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通信デバイス工学 - 無線通信デバイス - 山田 博仁
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講義について 1. 講義スケジュール 4/11 講義について、無線通信デバイス(WiFi, Bluetooth, ZigBee) 4/18 ソフトウェア無線(SDR) 4/25 休講 5/9 その他無線通信デバイス(RFIDなど) 5/16 通信ネットワークの現状 5/23 半導体光デバイスの基礎 5/30 物質の発光現象、物質と電磁場との相互作用 6/6 2準位系での相互作用と光増幅のメカニズム 6/13 レーザー 6/20 電磁場の量子化と全量子論 6/27 半導体中での光学遷移、フォトダイオード、LED 7/4 半導体レーザー、光増幅器 7/11 非線形光学 7/18 光変調器、光スイッチ、波長フィルターと光合分波器 7/25 その他の光デバイス、まとめ 2. 質問等 3. 講義資料のダウンロード URL:
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通信デバイスとは 無線通信用デバイス 1) 電波を用いるもの WiFi
ノートPCやスマホ等に搭載され、高速の無線データ通信を実現。IoTの本命 Bluetooth デジタル機器用の近距離無線通信で、NFC等でも利用 ZigBee 超低消費電力で、低速データ通信を実現。センサーNWの本命 RFID FeliCa(Sonyが開発した非接触型のICカードの技術方式の名称でSuicaや楽天Edyがこの方式を利用)や物流管理等で利用 2) 光を用いるもの 赤外線通信デバイス IrDA規格 携帯電話の「赤外線メールアドレス交換」 デジタルカメラの「赤外線プリント」など 赤外線リモコン 赤外LEDによる低速通信 有線通信デバイス 光ファイバー通信用デバイス 半導体レーザ、フォトダイオード、光増幅器、光変調器、光スイッチ、光合分波器他
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WiFi規格 ノートPCやスマホ等、モバイル機器で現在広く利用されている通信方式
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WiFi規格 ノートPCやスマホ等のモバイル機器にはWiFi通信用デバイスとアンテナが内蔵 WiFiの”a”と”g”との違いは周波数の違い
a は5GHz、g は2.4GHzの電波を使用 USBコネクタに挿して使う WiFi通信デバイス(アンテナ内蔵) WiFiの “g” と “gw” の違いは暗号化方式の違い 暗号化方式には、安全度が高い順に WPA2-PSK(AES) WPA-PSK(AES) WPA2-PSK(TKIP) WPA-PSK(TKIP) WEP などがある WiFiアンテナが gw となっている場合、「gw = WEP」 gw は比較的古い通信方式で、脆弱性が認められているのでできれば使いたくない
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Bluetooth デジタル機器用の近距離無線通信規格の1つであり、Bluetooth Basic Rate/Enhanced Data Rate (BR/EDR) と Bluetooth Low Energy (LE) から構成。Bluetooth BR/EDRは2.4GHz帯を79の周波数チャネルに分け(LEは40)、利用する周波数をランダムに変える周波数ホッピングを行いながら、10~100mの距離で、最大3Mbps(HSは24Mbps)の無線通信が可能。 最近のPCやスマホなどに搭載され、Wirelessヘッドフォン、Wirelessスピーカー、無線マウスとの無線接続に使用 USBコネクタに挿して使う Bluetoothデバイス(アンテナ内蔵)
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Bluetooth Bluetooth規格発展の歴史 1994年 エリクソン社内のプロジェクトとして開発開始
1994年 エリクソン社内のプロジェクトとして開発開始 1998年5月20日 エリクソン、インテル、IBM、ノキア、東芝の5社でBluetooth SIGを設立。 同時に Bluetooth という名称を発表。 1999年7月26日 Bluetooth仕様書バージョン1.0を発表 2001年2月 Ver.1.1を発表 2003年頃 日本でBluetoothが普及し始める 2004年11月 Ver.2.0を発表。Enhanced Data Rate (EDR) を追加 2007年3月28日 Ver.2.1を発表 2009年4月21日 Ver.3.0を発表。High Speed (HS) を追加 2009年12月17日 Ver.4.0を発表。Bluetooth Low Energy (LE) を追加 2011年6月21日 アップルとNordic Semiconductorが理事会に加わる 2013年12月4日 Ver.4.1を発表 2014年12月3日 Ver.4.2を発表 2016年12月8日 Ver.5.0を発表
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Bluetooth規格
