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国際宇宙ステーション搭載 全天X線監視装置(MAXI)

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Presentation on theme: "国際宇宙ステーション搭載 全天X線監視装置(MAXI)"— Presentation transcript:

1 国際宇宙ステーション搭載 全天X線監視装置(MAXI)
P59    国際宇宙ステーション搭載   全天X線監視装置(MAXI) 冨田洋、松岡 勝、上野 史郎、片山 晴善、森井 幹雄、横田 孝夫、倉又 尚之、川崎 一義 (JAXA)、 三原 建弘、小浜 光洋、磯部 直樹(理研)、常深 博、宮田 恵美 (大阪大)、河合 誠之、片岡淳 (東工大)、吉田 篤正、山岡 和貴 (青学大)、根来 均 (日大) MAXIのホームページ:  全天X線監視装置(通称MAXI)は国際宇宙ステーションに搭載するX線all-sky monitorで、全天のX線天体を史上最高の感度で監視する。その観測対象は、我々の銀河系内の天体だけでなく、銀河系の外の天体にも及び、広く宇宙で起こっているダイナミックな振る舞いを調べることが初めて可能になる。MAXIによって全天1000個を越えるX線天体の1時間から1年にわたるX線強度の監視が行なわれる。 急に増光するX線新星やガンマ線バーストなど突発的な天体は、即時にデータを解析してインターネットを通して世界に速報され、Astro-E2を含めたいろんな望遠鏡で早期に詳しい観測が可能になる。本ポスターではMAXIとMAXIで可能な観測対象について紹介する。 MAXIの打ち上げと国際宇宙ステーション  スペースシャトルが事故から復活し、国際宇宙ステーションの建設もまもなく再開する。MAXIはステーションの日本実験モジュール(通称きぼう)と一緒にシャトルで打ち上げ、船外パレットに取り付けられ観測を行う。打ち上げは2008年度の予定である。MAXIには一次元の位置検出型の比例計数管(GSC:2-30keV)とCCDカメラ(SSC:0.5-10keV)が搭載されトータル0.5-30keVの領域で観測を行う。GSCの特色は大きな有効面積を生かした感度の良さで、SSCはエネルギー分解能である。下の図はX線天体の明るさを距離の関数で示したものである。MAXIでは銀河系外のAGNまでall-sky monitorとして観測が可能になり、その動的な研究も可能となる。MAXIで1日観測したときの全天マップも示す。各X線イベントの位置決定精度は1°程度だが、統計が十分なら天体位置は0.1°以内で決まる。 MAXIのDiscovery Space 下図は各All-sky monitorの感度とモニタ頻度を書いたものである。  銀河系からAGNへ ブラックホール周辺の物理量の多くはブラックホール質量で規格化され、観測される性質はブラックホール質量により単純にスケーリングされたものであることが期待される。これまでにも連星系ブラックホール (SMBH) と大質量ブラックホールの間には類似した特徴が指摘されて来たが、依然、単純なブラックホール物理から期待されるはっきりとした特徴は見つかっていない。単純に比較するなら簡単なマススケーリングするとAGNでは年を越えるオーダーでの系統的な観測が必要になる。MAXIでこれがはじめて可能になる。MAXIでは十分なスペクトルも得られ、系内ブラックホールの時間変動研究をそのままAGNへ適応し、モデルの検証が可能となる。 1h 1d 1w 1y 1Crab 100mC 10mC 1mC MAXI XTE/ASM Discovery space     for MAXI 10y タイムスケール HEAO-1 A1 X-ray nova CI Cam Her X-1 Be Binary recurrent Be Binary Ariel V Ginga/ASM X線源の 明るさ 2-10keVの全天モニタの感度とモニタ頻度 MAXI1日の観測で検出(GSC) これまでのASM 規格化されるブラックホール周辺の諸性質の例 時間変動  降着円盤のあらゆるタイムスケールについて成立する。 状態  これより、降着円盤での自由自由吸収による光学的厚さは、M-17/8 に比例し、自由散乱による厚さは、 M-1 に比例する。 長期にわたって活躍しているXTE/ASMは全天を網羅できる感度が50mCrab程度である。この深度で定常X線源は23個、トランジェントは1観測あたり平均2.4個である。MAXIはその20倍の感度なのでX線源数は201.5=90倍に増えるであろう。ざっと定常X線源が1000個、トランジェントが平均100個である。 