第7章 計算の機構 コンピュータの基本構成 CPU アセンブリ言語 論理演算、MIL記法 半加算器、全加算器 1.

Similar presentations


Presentation on theme: "第7章 計算の機構 コンピュータの基本構成 CPU アセンブリ言語 論理演算、MIL記法 半加算器、全加算器 1."— Presentation transcript:

1 第7章 計算の機構 コンピュータの基本構成 CPU アセンブリ言語 論理演算、MIL記法 半加算器、全加算器 1

2 パソコンの歴史 1970年アラン・ケイ「パーソナルコンピュータ」を提唱。「コンピュータ・リテラシ」も彼の造語。ダイナブックを具現化。ハードウェア Alto, 暫定的ソフト Smalltalk .   スティーブ・ジョブズ Lisa, Macintosh へ 1976年 Apple I、  翌年 Apple II 大成功を収める。 1970年代後半~80年台前半 多くの非互換機メーカーが競合 1981年 IBM PC 16ビットコンピュータ PC/AT 互換機が業界標準、アップルは非互換機路線を堅持 2004年 IBM はパーソナルコンピュータ事業を中国のレノボ・グループに売却。ハードウエアのオープンアーキテクチャ化を大きな要因として繁栄したPC/AT互換機であったが、最終的にはその互換機によって市場から撤退することとなった。 2

3 日本のパソコンの歴史 「国産マイコン」の最初の製品は、1976年日本電気 (NEC) より発売されたTK-80とされる。
その後 8ビットマイコン・BASICと群雄割拠の時代 1982年 16ビットCPUを採用した「PC-9800シリーズ」が発売。その後はMS-DOSを採用したPC-9800シリーズの独走態勢となった。 Macintoshは、漢字Talk7が発売された頃から、ハードウェアの値下げと日本語処理機能の充実により、シェアを伸ばしていった。 1995年にGUIを大改良したWindows 95の発売が開始されると、98互換機のエプソンもPC/AT互換機に転換し、国内独自パソコンの歴史は完全にピリオドが打たれた。 3

4 インターネットの歴史 1969年冷戦時代のアメリカで国防用の分散型ネットワーク ARPANET が開発された
1986年に軍事用のARPANETから分割される形でアメリカ科学財団のNFSNetが作られた 1995年にはNSFNet は民間へ移管された。 LANのプロトコルとして複数のプロトコルが使われていたが、現在ではLANでもTCP/IPがデファクトスタンダードになっている。 4

5 計算機の基本構成 (中央演算処理装置) 美馬先生4ページ,図を画像としてとりこんだため背景がずれています. 5 5

6 メインメモリ (RAM) 外部メモリ (ハードディスク) アプリケーションソフトの起動と終了 1. アプリケーションソフトの起動
2. データファイルの読み込み CPU 中央演算処理装置 3. ソフトの作業 4. データファイルの保存(Save) 5. ソフトの終了 バスライン ソフト ソフト データ データ データ データ メインメモリ (RAM) 外部メモリ (ハードディスク) 6

7 入出力装置 入出力バスライン CPU 制御部 デコーダ コントローラ 加算器 演算部 ハードディスク RAM メインメモリ 外部記憶装置
CRT,キーボード、マウス、プリンタ 入出力装置 プログラムカウンタ 加算器 入出力バスライン 演算部 32 ビット ハードディスク RAM メインメモリ 外部記憶装置 レジスタ 7

8 機械語レベルのプログラム 命令集合の並び 命令集合:CPUで利用できる単純な命令群の集合でメモリと演算レジスタを操作
命令コード:命令の種類を表す符合 load, store など オペランド:命令の付加情報 アドレスAなど 8

9 アセンブリ言語命令の例 種類 内容 意味 データ転送命令 load A store A アドレスAのデータを演算レジスタ(AC)に読み込む
ACのデータをアドレスAに書き込む 計算命令 add A subtract A アドレスAのデータをACの値に加える アドレスAのデータをACの値から引く 分岐命令 jump A  jumpzero A アドレスAにプログラムの実行を移す ACのデータが0の場合,アドレスAにプログラムの実行を移す その他 write halt ACのデータを出力する プログラムの実行を停止する 9 9

