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第4章 LANとWAN 4.1 様々な通信サービス 4.2 伝送媒体 4.3 アクセスネットワーク 4.4 バックボーンネットワーク

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1 第4章 LANとWAN 4.1 様々な通信サービス 4.2 伝送媒体 4.3 アクセスネットワーク 4.4 バックボーンネットワーク
第4章 LANとWAN 4.1 様々な通信サービス 4.2 伝送媒体 4.3 アクセスネットワーク 4.4 バックボーンネットワーク 4.5 LAN 4.6 インターネット技術 4.7 ネットワークの性能 4.8 ネットワークセキュリティ 4.9 電気通信事業法と電気通信サービス

2 4.3 アクセスネットワーク技術 4.3.1 アクセスネットワークとは 4.3.2 メタリックアクセス技術 4.3.3 光アクセス技術
4.3 アクセスネットワーク技術 4.3.1 アクセスネットワークとは 4.3.2 メタリックアクセス技術 4.3.3 光アクセス技術 4.3.4 固定無線アクセス技術 4.3.5 CATVアクセス技術 4.3.6 衛星通信技術 4.3.7 移動通信技術

3 4.3.1 アクセスネットワークとは ユーザ端末と通信事業者を接続するためのネットワーク。
  4.3.1 アクセスネットワークとは ユーザ端末と通信事業者を接続するためのネットワーク。 利用者側と高々1マイル程度の距離を接続するという意味で ラスト・ワン・マイルとも呼ばれている。 ① アクセスネットワークとしては,ISDNやADSLが代表的であったが, 光ファイバによるFTTH,無線によるFWA等, 高速アクセスネットワークのサービスも提供されるようになってきた。 ② 多様なサービス提供を可能にするために,多種多様なプロトコル,伝送方式, メディアに対応したマルチサービス・スイッチも提供されるようになってきている。

4 4.3.2 メタリックアクセス技術 (1)ISDN サービス総合ディジタル網
  4.3.2 メタリックアクセス技術 (1)ISDN サービス総合ディジタル網 (ISDN : Integrated Service Digital Network) ① 狭帯域 ISDN (N-ISDN : Narrow-band aspect of ISDN) ・ 基本インターフェースは,2つのBチャネル(64 kbps)と1つのDチャネル (16 kbps)を多重伝送する。Dチャネルはシグナル信号を伝送する。 ・ 「2B+D」とも呼ばれる。 ・ 1回線で8台までの電話機・端末機を接続できる。 ・ 一次群インターフェースでは, 2つのBチャネルに加えてH0 (384 kbps), H1 (1,536 kbps)チャネルを多重伝送するので更に高速化が可能である。 ② 広帯域 ISDN(B-ISDN : Broad-band aspect of ISDN) ・ ATM(Asynchronous Transfer Mode)技術を用いたISDN。 ・ ATMでは,固定長セルを使って非同期転送モードによる転送を行う。 ・ 100 Mbps 以上の高速通信に対応するため入回線/出回線の接続は ハードウェア動作による。

5 狭帯域ISDNのサービス ISDNのサービス(-はサービスなし) サービス名 チャネル 回線交換 パケット交換 制御信号
  狭帯域ISDNのサービス ISDNのサービス(-はサービスなし) サービス名 チャネル 回線交換 パケット交換 制御信号 INSネット64 B (64 kbps) サービスあり サービスあり   - D (16 kbps)   - サービスあり サービスあり INSネット1500 B (64 kbps) サービスあり サービスあり   - H0 (384 kbps) サービスあり   -   - H1 (1,536 kbps) サービスあり   -   - D (64 kbps)    - サービスあり サービスあり INSネット1500 では,1回線が電話23回線分に相当する。 後述するように,他のINS(例えば64)を併用すれば, 64 kbps のDチャネルも回線として用いることができるので, 24 回線分として使用することができる。

6 基本インターフェース 構成とサービス 回線交換 パケット交換 信号 通信 モード チャネル タイプ B (64 kbps) D
  基本インターフェース 構成とサービス 回線交換 パケット交換 信号 通信 モード チャネル タイプ (64 kbps) D (16 kbps) 加入者線路(一対)など (メタリックケーブル) Bch(64kbps) Dch(16kbps) バス配線形式 NTT メタリック ケーブル 2B+D DSU

