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SMP/マルチコアに対応した 型付きアセンブリ言語
前田俊行 東京大学大学院情報理工学系研究科
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型付きアセンブリ言語 (TAL) とは 「強く型付けされた」アセンブリ言語 型検査により以下の安全性を保証できる
メモリ安全性 制御フロー安全性 型が付いていること以外は 普通のアセンブリ言語と変わらない Type-preserving compilation の分野で研究がはじまった[Morrisett et al. 1999]
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TAL のフレームワークの概観: バイナリの生成
型情報 TAL で書かれた ソース プログラム TAL の アセンブラ バイナリ プログラム
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TAL のフレームワークの概観: バイナリの検査
安全 型情報 TAL の 型検査器 バイナリ プログラム 危険
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TALK: TAL for Kernel OS カーネルを書くために 型システムを強化した TAL
メモリ管理機構やスレッド管理機構 そのものを記述可能 従来の TAL では不可能だった 外部のメモリ管理機構 (= GC) に依存していたため SMP/マルチコア環境や割込みにも対応している [前田,米澤 DSW2007,DSW2008]
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TALK の特徴 Strong update を実現している
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メモリ管理と strong update の関係
メモリの再利用の例 int* の領域を int として再利用する int* reuse(int** o) { int* p = (int*)o; *p = 42; return p; }
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メモリ管理と strong update の関係
メモリの再利用の例 int* の領域を int として再利用する 型 int** int* reuse(int** o) { int* p = (int*)o; *p = 42; return p; } 型 int* このメモリを 再利用する 型 int
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メモリ管理と strong update の関係
メモリの再利用の例 int* の領域を int として再利用する 型 int* int* reuse(int** o) { int* p = (int*)o; *p = 42; return p; } 型 42 int Strong update 型 int
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メモリ管理と strong update の関係
メモリの再利用の例 int* の領域を int として再利用する 型 int* int* reuse(int** o) { int* p = (int*)o; *p = 42; return p; } 型 42 int Strong update 型 ポインタ o が他の場所で 使われていないことは 型システムで保証する int
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SMP/マルチコア環境における メモリ管理と strong update の関係
難しいところ 複数スレッド間での ポインタのエイリアス関係を追跡しなければだめ 複数スレッドに関する 情報が型に含まれていない int* reuse(int** o) { int* p = (int*)o; *p = 42; return p; } 危険!!! : 他のスレッドが まだポインタ o を 使っているかも
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SMP/マルチコア環境において 安全な strong update を実現する 従来の TALK の型付け手法
メモリの型を 2 種類に分ける: ローカルメモリ 1つのスレッドからしか アクセスされないメモリ 共有メモリ 複数スレッド間で 共有されるメモリ ローカル メモリ ローカル メモリ ローカル メモリ スレッド スレッド スレッド 共有 メモリ
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SMP/マルチコア環境において 安全な strong update を実現する 従来の TALK の型付け手法
他のスレッドは アクセスできないので 共有メモリには (基本的には) strong update を許さない ただし、条件付きで許す ローカル メモリ ローカル メモリ ローカル メモリ スレッド スレッド スレッド 共有 メモリ
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共有メモリに対する strong update を許す条件
共有メモリの型が 実際の命令実行の前後 (右図の マーク) で変わらないこと Strong update は 1 CPU命令 + pseudo 命令の間 (右図の マークの間) なら実行できる Pseudo 命令 = 型のみを操作する、 実行時に影響のない命令 こうすると他のスレッドからは 型が不変であるかのように「見える」 CPU 命令 CPU 命令 Pseudo 命令 CPU 命令 Pseudo 命令 CPU 命令 CPU 命令 CPU 命令 命令実行の流れ
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ロックの獲得の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1
unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock …
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ロックの獲得の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1
unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … アドレス p: (0, q) 共有 メモリ q: data スレッド ローカル メモリ
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ロックの獲得の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1
unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … アドレス p: (0, q) 共有 メモリ スレッド q: data ローカル メモリ
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ロックの獲得の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1
unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … アドレス p: (1, q) 共有 メモリ スレッド q: data ローカル メモリ
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} (r1 : p, r2 : ??)
