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フェルミ・ガンマ線衛星で見た宇宙 June. 25, 2011 @ 京都産業大学
Tsunefumi Mizuno (Hiroshima Univ.) on behalf of the Fermi-LAT Collaboration 『よろしくお願いします』
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Contents フェルミ衛星の3年間の成果について紹介 2008年6月打ち上げ フロリダ州 ケープカナベラル基地 3c454.3
『3年間の成果』 フェルミ衛星=宇宙ガンマ線衛星 フェルミ衛星の3年間の成果について紹介 打ち上げは3年前 2008年6月 フロリダ ケープカナベラル基地で打ち上げ 右はおととし発表した全天ガンマ線マップ 世界中の研究者がデータを用いて論文発表 3c454.3 Fermi-LAT 1 year all-sky gamma-ray map フロリダ州 ケープカナベラル基地
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Gamma-ray Sky (pre-Fermi)
EGRET ( )によるガンマ線マップ 明るいガンマ線天体と銀河面放射がもやもやと見える Galactic Center Vela Geminga 『前のガンマ線検出器と比較』 フェルミの性能をみるため、前の世代の検出器と比較 EGRET ( ) 銀河座標 銀河面が水平の帯 銀河面放射+明るいガンマ線源: かに星雲、パルサー 銀河面のパルサー 系外の活動銀河核 が「もやもやと」見える Crab 3c454.3 271 sources (Hartmann+99)
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Gamma-ray Sky (Fermi Era)
フェルミ衛星による1年間全天ガンマ線マップ 多数のガンマ線源がはっきり見える Galactic Center Vela Geminga 『質の違いは一目瞭然』 おととし発表したFermi衛星による全天ガンマ線マップ 質の違いは一目了然(パタパタ): 多数のガンマ線源がはっきりと見える ガンマ線天体の数は僅か1年で5倍以上に=> 高い性能 Crab 3c454.3 >1400 sources (Abdo+10, ApJS 188, 405)
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Gamma-ray Sky フェルミ衛星による1年間全天ガンマ線マップ 多数の新しいガンマ線源がはっきり見える
Fermi以前は, PulsarまたはBlazar以外はほとんど(または全く)知られていなかった種族 PSR (radio/X) Vela Geminga 『新しいガンマ線源』 カタログ論文中のガンマ線源の分類 以前は他波長でも明るいパルサーとブレーザー(ジェットがこちらを向いた活動銀河)以外は 知られていなかった Blazar Crab 3c454.3 >1400 sources (Abdo+10, ApJS 188, 405)
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Gamma-ray Sky フェルミ衛星による1年間全天ガンマ線マップ 多数の新しいガンマ線源がはっきり見える
Fermi以前は, PulsarまたはBlazar以外はほとんど(または全く)知られていなかった種族: 今日の主役 Vela Geminga Radio-quiet PSR SNR Globular Cluster etc. 『新しいガンマ線源』 カタログ論文中のガンマ線源の分類 以前は他波長でも明るいパルサーとブレーザー(ジェットがこちらを向いた活動銀河)以外は 知られていなかった 電波で暗いパルサー 超新星残骸 球状星団 通常の銀河 などがガンマ線を出す: 今日の話の主役 Crab Non-Blazar AGN Normal Galaxy etc. 3c454.3 >1400 sources (Abdo+10, ApJS 188, 405)
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Fermi-LAT Instruments
まず装置の話 次いで観測成果の紹介
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GLAST Launch GLASTはFermi衛星の旧称 Cape Canaveral Air Station @ Florida
Launched on June 11, 2008 Science Operation on Aug 4, 2008 Orbit: 565 km, 26.5o (low BG) GLASTはFermi衛星の旧称 5-yr mission (10-yr goal) 『目標は10年』 2008年6月打ち上げ 初期運用でその場に 科学観測を8月に開始, 順調に観測 ミッションライフは5年、目標10年 GLASTはFermiの開発段階の仮の名前 Cape Canaveral Air Florida 8
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GLAST => Fermi 宇宙物理の分野でも名高いフェルミ教授の名を称えて名付けられた.