7 一次群インターフェース 構成とサービス 通信 モード (b) 一次群インターフェース 加入者線路など(光ファイバ) 回線交換 パケット交換
  一次群インターフェース 構成とサービス 通信 モード (b) 一次群インターフェース 加入者線路など(光ファイバ) 回線交換 パケット交換 信号 ディジタルPBX 回線終端装置 Bch(64kbps) ×23 チャネル タイプ Dch(64kbps) (64 kbps) 加入者線路など(光ファイバ) H0 (384 kbps) ディジタルPBX 回線終端装置 Bch(64kbps) ×24 (注)H1 (1.5 Mbps) Dch D (16 kbps) 2B+Dまたは 23B+DのDch と 共用 (注)  H1には,1.536 kbps( H11)と 1.920 kbps( H12 )がある。 光ファイバ NTT ディジタル PBX DSU

8 N-ISDNに関わる用語 ① アウトバンド信号方式 通信チャネルとは別のチャネルで呼信号やシグナル信号を送る方式。
  N-ISDNに関わる用語 ① アウトバンド信号方式 通信チャネルとは別のチャネルで呼信号やシグナル信号を送る方式。 N-ISDNではDチャネルで信号を送るので,アウトバンド信号方式である。 ② インバンド信号方式 通信チャネルと同じチャネルで呼信号やシグナル信号を送る方式。 DDX-PなどのX.25パケット網はインバンド信号方式である。 ③ LAPD(Link Access Procedure on the D-Channel) N-ISDNでは,制御信号用に D チャネルを使ってデータリンクを行うので こう呼ばれる。

9 伝送方式の復習 「5.5.2 データ伝送技術」における以下の事柄について 思い出そう。
  伝送方式の復習 「5.5.2 データ伝送技術」における以下の事柄について 思い出そう。 ① DSUでは,データ信号をデジタル伝送路に送出する際, データ信号のクロック数をデジタル伝送路のクロック数に一致させる。 ② DSUでは,データ信号を伝送路に乗せるとき, エンベロープ形式に変換する。 ③ 単点サンプリングは,2400 bps 以上の同期式DSUで用いられる。 ④ 多点サンプリングは,1200 bps 以下の同期式DSUで用いられる。

10 Dチャネル競合制御について ① ISDNの基本インターフェースの下り方向では, ブロードキャストで各端末宛に多重化された情報を垂れ流す。
  Dチャネル競合制御について ① ISDNの基本インターフェースの下り方向では, ブロードキャストで各端末宛に多重化された情報を垂れ流す。 各端末は自分に必要な情報だけを取り込むので競合は発生しない。 ② 上り方向では,複数端末が限られたチャネルを使用するので, 必然的に競合状態が発生する。 ③ 上り方向でも, D チャネルシグナリングにより B チャネルの割り当てを行うので, Bチャネルに対する競合はない。 ④ D チャネルでは,複数端末がパケット多重方式で共用するので, 競合が生じる可能性がある。 したがって,上り方向 D チャネルでは,競合制御が必要となる。

11 Dチャネル競合制御の手順 網終端(NT : Network Terminal)
  Dチャネル競合制御の手順 網終端(NT : Network Terminal) ① Dチャネルが使用されているかどうかをキャリアセンスによってチェックする。 ② 空いていれば信号を送出する。[注] ③ 信号送出中に競合が生じたかどうかを監視(衝突検出)し, 衝突が検出されなければ通信が成立したとみなす。 ④ 競合を検出するには,自端末が送出した D チャネルビットと NTから受信したエコービットを比較して,異なるときに競合と判定する。 ③ 衝突を検出したら,いったん信号送出をやめて 再度①から繰り返す(再アクセス) [注] Dチャネルが空き状態のとき,エコーチェックビットは 7 個以上の 1 が連続しており,それ以外のとき使用状態である。

12 Dチャネル競合制御(その3) 衝突をいつまでも検知しなかったホストが生き残る。 いわば「知らぬが仏」が生き残るといえる。
  Dチャネル競合制御(その3) Dチャネル衝突検出と生き残り 網終端 1 エコー コピー 1 ×衝突 1 1 ×衝突 1 衝突をいつまでも検知しなかったホストが生き残る。 いわば「知らぬが仏」が生き残るといえる。