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Bluetooth規格 BR: Basic Rate EDR: Enhanced Data Rate LE: Low Energy
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ZigBee センサーネットワークを主目的とする近距離無線通信規格の一つ。通信速度は非常に低速であるが、消費電力が極めて少ないという特徴を持つ。従って、電池駆動可能な超小型機器への実装に向いている。通信デバイスも安価である。基礎部分の(電気的な)仕様はIEEE として規格化されており、論理層以上の機器間の通信プロトコルについては ZigBee Alliance が仕様を策定。 ZigBeeモジュールの写真
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TWELITE ZigBee規格に準拠した無線マイコンモジュールのTWELITE(トワイライト)が安価に購入可能 約1,500円
MONO Wireless 約1,500円 約2,700円 約4,000円 様々なタイプのTWELITEの写真
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TWELITEによる遠隔制御および遠隔監視
応用例 遠隔制御-リモートコントロール 遠隔監視-リモートモニタリング
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ZigBeeによるセンサーネットワーク ZigBeeの送信出力は10mW程度と小さいが、見通し距離など条件さえ良ければ、
10km以上の距離の Peer to Peer 通信も可能 更に、中継器を立ててネットワークを構成すれば、大規模なセンサーNWも構築可能 規格 ZigBee IEEE 独自プロトコル 周波数帯 2.4GHz/その他 2.4GHz/920MHz/その他 通信速度 250kbps 数十kbps~数百kbps 数kbps~数百kbps ネットワーク構成 メッシュ、ツリー スター、P2P メッシュ、ツリー、スター、P2Pなど ZigBeeの各種NW構成
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ZigBeeによるメッシュネットワーク ZigBeeデバイスは、動作開始時に下記3種類の何かの役割を指定してスタートさせる。
コーディネータ: PANを開始し、セキュリティの認証やチャンネルマネージャなどネットワークの管理的役割を果たし、インターネットと接続するゲートウェイとしても使われる。 エンドデバイス: センサーなどを接続し、スリープによる間欠動作をしながら様々なデータを収集するが、他デバイスからの接続を受け入れる機能はなく、データの中継は行えず、データは接続先のルータまたはコーディネータにのみ送信される。 ルータ: メッシュネットワーク能力を持ったデバイスを指す(勿論ルータにセンサーを付けて運用しても良い)。いつデータの中継を依頼されるか分からないため、ルータは原則としてスリープはできない。
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WiFi/Bluetooth/ZigBee比較
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無線受信機(ラジオ)の構成 前置増幅器 ベースバンド 増幅器 等価器 検波器 (高周波増幅) (低周波増幅) アンテナ スピーカー fS
(a) 直接検波型 前置増幅器 混合器 (高周波増幅) アンテナ fS 局部発振器 中間周波 増幅器 ベースバンド 等価器 (低周波増幅) スピーカー fLO fIF fIF = | fS − fLO| 検波器 (b) ヘテロダイン検波型 前置増幅器 混合器 (高周波増幅) アンテナ fS 局部発振器 ベースバンド 増幅器 等価器 (低周波増幅) スピーカー fLO fS = fLO 位相検出PLL回路 (c) ホモダイン検波(ダイレクトコンバージョン)型
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4石スーパーラジオの回路図 周波数混合 中間周波(IF)増幅 検波 低周波増幅
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ソフトウェア無線 携帯電話、スマホ、TVチューナー、WiFi/Bluetooth/ZigBee等、最近の無線通信デバイスはソフトウェア(DSP)によって実現 → ソフトウェア無線(Software Defined Radio: SDR) RFアナログ回路 ソフトウェア無線の構成
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ソフトウェア無線の方式 BPF LNA LO (f=RF-IF) ADC DSP RF IF MIX
スーパーヘテロダイン(IF)方式SDR受信機 LNA LO (f=RF) LPF ADC DSP RF MIX BB ダイレクトコンバージョン(DC)方式SDR受信機 LNA BPF ADC DSP RF ダイレクトサンプリング(DS)方式SDR受信機
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ソフトウェア無線の方式 ヘテロダイン方式 ダイレクトコンバージョン方式