『フェルミ命名』 打ち上げ後、Enrico Fermiの名を取り「フェルミ衛星」と名付けられた フェルミ・ディラック統計 放射性元素の研究(ノーベル賞業績) 宇宙線のフェルミ加速 宇宙物理学の分野でも名高い物理学者 Fermi衛星=LAT+GBM 以下はLATについて説明 Enrico Fermi ( ) フェルミ統計 (1926) 放射性元素の研究 (1938 Novel Prize) 宇宙線のフェルミ加速 (1949) Fermi衛星=LAT+GBM 9
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Fermi-LAT Collaboration
France Italy Japan Sweden US Hiroshima Univ. Tokyo Tech ISAS/JAXA Waseda Univ. Tokyo Univ. Nagoya Univ. Aoyama Gakuin Univ. Kyoto Univ. 『フェルミ日本グループ』 日米欧の国際協力ミッション 日、米、仏、伊、瑞 +個人でも参加する著名な研究者有 広大ほか8機関 運用、論文で高いアクティビティ 日本が本格参加した初のガンマ線ミッション 1998年 釜江(東京大学), 大杉(広島大学)がKEKのサポートを受け本格参加 現在では8機関、20名を超す常勤スタッフ ~400 members (日本グループ~20名)
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Large Area Telescope Pair-conversion type g-ray telescope
20 MeV- 300 GeV Tracker: Si-strip detectors direction measurement ~200 um pitch => high precision tracking ACD: plastic scintillators BG rejection 『LATの装置』 メインの検出器:LAT 対生成を利用したガンマ線検出器 飛跡からガンマ線の到来方向を e-/e+のエネルギーからガンマ線のエネルギーを 3つのサブシステム ACD: BG除去 TKR: 方向測定 CAL: エネルギー測定 優れた特徴 ACD: self-vetoを抑える TKR: 高い分解能と広い視野 CAL: 高いエネルギーまで測定 segmented tiles => prevent self-veto Calorimeter: CsI scintillators Energy measurement hodoscopic crystals => shower profile
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Large Area Telescope Pair-conversion type g-ray telescope
Tracker: Si-strip detectors direction measurement 『シリコン検出器が鍵』 シリコンストリップ検出器はLATの鍵 HPK + 広大で開発。加速器で培われた技術 低ノイズ 高い品質 LATの性能を飛躍的に向上 Key-element of LAT, developed by HPK and Hiroshima Univ. Low-noise (~2.5nA/cm2) High-quality (dead strip: <0.01%) ~106 channels in total SSD
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Science Breakthroughs of 2009
Fermi is recognized as one of the top science breakthroughs 『2009年のブレークスルー』 打ち上げ直後から科学成果 サイエンス誌「2009年のブレークスルー」の一つ 記事の写し、文言 16個のガンマ線パルサーの「発見」 その他 銀河系内外のガンマ線天体 広がったガンマ線 電子スペクトルなどで成果 Science, December 2009 Discovery of 16 new pulsars
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2011 Rossi Prize ロッシ賞: Bruno Rossi (Giacconiと並ぶX線天文学の開祖)の功績を讃えて作られた賞
2011年 Fermi-LATチーム 2001年 A. Fabian & 田中靖郎 『祝ロッシ賞』 もう一つの例:1月にロッシ賞を受賞 ノーベル賞受賞者R. Giacconiと並ぶX線天文学の開祖 1989年神岡、IMB 2001年にA. Fabian&田中靖郎(X線天文の大家) 今年フェルミチーム 1989年 Kamioka & IMB
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フェルミ・ガンマ線衛星で見た宇宙 超新星残骸と宇宙線 新星からのガンマ線放射の発見 ガンマ線バースト: 宇宙ジェット 次いで観測の詳細