13 Dチャネル競合制御(その4) 優先度付与による再アクセス
  Dチャネル競合制御(その4) 優先度付与による再アクセス ① ビット 1 が何ビット連続しているかをカウントし,ある値X1(7以上)に達したら 空き状態と判定し,ある値X2に達したらデータ送出を決定する。 ② X1,X2の値が小さい端末は,空き状態判定・データ送出のタイミングが早く, 値が大きい端末はタイミングが遅い。    X1,X2を優先度として使う。(ビット1の連続検出回数という) ① 情報送出に成功した端末のX1,X2は1だけ増加させることでを優先度を低くする。 ② 他に情報を送信したい端末がない場合,初期値に戻す。 (カウンタ値が増加したX1,X2に等しくなったら初期値に戻す)

14 2線式伝送方式 ① 時分割方向制御伝送方式 時分割により上り,下り方向を切り替える方式。 いわゆるピンポン伝送と呼ばれる。
  2線式伝送方式 ① 時分割方向制御伝送方式 時分割により上り,下り方向を切り替える方式。 いわゆるピンポン伝送と呼ばれる。 ② エコーキャンセラ方式 1対のメタリックケーブルに双方向の信号を乗せ,端末と交換機では ハイブリッド回線で上下信号を分離して伝送を行う方式。

15 時分割方向制御伝送方式の場合 ① ユーザ端末からの信号は,一時的にバッファメモリに蓄積された後,
  時分割方向制御伝送方式の場合 ① ユーザ端末からの信号は,一時的にバッファメモリに蓄積された後, 時間圧縮されバイポーラ信号に変換されて加入者線に送出される。 ② 受信側交換機では,受信した信号をバッファメモリに蓄積して, 時間伸張して元の信号に変化し受信側端末に送る。 ③ 信号変換は時間圧縮により生じた時間を利用して行われる。 ④ 時分割方向制御伝送方式では,送受信を交互に伝送するので, 近端漏話雑音の影響がないので,伝送可能距離を伸ばすことができる。

16 エコーキャンセラ方式の場合 ① 送信信号の一部がハイブリッド回路を介して受信方向に回り込み
  エコーキャンセラ方式の場合 ① 送信信号の一部がハイブリッド回路を介して受信方向に回り込み 受信信号と重さなり,信号誤りが生じるおそれがある。 ② このため,エコーキャンセラにより送信信号から回り込むエコー成分を予測し,受信信号から取り除く。 ③ エコーキャンセラ方式では,双方向伝送により伝送ビットレートを 低く抑えることができ,線路における伝送損失や漏話が減少するので 伝送距離を伸ばすことができる.

17 (2)B-ISDN 広帯域 ISDN(B-ISDN : Broad-band aspect of ISDN)
  (2)B-ISDN 広帯域 ISDN(B-ISDN : Broad-band aspect of ISDN) ① ATM(Asynchronous Transfer Mode)技術を用いたISDN。 ② 1987年,短い固定長のパケットを使用したマルチメディア通信用の 多重化方式がフランスから提案され,検討が開始された。 これがATMの原型である。 ③ ATMでは,固定長セルを使って非同期転送モードによる転送を行う。 ④ 従来の通信用チャネルは,フレーム内のバイト位置で 周期的に割り当てられ,チャネル識別はバイト位置で行われる。 ATMでは,ヘッダ内のラベル(ずれを指すポインタ)で位置指定を行うので, バイト位置固定ではない。ラベルで標準点からのずれを示すので ラベル多重とも呼ばれる。

18 ATMセル構造 UNI : User-Network Interface NNI : Network-Network Interface
  ATMセル構造 UNI : User-Network Interface NNI : Network-Network Interface [ATMセル構造の種類] 2種類 ① UNI用セル(ユーザ側の装置に送受されるセル) ② NNI用セル(ATMネットワーク間を転送されるセル) [セルヘッダ構成] GFC : Generic Flow Control 一般フロー制御 VPI : Virtual Path Identifier 仮想パス識別子 VCI : Virtual Channel Identifier 仮想チャネル識別子 PT : Payload Type ペイロードタイプ res : reservation (PTの中の1ビット) 予約 CLP : Cell Loss Priority セル破棄優先表示 HEC : Header Error Control ヘッダエラー制御 [セル基本構成] UNI GFC VPI 1 VPI 2 1 VCI 3 セルヘッダ 5 oct CLP PT 4 5 6 HEC(ヘッダ誤り制御) 5 情報 フィールド 48 oct NNI 1 VPI 2 53 VCI 3 UNI,NNI,網間 を通じて同一構成 PT CLP 4 HEC(ヘッダ誤り制御) 5