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} (r1 : p, r2 : 1)
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : 1)
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : 1) Strong update: 次の次のCPU命令までに 型を元に戻さなくてはならない
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (1, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i)
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i)
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i) 型が元に戻ったのでOK
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i)
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data] (r1 : p, r2 : i)
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ロックの獲得の型検査の例 {p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock:
mov r2 1 unpack r1 xchg [r1], r2 pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data] (r1 : p, r2 : i) ロックで保護されていた メモリ領域 q を共有メモリから 取り出せた
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ここまでの型付け手法の問題点 SMP/マルチコア環境における 「メモリコンシステンシモデル」 を考慮していない
「緩い」メモリコンシステンシの 共有メモリ上では メモリ安全性が破られる可能性がある
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「緩い」メモリコンシステンシとは あるスレッド (CPU) で実行されたメモリ操作が 他のスレッド (CPU) から観測可能となる順序が 元のメモリ操作の順序と異なるような メモリコンシステンシのこと
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「緩い」メモリコンシステンシの例 以下の 2 つのスレッドの実行結果が 「r1 = 1 かつ r2 = 0」 となり得る x: y:
アドレス x: 共有メモリの 初期状態 y: Thread1: st [x] 1 st [y] 1 Thread2: ld r1 [y] ld r2 [x]
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「緩い」メモリコンシステンシの例 以下の 2 つのスレッドの実行結果が 「r1 = 1 かつ r2 = 0」 となり得る x: y:
アドレス この 2 つの st 命令が 他のスレッドから「見える」順番が入れ替わるかも x: この 2 つの ld 命令が 他のスレッドから「見える」順番が入れ替わるかも y: Thread1: st [x] 1 st [y] 1 Thread2: ld r1 [y] ld r2 [x]
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他のスレッドから「見える」順番が入れ替わるかも
「緩い」メモリコンシステンシの例 以下の 2 つのスレッドの実行結果が 「r1 = 1 かつ r2 = 0」 となり得る アドレス この 2 つの st 命令が 他のスレッドから「見える」順番が入れ替わるかも x: y: Thread1: st [x] 1 st [y] 1 Thread2: ld r1 [y] ld r2 [x] 4 2 1 3
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他のスレッドから「見える」順番が入れ替わるかも
「緩い」メモリコンシステンシの例 以下の 2 つのスレッドの実行結果が 「r1 = 1 かつ r2 = 0」 となり得る アドレス x: この 2 つの ld 命令が 他のスレッドから「見える」順番が入れ替わるかも y: Thread1: st [x] 1 st [y] 1 Thread2: ld r1 [y] ld r2 [x] 2 4 3 1
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「緩い」メモリコンシステンシ上で メモリ操作の「見え方」を制御する方法
今日の多くの CPU は 以下の 2 つの機能を提供する アトミック命令実行機能 メモリ操作反映順序制御機能
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アトミック命令実行機能 命令の行うメモリ操作の結果が 他のスレッドから 「全て見えない」か「全て見える」か のどちらかになる
中途半端なメモリ状態が 他のスレッドから見えなくなる
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メモリ操作反映順序制御機能 Acquire メモリ操作 Release 操作
この操作より後のどのメモリ操作よりも先に 他のスレッドから観測可能となる操作 Release 操作 この操作より前のどのメモリ操作よりも後に 他のスレッドから観測可能となる操作
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メモリ操作反映順序制御機能の例 以下の 2 つのスレッドの実行結果が 「r1 = 1 かつ r2 = 0」 となり得ない x: y:
アドレス x: 共有メモリの 初期状態 y: Thread1: st [x] 1 release st [y] 1 Thread2: ld r1 [y] acquire ld r2 [x]
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メモリ操作反映順序制御機能の例 以下の 2 つのスレッドの実行結果が 「r1 = 1 かつ r2 = 0」 となり得ない x: y:
アドレス x: 共有メモリの 初期状態 y: Thread1: st [x] 1 release st [y] 1 Thread2: ld r1 [y] acquire ld r2 [x] 必ず x より後に y に書き込まれるように「見える」 必ず x より前に y が読み込まれるように「見える」
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「緩い」メモリコンシステンシ に対応するための型付け手法
以下の 2 つの制約を型システムで検査する 共有メモリに対するメモリ操作には 常に「アトミック命令実行機能」を用いること 共有メモリとローカルメモリの間で メモリ領域を移動する場合は 「メモリ操作反映順序制御機能」を用いること 共有メモリ ローカルメモリ : acquire ローカルメモリ 共有メモリ : release
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock …
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} (r1 : p, r2 : ??)
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} (r1 : p, r2 : 1)
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : 1)
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : 1) まだ acquire していないので アドレス q はアクセス不可
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (1, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i)
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (1, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i) アトミックにメモリ操作 しているのでOK
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (1, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i)
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p (1, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i) acquire 操作の結果 アドレス q に アクセス可能になった
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i)
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data if [i == 0]] (r1 : p, r2 : i)
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data] (r1 : p, r2 : i)
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「緩い」メモリコンシステンシに対応した ロックの獲得の型検査の例
{p∃i.{qdata if [i==0]}. (i, q)} (r1 : p) lock: mov r2 1 unpack r1 atomic xchg [r1], r2 acquire pack r1 bne r2, 0, lock … 型検査器の状態 {p ∃i.….(i, q)} [q data] (r1 : p, r2 : i) 既に acquire 済みなので アドレス q はアクセス可
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関連研究 マルチスレッドに対応した型付きアセンブリ言語 [Vasconcelos et al. 2006]
同期機構やスレッド機構そのものを記述することはできない Lock や unlock 、スレッド機構はプリミティブとして提供されている その他、型でロックの整合性を 保証する研究[Flanagan et al. 1999, 2007, Iwama et al. 2002, Grossman 2003, etc.] レースコンディションやデッドロック等を防ぐことを 主な目的としている 一方我々の手法はメモリ安全性等のみを目的としている
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関連研究 「緩い」メモリコンシステンシモデルに関する検証 SMP/マルチコア環境におけるプログラム検証
[Ghughal et al. 2000, Chatterjee et al. 2002] 「緩い」メモリコンシステンシの「実装」の検証 [Burckhardt et al. 2008] TSO 上のプログラムが SC を満たすことをチェックする [Boudol et al. 2009, Atig et al. 2010] 「緩い」メモリコンシステンシの共有メモリを持つシステムの 操作的意味論を定義してプログラム検証に使う SMP/マルチコア環境におけるプログラム検証 [Dinsdale-Young et al. 2010] 共有メモリに対する不変条件を扱えるように separation logic を拡張している ただし「緩い」メモリコンシステンシモデルを考慮していない
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まとめ SMPやマルチコア環境に対応した 型付きアセンブリ言語を提案した ロック等の同期機構そのものを記述できる
複数スレッド間で共有されるメモリに対しては strong update を 1CPU命令 + pseudo命令のみで許可することで実現した 「緩い」メモリコンシステンシモデルにもとづく 共有メモリのもとでも メモリ安全性を保証できる 型付けによって以下の 2 つの制約を検査する 共有メモリに対する操作は 「アトミック命令実行機能」を用いること 共有メモリとローカルメモリの間で メモリ領域を移動するときには 「メモリ操作反映順序制御機能」を用いること 共有メモリ ローカルメモリ: acquire ローカルメモリ 共有メモリ: release
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