10 x y 1 AND(x,y) OR(x,y) NAND(x,y) NOR(x,y) ・ドモルガンの法則、分配則が成り立つ。
7.2 論理変数と論理演算の真理値表 x y NOT(x) AND(x,y) OR(x,y) NAND(x,y) NOR(x,y) XOR(x,y) 1 ・ドモルガンの法則、分配則が成り立つ。 10

11 MIL記法 MIL記法 11

12 論理演算の書き方 論理式 ブール代数 MIL記法 NOT(x) AND(x,y) NAND(x,y) OR(x,y) NOR(x,y)
XOR(x,y) EQ(x,y) 増原先生 12 12

13 論理演算は、論理変数と論理式によって与えられる。
論理演算を組み合わせ回路として実現することによって、加算機、フリップフロップなどが構成できる。(テキスト p.164, p ) 論理演算は、論理変数と論理式によって与えられる。 半導体によって作られる基本素子は、NAND もしくは NOR である。それを組み合わせてほかの AND, OR, NOT などの論理素子を構成する。 (NAND は完備生を持つ) 13

14 NAND 素子からほかの論理素子を作る x y x・y AND(x,y) x y OR(x,y) x+y 14

15 NANDゲートでXORを作る x y XOR(x,y) 15

16 MIL記法によるXOR回路の表現 9個のNANDを使っている XOR: (0,0),(1,1)⇒0, (0,1),(1,0)⇒1.
左:加算標準形、右:乗算標準形 任意の論理演算をMIL記法で表現可能 16

17 (A) 半加算器 (B) 1ビット全加算器 c_in x x +) y +) y cout s cout s 下からの繰り上がり 下の桁
1 s 上の桁 cout y x 17

18 モジュールによる演算回路の実現 1ビット半加算器モジュール x y s cout 1 0 1 1 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0
18

19 1ビット全加算機 (p.164) x y cin s1 c1 s c2 cout 1 1 1 0 1 1 0 1
c1 c2 s1 s 19

20 ICトレーナーを使った組合せ回路実習のページ
   johzu/joho/ictrainer/index.html 20

21 第8章 情報システムの役割

22 クライアント/サーバ型 ネットワーク上の分散システム構成 例 クライアント: サービスを要求 サーバ: サービスを提供
WebサーバとWebクライアント(ブラウザ) データベース・サーバとクライアント(アプリケーションプログラム)

23 通信規約HTTP HyperText Transfer Protocol
通信要求のコマンド例 GET: クライアントがサーバから情報の資源(ページ)を取得するために出す要求 POST: クライアントがサーバに情報を与えるために出す要求

24 第9章 ユーザインタフェース 人に優しいデザイン 24

25 インタフェースの定義 この章で扱うインタフェース コンピュータなど人工物とユーザ(人間)との間のインターフェース
「ユーザインタフェース」,あるいは「ヒューマンインタフェース」と呼ばれる SECTION 0-0-0

26 設計者とユーザの齟齬 券売機 インタフェース設計者の工夫が,予期せぬ形でユーザに解釈される
コイン投入口にコイン詰まりを 防ぐための棒がある 「500円玉は右に入れるので すか,左に入れるのですか?」 インタフェース設計者の工夫が,予期せぬ形でユーザに解釈される インタフェースが設計者や人工物とユーザとを結ぶ唯一の接点となっているために生じる SECTION 0-0-0

27 世の中,かくも使いにくい物ばかり? ドアを押すのか引くのかわからない 電灯とスイッチの位置が無関係 携帯電話の機種によって使い方が違う
ワープロが勝手に入力を変更する D.A. ノーマン「誰のためのデザイン」新曜社,1990. -これが元ネタ。読みやすく、実例が豊富で、分かりやすい。一読の価値がある。 SECTION 0-0-0