19 伝送路の識別 ① 伝送路は,送信元と宛先間の仮想チャネルと仮想パスを指定する VPIとVCIで識別される。
  伝送路の識別 VPI : Virtual Path Identifier(仮想パス識別子) VCI : Virtual Channel Identifier(仮想チャネル識別子) ① 伝送路は,送信元と宛先間の仮想チャネルと仮想パスを指定する VPIとVCIで識別される。 ② VPI と VCI は階層関係にあり,上位の VC レイヤは,1つ下の VP レイヤを サーバとして利用する。 ③ VP レイヤは,伝送媒体が提供する実際の信号のやりとりによって サービス提供を受ける。 ④ それぞれの階層には,情報伝送の管理・運用を行うハンドラがある.

20 通信方式 ① 多くの情報を送る場合,ATMではセルの送出頻度を高くして, 広い帯域のコネクションにする。
  通信方式 ① 多くの情報を送る場合,ATMではセルの送出頻度を高くして, 広い帯域のコネクションにする。 ② 53バイト固定のセルであるため,ハードウェアによる転送が可能である。 ③ フロー制御も,ハードウェアでも可能な単純な処理に限定し, 出力側回線に空きがないときは待合せにせず,破棄することが原則である。 ④ データ保証のための処理も端末に任せて,プロトコル簡略化を図っている。

21 要求サービス品質(QoS:Quality of Service)
  サービスクラス 要求サービス品質(QoS:Quality of Service) サービスしようとする通信のトラフィック特性や伝送品質に関する要求を あらかじめ申告し,要求に応じたコネクションを提供して,通信の品質を 満足または保証する。この要求を通信の品質に対するQoSという ① QoS には,セル転送遅延,セル遅延変動,セル廃棄率などがある。 ② 呼の設定時または呼の通信中に,サービス品質について交渉(ネゴシェート)する ことができる。 ③ サービスの品質についての交渉では,トラフィック特性面から QoS を クラス分けし,必要なパラメータを明示的あるいは暗黙的に申告する。

22 申告するパラメータ ① PCR (Peak Cell Rate) : 最大セル速度
  申告するパラメータ ① PCR (Peak Cell Rate) : 最大セル速度 ② SCR (Sustainable Cell Rate) : 平均的なセル速度 ③ MCR (Minimum Cell Rate) : 最低保証セル速度 ④ MBS (Maximum Burst Size) : 最大バーストサイズ(PCRが継続する度合い)

23 帯域割当て ① 固定ビットレート(CBR:Constant Bit Rate)
① PCR (Peak Cell Rate) : 最大セル速度 ② SCR (Sustainable Cell Rate) : 平均的なセル速度 ③ MCR (Minimum Cell Rate) : 最低保証セル速度 ④ MBS (Maximum Burst Size) : 最大バーストサイズ   帯域割当て ① 固定ビットレート(CBR:Constant Bit Rate) リアルタイムの音声(通常の電話)など,定常的に一定のトラフィックが 発生するような固定速度型通信を想定。PCRを申告する。 ② 可変ビットレート(VBR:Variable Bit Rate) 常時PCRを必要としないが,たまにPCRの帯域を必要とする通信。 例えば,動画像転送で差分符号化方式の場合,通常差分のみを送ればいいが 画像全体をおくる場合,広い帯域を要する。PCRに加え,SCR,MBSを申告する。 ③ 混雑度合いに応じたビットレート(ABR:Available Bit Rate) 通信中にネットワークの混雑度合いを端末にフィードバックし, 端末はそれに応じたセル送出を制御する。PCRおよびMCRを申告する。 ④ 制御を行わないビットレート(UBR:Unspecified Bit Rate) ABRで行うような制御は行わず,空きがあれば転送されるが, なければ破棄する。申告は行わない。

24 申告パラメータとトラフィック特性上の分類との関係
 申告パラメータとトラフィック特性上の分類との関係 トラフィック 特性の分類 CBR VBR ABR UBR 音声 動画像 擬似回線 可変速度 符号化 音声/動画像 主な対象 アプリケーション ファイル転送 LAN間接続 PCR SCR MBS 申告パラメータ PCR PCR MCR なし セル損失率 セル遅延時間 セル遅延変動 セル損失率 セル遅延時間 セル遅延変動 保証される品質 セル損失 なし

