定代理人) 定期交付・・・契約で定められた金額を定期的に交付 後見人はこの口座から生活費等日常必要な支出をし不足する場合などは一時金を請求 後見人が管理する 預金口座 信託銀行等 (受託者) 一時金交付等の請求 信託変更の届け出 日常的支出に充当 指示書 指示書が必要な手続き  一時金交付  定期交付金額の変更  信託財産への金銭の追加  信託の終了(解約) 報告 家庭裁判所 施設等

35 著者:公証人 遠藤英嗣(えいし) 日本加除出版(株)
相続財産の管理 家族信託 参考文献「新しい家族信託」  著者:公証人 遠藤英嗣(えいし) 日本加除出版(株)

36 信託は財産を「守る」 「活かす」「遺す」を 一つの制度で達成
信託とは?  信託とは、ある人(「委託者」という)が、自分が有する一定の財産※を信頼できる人(「受託者」という)に託し(名義を移し)、この託された人において、その財産を一定の目的に従って管理活用処分し、その中で託された財産や運用益を特定の人(「受益者」という)に給付しあるいは財産そのものを引渡し、その目的を達成する法制度である【財産管理の一手法】 ※移転ができる特定の財産で、金銭的価値に見積もり得るものなら何でもOK 委託者 受益者 財産 受託者 運用益や 財産自体を 承継する者 財産の 提供者 財産の管理・運用する者  財産を「守る」制度・・・・・任意後見制度  財産を「遺す」制度・・・・相続・贈与・遺言  財産を「活かす」制度・・・・・なし 信託は財産を「守る」 「活かす」「遺す」を 一つの制度で達成

37 信託の簡単な仕組み 受託者監督人 受益者代理人 受益者保護関係人 委託者=受託者は自己信託 委託者 受託者 受託者に 財産移転 =名義変更
管理・運用 委託者=受益者は自益信託 受託者監督人 受益者 運用益や財産を 受給 受益者代理人 受益者保護関係人 委託者=受託者=受益者は自益型自己信託 (三者一体型)

38 「家族信託」の活用とメリットⅠ 1.家族信託は長期にわたる「受益者」に対する支援が可能
高齢の配偶者、認知症の配偶者への生活費や医療費等を確実に給付できる。また知的障害者等の財産を管理処分し、彼らが死亡するまで安定した生活を確保するための機能を有している。 2.支援を必要とする「受益者」への財産の給付が確実になされる 信託における利益分配機能は、上記の高齢配偶者や認知症配偶者・障害者等に、生活費等を必要な都度給付できる。 これは受益者(子供)やその配偶者等に浪費癖がある場合にも、必要な時期に一定の限度で生活費の給付ができることは、委託者(親)の思いが達成できる。 3.遺言と同じように委託者の死後の財産配分が決められる 委託者が生前に受託者との間で信託契約を結び、財産の全部または一部を信託し、委託者自身が死亡までは自身が受益者(自益信託)となって財産の給付を受け、死亡時には契約で定めた受益者が財産の給付を受ける。 いわゆる「遺言代用信託」と言い、遺言制度を使わずに本人の死亡後における財産分配を信託によって達成する。遺言のように法で定める厳格な様式・行為が不要となる。

39 「家族信託」の活用とメリットⅡ 4.相続(民法)にとらわれない財産承継ができる 5.信託財産は誰のものでもない! 債権者からも財産を守れる。
最初の受益者死亡により、その権利が次の受益者に移転できる。 一つは「後継ぎ遺贈型信託」で、例えば先妻の子と後妻がいる場合、自宅を信託財産にして当初の受益者を後妻に指定、後妻死亡後に先妻の子を受益者にあらかじめ指定しておく方法。 また受益者をあらかじめ指定せず、受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する  「受益者連続信託」もある。(信託設定から30年経過時点以降の受益者の死亡まで) 5.信託財産は誰のものでもない! 債権者からも財産を守れる。 信託財産は委託者本人の手から離れ、受託者の所有・名義になる。しかし受託者自身の固有財産になるわけではない。また利益を受け取る受益者のものでもない。 したがって委託者・受託者それぞれの債権者からも信託財産を守ることができるという機能がある。これを信託財産の「倒産隔離機能」と言う。(委託者の遺言対象財産にもならない) 6.信託は当事者の死亡によって終了しない! 一般的に契約(委任契約など)は、当事者(委託者・受託者)の一方が死亡すれば、原則終了する。しかし信託の場合は、当事者の死亡後も信託に影響がない。むしろ遺言信託のように委託者の死亡によって始まるものもある。 このことによって1.の長期にわたる支援が可能となる。

40 【事例】 子供のない高齢の夫婦の老後の安心設計
【事例】 子供のない高齢の夫婦の老後の安心設計 福祉型金銭管理自己信託 目的 老後の生活資金・老人ホーム等の入居費用に充てる。夫婦の老後の安心設計 当事者 委託者・・・夫 受託者・・・夫 第二受託者・・・親族T  (夫の成年後見開始後) 受益者・・・夫・妻 残余財産受益者・・親族T  財産 自宅不動産 預貯金・有価証券 受益者(妻) 委託者(夫) 第二受託者 (親族T) 受託者(夫) 受益者(夫) 成年後見開始後 残余財産受益者  夫が痴呆になった場合に、財産管理を任せることで安心した老後を過ごしたい!