28 ドアの問題点 (p.141) ドアには驚くほど種類がある。利用マニュアルをつけなくてはならないとしたら、それは失敗作であってデザインが悪いのである。 たいていの地下鉄のドアは駅に来れば自動的に開く。しかしパリではそうではない。パリのメトロで電車から降りようとして降りそこなったひとを見たことがある。駅に着くと、その人はドアの前に立ち開くのを辛抱強く待っていた。しかしドアは開かなかった。 メトロのドアを開けるには、ボタンを押すか、レバーを押し下げるか、ドアを横にすべらせるかしないといけないのだった。この中のどの操作をしたらいいのかは、どの型の電車に乗ったかによる。 私の経験では一番の困りものはガラスの飾り棚の扉だ。これは開けるのに、すべらせるのか持ち上げるのか押すのか引くのかが分からない。またどこを操作したらいいのかも分からない。一体全体どこに扉があるのかさえ分からないこともある。見た目の美しさを気にするあまり使いやすさが無視されていることに、デザイナーはまったく気づいていないように思われる。 一番いらいらさせられるのは内側に押すと外に開く扉である。中が見えるので内側に開くほど隙間がないことはすぐ分かる。そのため、ドアを押すのは矛盾しているように思える。

29 スイッチの問題点 (p.148,151)

30 インタフェースの機能 ドライバ(古典的な道具)のインタフェース
固いネジには握りの太いドライバ,細いネジや折れやすいネジには握りの細いドライバ 人間の道具(ドライバ)への働きかけは,そのまま対象(ネジ)への働きかけとなっている SECTION 0-0-0

31 コンピュータのインタフェース 道具への働きかけが対象への働きかけと等価であるとは限らない エンターキーを押す
目的は力の伝達ではなく,情報(意思決定)の伝達 伝達対象は状況によって変わる かな漢字変換 ミサイルの発射命令 SECTION 0-0-0

32 インタフェースの二重接面性 第一接面(操作インタフェース) 第二接面(制御インタフェース)
ユーザ(心理的世界)と人工物(道具・機械の世界)の間 直接的 第二接面(制御インタフェース) 人工物と物理的なタスク(仕事世界)の間 間接的 ユーザの目的は物理的なタスクの実行であるが,操作可能なのは第一接面 コンピュータなど,高度な人工物には二重接面性が 存在する SECTION 0-0-0

33 インタフェースの二重接面性(図) 道具・機械の世界 心理的世界 仕事世界 第一接面 第二接面

34 インタフェースの3つの概念モデル ユーザモデル デザインモデル システムイメージ ユーザが持つ,システムに対するメンタルモデル
システム設計者が持つ,システムの基本的なデザイン方針やプラン システムイメージ システムが実際にユーザに提示するイメージ SECTION 0-0-0

35 デザインモデル デザイナーが持つ概念モデル システムイメージ 目に見える構造の部分 ユーザの持つ概念モデル
デザインモデル デザイナーが持つ概念モデル システムイメージ 目に見える構造の部分 ユーザの持つ概念モデル  システムのマニュアル、実際の利用などから生ずる(テキストp.217図9.4=ノーマンp.25図1-10) デザイナはシステムイメージを通してのみユーザに語りかけられる 35

36 インタフェースの3つの概念モデル(続き) モデル間の関係 インタフェースデザインの2つの側面 デザインモデルからシステムイメージには一方向
ユーザモデルとシステムイメージの間は双方向 デザインモデルとユーザモデルの間にはない インタフェースデザインの2つの側面 技術的側面 デザインモデルをシステムイメージに反映する ユーザの認知・行動的側面 ユーザモデルを予測してデザインモデルを作る SECTION 0-0-0