いくつかのトピックを紹介 超新星残骸と宇宙線 新星からのガンマ線放射の発見 ガンマ線バースト: 宇宙ジェット
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Gamma-ray Sky (再掲) フェルミ衛星による1年間全天ガンマ線マップ 多数のガンマ線源がはっきり見える
誰が, どうやってガンマ線をだすのか Galactic Center Vela Geminga 『誰がガンマ線を出すのか?』 おととし発表した全天ガンマ線マップ再掲載 銀河面および上下(銀河の内外)に多数のガンマ線源 誰が、どうやってガンマ線を出すのか? Crab 3c454.3 >1400 sources (Abdo+10, ApJS 188, 405)
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Gamma-ray Sources 様々な天然の加速器がガンマ線を放射する Vela Geminga Crab 3c454.3 立命館大学
『天然の粒子加速器』 ガンマ線源の例 銀河系内天体 パルサー(高速回転する中性子星) 超新星残骸(超新星爆発後、星間空間で加熱・粒子加速) 銀河系外天体 活動銀河核(超巨大ブラックホール) 暗黒物質? 天然の粒子加速器が存在し、ガンマ線を放射する Crab 3c454.3 立命館大学 森研究室のHPより
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Emission Mechanism 4つの非熱的プロセスでガンマ線を放射 宇宙線や, 星間ガス・光子・磁場を調べることが可能
シンクロトロン放射 制動放射 (星間磁場) (星間ガス) 逆コンプトン 散乱 核子-核子反応 『放射プロセス』 宇宙線->ガンマ線のプロセスのまとめ シンクロトロン放射(宇宙線電子と星間磁場) 逆コンプトン散乱(宇宙線電子と星の光) 制動放射(宇宙線電子と星間ガス) 核子核子反応(宇宙線陽子と星間ガス) 宇宙線や星間ガス、光子、磁場を調べることができる 宇宙線は磁場で曲げられるがガンマ線は直進 天然の加速器を調べるのにガンマ線観測は必須 (星間光子) 宇宙線は星間磁場で曲げられるが, ガンマ線は直進
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ガンマ線天体1: 超新星残骸 超新星残骸(SNR): 超新星爆発でできる殻状の星雲 SN1006 by Chandra 『最初の例:SNR』
最初の例:超新星残骸 超新星爆発に伴い、星間空間にできる星雲 SN1006: 1000年前の超新星爆発による超新星残骸 X線写真 SN1006 by Chandra
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ガンマ線天体1: 超新星残骸 超新星残骸(SNR): 超新星爆発でできる殻状の星雲 宇宙線加速源の有力候補 陽子を加速しているか?
エネルギー収支 WCR~1040 erg/s WSN~1051 erg/30y~1042 erg/sの1%で賄える 加速理論 超新星の爆風が作る衝撃波で加速 しうる (Fermi加速) ~1000 km/s 『宇宙線の加速源』 宇宙線加速源の有力候補: 高エネ宇宙物理分野でさかんに研究 1:エネルギー収支 銀河の外への逃げ出し 10^40 erg/sの注入が必要 2. 加速理論 模式図 3つの大きな問題 陽子>>電子. 陽子加速? 総エネルギー? 最高加速エネルギー? H. Katagiri 陽子を加速しているか? 宇宙線の総エネルギーを説明できるか? 最高加速エネルギーは?(Eknee)
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ガンマ線天体1: 超新星残骸 超新星残骸(SNR): 超新星爆発でできる殻状の星雲 宇宙線加速源の有力候補 陽子を加速しているか?
エネルギー収支 WCR~1040 erg/s WSN~1051 erg/30y~1042 erg/sの1%で賄える 加速理論 超新星の爆風が作る衝撃波で加速 しうる (Fermi加速) ~1000 km/s 『3つのテーマ』 3つの大きな問題 GeVガンマ線は、特に最初の2つに答えを出すことができる H. Katagiri 陽子を加速しているか? 宇宙線の総エネルギーを説明できるか? 最高加速エネルギーは?(Eknee)
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GeV-emitting SNRs 10以上のSNRをGeVで検出 2つのカテゴリ 若いSNR (CasAなど)
以下観測の紹介 NASAのプレスリリース資料 4SNR: 超新星残骸がGeVガンマ線源であることを確立 既に10以上を検出 2つのカテゴリに分けられる 若いSNR(t<2000yr) 中年齢のSNR. 分子雲と相互作用 10以上のSNRをGeVで検出 2つのカテゴリ 若いSNR (CasAなど) 分子雲と相互作用する中年齢SNR (W44など) (2010 Feb. NASAプレスリリース)
