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安全な農作物生産管理技術と トレーサビリティシステムの開発
データ統合・解析システムH20年度成果報告会 @東京大学 弥生講堂 安全な農作物生産管理技術と トレーサビリティシステムの開発 農業系研究機関が共同で進めているので、DIAS農 溝口勝1・二宮正士2・鳥谷均3 DIAS農 1 東京大学大学院情報学環(UT) 2 農業・食品産業技術総合研究機構(NARO) 3 農業環境技術研究所(NIAES)
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本課題の背景 穀物価格の急騰 食の安全・安心 農学分野の役割と責任 中国、インドなどアジアを中心とする途上国の食糧需要増
気候変動に伴う洪水や干ばつによる収穫減 バイオ燃料生産のための穀物利用 途上国を中心に食糧確保不安、各地で暴動の懸念 食の安全・安心 冷凍食品への農薬混入 事故米問題 農学分野の役割と責任 農学+情報による貢献 いまや農業は国民の関心の的。有益な情報の創出が求められている。 2
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DIAS農における全体目標 コアシステムで提供されるデータ群を効率的に統合し農業分野で利用できるようにする
誰でも簡単に知ることができ,政策決定者の判断のよりどころになるシステムを実現する 農業生産管理支援情報 地球温暖化による食料生産への影響等 安全で安心かつ安定的で高品質な食糧供給を求める公共益に供する 想定しているユーザは2種類。個人農家と政策決定者。 グローバルスケールで考え、ローカルに個人農家(農業経営体)が現実対応できるシステムを目指している。 個人農家 政策決定者 3 3
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安全な農作物生産管理技術とトレーサビリティシステムの開発 (H20年度研究成果)
溝口 勝(地球観測データ統融合連携研究機構/大学院情報学環)・二宮正士(農業・食品産業技術総合研究機構)・鳥谷均(農業環境技術研究所) a)農業系研究機関の強みを活かしたプロジェクトの総合的な推進 ・ 農業系研究機関と各グループとの連携を強化 → 分野間で連携しやすい環境が整った 全体目標: コアシステム等で提供されるデータ群を効率的に統合して,農業生産管理支援情報や,地球温暖化による食料生産への影響等を,誰でも簡単に知ることができ,政策決定者の判断のよりどころになるシステムとして実現し,安全で安心かつ安定的で高品質な食糧供給を求める公共益に供する. b)全球規模で各地域の農業生産を評価できるモデルの高機能化 ・気温と日射量による「Web版水稲栽培予測支援ツール」を開発した → アジア地域において複数のイネの品種に対する適地適作の提案が可能になった → ネリカを含む各品種のイネ栽培可能性予測支援ツールをアフリカ地域に展開する. d)農業用地上モニタリングシステムの稼動安定化 ・タイの圃場に設置してある地上モニタリングセンサーを拡張した → 農作物の生育や気象変化に順応した現地の農作業パターンが明らかになった → 地上モニタリングデータの共有化技術の開発につなげる :00 :09 コアシステム 地上観測データ群 乾季の土壌水分量に対応した農民の田植方式の選択 「Web版水稲栽培予測支援ツール」の表示画面 GPV予報データ群 タイ産ほうれんそう生産現場情報伝達ツールを用いた実証実験(生協食堂) シームレス統合手法のフレームと概念図 c)各種気象観測データ群の共通メッシュ気象値化とシームレス統合手法の開発 ・共通メッシュ気象値をシームレスに連携するためのフレームを構築した (柴崎Gと連携) → 共通のメッシュ(グリッド)として農業のみならず多様な目的に利用するための基盤を整備した → GPVデータや長期予測データ、作物データベースと連結し、任意の地域と時代での農作物栽培の可能性予測ツールに組み込む e)モニタリングデータの多目的高度共有化 ・フィールドサーバのデータを統合表示するツールを開発し,安全で安心な食糧供給に関連する地上モニタリング情報の利用法について検討 (喜連川Gと連携) → 画像を含む圃場データから,作物の生産情報や安全・安心に関わる情報を効率的に発見し伝達することが可能になった → データを生産者と消費者が共有し,安全な農作物生産管理につなげる技術を開発する