25 データ転送 ATM のデータ転送では,送信の際ヘッダを付加し,受信の際ヘッダを取り除く。 このための装置を CLAD と呼ぶ。
 データ転送 セル組立/分解(CLAD:Cell Assembly/Disassembly) 仮想チャネル結合(VCC:Virtual Channel Connection) 仮想パス識別子(VPI:Virtual Path Identifier) 仮想チャネル識別子(VCI:Virtual Channel Identifier) ATM のデータ転送では,送信の際ヘッダを付加し,受信の際ヘッダを取り除く。 このための装置を CLAD と呼ぶ。 既存端末や LAN と接続するには CLAD が必要となる。 ① ATM では,通信に先立って2つの端末間にVCCを張る必要がある。 ② ATM 交換機では ・ 入力側 VPI / VCI と入力ポート番号 ・ 出力側 VPI / VCI と出力ポート番号 の変換表を保持し,入力セルの VPI / VCI をキーにして変換表を検索し, 出力側の VPI / VCI に書き換えて出力ポートに送出する。 ③ VPI / VCI を付け替えられたセルは,組合せ変換点のノードで, 出力側の VP に向かうことになる。 VP の組合せを変更する機能をクロスコネクトという。

26 データ転送の簡単な例(1) VP / VC の簡単なバーチャルコネクション S1 S2 H1 1 VCC1 2 H3 3 1 H2 2 3
 データ転送の簡単な例(1) 仮想チャネル結合(VCC:Virtual Channel Connection) 仮想パス識別子(VPI:Virtual Path Identifier) 仮想チャネル識別子(VCI:Virtual Channel Identifier) VP / VC の簡単なバーチャルコネクション S1 S2 H1 1 VCC1 2 H3 3 1 H2 2 3 H4 VCC2 A:VCC1(ホストH1~H3) 1/100(H1-S1/1)→1/300(S1/3-S2/1)→ 1/200(S2/2-H3) B:VCC2(ホストH2~H4) 1/100(H2-S1/2)→1/200(S1/3-S2/1)→ 1/400(S2/3-H4) S1 の VPI / VCI 変換表 S2 の VPI / VCI 変換表 ボート VPI / VCI ポート 入力 入力 出力 出力  1 1/100 1/    2 1/100 1/  3 1/300 1/  3 1/300 1/ ボート VPI / VCI ポート 入力 入力 出力 出力  1 1/200 1/    1 1/300 1/  2 1/200 1/  3 1/400 1/

27 データ転送の簡単な例(2) VP / VC の簡単なバーチャルコネクション S1 S2 H1 1 VCC1 2 H3 3 1 H2 2 3
 データ転送の簡単な例(2) 仮想チャネル結合(VCC:Virtual Channel Connection) 仮想パス識別子(VPI:Virtual Path Identifier) 仮想チャネル識別子(VCI:Virtual Channel Identifier) VP / VC の簡単なバーチャルコネクション S1 S2 H1 1 VCC1 2 H3 3 1 H2 2 3 H4 VCC2 A:VCC1(ホストH1~H3) 1/100(H1-S1/1)→1/300(S1/3-S2/1)→ 1/200(S2/2-H3) B:VCC2(ホストH2~H4) 1/100(H2-S1/2)→1/200(S1/3-S2/1)→ 1/400(S2/3-H4) S1 の VPI / VCI 変換表 S2 の VPI / VCI 変換表 ボート VPI / VCI ポート 入力 入力 出力 出力  1 1/100 1/    2 1/100 1/  3 1/300 1/  3 1/300 1/ ボート VPI / VCI ポート 入力 入力 出力 出力  1 1/200 1/    1 1/300 1/  2 1/200 1/  3 1/400 1/