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Young SNR: Cassiopeia A
銀河系内で2番目に新しいSNR (t=340 yr) 明るい電波源(宇宙線電子), TeV放射有り Fermi LAT GeVで点源状だが, パルサーとずれた位置 有為なパルスなし GeV γ線はSNRから PSR 『CasAの紹介』 若いSNRの代表: カシオペアA 系内で2番目に若いSNR 明るい電波源(シンクロトロン):宇宙線電子 議論にあたりパルサーからの放射か、星間空間からの放射かを見極める必要 若いため小さく点源状だが、 GeVガンマ線はSNRから Abdo+09, ApJ 710, L92 CA: Funk, Uchiyama
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Spectrum of Cassiopeia A
ハドロン起源かレプトン起源かは常に議論の的 シンクロトロン電波から, 電子密度に上限がつく 100MeV 10GeV 1TeV 『ハドロン or レプトン?』 宇宙線陽子の加速源となりうるか? ハドロン起源かレプトン起源かは他波長でも議論の的 シンクロトロン電波から、電子の密度に上限がつけられる
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Spectrum of Cassiopeia A
ハドロン起源かレプトン起源かは常に議論の的 100MeV 10GeV 1TeV 『ハドロン or レプトン』 電子起源とすると、0.1mG程度の磁場(赤のモデル線) より強い磁場:電波シンクロトロンから予想される電子密度は小さく、 ガンマ線放射が足りない X線と相容れない 陽子起源とすると、適当な陽子スペクトルでガンマ線を説明可(赤青) 陽子起源が好ましい 宇宙線のエネルギーは1049 erg. 超新星爆発エネルギーの数% 他のSNRも同程度とすると、宇宙線総量を説明できる Brems+IC B=0.12 mG, We=1x1049 erg (X線はB~0.5 mGを示唆) p0-decay B>0.12 mG, Wp=3x1049 erg (適当な陽子スペクトルで説明可) 陽子起源の方が観測によく合う WCR=(1-4)x1049 erg, a few % of ESN
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The Energy Spectra 陽子起源をfavorする物もある エネルギー総量の議論が可能に 年齢による違い: 宇宙線の加速と放出
S. Func @HEAD meeting Mid-aged Young CasA LAT range 『SNRまとめ』 Fermiで見た他のSNRもまとめる 赤系統がCasA含む若いSNR 青系統が中年齢のSNR CasAや中年齢SNRは陽子起源を好む例が多い 宇宙線エネルギー総量の議論が可能に:例数を増やす 年齢によりスペクトルに違い。GeV領域で折れ曲がり=>親の陽子の折れ曲がり 宇宙線加速と星間空間への放出の時間発展も議論できる GeV 陽子起源をfavorする物もある エネルギー総量の議論が可能に 年齢による違い: 宇宙線の加速と放出
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ガンマ線天体2:新星爆発 新星: 白色矮星と通常の星の連星. 白色矮星にガスが降り積もり爆発的核融合を起こす=新星爆発 V407 Cygni
銀河系では頻繁にみられる: 30-60/yr Enova~1044 erg (太陽の1000年分) 新星がγ線を出すとは考えられていなかった 赤色巨星 (SN: ~1/30yr) (ESN ~1051 erg) 『新種のガンマ線天体』 SNRからのガンマ線は『予想』されていた. 感度の問題 全くノーマークのガンマ線天体はあるか?ある! 新星:WDでの爆発的核融合 はくちょう座V407は赤色巨星(R~100Rsun)とWDの連星系 SNよりも頻繁、小規模。それでも膨大なエネルギー ガンマ線放射は予想もされていなかった White Dwarf
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Nova V407 Cygni in Visible Light
~9.5 mag ~7 mag 『はくちょう座V407 発見』 V407 Cyg発見の経緯 去年の3月に、日本人アマチュアが発見. 左->右で10倍に増光 京都大学 花山天文台で確認、全世界に通報 日本人アマチュアが発見, 花山天文台で確認・通報 西山浩一, 椛島冨士夫, 前原裕之(花山天文台)
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Nova V407 Cygni in g-Rays ほぼ同時にγ線が増光していたことを確認 新星からのγ線を始めて検出 2010 Aug.