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H20年度の研究目標 農業系研究機関の強みを活かしたプロジェクトの総合的な推進 全球規模で各地域の農業生産を評価できるモデルの高機能
各種気象観測データ群の共通メッシュ気象値化とシームレス統合手法の開発 農業用地上モニタリングシステムの稼動安定化 モニタリングデータの多目的高度共有化 今年度の目標。 本発表では時間の関係上、1について説明。
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b) Web版水稲栽培予測支援ツール 気温 日射量 栽培可能性予測 品種別 二期作可能性 温暖化の影響 日照時間の平年値データ
CO2濃度の応答 政策立案者/個別農家 日照時間の平年値データ (中国、タイ)JAMSTECデータ投入 日本と一部のアジア地域のみ
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品種選択 最大収量の色表示 田植日選択 温暖化の影響 地域選択 栽培可能性 収穫時期 地域ごとに比較できる
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アジアにおける水稲栽培可能性
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c)複数DBのシームレスなデータ統合 今日 生育期間 作物栽培DB 気象観測値DB 品種別作物生育パラメータ推定 作物の栽培可能性予測
アメダス・NOAA・ フィールドサーバ 等 短期予報(GPV) 平年値DB 平年値DB MetBroker 平年値DB その土地の現在の収量ポテンシャル その土地の気温変化に対する収量ポテンシャル(近未来) 平年値 + x ℃ 気候変動シナリオデータ その土地の気候変動下での収量ポテンシャル(長期的)
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d) 年変動に順応した現地の農作業 水田の水位と降雨量の特徴およびフィールドサーバによる水田モニタリング (2007年と2008年の比較)
2008/7/1 2007年:5月半ば(積算雨量約280mm)に1度湛水するが、その後落水、8月上旬(約580mm)に本格的に湛水が開始。 2008年:5月上旬(約350mm)に既に湛水が始まり、その後も落水しなかった。 2007/7/1 水田の水位と降雨量の特徴およびフィールドサーバによる水田モニタリング (2007年と2008年の比較)
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実測土壌水分の年変動の比較
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コンケン調査圃場における,2007,2008年の水稲作付状況の推移
コンケン郊外の調査圃場の概要 全240筆,約10日毎に調査 調査項目: 水稲作付タイプ (移植,直播,苗床,放棄地) 湛水状況 (全湛水,部分湛水,無湛水) コンケン郊外の調査圃場において,調査対象240筆の水田の水稲作付タイプと湛水状況の目視調査を,2007年と同様に実施した。 2007年より湛水開始時期が早かった2008年は,殆どが移植による作付が実施された(移植を実施するためには,湛水していることが必要)。 また,作付開始時期も2007年よりも早い。 コンケン調査圃場における,2007,2008年の水稲作付状況の推移
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e) 安全な輸入農産物に関する情報利用実験
生産者と消費者がデータを共有 情報発見・統合ツール (喜連川研) ディスプレイ (東大農学部食堂) モニタリングセンサー (タイほうれん草畑) 100%タイ産 利用者の認知度が向上 コンテンツの制作と実証実験(溝口研) Food communication
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安全な農作物生産管理技術とトレーサビリティシステムの開発 (H21年度計画)