28 バッファ管理(1) ATM交換機では,ひとつの1スイッチにおける1サイクルのタイミングを
 バッファ管理(1) ATM交換機では,ひとつの1スイッチにおける1サイクルのタイミングを 交換機内の同期と合わせるために,1単位のスイッチを複数並べて構成する。 ① ATMセルが150 Mbps で到着すると,セル長が53バイト固定なので 秒当り到着セル数=150×106/(53×8ビット)=約 360,000セル/sec になる。 ② 従って,スイッチングする単位は, 1/360,000 = 2.8μ sec 程度である。 ③ 入力回線数は,16から1024であるため,2.8μ sec ごとに16から1024個の バッファを束にして,スイッチングすることになる。 ④ 1つのセルが入力回線バッファから取り出され, 内部の単位スイッチを複数段経由して交換機の出力側に受け渡すので, 入力側から出力側に到達する時間は,最も順調な場合, 2.8μ sec と段数の積となる。

29 バッファ管理(2) ATM交換機では,以下の点が要求される。 ① 廃棄されるセルの割合をできるだけ少なくする。
 バッファ管理(2) ATM交換機では,以下の点が要求される。 ① 廃棄されるセルの割合をできるだけ少なくする。 緊急時のセル廃棄率は,通常1012個に1セル程度が限度とされる。 ② 仮想回線(VC)上のセル到着の順序は出側でも同じにする. ATM交換機での入力側で受け取ったセルの順序を変えないで, 出力側に出すこと。従って,必ずFIFOのバッファリングでなければならない。 単位スイッチを多段階に接続して組み立てると, 複数回線から同時に入力されたセルが 同じサイクルで同じ出力回線に出てしまい, 衝突するケースが生じる。

30 バッファ管理(3) 入力バッファ型 出力バッファ型 FIFOバッファ セレクタ+バッファ セルフ ルーチング スイッチ M U X ・ ・
 バッファ管理(3) 入力バッファ型 出力バッファ型 FIFOバッファ セレクタ+バッファ セルフ ルーチング スイッチ M U X クロスポイントバッファ型 FIFOバッファ

31 (3)ADSL - + ① 符号化方式としては,直交振幅変調(QAM: Quadrature Amplitude Modulation)を
  (3)ADSL ADSL : Asymmetric Digital Subscriber Line ① 符号化方式としては,直交振幅変調(QAM: Quadrature Amplitude Modulation)を 拡張したDMT(Discrete Multi Tone)を用いている。 ② 反射による雑音を除去するエコーキャンセラを用いて, 同一帯域を上下通信で共有する。 送信装置 エコー キャンセラ ハイブリッド 信号 除去 受信装置

32 上り信号の除去 エコーキャンセラは反射除去装置としてではなく 上り信号除去のために用いる。 音声は スプリッタで 除去 上り下り混在
  上り信号の除去 エコーキャンセラは反射除去装置としてではなく 上り信号除去のために用いる。 音声は スプリッタで 除去 上り下り混在 信号強度 下りのみ信号 加入者側信号 4 25 周波数(KHz) 164 1,110 256 トーン番号 7 38 39 上り信号 信号強度 加入者側信号 4 25 周波数(KHz) 164 1,110 トーン番号 7 38 39 256 音声を除いた信号から エコーキャンセラで上り信号を差し引く 信号強度 加入者側信号 周波数(KHz) 4 25 164 1,110 トーン番号 7 38 39 256

33 DMTの仕様 DMT(Discrete Multi Tone) ① 周波数帯域 0 Hz ~ 1104 kHz を 256 個に分割。
  DMTの仕様 ① 周波数帯域 0 Hz ~ 1104 kHz を 256 個に分割。 分割された周波数帯域をトーン(tone)と呼ぶ。 トーン間隔は 1104 / 256 = kHz である。 ② トーン 1 ~ 6 (25 kHz 未満)を,POTS用に予約する。 ③ トーン 7 ~ 38 (25 kHz ~164 kHz : 32 トーン)を上りの通信に割り当てる。 ④ トーン 39 ~ 256 (164 KHz ~ 1104 kHz : 218 トーン)を下りの通信に割り当てる。 ⑤ 各トーンに割り当てられた周波数帯から搬送波周波数を選択。 ⑥ 各搬送波に対して,変調速度4 KHz (4K Symbols/Sec)の QAM を適用。

34 伝送能力 QAMの実質的な変調能力は,最大15 bits/symbol/Hzであるため, 上下方向の最大伝送能力は,以下のように計算できる.
  伝送能力 QAMの実質的な変調能力は,最大15 bits/symbol/Hzであるため, 上下方向の最大伝送能力は,以下のように計算できる. ・ 上り: 32 [tone]×15 [bits / symbol / Hz] × 4 [kHz] = [Mbps] ・ 上り: 218 [tone]×15 [bits / symbol / Hz] × 4 [kHz] = [Mbps] 加入者,局舎共に自分が送信する信号を知っているので, エコーキャンセラで受信信号から自分の送信信号を差し引くことにより, 相手側が送信した信号,すなわち受信信号を取り出すことができる。 下りの通信で,上り用の32トーンを使用できることになる。 すなわち, =250 トーン分で通信できることになり, その結果,15Mbpsまで伝送能力を上げることができる.