NASA プレスリリース Abdo+10, Science 329, 817 『ガンマ線検出』 通報を受けガンマ線データを即座に解析 新星の可視増光とほぼ同時にガンマ線も増光. 左->右(20日ずつ) 新星からの、史上初のガンマ線検出 ほぼ同時にγ線が増光していたことを確認 新星からのγ線を始めて検出
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Nova V407 Cygni Light Curves
ガンマ線 可視光 X線 『ライトカーブ』 ライトカーブ 横軸は日数 縦軸はフラックス。上からガンマ線、可視赤外、X線 黒はフィルタなし ガンマ線は、可視の増光とほぼ同期している。X線は遅れている ほぼ同時にγ線が増光していたことを確認 新星からのγ線を始めて検出
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V407 Cygni Binary System 赤色巨星から~10 km/sの星風 新星爆発で物質放出: ~3000 km/s
赤色巨星と白色矮星 6-7 a.u. 太陽~木星 赤色巨星からは膨大な量のガスが星風として吹き出る WDからの距離とガス密度 WDと赤色巨星を結ぶ線上(0度)が特にガス密度が大きい 赤色巨星から~10 km/sの星風 新星爆発で物質放出: ~3000 km/s
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V407 Cygni Binary System 赤色巨星から~10 km/sの星風 新星爆発で物質放出: ~3000 km/s
『放射機構』 新星爆発で超音速(3000km/s)で物質放出。 星風と衝突しRG近くで衝撃波が形成。 SNRと同様の粒子加速が期待される。 赤色巨星から~10 km/sの星風 新星爆発で物質放出: ~3000 km/s 赤色巨星近くの衝撃波で粒子加速が期待される
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Spectrum and Energetics
~2 GeVで折れ曲がり. 陽子のp0崩壊で説明できる (lepton起源も可能) Eg=4x1041 erg => Ep~1043 erg Enova~1044 erg の10%が粒子加速に費やされた 『スペクトルと総エネルギー』 データ点は赤. 黒青はモデル エネルギースペクトルは2GeVで曲がっている。 陽子起源として説明可能 ガンマ線総エネルギー=>宇宙線陽子の総エネルギー 新星爆発の10%が加速に使えれば説明可能(CasAと同程度) SNRと同様の粒子加速がより小規模の系でも起きうる SNRと同様の粒子加速は, より小規模の新星でも起きうる
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その他の新γ線天体 CTA1中の新しいパルサー Abdo+08, Science 322, 1221
CenA lobe: 銀河より巨大な領域で粒子加速 Abdo+10, Science 328, 725 銀河とジェット ガンマ線 『新ガンマ線天体の紹介』 その他の新しいガンマ線天体を紹介 ガンマ線のみでパルスを出すパルサー ジェットがこちらを向いていない「普通の銀河」もガンマ線 ケンタウルス座A 巨大な銀河間空間での粒子加速 NGC1275: 新種のガンマ線銀河 Abo+09, ApJ 699, 31
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ガンマ線天体3: ガンマ線バースト ガンマ線で突如輝く現象. 核実験監視衛星Velaが1967年発見.
宇宙論的距離にあり, 光度1051 erg/s(~全銀河の光度)に達する宇宙最大の爆発現象. 継続時間で2つに分類. 大質量星の重力崩壊(極超新星)または中性子星連星の合体とされる. 2 s 『GRBイントロダクション』 系外ガンマ線源: GRB ガンマ線で突如輝く「現象」。核実験監視衛星で発見 右下の図 短い時間で鋭いパルス 宇宙論的距離=>とても明るい 左下:継続時間で二つに分類。二つの母天体の説 T90 (duration) in seconds Time (s)
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Gamma-Ray Bursts Overview
(Meszaros 2001, Science 291, 79) G>=100 外部衝撃波 内部衝撃波 ガンマ線バースト 可視・赤外・ X線残光 中心天体から超相対論的ジェットが放出. 視線方向と一致するとGRBとなる ジェット内シェル同士の衝突(内部衝撃波)でガンマ線 星間物質との衝突(外部衝撃波)で可視/X線残光 『GRB放射機構』 放射機構: 標準モデル 中心天体から超相対論的ジェット(G>100)が吹き出る 視線方向と一致するとGRBになる ジェット内のシェル同士: 内部衝撃波: ガンマ線 星間物質と衝突: 外部衝撃波: 可視/X線残光 G~100に達する宇宙最強のジェット GRBジェットの起源は未解明. 『現象』の理解を積み重ねる 観測からLorentz因子>=100 “宇宙最強のジェット”
