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電子飛跡検出型コンプトンカメラを用いたステレオ測定によるガンマ線源の 3次元イメージング試験
京大理 水本哲矢, 園田真也, 岸本哲朗, 古村翔太郎, 水村好貴, 中増勇真, 髙田淳史, 竹村泰斗, 谷森達, 吉川慶 目次 目的と電子飛跡検出型コンプトンカメラ (ETCC) について ETCC 1台で2方向から測定した結果 (3次元画像解析方法の検討) ETCC 2台によるステレオ測定の結果 まとめ 日本物理学会 2017年3月19日(日) 19pK23-11
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ガンマ線イメージングと電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)
核医学イメージング装置 コンプトン 散乱体 散乱ガンマ線 吸収体 PET (ポジトロン断層法) →電子陽電子対生成を起こす製剤しか利用できない SPECT(単一光子放射断層撮影) →低エネルギー(300KeVまで)のγ線しか扱えない。 ETCCの概念図 ・コンプトン散乱体: ガス飛跡検出器TPC →反跳電子のエネルギー、飛跡を取得 ・散乱ガンマ線吸収体: GSOシンチレータ →散乱γ線のエネルギー、吸収位置を取得 →コンプトン散乱の再構成に必要な情報をすべて取得。1イベント毎に入射γ線の 到来方向、エネルギーを再構成可能 →使用できる薬剤が制限される。 広いg線エネルギー範囲で撮像可能な検出器が望まれる。 また、陽子線治療、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)等での治療の効果の確認に3次元g線画像取得可能な装置が望まれる。
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電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)
電子飛跡の例 15.4 cm 10 cm TPCドリフトケージ Drift top TPCガス容器 電子drift 方向 ~15 cm μ-PIC ~33 cm ~50 cm 400 µm GSOピクセルシンチレータアレイ(8×8 pixels) Pixel size 6 x 6 x t26 mm3 シンチレーションカメラ全体 48 mm ~15 cm ETCC検出器全体写真 (今回実際に測定に使用したもの) 64 ch multi anode PMT 浜松ホトニクス H8500
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ETCC1台で2方向から測定 (1/4) y x 150 cm Position A 20 cm 2.4 cm 15 cm
視野方向 ETCC 橙色: TPCドリフト領域 (ガス容器内) 10 cm×10 cm×15 cm 150 cm 20 cm 2.4 cm 15 cm Position B x y アルミニウム板 (ETCC固定用) 測定対象物 (Cs-137、Na-22等) 散乱ガンマ線吸収体 (シンチレーションカメラ) 今回使用した座標系 (アルミ板表面 z=0) アルミニウム台 (測定対象物設置用) Position A Position B 視野方向 ETCC 34 cm
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Position Aの測定におけるdE/dx分布( TPCデータ)
ETCC1台で2方向から測定 (2/4) Cs-137線源1個( 0.84 MBq、座標(0,80,109)) のデータ Projection平面 (position Aの場合) Position Aのデータ 662 keVピーク Energy resolution (FWHM): 11.4% 線源 視野中心方向 測量で求めた 線源の位置 g線イベント選別条件 1.TPC dE/dxカット 2.TPC fiducial volume cut 3.ETCC energy cut 4.その他(シンチレータ 複数同時イベント除去など) Position Bのデータ 662 keVピーク Energy resolution (FWHM): 11.2% Position Aの測定におけるdE/dx分布( TPCデータ) A: Cosmic muon etc. B: escape e- etc. C: fully contained e- Track range [mm] A B C Energy of charged particles [keV] (TPC) 測量で求めた 線源の位置 ETCCエネルギースペクトル (反跳電子エネルギー+散乱ガンマ線エネルギー) ETCC視野中心軸に対して垂直、かつ 線源を含む平面への再構成ガンマ線 back projection image (662 keV ± 10%) → 2方向のデータを用いて3次元g線イメージを描きたい
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3次元ガンマ線画像の導出方法 2 1 1 2 2 + → 再構成された 入射ガンマ線の飛跡 基本的な流れ