37 コンピュータの汎用性による難しさ 心理的世界から道具・物理世界への対応づけは限られている キーボード,ポインティング・デバイス,GUI
道具・物理世界から仕事世界への対応づけは多様 ワープロソフトによる文書作成 データベースソフトによるデータの管理 数値計算プログラムによる建物の構造計算 逆向きの対応づけも同様 コンピュータとソフトウェアの状態や実行結果は多様 ユーザに提供される出力は限られている SECTION 0-0-0

38 システムイメージが整合的でないと、ユーザが間違ったメンタルモデルを持つことになる 例 新しい自動車 112個のスイッチ 電話より使いやすい
例 新しい自動車 112個のスイッチ 電話より使いやすい 見れば分かる  スイッチとコントロールされるもののあいだの自然で良い対応付けがある コントロール手段とその表示が自然な対応付けができているとき、道具は使いやすくなる 38

39 システムイメージが整合的でないと、ユーザが間違ったメンタルモデルを持つことになる
例 新しい電話 「もしもし、どなたですか?」「 そちらこそだれですか。電話をかけてきたのはあなたでしょう?」 可視性のなさと貧弱な概念モデルのため 例 新しい自動車 112個のスイッチ 電話より使いやすい 見れば分かる  スイッチとコントロールされるもののあいだの自然で良い対応付けがある コントロール手段とその表示が自然な対応付けができているとき、道具は使いやすくなる 39

40 日常場面における行為の心理学 ある計算機の例: リターンキー、とエンターキーがある。 しばしば間違えて、作業結果が失われる。秘書たちは、エラーをしたのは自分のせいであるという罪悪感を持って、エラーを報告しなかった。自分の不注意さを責める傾向にある。 悪いのはデザインであって、誰でも同じようにエラーを起こす 日常の道具に関する失敗は自分自身を責める傾向にある。逆に一般には、人は自分に問題があれば、周りの状況、環境に原因を求め、他人に問題があるときは、その他人の性格に原因を求めようとする。 それ自体なんでもないことと思われる場面で何回か失敗すると、道具を使うことや数学の問題すべてに一般化してしまう。 何かで失敗する。自分のせいだと思う。自分にはできないと思いこむようになる。 40

41 何かで失敗する。自分のせいだと思う。自分にはできないと思いこむようになる。
日常の道具に関する失敗は自分自身を責める携行にある。一般には逆に、人は自分に問題があれば、周りの状況、環境に原因を求め、他人に問題があるときは、その人本人の性格に原因を求めようとする。 それ自体なんでもないことと思われる場面で何回か失敗すると、道具を使うことや数学のもんだいすべてに一般化してしまう。いったん失敗すると自分を責めることによって数学一般にすぐ一般化してしまうのが問題なのである。 何かで失敗する。自分のせいだと思う。自分にはできないと思いこむようになる。 例 マイアミ発ナッソー行きの飛行機 3つあるエンジンのうち1つのオイル圧が低下し、残り2つも低下してしまった。「3つのエンジンのオイルが同時に切れる可能性なんて100万回に1回のことだ」と考えて、計器を無視してパイロットは飛行を続けた。3つのエンジンが止まってしまい、海面に不時着直前に第1エンジンが再始動して、マイアミに無事着陸できた。滑走路のはしについたところでエンジンは停止した。 41

42 良いデザインの原則 可視性 目で見て、装置の状態とどんな機能をもつかがわかること。
可視性  目で見て、装置の状態とどんな機能をもつかがわかること。 よい概念モデル  デザイナーはユーザにとってのよい概念モデルを提供すること。捜査と結果の表現に整合性があり、一貫的整合的なシステムイメージを生むこと。 良い対応付け  行為と結果、操作と結果、システムの状態と目に見えるものの間の対応関係を確立すること。 フィードバック  どのような行為が実際に実行され、どのような結果が得られたかに関する完全な情報をユーザが受け取る。 42