35 信号減衰の影響 周波数が高ければ高いほど信号の減衰が大きくなる。 初期化時に,トーンごとにテスト信号を送信し,
  信号減衰の影響 周波数が高ければ高いほど信号の減衰が大きくなる。 初期化時に,トーンごとにテスト信号を送信し, 減衰度を測定してQAMの変調能力を調整する。 ① 低い周波数の場合は,15 bits/symbol の QAM を使用する。 ② 減衰が大きい高周波数の場合は,4 bits/symbol の QAM を使用する。 距離が長くなればなるだけ,4 bits/symbol の QAM を使用するトーンが 多くなるので,伝送能力が低くなることになる。 目安としては,約 3 Km 未満が 8 Mbps,5.5 Km で 1.5 Mbps 程度と考えてよい。

36 ADSLモデムの表示ランプ ■ADSLランプ ADSLリンク確立時に緑色点灯
■TESTランプ セルフテスト実施中のとき緑色点灯。通常動作のとき消灯。 ■LANランプ LANポートリンク確立時に緑色点灯。 ■DATAランプ LANポートでデータを送受信しているとき点灯。 ■PWRランプ 電源が投入されているとき緑色点灯。 ADSL TEST LAN DATA PWR 回線 回線ポート ADSLランプ FG アース端子 TESTランプ PC LANポート LANランプ INT INITスイッチ DATAランプ 電源アダプタ端子 PWRランプ DCIN

37 4.3.3 光アクセス技術 (1)光ファイバ通信モデル
4.3.3 光アクセス技術 (1)光ファイバ通信モデル 電気信号は,送信前に光に変換され, 受信後,電気信号に変換される以外は, 他の有線伝送と大きな違いはない。 情報 光ファイバケーブル 送信部 受信部 伝送部 信号 変換 光・電気 電気・光

38 (b) アクティブダブルスター(ADS)型
(2)光アクセスのトポロジー (a) シングルスター(SS)型 (b) アクティブダブルスター(ADS)型 加入者線 収容局 加入者線 収容局 SSでは,利用者宅に ONUを設置する 双方向共に波長1.3μmで ピンポン伝送方式を用いる. 光分岐装置 (RT) 利用者宅 利用者宅 ・・・ 利用者宅 利用者宅 利用者宅 利用者宅 ・・・ (C) パッシブダブルスター(PDS)形 加入者線 収容局 STM-PDSの場合,双方向共に波長1.3μmでピンポン伝送方式を用いる. ATM-PDSの場合,下り波長1.5μm,上り波長1.3μでATM方式を用いる. ONUまたは 光カブラ(RT) 利用者宅 利用者宅 利用者宅 ・・・

39 (3)光伝送方式 [伝送方式の種類] ① TCM (Time Compression Multiplexing)
② WDM(Wavelength Division Multiplexing) ③ DDM(Directional De-coupling Multiplexing) ④ OFDM(Optical Frequency Division Multiplexing)[注意] [注意] 直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)も OFDMと略称されるので,注意すること。

40 TCM(Time Compression Multiplexing)
TCM TCM(Time Compression Multiplexing) ① 光アクセスでも,メタリックケーブルにおけるN-ISDNと同様, 局から利用者宅に向かう下り方向と,その逆方向で,使用時間を割り当て, 送受信を切り替える時分割制御伝送方式(TCM)すなわちピンポン伝送方式が 使用される。 ② 一般的には,上下とも同じ波長の1.3μmが使用される。 [上下信号を時間的に切り替えて交互伝送] 切換スイッチ 切換スイッチ E/O,O/E両機能を持つ光源 光源 光源 (切換は同期をとる) E/O:Electrical/Optical(電気/光変換) O/E:Optical/Electrical(光/電気変換)