トランジェント天体とMAXI  X線天文学の歴史を見るに、トランジェント天体で知見が一気に広がったという例が多い。X線天体の変動は不規則であるので、明るくなったのを検知して、その放射を集中的に研究してきたという経緯がある。1つには単に明るいことを利用したということであるが、もう1つには、ある運動を調べたければそのタイムスケールで見なければならないということがある。例えば、降着円盤全体の不安定性は1時間から1週間、あるいはそれ以上の変動に現れる。  トランジェントと言っても系に応じていろんなタイムスケールがある。変動は各X線源でまちまちなので、いろんなタイムスケールで監視しなければならない。  X線天体も系が銀河団などと大きくなると、その変動は期待できない。運動のスナップショットを数多く撮って研究することになる。AGNのように108Moのブラックホールだと微妙なところで、典型的な1日という観測時間では短すぎる。そこで高感度全天モニタの出番となる。 トランジェント天体と発見 I型X線バーストの光度    NGC6624 X線新星の降着円盤  A GS Beバイナリパルサーのサイクロトロン共鳴線 X ジェット天体の鉄吸収線   GRS ブレーザーのシンクロトロン放射と逆コンプトン放射 Mkn421 ガンマ線バーストの正体解明    GRB GRB030329 温度 (スペクトル)   前者は陽子が Schwarzschild Hole に消えるまで得る最大のエネルギ−は 1/12 mc2 であることから。後者は光学的に厚い降着円盤の場合に成立する。 GSCの一日分のデータで得られる全天イメージ(広がった天体、バックグランドは除く)。シミュレーションによる。 ASCAによるGX339-4の32秒分のライトカーブ。107太陽質量だとこれが1年分のタイムスケールになる。MAXIが最も力を発揮する時間スケールである。 All-Sky Monitor 新時代  MAXIが2008年に打ち上げられ、2年以上稼動する同時期には、GLAST(アメリカ)、Astro-sat(インド)が動いているはずである(下図)。GLASTはGeVの広視野の観測装置であり、Astro-satにはXTE/ASMのような小型の全天モニタが搭載される。XTE/ASMはまだ動いているかもしれない。INTEGRALは広視野の装置を持ちまだ動いているだろう。ガンマ線バースト衛星Swiftもまだ動いているかもしれない。これらは感度が低いが、独自の時間スケール、エネルギー帯をカバーする。 ブレーザー天体などのGeV天体の放射を理解するにはX線の観測が必要不可欠である。GLASTの感度と、明るいAGNまでモニタできるようになったMAXIの感度は同程度(1mCrab)であり、よきパートナーである。これにより10keV X線と GeVガンマ線の全天無バイアス観測が実現する。Lobsterも加われば1keV X線も追加される。銀河系内天体のみならず、系外天体も含めた「本日の宇宙X線天体の活動状況」 「宇宙の高エネルギー天体の動的なカタログ」が実現する。 MAXIでの全天サーベイ  MAXIの全天モニターは同時に全天サーベイでもある。硬X線ではHEAO-1と同程度(1mCrab)が見えSwift等ライバルもいる。低エネルギーでは空間分解能ではROSATに劣り、時間変動がない限り新天体発見の確率は大きくないが、CCDを用いたエネルギー分解能で上回るため、大きく広がった天体、たとえばgalactic ridgeやlocal bubbleに大きな期待ができる。特性X線だけで地図の作成も可能で、銀河系や太陽系近傍の元素分布やプラズマ診断が可能となろう。 MAXIを用いた高感度・長期X線変動モニタ 105 104 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 MAXI ASTRO-E2 Swift INTEGRAL GLAST Chandra XMM-Newton Lobster RXTE 現在 Astro-sat 103 天体のX線強度 [mCrab] MAXI以前の感度 102 X線新星出現 ! 1周回 101 1週間 1 MAXIの感度 100 200 上図は軟X線での全天マップ(Snowden etal ApJ 1997)とCCDスペクトル(Markevitch et al ApJ)である。MAXIでは空間分解能はROSATに劣るもののCCDのスペクトルが全天で得られる。    時間 [ days ] MAXI以前は観測できなかった遠方のX線新星を発見し、その光度変化を追うことができる。X線新星のサンプル数が飛躍的に増加する。明るい新星は、増光前、増光後のより暗い時期まで監視できる。


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