43 GUI (Graphical User Interface)
情報の表示にウィンドウやアイコンなどのグラフィカルなオブジェクトを多用 ポインティング・デバイス(オブジェクトを操作することで基本操作の多くを実現する) 2次元的な位置情報を入力するデバイス 直接入力型デバイス ---- ライトペン,タッチスクリーン 間接入力型デバイス --- デジタイザ,マウス,トラック ボール,ジョイスティック -WIMP システム window, icon, menu, mouse 現在広く使われているGUI CUI (Character User Interface) 情報の表示を文字によって行う すべての操作をキーボードで行う 43

44 GUIとCUIの比較 SECTION 0-0-0

45 10章情報技術と社会 情報リテラシーを身につける 技術と社会 4つの論点 1. 技術の中立性 2. 技術と民主主義 3. 技術倫理
4. リテラシー論 45

46 技術上の変化 500年に一度の革命が今、世界で進行している。その名をIT革命という。約5世紀前、グーテンべルクが発明した活版印刷はカトリック教会の独占物であった聖書を大衆に普及させ、宗教革命を勃発させた。テレビは鉄のカーテンを突破して社会主義国家を崩壊させ、冷戦を終結に導いた。情報メディアはそれまで社会を支配していた権威をひっくり返してしまう破壊力を秘めている。そしていま、インターネットが日本でもIT革命に火をつけた。」 (AERA,2000年、7月5日臨時増刊)

47 情報技術がもたらした変化と社会への影響 年代 技術 影響 ’60s, ’70s 商用・科学技術用コンピュータ 大規模なデータを処理が可能に
“Big brother” ’80s マイクロ コンピュータと ビジネスソフト・ゲーム 個人の道具としての コンピュータ・ソフトウェア ソフトウェアの所有権 ’90s- インターネット・WWW 個人による情報発信が可能に プライバシ,情報の所有権

48 技術の変化が与えた影響とは? 通信コストの低下 個人による情報アクセスと発信 場所・時間・経路の制約からの解放 輸送コストをほぼゼロに
→ アウトソーシング → 革新的なネットビジネス 個人による情報アクセスと発信 「情報 = 権力」という図式を弱める 権力が情報を制御することが困難になる 権威付けのない情報が増える

49 技術変化の結果としてもたらされたもの 4つの変化 例)メールによるコミュニケーション 場所の制約からの解放 時間の制約からの解放
経路の制約からの解放 輸送コストをほぼゼロとした 例)メールによるコミュニケーション コミュニケーション形態を一変 地理的要素に依存しないコミュニケーションが可能

50 権威の崩壊 大型書店 マスメディア オンライン書店 WWW+検索システム 展示場所 + 在庫 による商売 大量に売れる本から利益
大型書店が売らない本は売れない (→ 権威) マスメディア 設備が必要→発信者の限定 発信者が選ぶ人 = 権威者 選ばれる→質が保たれる オンライン書店 無限の展示場所 在庫の極小化 「ロングテール」から利益 WWW+検索システム 権威が無くとも発信可能 玉石混淆 →本の種類 ←売れ行き

51 技術領域を超えた問題 例1=税制や法への影響 例2=経済面の影響 例3=情報検閲の問題 例4=宗教や文化への影響
技術の普及によって、国境がない、法律が効かない、既存の権力が及ばない範囲での交流が可能になった。 しかも、国家はネットなしで生きていけない。 アナーキー(既存の秩序が及ばない)でかつ必要不可欠、破壊と創造の同居。

52 情報技術と社会の軋轢 コンピュータと情報技術の特徴 (1)無形性と複製可能性(ジョンソン,2002) (2)グローバルな通信射程と匿名性
無形性=ソフトウェアやデジタルコンテンツが、従来の「モノ」概念とは異なる性質をもつこと 所有と権利に関わる法制度や倫理との間の軋轢 (2)グローバルな通信射程と匿名性 ネット上の自由で規制のない議論空間、公共空間の構築として、電子民主主義を促進や情報技術によるガバナンスといった展望を開く 同時に、プライバシーやセキュリティといった側面での軋轢を生む