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Fermi for GRB LAT GBM (NaI & BGO) FermiはGBMとLATで10 keVから100 GeVをカバーできる
ガンマ線バースト モニタ GBM (NaI & BGO) GeVガンマ線 イメージング 8keV-40MeV 20MeV-100GeV FermiはGBMとLATで10 keVから100 GeVをカバーできる ジェットはどこまで加速 されているか ? 未知の放射成分はあるか? 『FermiによるGRB研究』 Fermi衛星はLAT+GBMで広いエネルギー帯をカバー GRB研究でも力を発揮 高エネに感度: ジェットはどこまで加速できるか? 未知の放射成分はあるのか? 内部衝撃波 (シンクロトロン放射)
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Fermi View of GRB 全天をモニタするGBM + GeV放射を検出するLAT 打ち上げ後2年で
514 GBM GRBs (約半数がLATの視野内) 18 LAT GRBs ~0.7/日 ~0.7/月 4つのモンスターGRB (>=100 above 100 MeV) 『2年間のGRB観測まとめ』 観測開始後2年でのGRB観測のまとめ 2010年8月までに500個のGRBを検出 18個から100MeV以上のGeV光子 GRBの位置は等方=>宇宙論的 赤はLATの視野内,青はGeV光子 4つのモンスターイベント
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GRB090510: Bright Short GRB 初めての「明るい」Short GRB. ~10 msのスパイク
Abdo et al. 2009, Nature 462, 331 初めての「明るい」Short GRB. ~10 msのスパイク z=0.9 (73億光年) 最高で31 GeV 高いエネルギー放射の遅れや長寿命GeV放射が見られる 8-260keV GBM 0.26-5MeV LAT all events LAT >100 MeV 『GRB090510』 モンスターイベントの一つの紹介 2009年5月10日 (GRB090510) 上2つがMeV以下 下3つがsubGeV/GeVバンド 初の明るいshort GRB Z=0.903:距離が決まる。 最高エネルギー31GeV 高エネルギー放射の遅れや長寿命のGeV放射 >1GeV s Abdo+09, Nature 462, 331 (CA: Granot, Guiriec, Ohno, Pelassa)
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Limits on Lorentz Factor
早い変動(小さな領域)&高い光子数=>電子陽電子対生成を起こし, 高エネルギー光子は外に出れないはず ジェットがLorentz因子Gで観測者に向いていれば, サイズRはG2倍 (相対論的Beaming) エネルギーは1/G倍 => 対生成に寄与する光子数減少 なのでtは~1/G6程度で済む. ここからGmin~1000となる. これだけ強力なジェットは例がない (活動銀河核で~10). 厚さ attenuation length Abdo+09 ApJ 716, 1178 『Lorentz因子の制限』 GRBのジェットについて考察 GRBは変動が早い=>小さい GRBは明るい=>MeV光子数が多い e-/e+対生成を起こす. 高エネルギー光子は外にでれないはず。 31GeVに対してtau=10^18 確かに無理。 (コンパクトネス問題) ジェットが観測者に向かっていれば説明可能 サイズG^2, エネルギー1/G 最低でもG=1000が必要と分かった 他に例がないほど強いジェット. 駆動機構は今後の課題
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Limits on Lorentz Invariance Violation
遠方の, 同時に起きた, 高エネルギー光子イベント(GRB)で検証できる. 『光速不変原理のお話』 GRBを用いた光速度不変の原理の検証(お話のみ) 量子重力理論の一部はLIVを予言。光速はエネルギーに依存する 高エネルギー光子が遅い(模式図) なるべく遠くの、同時に起きた、高エネルギー光子によるイベントが最適 =>GRB 2009 Oct. プレスリリース資料より
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Limits on LIV E<=5MeV E>=10MeV 31GeVの光子は最大でも0.86秒の遅れ
GRBの開始 31GeV光子到来 E<=5MeV E>=10MeV 『光速不変原理のお話』 ライトカーブの拡大 青はGRBの開始 赤は31GeV光子 保守的に見積もっても、遅れは最大0.8秒 n=1 リニアなローレンツ不変の破れ=>量子重力はプランク質量以上 モデルに強い制限 低E/高Eスパイクが同期していたとすると、100倍強い下限がつく 31GeVの光子は最大でも0.86秒の遅れ MQG,1>1.2 Mplank 初めて, プランク質量を超える制限をつけた(n=1).