溝口 勝(地球観測データ統融合連携研究機構/大学院情報学環)・二宮正士(農業・食品産業技術総合研究機構)・石郷岡康史(農業環境技術研究所) 全体目標 コアシステム等で提供されるデータ群を効率的に統合して,農業生産管理支援情報や,地球温暖化による食料生産への影響等を,誰でも簡単に知ることができ,政策決定者の判断のよりどころになるシステムとして実現し,安全で安心かつ安定的で高品質な食糧供給を求める公共益に供する. H21年度の目標 H20年度に開発した「Web版水稲栽培予測支援ツール」をアフリカ地域に展開し,地球温暖化による食料生産への影響を予測する.また,イネ以外の農作物を対象とした栽培可能性予測支援ツールを開発する.さらには,生産者と消費者をつなぐ地上モニタリングデータの共有化技術を開発する. 研究方法と期待される成果 (スケジュール)[連携希望先] アフリカ地域におけるイネの栽培可能性予測支援ツールの開発 (5月~10月) ・観測・推定日射量データセットを整備し,ネリカを含む各品種のイネ栽培可能性予測支援ツールをアフリカ地域に展開する. [小池G,沖Gとの連携] アジア・アフリカ地域におけるイネの栽培可能性が予測できるようになると,昨年,世界を揺るがせた発展途上国における食糧高騰による社会不安を未然に回避できるようになる. c) 農作物データベースの整備とデータ統合化 (11月~1月) ・農作物栽培可能性予測支援ツールを検証するための農作物データベースの整備に着手し,これをコアシステムに投入されたGPVデータ,長期予測データ等とシームレスに統合する. [柴崎G・喜連川G・木本Gと連携] アジア・アフリカ地域のみならず、任意の地域と時代で農作物栽培可能性を予測するための情報基盤が整備される コアシステム 地上観測データ群 GPV予報データ群 b) 地域特性に対応できる農作物栽培可能性予測支援ツールの開発 (11月~1月) ・衛星による土壌水分推定値と地上モニタリング実測値を用いてチューニングし,土壌水分量を考慮したイネ以外の農作物栽培可能性予測支援ツールを開発する. [小池Gとの連携] 発展途上国における農作物選択の幅を広げることで地元農民の農業所得を向上させ,貧困対策として役立つようになる. d)地上モニタリングデータの共有化と情報伝達技術の開発 (11月~1月) ・日本とタイに設置した地上モニタリングセンサーのデータを生産者と消費者が共有し,安全な農作物生産管理につなげる技術を開発する [喜連川Gと連携] コアシステムに蓄積される画像を含む圃場データから,有用な情報を効率的に発見・伝達することにより、輸入農産物のトレーサビリティに関する1つのモデルを提案できるようになる。
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a)アフリカ地域におけるイネの栽培可能性予測支援ツールの開発
(5月~10月) 日射量(観測・推定)データセットを整備(小池G,沖Gとの連携) ネリカを含むイネ栽培可能性予測支援ツール 昨年,世界を揺るがせたような発展途上国における食糧高騰による社会不安を未然に回避できる +JAMSTEC
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b) 地域特性に対応できる農作物栽培可能性予測支援ツールの開発
(5月~1月) 衛星による土壌水分推定値と広域の地上モニタリング実測値を用いてチューニング 土壌水分量を考慮したイネ以外の農作物栽培可能性 発展途上国における農作物選択の幅を広げる 地元農民の農業所得向上 貧困対策 (小池Gとの連携)
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c)農作物データベースの整備とデータ統合化
(5月~1月) 作物栽培DB 気象観測値DB 品種別作物生育パラメータ推定 作物DBと気象DBの統合 (柴崎G・喜連川G・木本Gとの連携) 任意の地域と時代で農作物栽培可能性を予測する情報基盤の整備 作物の栽培可能性予測
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d)地上モニタリングデータの共有化と 情報伝達技術の開発
(5月~1月) ? 情報発見・統合・提示ツール ディスプレイ (消費現場) モニタリングセンサー (生産現場) 生産者と消費者のデータ共有 安全な農作物生産管理につなげる技術開発 輸入農産物のトレーサビリティ(Food communication) (喜連川Gと連携) +坂村健G
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農 Thank you 19
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Spinach Field Images Harvesting in mid of 2008/01
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