53 権利と所有概念への影響 情報技術は、市場に流通するものの「媒体」を変えつつある ↓ このことが端的にあらわれるのが、著作権をめぐる議論。
例:これまでのCD、ビデオテープ、現像された写真、本、コピーといった物質的な媒体で扱われてきたもの →電子的に取り扱われることになる(電子媒体)   ↓ 保有あるいは所有といった概念も変容 複写する行為、著作権の侵害に対する利用者の意識の希薄さ目の前のモノ(物質的媒体)のときは所有者がはっきりし、コピーをとることに対して対抗があったのに対し、電子媒体になったときにこのような抵抗が少なくなる このことが端的にあらわれるのが、著作権をめぐる議論。

54 コンピュータプログラムの著作権 プログラムの特異性 1985年の著作権法改正で「著作物」に 小説のように人間が読むものではない
配布メディアから複製をしないと動かない 「情報」である → 創作の労力は大きく,複製は容易 デジタルコンテンツである → 完全な複製が作れる 1985年の著作権法改正で「著作物」に 保護されるのはプログラム プログラミング言語・アルゴリズムは対象外

55 権利と所有概念への影響 著作権をめぐる議論 著作権法

56 デジタルコンテンツの著作権 アナログコンテンツとの違い 完全な複製が作れる 簡単に複製が作れる
(+ネットワーク) 低コストで広範囲に配布できる 複製しないと利用できない場合もある システム次第では,利用方法を強く制限することもできる (cf. デジタル放送のコピー制御)

57 デジタルコンテンツの著作権 使用許諾の概念が曖昧 Winny開発者の起訴問題
メモリ上の電子情報は市場や流通機構なしに直接個人の手にわたることが可能 Winny開発者の起訴問題 Winny:ファイル交換が完全に匿名化されていることが特徴 デジタルコンテンツの著作権の侵害を幇助する側面を持っている

58 ネットワークによる情報発信と著作権 放送と性質が似ている 放送との違い 1997年の著作権法改正で「送信可能化権」が「公衆送信権」の1つに
必要な設備が非常に安い 許可がいらない 「送信」ではない (受信側がサーバに要求すると,サーバが返答しているだけ) 世界中に発信する場合も組織内で共有する場合も仕組みが同じ 1997年の著作権法改正で「送信可能化権」が「公衆送信権」の1つに

59 プライバシー プライバシーの保護と 民主主義を支える自由 との関係 個人情報保護法 (2003年5月成立, 4月施行)
個人情報の有用性に 配慮しながら個人の 権利利益を保護する ことが目的

60 10.4.1 情報技術論 技術本質主義(中立主義) 技術の社会構成主義 技術開発と同時に社会への影響を考え,選択を公に開くことが必要
情報技術論 技術本質主義(中立主義) 技術は社会の形態や要望にかかわらず“独立に”発展するという立場社会の要望にそわない、つまり役に立たない技術の発展はないはずだ。 技術の社会構成主義 社会は自身にとって必要な技術をそのつど選択してきたという立場ウォークマン、プリクラ、携帯電話は、社会が選択したから現れたわけではない。市場で売れるから生産されたに過ぎない。 技術開発と同時に社会への影響を考え,選択を公に開くことが必要 60

61 技術は中立か 情報技術の場合 今もさまざまな情報技術や情報をめぐる制度が選択淘汰されつつある時代に生きている。
ハードウェアが選択淘汰され、基本ソフトウェアが選択淘汰され、情報技術やブラウザが選択淘汰され、現在の形になってきている。 今もさまざまな情報技術や情報をめぐる制度が選択淘汰されつつある時代に生きている。 我々の今の選択は、将来世代の情報技術に影響を与える。 技術開発と同時に社会への影響を考え,選択を公に開くことが必要

62 技術と倫理の考え方 技術本質主義をとると: 社会構成主義をとると: 新しい技術は倫理の空白を生み出す
技術は社会の要請とは独立に進展し、技術のあとから倫理的問題がでてくる。 社会構成主義をとると: 技術の進展が倫理の空白を生み出すとともに、  倫理的問題の存在が技術を導く。  両者が相互作用をもって進展。 例:プライバシー保護をめぐる倫理的問題→不正アクセス防止のための技術、プライバシー保護のための次の技術

