Download presentation
Presentation is loading. Please wait.
1
機関リポジトリ ~学術コミュニケーションの変革
杉田茂樹 国立情報学研究所開発・事業部コンテンツ課文字情報係
2
本日の内容 学術コミュニケーションの危機 学術コミュニケーションの変革 機関リポジトリ(Institutional Repository)
3
学術雑誌は学術研究に不可欠 “Philosophical Transactions” 1665年創刊 英国オックスフォード研究者グループ
今日まで研究成果公表の重要な手段 現在:世界中で17万誌(非学術誌を含む逐次刊行物総体)が流通
4
価格は高騰,タイトルは半減 大手商業出版社の市場寡占化 → 価格高騰/購読中止の悪循環 過去10年間で外国雑誌の受入タイトル数はほぼ半減
大手商業出版社の市場寡占化 → 価格高騰/購読中止の悪循環 過去10年間で外国雑誌の受入タイトル数はほぼ半減 研究者が必要とする学術情報が大学において入手できない事態
5
全国大学 外国雑誌受入タイトル数
6
電子ジャーナル時代の到来: 新たな負担の重圧
学術雑誌電子化の急速な進展 主要学術雑誌の多くが電子ジャーナル化 印刷・流通コスト低減による低価格化? 冊子体との抱き合わせ価格設定 → さらなる経費負担の重圧
7
電子ジャーナル化は 価格高騰問題を解決しない
国立大学図書館協議会電子ジャーナル・タスクフォース発足(2000) 大手商業出版社との協議 価格高騰の部分的抑制等の一定の成果 Price Cap(値上げ率の上限設定)が最大の努力 各大学での取り組み 全学的な重複購入雑誌の調整,予算確保 特効薬ではなく対症療法,値上がりは続く
8
コントロール機能の喪失 学術コミュニケーションの危機(雑誌価格の高騰のみではない)
学術論文の評価,編集,流通プロセスの全体を出版社がコントロール 価格設定のプロセスに研究者は関与不能 論文の著作権までもが出版社に譲渡 学術コミュニケーションのコントロールが,本来主役であるはずの研究者の手から失われている
9
学術コミュニケーションの変革 学術コミュニケーションに対する意識改革 出版社主導のシステムから研究者中心のシステムへ
大手商業出版社に頼らない自立した学術コミュニケーション・システムの確立
10
SPARC活動 The Scholarly Publishing and Academic Resources Coalition
SPARC(米国),SPARC/Europe(欧州),SPARC/JAPAN(日本) 競争誌の刊行 Organic Letters(米国化学会) Tetrahedron Letters(Elsevier社)に対抗 3分の1の価格,はるかに凌ぐインパクトファクター
11
機関リポジトリ (Institutional Repository)
SPARCと同じ思想的基盤 個々の研究者の原著論文等を所属の大学からネットワーク公開し,だれもが自由に閲覧できるシステム リポジトリ間のデータ交換,可視性向上 原著論文,雑誌掲載論文,紀要論文,学位論文,研究報告書,学会発表スライド,実験・統計データ,電子教材,講義資料…
12
基本的な枠組み 研究者 機関リポジトリ管理者 外部サービス連携 内外研究者等 二次情報整備 投稿 機関リポジトリ 閲覧 長期保存
13
期待される効果 学術コミュニケーションの変革 大学からの情報発信強化 世界的なリポジトリのネットワーク 無料でアクセスできる学術論文の増加
商業出版社の寡占システムの代替 大学からの情報発信強化 統一的な情報発信窓口として機能 社会への説明責任 研究機関としての知名度の向上
14
海外の事例 SPARC機関リポジトリ・リスト http://www.arl.org/sparc/core/index.asp?page=m1
26の機関リポジトリが登録 ( Last updated: October 28, 2003)
15
DSpace (マサチューセッツ工科大学)
2002年11月にサービス開始 現在,5つの研究コミュニティ(学部,学科,センター 等)が参加 DSpaceソフトウェアをヒューレット・パッカード社と共同開発→オープンソース化 DSpace連合の結成(ケンブリッジ大学,コロンビア大学,コーネル大学,ロチェスター大学,オハイオ州立大学,トロント大学,ワシントン大学)
16
eScholarship (カリフォルニア大学)
CDL(California Digital Library)が2002年4月にサービス開始 研究論文,ワーキングペーパ,テクニカルペーパ,プレプリント等を格納 登録ペーパ数:2,312(2003年11月13日現在) 約10,000件/週のダウンロード実績 ソフトウェアはバークレイ校で開発されたbepressを使用
17
CODA (カリフォルニア工科大学) http://library.caltech.edu/digital/
カリフォルニア工科大学の各種リポジトリの集合体 10種のリポジトリが公開され,6種が準備中(2003年11月13日現在) ソフトウェアは,サウサンプトン大学で開発されたEPrintsを使用
18
国立情報学研究所の役割 各大学の機関リポジトリへのポータル機能 海外を含む外部情報サービス機関への,国内教育・研究成果情報の提供
各大学の機関リポジトリ上の教育・研究成果情報の全自動集約(メタデータ・ハーベスティング) 海外を含む外部情報サービス機関への,国内教育・研究成果情報の提供 機関リポジトリの構築・運用支援 技術情報の収集と提供
Similar presentations
© 2024 slidesplayer.net Inc.
All rights reserved.