手順1:等間隔で再構成g線飛跡をサンプリングし、 各点が入っている3次元小領域のカウント 数を増やす。 手順2:手順1を全イベントで繰り返し行う。 手順3:別の方向から測定したデータについても 手順順1,2を同様におこない、両データを 合成した3次元分布を作成し、ガンマ線 画像を得る。 2 1 1 2 ・手順1でカウント数の加算する際に 1. 単純に1加算する 2. コンプトン散乱点からサンプリング点までの 距離の2乗で重みづけ ・手順3で2方向の測定データの合成の方法として 1. 各要素の単純な足し算 2. 各要素の単純な掛け算 2 3次元空間を binで区切った 一領域 コンプトン 散乱点 1 1 1 2 + →
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→ 今回、「重みづけ有り & 2方向データを掛け算」 でガンマ線画像を描く。
ETCC 1台で2方向から測定した結果 (3/4) Cs-137線源1個( 0.84 MBq、座標(0,80,109)) のデータ 線源に最も近い スライス面 1. 距離の重みづけ無し & 2方向データを足し算 A.U. アルミ台 の断面 スライス画像 (z=一定) (662 keV±10%) 2. 距離の重みづけ無し & 2方向データを掛け算 3. 距離の重みづけ有り & 2方向データを掛け算 → 今回、「重みづけ有り & 2方向データを掛け算」 でガンマ線画像を描く。
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ETCC 1台で2方向から測定した結果 (4/4) a.u. アルミ台 線源1: Cs-137 0.84 MBq 座標(0,80,109)
[mm] 測定系のジオメトリ アルミ台 a.u. g線エネルギー662 keV±10% Position A 測定時間(RT): 1140分 イベント数: 8333 Position B 測定時間(RT): 376分 イベント数: 2288 [mm] → Cs-137線源の3次元位置を確認
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ETCC 1台で2方向から測定した結果 (4/4) a.u. アルミ台 線源1: Cs-137 0.84 MBq 座標(0,80,109)
[mm] 測定系のジオメトリ アルミ台 a.u. g線エネルギー662 keV±10% Position A 測定時間(RT): 458分 イベント数: 5532 Position B 測定時間(RT): 827分 イベント数: 10038 [mm] → 2つのCs-137線源の3次元位置と2線源の明確な分離を確認
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ETCC 2台でステレオ測定 (1/3) y x 150 cm Position A´ (ETCC 1号機) Position B´
30° 20 cm ~16 cm Position A´ (ETCC 1号機) Position B´ (ETCC 2号機) ステレオ測定の実験装置の模式図 線源 ほぼ同等のサイズ、性能のETCCを2台用いてアルミ台の上に置いた線源のステレオ測定による3次元ガンマ線撮像試験を行った。 ステレオ測定の実験装置写真
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ETCC 1台で2方向から測定した結果 (4/4) a.u. アルミ台
線源1: Cs MBq 座標(0, 27.5, 180) a.u. [mm] 測定系のジオメトリ アルミ台 a.u. g線エネルギー662 keV±10% Position A 測定時間(RT): 54分 イベント数: 2610 Position B 測定時間(RT): 49分 イベント数: 1591 [mm] → Cs-137線源の3次元位置を確認
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ETCC 1台で2方向から測定した結果 (4/4) a.u. アルミ台
線源1: Cs MBq 座標(0, 27.5, 180) a.u. [mm] 測定系のジオメトリ アルミ台 a.u. g線エネルギー511 keV±10% Position A 測定時間(RT): 5520分 イベント数: 41592 Position B 測定時間(RT): 5525分 イベント数: 41257 [mm] → 線源強度が低く視野中心から遠いNa-22はピークが低くなっているが、2線源の分離を確認
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まとめ ・核医学イメージング応用に向けて電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)を開発しており、ガンマ線の3次元画像取得を試みた。
→定量性は失われるが点線源の位置がはっきりわかる 「距離の重みづけ有り & 2方向データを掛け算」 を今回試した。 ・Cs-137、Na-22線源を1つ、もしくは2つ置いて2台のETCCでステレオ測定を行い線源位置のイメージングに成功した。 今後の課題 ・画像処理方法の検討による画質の高精細化。 ・検出器の改良による角度分解能、エネルギー分解能の向上 ・データ取得システムの改良による高係数率測定への対応 関連講演 ・µ-PIC開発 谷口 講演 18日 (18pK33-13) ・TPCのガス検討と浄化システム開発 中村 講演 19日 (19pK33-7) ・陽子線治療のリアルタイムモニタリングへの応用 園田 講演 18日 (18pK42-3) ・天体観測気球実験(SMILE-II+)用ETCC開発 竹村、岸本、吉川(髙田)、中増 講演 20日午前
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