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Thank you for your Attention
Summary フェルミ・ガンマ線衛星の成果をいくつか紹介 超新星残骸: 宇宙線の源 新星ほか, 新種のガンマ線源の発見 ガンマ線バースト: 強力なジェット, 光速不変の検証 他にも様々なトピック. 日本グループが活躍. 原著論文(>100) 天文月報「フェルミ特集」 2010年5~8月号 物理学会誌 2010年第3号 『まとめ』 まとめ いくつかのトピックを紹介 日本グループが活躍。 原著論文: チーム全体で100以上 忙しい方のために:日本語の解説記事 是非目を通して頂きたい! ご静聴ありがとうございました。 Thank you for your Attention
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Backup Slides
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CR Energy Spectrum Eankle Eknee
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Shock Acceleration 超新星の爆風が星間物質中に衝撃波を作る
荷電粒子の一部は周りの 電磁流体乱流で繰り返し 散乱され、衝撃波面を通過する度にエネルギーを得る (Fermiの統計加速) E-2を予言し、宇宙線加速として都合がよい 衝撃波面の静止系 (超新星が右側) V1/V2 ~4
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SNR w/ cloud interaction: W44
中年齢(2x104 yr)のSNR Fermiで分解可能な大きさ 密度の濃い分子雲と相互作用しており, γ線放射が期待
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LAT view of W44 高密度の分子雲からγ線が放射 x印はパルサーの位置 緑のコントアは衝撃波に励起された分子雲
Abdo+10, Science 327, 1103 CA: Tanaka, Uchiyama, Tajima x印はパルサーの位置 緑のコントアは衝撃波に励起された分子雲 高密度の分子雲からγ線が放射
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LAT Spectrum & modeling
100 MeV GeV TeV スペクトルは陽子起源が良く合う
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LAT Spectrum & modeling
100 MeV GeV TeV スペクトルは陽子起源が良く合う γ線で~1 GeV, 親の陽子で~10 GeVで折れ曲がり (予想されていなかった結果)
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Gamma-ray Spectrum Ecut ~ 0.1Epcut p+p -> np0 + X, p0 -> 2g
Mori08 Kelner+06, PRD 74, p+p -> np0 + X, p0 -> 2g Ecut ~ 0.1Epcut
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X-ray from V407 Cygni X線は遅れており, 衝撃波が周りの星間物質を加熱して生じたと考えられている.
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Spectrum and Energetics
~2 GeVで折れ曲がり. 陽子のp0崩壊で説明できる (lepton起源も可能) Eg=4x1041 erg => Ep~1043 erg Enova~1044 erg の10%が粒子加速に費やされた (非対称な系: 効率 >10%) IC (電子とR.G.からの光)なら0.4%が粒子加速 データ点は赤. 黒青はモデル エネルギースペクトルは2GeVで曲がっている。 陽子起源として説明可能 ガンマ線総エネルギー=>宇宙線陽子の総エネルギー 新星爆発の10%が加速に使えれば説明可能(CasAと同程度) SNRと同様の粒子加速がより小規模の系でも起きうる
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GRB970508 X線残光の発見と可視分光: z=0.835 (ガンマ線の位置決定精度は数度) 2 arcmin 1997 May 09
BeppoSAX WFC (広視野X線カメラ) GRB970228で初めてX線残光 (後にz=0.695) GRB970508: 初めてz=0.835と求まる 1997 May 09 1997 May 14
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Long-lived GeV Emission
GRB triggered by Fermi-LAT/GBM and Swift-BAT aopt~ -0.5 UVOT aopt~ 1.1 aX~ 0.7 XRT aX~ 2.2 LAT ag~ 1.4 プロンプト以外 長い寿命の放射も多く検出 GRB090510: Fermi & Swift同時観測 各バンドのライトカーブ 1 s s s De Pasquale et al., ApJL 709, 146 (2010) T0+200 sまでの長寿命GeV放射 bg ~1.1でほぼ一定のスペクトル
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