63 「インターネットの心理学」 (パトリシア・ウォレス、NTT出版) 2001
この本の目的:オンライン世界が人間行動に及ぼす心理的な影響を調べる。 .心理学から見たインターネット インターネット世界では、人は奇妙な動を取ったり、普通とは異なる人間関係を築くことがある。「正常な人」がささいなことで、冷静さを失う。熱いフレーム 戦争に巻き込まれると相手を不必要に厳しく非難する。インターネット利用者が他社とやりとりする際、全く抑制のきかない状態に陥ったり、激昂しやすい。 63

64 ネットの特徴 最も大事なのは匿名性である。 権威者の存在ないしは不在。--フォーラムの主催者は権威者の典型 インターネットは大きな単一のコミュニティではなく、近隣コミュニティの巨大な集合体 インターネットが持つ影響力は、テレビや電話の比ではない。(本当だろうか?ラジオやテレビの出現は?) [カール・マルクス]「手引き臼は封建君主を社会にもたらし、蒸気臼は社会に産業資本家をもたらす」 現在、私たちはそのような歴史的転換点のまっただ中にいるのかもしれない。 64

65 インターネットは、技術決定論と社会構築論のあいだのどこかに位置づけられる。
インターネットは成熟したテクノロジーとは言い難く、まだ社会の影響を受けないほどには 完成されていない。言い換えれば、現在はその発展に私たちが寄与しうる絶好の時期であり、政治環境も望ましい状況となっている。 [エスター・ダイソン]インターネットは(他の道具同様に)良いことにも悪いことにも利用できる。しかし、弱者に対していっそう強い力を与えてくれること は、強調されるべき点だ。インターネットは、善悪にかかわらず中央権力を徐々に衰えさせる。その一方で、良くも悪くも力を結集させる。言い換えると、イン ターネットはプロパガンダには適さないが、共謀するには完璧な道具だ。 65

66 情報リテラシー 一般にリテラシーとは=読み書き能力、識字率のこと 科学技術リテラシーとは 情報リテラシーとは
科学や技術を使う上での基本的な能力、科学・数学・技術に関係した知識・技術・物の見方。物事を論理的に考える能力も含まれている。 情報リテラシーとは ただ単にパソコンを操作できるという意味の情報機器操作能力ではない。 情報を主体的に選択、収集、活用、編集、発信する能力をもつこと 情報機器を使って論理的に考える能力 マウスでクリックしたときに「裏で何が動いているのか」についてのおおまかな想像力がおよぶ程度の理解能力

67 これからの世代の情報 情報技術の普及 我々の今の選択は、将来世代の情報技術に影響を与える。
よい側面とダークサイド双方が同居。社会の新陳代謝加速。 面白いものにぶつかるチャンスもあるし、危ないものにぶつかるチャンスも多い。 その場面場面で技術開発者、利用者、法律の専門家や倫理の専門家などの相互の議論が必要。 我々の今の選択は、将来世代の情報技術に影響を与える。 文明時代の野蛮人になるのではなく、 問題が発生するごとにそれらの議論に「参加」し、 新しい社会規範の構築に参加できる情報リテラシーを身に付けること

68 10章章末問題 情報技術が人間の行動や社会の権力構造にたいして新しい可能性を生み出す、と言うことが意味していることを述べよ。
コンピュータの専門家の倫理が、他の技術者の倫理とどこが違うか考えよ。 情報法技術が社会構成主義及び技術負荷論となじみやすい理由を考察せよ。また、他の技術との差異についても論ぜよ。 68


Download ppt "第7章 計算の機構 コンピュータの基本構成 CPU アセンブリ言語 論理演算、MIL記法 半加算器、全加算器 1."

Similar presentations


Ads by Google