41 相続人である妻死亡後に、妻の相続人に渡したくない。財産を自分の血族に!
【事例】 子供のない高齢の夫婦の財産承継 受益者連続型信託 目的 自分の死後不動産は自分の血族である甥に譲りたい 当事者 公正証書遺言により         信託を設定 委託者・・・夫 受託者・・・甥(夫死後) 受益者・・・妻 妻死亡後信託終了 残余財産帰属先・・甥  財産 自宅不動産 預貯金・有価証券 受益者(妻) 委託者(夫) 受託者 (甥) 残余財産帰属先 (甥) 相続人である妻死亡後に、妻の相続人に渡したくない。財産を自分の血族に!

42 【事例】 認知症リスクをふまえた老後の安心設計
【事例】 認知症リスクをふまえた老後の安心設計 福祉型財産管理自益信託 目的 老後の生活資金 夫婦の老後の安心設計 当事者 委託者・・・父 受託者・・・長男 第一受益者・・・父 第二受益者・・・母 残余財産受益者・・長男   (遺留分に注意) 財産 収益不動産等 委託者(父) 受託者(長男) 第一受益者(父) 第二受益者(母) 父親の死後 痴呆になった場合に子供に財産管理を任せ、自分の死後も妻が安心して暮らせるように!

43 【事例】 財産を妻から先妻の子へと将来まで指定
【事例】 財産を妻から先妻の子へと将来まで指定 家産承継遺言信託 自宅 信託財産 先妻 離別 委託者 (夫) 先妻の長男 第1受益者 第2受益者としてあらかじめ指定 妻死亡後 受託者 (親族) 目的 後妻が亡くなった後は、前妻の子に財産をあげたい 当事者 委託者・・・夫 受託者・・・親族・専門家 受益者  第一次受益者・・・妻  第二次受益者・・・長男 財産 自宅不動産  自分の死後妻が安心して自宅で暮らせるように!

44 【事例】 親亡き後の障害者を支援するための信託
【事例】 親亡き後の障害者を支援するための信託 障害者支援福祉型信託 受益者(娘) 障害者 委託者(父) 受託者(親族) 専門家 指定された残余財産受益者 もしくは寄付等 残余財産の給付 受益者代理人を指名 目的 遺言信託を設定 自分の死後の娘の生活を支援するため 娘の意思表示が困難であることと、信託財産が多額であることから、受益者代理人(場合によって受益者監督人)を指名 当事者 委託者・・・父 受託者・・・親族・専門家 受益者・・・娘 残余財産受益者・・指定さ   れた者もしくは寄付等  財産 自宅不動産 賃貸不動産 預貯金  障害者の子どもが安心して生活ができるように!

45 【事例】 親亡き後の障害者支援(自益型自己信託)
【事例】 親亡き後の障害者支援(自益型自己信託) 障害者支援福祉型自己信託 委託者(父) 目的 背景 知的障害者(長女)の生活の支援 当事者 委託者・・・父 受託者・・・父 第二受託者・・次女(父の   後見開始または死亡) 受益者・・・父・長女 第二受益者・・次女  財産 不動産(駐車場) 預貯金 母死亡 死亡または成年後見開始後 受託者(父) 第二受託者 (次女) 第二受益者 受益者(父) 受益者(長女) 障害者   自分が死亡したり痴呆になった後、次女が引き継ぎ財産を守るように!

46 【事例】 母死亡後の未成年者の財産を守るための信託
【事例】 母死亡後の未成年者の財産を守るための信託 未成年者養護信託 受益者(子) (未成年者) 受託者 (母親の親族) 委託者(母) 子が成人に達したら 信託終了!! 残余財産の給付 目的 背景 母の死後離婚した元夫が親権者となり母の財産を引き継ぐことを防ぐため。子供が成人に達したあとは、子供名義に変更 当事者 委託者・・・母 受託者・・・母親の親族 受益者・・・未成年の子 信託期間は子供が成人に   達するまでの期間 財産 居住用不動産(自宅マンション) 預貯金  未成年の子の財産を元夫(子の父)から守るために!

47 【事例】 浪費家の子を守るための遺言信託 遺言信託 浪費家の子どもが相続した財産を一度に使ってしまわないために! 受益者(子) (浪費家)
【事例】 浪費家の子を守るための遺言信託 遺言信託 受益者(子) (浪費家) 受託者 (知人の専門職) 委託者(母) 母親の死後、分割しての支払い 信託財産 子供の死後、残余財産があれば福祉施設に寄付 目的 背景 母親と子の二人暮らし 母親は父親の財産を相続し、その財産を浪費家の子どもが計画的に使えるように! 当事者 委託者・・・母 受託者・・・知人の専門職受益者・・・子 子の死亡時に残余財産があれば、福祉施設に寄付 財産 自宅不動産 預貯金  浪費家の子どもが相続した財産を一度に使ってしまわないために!

