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確率と統計2009 2010年1月7日(木) Version 3.

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1 確率と統計2009 2010年1月7日(木) Version 3

2 今日も検定、検定また検定

3 PROBLEM 全国10歳の女子の身長は、平均μ=140cm、標準偏差 σ=5cmの正規分布に従うことが知られている。いま、あ る地域に住む10歳の女子25名の身長を調べたところ、 平均m=137cmであった。この地域の女子の身長は全 国水準と比べてどうか?

4 平均μ = 140cm 標準偏差σ = 5cm 平均μ = 137cm 標準偏差

5 平均μ = 140cm 標準偏差σ = 5cm 平均m = 137cm 標準偏差 標本平均 m = 140cm 標準偏差σX = σ/√n

6 仮説H0:その地域に関するデータは、全国データの標本で        ある。
定理:N(μ=140, σ2=25)から得られる標本に関して、     標本平均の平均はN( μ, σ2 / n ) に従う。 事実(調査結果): 標本の平均m=137cm。 分析: N( μ, σ2 / n ) = N( 140, 52/ 25 ) = N( 140, 1 ) に     おいて、平均値mが137cm以下か143以上になる     確率Pを計算する(両側検定)。 有意水準を5%とする。 Z = ( m - μ) / (σ / √n) = -3 および正規分布表より、  P = < 0.05 仮説H0を棄却する。 結論:有意水準5%でその地域の女子の身長は 全国平均よりも低い。

7 データ分析の練習をしてみよう!

8 PROBLEM あるガン性疾患Xの疑いのある患者60名のうち、最終的 にガンXの診断が確定した者が20名であった。いま、全 症例についてその血液型を調べ、A型の人数を数えた ところ以下のようになった。ガンXの患者ではA型の人が 多いと言えるか?考察せよ。 ガン陽性(+) ガン陰性(-)  合 計 A   + 型   - 15 25 30  合 計 20 40 60

9 考察 2行2列の表になっているので、2×2分割表の検定法 を適用する。

10 PROBLEM 前立腺ガンの患者150名をランダムに2群に分け、A,B 2種類の方法で治療を試みた。一定期間後、両群の生 存・死亡数を比較したところ以下のようになった。治療法 により生存率が異なると言えるか? 治療法A 治療法B 合計 生存者数 死亡者数 55 20 35 40 90 60 75 150

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12 PROBLEM シャープペンシル用の芯を作っている工場において、 製造した芯の太さの平均値μ(母平均)が0.90mmにな るようにしないと、シャープペンシルに合わない芯が出 て顧客から苦情が来るため、母平均が0.90mmではな くなったときは機械を止めて調整することにしている。母 平均が0.90mmかどうかは、毎日製造される芯の中から、 無作為に100本を取り出して、その太さを測りその平均 値mを計算することで調べている。いまmを求めたら 0.91mmであり、また、標準偏差s=0.03mmであった。 この場合あなたはどういう判断を下しますか? (機械を止めて調整する? まだしない?)

13 考察 条件設定: 分かっているもの: 母平均μ 標本平均m 標本の大きさn 分かっていないもの: 母標準偏差σ

14 数学的事実 標本平均Xは、標本の大きさが十分大きければ、 N( μ, σ2/n ) に従う。
従って、Z=(X-μ) / ( σ /√n ) は、N(0, 1) に従う。 【疑問】 この定理が利用できるためには、母平均と母標準偏差 がともに分かっていなければならない。 しかしながら、今の場合には分かっていない! どうすればいいのか?

15 新たな事実 標本の大きさnが十分大きければ、s≒σ とおける。

16 考察(続き) 有意水準1%とすると、 |Z0| > だから、母平均は0.90mmではない。 機械を止めて調整しよう!

17 PROBLEM (平均値の差の検定) A社とB社の食料品を、それぞれ無作為に100個ずつ 取り出して、その濃度を測定したところ、ma=45.36%, sa=0.35%, mb=45.24%, sb=0.40% であった。両社の 製品に関する濃度の母平均には差があるだろうか?統 計的に検討しなさい。

18 仮説H:2つの母平均には差がない。μa = μb。
ma=45.36, mb=45.24, sa=0.35=σa, sb=0.40=σb, na=nb |z0|>1.96だから、有意水準5%でHは棄却。 (A社の方がB社のものより濃度が高い。)

19 根拠 2つの標本の元の分布が正規分布ならば、ma-mbの 分布もまた正規分布で、 N(μa-μb, σa2/na + σb2 /nb) になる。また、nが十分 大きければ元の分布が正規分布でなくても、中心極限 定理により正規分布とみなしてよい。


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