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各種SDRデバイス bladeRF ADALM-PLUTO
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RTL-SDRによるオールバンド受信機 市販のRealtek RTL2832U USBドングル (2千円程度)
RTL2832Uを用いてオールバンド・オールモード受信機を実現するフリーソフトのSDR# ダウンロード 参考) 本格的オールバンド受信機 (約70万円)
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Realtek RTL2832U USBドングルの回路構成
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RTL2832Uチューナー部の構成とスペック
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非接触小規模データ通信方式 商品情報などの極小規模のデータの伝送(通信)に、現在では非接触方式でのバーコードやRFIDが主に用いられている
1次元 2次元 バーコード RFID タグ バーコードリーダー RFIDリーダー
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バーコードとRFID方式の比較 特徴 バーコード RFID 読み出し可能なデータ量 2次元コードでも最大数十バイト程度 数Kバイト以上も可能
レーザースキャナーやカメラなどを用いた光学的読み出し RFIDリーダーを用いた電磁的読み出し データの読み出し 不可 新たにシールを印刷 RFIDライターを用いて電磁的に可能 データの書き込み 汚れや遮蔽などへの耐性 バーコードパターンが見えなくなくなると不可 金属以外のケースなら、中にあっても可能 不可 基本的に1枚ずつ読み取り 通信可能エリヤ内にある複数タグとの通信も可能 複数タグとの通信 シールやタグの製造 プリンターで印刷 半導体製造工程 シール1枚 <1円 RFIDタグ ~10円 原価
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バーコードとRFID方式の比較 ・箱の中など見えないRFIDタグや汚れたラベルは読めない ・見えないRFIDタグとも通信可能
・タグの汚れにも強い 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFIDによる複数タグの一括読み取り 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFID RFID(radio frequency identifier)とは、様々な情報を記憶させたRFタグ(ICチップ)に対して、電波や磁場などを用いて近距離(数cm~数m)の無線通信によって情報をやりとりする技術を指す。 RFタグは近年では、小さなワンチップのICで実現できるようになったのでこれをICタグと呼び、その中でも特に電源を必要としないパッシブタイプのICタグのみを指して用いられることが多くなった。 ICチップ アンテナ シール・ラベル パッシブタグ: 電池を内蔵せず、RFIDリーダライタから発信される電波から電力を得てICチップを動作させ、IDを読む時だけ動作するもの ・RFIDタグは電子部品と同様に、繰り返し長期間使用することが可能 ・リーダライタのアンテナ側からの電力伝送により、電池レス化も可能 ・パッシブ及びセミパッシブ型RFタグは電波法の規制対象外 (アクティブ型RFタグ及びパッシブ用リーダライタは、電波を発する無線機として電波法の規制を受ける)
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RFIDシステム構成 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFIDのタイプ 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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パッシブ方式とアクティブ方式との違い 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFIDで用いられる周波数 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFIDの通信原理 用いる周波数帯による通信原理の違い 電磁誘導結合による伝送 135kHz未満及び13.56MHz帯 電波による伝送