48 子が先に亡くなり、生前贈与した財産が子の相続人(妻や子)にいかないために!
【事例】 子が先に亡くなるリスク対策 受益者連続型信託 目的 背景 後継者に生前贈与した自社株(不動産等)の分散防止 後継者(子)の先に亡くなるリスク対策 当事者 委託者・・・子 受託者・・・父 受益者・・・子 子が亡くなった場合 第二受益者・・父 財産 不動産 自社株等 受託者 (父) 第二受益者 (父) 子の 配偶者 委託者(子) 受益者(子)  子が先に亡くなり、生前贈与した財産が子の相続人(妻や子)にいかないために!

49 生命保険で納税資金の確保が必要。また信託財産も遺留分侵害は容認されず、分割対策で生命保険の活用も必要
信託の課税 信託設定時の課税は、基本的に「受益者」に課税される 受益者にみなし贈与税課税 権利はあるが受益がない場合でも課税される。また元本受益権を取得していないが全部の価格に対して課税される パススルー課税 財産の名義人である受託者への課税はなし 受益者 委託者 受託者 従って、「委託者=受益者」にする形。いわゆる自益信託にすれば、設定時の課税は生じないため、このケースの事例が多い。しかし・・・ 委託者=受益者 死亡時 財産の取得者に相続税課税 生命保険で納税資金の確保が必要。また信託財産も遺留分侵害は容認されず、分割対策で生命保険の活用も必要

50 「家族信託」の問題点 信託契約において、一般にまだ馴染めない点、今ひとつ躊躇する点がいくつかあり、今後の法整備等に期待をしながら、現状の問題点を挙げてみた。 ① 信託の設定において、財産の名義を受託者に移す点に十分な理解が得られない。管理の問題等。 ② 金銭や預貯金を信託する場合、委託者から受託者に移すことになるが、その際、信託財産としてこれを預託等の手続きをとってくれる金融機関が少ない (受託者による「信託口」口座の開設に消極的な金融機関が未だ多い)・・・金銭等を預託することが難しいのであれば、なかなか普及しないのでは? ③ 受託者などに弁護士等の専門家に依頼ができない。信託業法の縛り(資格制限規定3条)が有り、専門家が業としてできないためである。 ④ 委託者の意思能力がなくなった場合(信託契約に明記されていない場合)に信託契約はどうなるのか? 特に自益信託・自己信託では、信託は終了か?  ⑤ 信託(家族信託)は遺言や成年後見制度の足りない点を補う点で、相続対策に有効だが、税金対策(納税・分割)には効果が無い。したがって、生命保険を組合わせることにより、確実な対策となるのではないか?

51 執筆:実践保険販売コース(経済法令研究会)
株式会社シャフト 取締役 セミナー統括部長 山 本 直 子 yamamoto naoko 1972年  1996年  2007年  2012年  CFP®(日本FP協会認定) 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 ■ 大阪FP実践塾 社内セミナー ■ 生保営業マンのためのコンサルティングセールス講座   * 法人への保険提案と生命保険活用   * 生命保険にまつわる税務徹底研究   * 相続対策と生命保険の活用    * ライフプランとセカンドライフ  明治生命(現明治安田生命)に入社 チャレンジポストにて営業教育部FPに就任 同行支援、セミナー等実施 営業所長等を経て銀行窓販部門に着任 全国で銀行の本部行員研修や顧客セミナーを実施 6月定年退職 7月株式会社シャフトに入社 ■ 生保営業マンのためのステップアップ講座 執筆:実践保険販売コース(経済法令研究会)   法人開拓提案編 (セールス手帖社) 1.本資料の著作権は、株式会社シャフトが保有しています。 2.本資料は著作権法による保護を受けており、本資料の使用者は、本資料の全部又は   一部を株式会社シャフトの許諾なく無断で利用できません。 3.本資料の内容の改ざん・Copyrightの削除・ロゴマークの改変を行うことは禁じられています。 4.FP塾プレミアム会員に対しては、本人の営業活動に限り、使用を許可しています。   (ただし、各保険会社等に募集文書登録の許諾を受けたものではありません。   別途、会員ご自身で募集文書等の登録申請が必要です) 5.会員自身のセミナー等で資料を使用する際には、当社への申請書の提出が必要となります。 6.本資料は、作成日現在の情報に基づいて作成しております。   したがって、 数値等においては将来改訂される可能性が十分ありますのでご留意ください。 7.本資料で提供する情報について、その取扱いには十分注意しておりますが、   当社は利用者等が提供情報に関連して被った損害等について一切の責任を負いません。 6.本資料へのお問い合わせについては、株式会社シャフトまでご連絡ください。 著作・制作: 株式会社シャフト 〒  大阪市北区中津1-2-18 ミノヤビル7階 TEL:  FAX: URL 【FP塾】 51


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