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Mashima Lab. Minami Matsuno

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Presentation on theme: "Mashima Lab. Minami Matsuno"— Presentation transcript:

1 Mashima Lab. Minami Matsuno
Salt-Free Reduction of Nonprecious Transition-Metal Compounds: Generation of Amorphous Ni Nanoparticles for Catalytic C-C Bond Formation Mashima Lab. Minami Matsuno 今回私は、当研究室で過去に報告した、有機ケイ素還元剤によって遷移金属を還元し、生成した非晶質ニッケル微粒子をカップリング反応の触媒として用いた論文について紹介します。

2 What is Catalyst? 1/11 Catalyst : A substance that speeds up a chemical reaction,        but is not consumed by the reaction. まず触媒について説明します。触媒とは、特定の化学反応の反応速度を速める物質のことで、それ自身は反応の前後で変化しないもののことを言います。概要図はこちらのようになっており、紫色の線が触媒なしでの反応座標とエネルギーの関係、緑色の線が触媒ありでの関係を示しています。 出発物質が、遷移状態を超えるにはこれだけの活性化エネルギーが必要でありますが、触媒を添加することでこの障壁を大幅に減らすことができ、これにより目的とする生成物を少ないエネルギーで得ることが可能となります。

3 Nanoparticle Catalysis
2/11 Homogeneous catalysts Heterogeneous catalysts Easy fine tuning High reactivity Good selectivity Low cost, high stability Easy separation from products Reusability Nanoparticle catalysts 触媒にもさまざまな種類があります。Homogeneousいわゆる均一系触媒は、反応物と一緒に触媒も溶液に溶かし、溶液中で反応速度を促進させる触媒のことを言います。この均一系触媒の特徴として挙げられるのが、狙った反応を促進するという点で、触媒のチューニングをしやすいこと、反応性が高いこと、選択性が高いことなどがあります。選択性とは、副生成物があまり出ず、目的とする生成物を選択的に得られることを言います。 一方、Heterogeneousいわゆる不均一系触媒は、固体触媒みたいなもので、反応溶液中に溶けず、触媒の表面で反応を進行させるもののことを言います。不均一系触媒の特徴として挙げられるのが、低コストかつ安定性が高いこと、生成物と触媒を分けるのが簡単であること、繰り返し使えることなどが挙げられます。 さらに、Nanoparticleいわゆる微粒子触媒というものも存在し、これは不均一系触媒でありながら、均一系触媒のようなふるまいをすることから、注目を集めている触媒系であります。 Heterogeneous but behave like Homogeneous

4 What is Coupling Reaction?
3/11 Coupling reaction : Variety of reactions where two fragments are joined together with the aid of a metal catalyst (金属触媒) Application Total synthesis of natural products (天然物) Synthesis of pharmaceuticals (医薬品), functional materials (機能性材料) etc. 先ほどまでに紹介した金属触媒を用いた化学反応の一例として、カップリング反応というものが挙げられます。カップリング反応とは、二つの化学物質を選択的に結合させる化学反応のことで、金属触媒を用いて行う手法が多用されています。結合する二つのユニットの構造が等しい場合にはホモカップリング、異なる場合にはクロスカップリングと言います。このカップリング反応を用いることで、全合成と言って、天然物中に見られる化学物質の骨格を人工的に合成することができる他に、医薬品や機能性材料の骨格を構築することに応用ができ、すぐれた反応であると言えます。

5 General Scheme of Cross-coupling Reaction
4/11 ここで、一般的なクロスカップリング反応がどのような機構で進行しているかを示している、反応機構について説明したいと思います。今回はパラジウムを金属触媒として用いた場合の、青の炭素骨格と赤の炭素骨格をつなぐクロスカップリング反応について説明します。今回用いる二つの炭素骨格のうち、青の炭素にはハロゲン化合物が、赤の炭素にはマグネシウムや亜鉛、ホウ素、スズなどが付いているものを用いており、この二つをつなぎます。初めに、0価のパラジウム触媒に対して青の炭素ーハロゲン結合が切断し、付加します。パラジウムはd10金属であるため電子豊富であり、切断した結合に対して1電子ずつ電子を渡すことで、炭素ーパラジウムーハロゲンという結合ができます。このときパラジウムは電子を2つ渡しているので、自身は2価に酸化されます。この段階を酸化的付加といいます。 続いて、赤の炭素ー金属と、今できた化学種が結合を交換することで、青の炭素ーパラジウム2価ー赤の炭素という化学種ができると同時に金属ーハロゲン(M-X)が抜けます。最後に、パラジウム2価が結合している二つの炭素から1電子ずつ奪うとともに青の炭素と赤の炭素が1電子ずつ電子を出して結合を形成します。これにより青の炭素と赤の炭素が結合した目的物ができ、パラジウムは2電子受け取るので還元され、再び0価に戻り、最初の状態に戻ります。この段階を還元的脱離といいます。 このように、金属触媒が元に戻る機構を描いたものを触媒サイクルと呼びます。 これが一般的なクロスカップリング反応の触媒サイクルとなります。同じd10金属であるニッケルも、カップリング反応に用いられることがあります。