920MHz帯及び2.54GHz帯 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFIDタグの構造 パッシブRFIDタグは、リーダ・ライタから送信さるRF信号を内蔵アンテナで受信し、その一部を整流回路で直流に変換することによって ICチップに電力を供給し、チップ内蔵された通信回路によってリーダ・ライタと通信を行う 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFIDタグの構造 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFIDタグと周波数 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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RFIDリーダ・ライタの構成 振 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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リーダ・ライタのアンテナ構成 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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リーダ・ライタのアンテナ構成 出典: 一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)
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FeliCa FeliCaは、ソニーが開発した非接触型ICカードで、13.56MHzの周波数を用いるRFID方式の一種。交通系ICカードの Suica や PASMO や ICOCA、プリペイド型電子マネーの nanaco や WAON や 楽天Edy、後払い方式の電子マネーのQUICPay や iD として用いられている 主な仕様 搬送波 13.56 MHz 副搬送波 なし 変調方式 ASK 10% 符号化方式 Manchester 通信速度 212 kbps (Fc/64), 424 kbps (Fc/32) 衝突検出/回避 タイムスロット FeliCaの仕組み
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その他の無線通信デバイス 万引き防止システム
レンタル ビデオ ショップのTUTAYAなどにある万引き防止システム(EAS: Electronics Article Surveillance system)で、以下のような各種方式がある 音響磁気方式(Acousto-magnetic systems) 58kHz~60kHzの電波に共振するように作られたアモルファス金属製の薄板が複数枚並行に並べられたタグに、発信アンテナから不規則な間隔で電波パルスを照射し、タグは発信アンテナからの電波を受けて共振し、タグ自ら微弱な電波を出す。この電波を受信アンテナが検出することにより、商品が持ち出されたことを検知する。 音響磁気式タグ 分解して中身を出したところ
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万引き防止システム 電波方式 送信アンテナから発せられる 4.6MHz~10.5MHzの電波を、LC共振回路によって構成されたタグが受けて共振し、再放射する際、位相の変化による歪が発生する。これを検知し警報音を鳴動させる仕組み。 8.2MHz電波式タグ 万引き防止システム
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万引き防止システム 磁気方式 保持力の非常に小さな磁性材料(軟磁性体)を検出対象とし、それに200Hz~14kHzの交番磁界を掛けることによって発生する連続的な磁化極性の反転により生ずるパルス状の磁場の歪みを検出する方式。鉄系やコバルト系アモルファスを用いたリボン状の材料が主流であるが、一部ワイヤ状や網膜フィルムを使用したものもある。図書館などで用いられ、貸し出しの際は磁気を 消去し、返却時に磁気を帯磁させる 自鳴方式 商品に貼りつけられるタグには、特定の周波数の交流磁場を検出して警報音を発する機能とタグがはずされると警報音を発する機能がある。精算レジなどでタグをはずさずに出入口のアンテナを内蔵したゲートに近づくと、ゲートが発信している特定の周波数の交流磁場に反応し警告音を鳴らす。 また、タグが警報を発すると同時に、タグが微小磁界を発生し、それをゲート側で検出することで、ゲートから警報を発する機種もある。アンテナを形成する磁場には連続した交流磁場及び間欠(バースト)の交流磁場がある。使用する周波数帯は22kHz~37.5kHzであったが、近年では58kHz(音響磁気方式)や8.2MHz(電波方式)へも拡大している。
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赤外線通信デバイス(IrDA) 赤外線通信は、TVやエアコン等の家電機器のリモコン通信として現在広く利用
赤外線リモコンの信号様式は、コードと呼ばれる一連の符号からなっているが、メーカーごとにその様式は異なり統一的な規格は存在しない。 通信には波長約950nmの近赤外光を使用し、38~40kHz(約25μs)の明滅パルスを搬送波とし、それをさらに数ミリ秒の周期で点滅させ、この点滅する間隔や長さを変調することでバイナリ符号を送っている。 赤外線リモコン IrDA(Infrared Data Association)は赤外線による光無線データ通信を規格化している団体であり、またその規格そのものの名称でもある。 規格名 通信距離 通信速度 IrDA DATA1.0 1m 115kbps IrDA DATA1.1 1Mbps / 4Mbps IrDA DATA1.2 0.3m IrDA DATA1.3 IrDA DATA1.4 16Mbps ガラケーのIrDA通信デバイス IrDAによるアドレス交換
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