6 Base Metal NP Catalysis
5/11 Transition metal NPs catalyzed coupling reactions Nanocatalysis Synthesis and Applications Polshettiwar, V.; Asefa, T. Eds., Wiley, Hoboken, 2013. Transition metal NPs catalyzed coupling reactions 金属触媒を用いたカップリング反応のなかでも、金やパラジウム、白金などの貴金属の微粒子を触媒に用いた反応と、ニッケルやコバルト、鉄などの遷移金属の微粒子を触媒に用いた反応が挙げられますが、一般的に前者は反応性が高く、後者は反応性が低いことが知られています。しかしながら、貴金属はその名の通り高価であるため、安価で地球上に豊富な遷移金属を用いたカップリング反応の開発が強く求められています。 2013年には小林先生らが、遷移金属であるニッケルの微粒子を触媒に用いたクロスカップリング反応を達成していますが、この反応には特別に設計した配位子を用いる必要があったため、容易に作ることができるニッケル触媒を用いた反応の開発がさらに求められています。配位子とは、金属中心に配位結合で配位する化合物のことを言い、この配位子を調整することでさまざまな反応を制御することができます。 Kobayashi, S. et al. J. Am. Chem. Soc. 2013, 135,

7 Generation of Zero-valent Ni Species
6/11 Reported method Low catalytic activity to C―C bond formations This work 先ほど紹介したカップリング反応の触媒サイクルにおいて、反応の開始段階は0価の金属触媒に対する段階であったため、カップリング反応を開始させるにはまず0価の化学種を作る必要があります。市販のニッケル触媒前駆体は安定な2価の金属塩であることが多く、これを0価に還元する還元剤が必須であります。従来の還元剤の例としては亜鉛やマンガン、水酸化ホウ素ナトリウム、水素、ヒドラジン、ギ酸などが挙げられ、これらを高温下などの過酷な条件下で反応させる必要があります。さらに、亜鉛やマンガンなどの還元剤は金属であるため、これが触媒として働いてしまい、結果として本来の目的から外れた副生成物が生成してしまうという懸念も併せ持っています。 一方、当研究室では、金属を用いない還元剤の開発に注力しており、なかでもこちらの構造を有する、有機ケイ素還元剤がチタンやタングステンなどの前周期遷移金属の還元に高い能力を示すことを見出しております。本発表では、こちらの有機ケイ素還元剤がニッケルなどの後周期遷移金属の金属塩を温和な条件下で還元するのにも高い能力を示し、さらにこの還元剤により還元されたニッケル0価アモルファス微粒子がカップリング反応において高い活性を示したので、詳細を紹介します。

8 Reduction of Metal Salts by Reductant 1
7/11 (副生成物) 初めに、有機ケイ素還元剤1の還元能を検討しました。後周期遷移金属の2塩化物であるFeCl2やCoCl2,NiCl2, CuCl2 に1を作用させた場合には、それぞれ対応する金属の0価種が得られました。また、貴金属塩であるPdCl2, PtCl2, AgCl でも、目的とする0価種が得られました。さらには、13族元素であるGaCl3 でも、対応する0価種の生成が確認されました。

9 Screening of Metal Sources
8/11 続いて、4-iodoanisoleを出発物質として、先ほど説明したホモカップリング反応に最も最適な金属触媒前駆体の検討を行いました。FeCl2を有機ケイ素還元剤1で還元することで系中発生させたFe0価種を触媒に用いた場合には反応は全く進行しませんでした。CoCl2を用いた場合には、90%を超える収率で目的とするカップリング体が得られ、NiCl2を用いた場合には7割弱の収率で目的物が得られました。CuCl2,PdCl2,PtCl2,Co(acac)2 を用いた場合には、反応はほとんど進行しませんでした。最後にNi(acac)2を用いると、ほぼ100%の収率で目的物が得られたため、Ni(acac)2を最適な触媒前駆体に決定しました。

10 Screening of Reductants
9/11 続いて、Ni(acac)2を触媒前駆体とし、還元剤の検討を行いました。有機ケイ素還元剤である1で触媒前駆体と還元した場合には96%収率で目的物が得られましたが、金属還元剤であるマンガンや亜鉛を用いた場合には反応は全く進行しませんでした。さらに、2電子還元剤であるTDAEを用いた場合にも反応は全く進行しなかったため、本反応は有機ケイ素還元剤1が金属塩を還元することでのみ進行するものと考えられます。

11 Reaction Mechanism 11/11 1 Ar = aryl group (芳香族化合物) X = halide
最後に、本反応がいかに進行しているかを表す、推定反応機構をお示しします。はじめに、Ni(acac)2 と有機ケイ素還元剤1を混合することで系中でNiの非晶性微粒子が生成します。非晶性ニッケル微粒子から浸出したNi0価種にアリールハライド種、つまり芳香族化合物にハロゲンが付いたものが酸化的付加することで、アリールーニッケルーハロゲンの化学種ができます。これが二つあると、Ni0価種、Niにハロゲンが二つついたもの、芳香族化合物が二つ付いた目的とするカップリング体が得られます。また、ニッケルにハロゲンがふたつ付いた化学種が再び有機ケイ素化合物1 に還元されることで、ニッケル0価種が再生します。有機ケイ素還元剤1が還元する際に副生するこちらの化合物は系中から容易に除くことが可能である上に、有機化合物であるので目的とする反応を邪魔することなく高い還元力を示します。 1 Ar = aryl group (芳香族化合物) X = halide

12 発表は以上です。ご静聴ありがとうございました。


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