41 WDM(Wavelength Division Multiplexing)
WDM WDM(Wavelength Division Multiplexing) ① 1本の光ファイバで,波長が異なる複数のデータを多重化する方法。 ② 送信側の合波器によって波長の異なる複数の光を搬送波(キャリア)として多重化。 ③ 受信側の分波器によって波長を分けて受信する。 ④ 複数の光信号を1本の光ファイバを使用して異なる方向に伝送する場合,合波・分波の両機能を持つ光合分波器が必要である。 [WDMによる上下信号多重] E/O W D M W D M O/E 波長1 O/E 波長2 E/O

42 多重化する波長の数による分類 ① 2波長WDM(2波) : two wavelength WDM
② WWDM(4波~10波) : Wide Wavelength Division Multiplexing ③ DWDM(16波以上) : Dense wavelength Division Multiplexing

43 2波長WDM ① 1,300 nm 帯と1,500 nm 帯の2つの波長を使用。 ② 波長間隔が200 nm と広いので, 送信側の発振周波数制御を行う必要がない。 ③ 合波分波器の簡略化が可能である。 ④ 双方向伝送または短距離での2種類信号を 多重伝送する際に有効。

44 WWDM(4波から10波) ① 波長間隔を10 nm 程度として 4 ~ 10 波程度を多重化。 ② 比較的,波長間隔が広いので温度補償回路が省略可能。 ③ 比較的安いコストでWDMを構築可能である。 ④ 10 Gbit イーサネットで採用されている。 ⑤ 8波程度を多重化するWDMを, 特にCWDM(Coarse WDM)と呼ぶこともある.

45 DWDM(16波以上) ① 周波数間隔を50 GHz (波長約0.4nm)の整数倍とし, 数 10 ~ 数 100 波程度の光信号を高密度で多重伝送。 ② 最大の多重波数は,送信機の周波数間隔, 光アンプの利得帯域幅で制限される。 ③ 最小周波数間隔は 50 GHz, 光アンプ利得帯域幅は現時点で最大 8 THz であるため, 最大多重波数は 160 程度である。 ④ DWDMを実現するためには,自動偏光制御技術, 波長偏光分離技術,高速光受信技術等が必要である。

46 DDM(Directional De-coupling Multiplexing)
DDM DDM(Directional De-coupling Multiplexing) TCMにおける切り替えスイッチの替わりに,光カプラを用いて上下信号を多重化 E/O O/E O/E E/O

47 OFDM:Optical Frequency Division Multiplexing
OFDM OFDM:Optical Frequency Division Multiplexing 光ファイバ上で,異なる周波数の光信号チャネルを多重化する方式 ① 異なる周波数を持つ7~8程度の光信号を多重化する。 ② WDMと似ているが,光FDMでは受信された光信号が 電気信号に戻された後で多重化されたチャネルを分離する。 WDMでは,光信号の段階で多重化されたチャネルを分離し, 分離された信号を電気信号に変換する。

48 (4)光パスネットワークオペレーションの階層
光パスにおけるネットワークオペレーションの機能ブロックとして, 物理メディア層と既存のATM,SDH,PDHなどの中間に位置する 3階層モデルが提案されている。 ① 光中継セクションレイヤ(光信号を伝送する光ファイバ伝送路に関するレイヤ) ② 光多重セクションレイヤ(光信号を多重化して転送するレイヤ) ③ 光チャネルレイヤ(SDHやATM等などの上位レイヤとの仲立ちを行うレイヤ) ATM SDH PDH ・・・ 光チャネルレイヤ 光多重セクションレイヤ 光レイヤの3階層 光中継セクションレイヤ 物理メディアレイヤ

49 機能ブロックモデル 光チャネル クロスコネクション 光チャネルコネクション 光チャネル終端 光チャネル終端 波長分波 光増幅
光多重セクション アダプテーション 光多重セクション アダプテーション 波長合波 光多重セクション 切替え 光多重セクション 切替え セクション 切替え 分配 光多重セクション終端 光多重セクション終端 光増幅, 分散保障 光中継セクション終端 光中継セクション終端 光増幅

50 (5)光アクセスにおける波長 光アクセスにおける波長について,以下のトポロジー別に示す。 (a) シングルスター(SS)型
(b) アクティブダブルスター(ADS)型 (c) パッシブダブルスター(PDS)型 さらに,PDSを転送モードで分類すると, 次のように分類することができるので,それぞれ別に示す。 ① STM-PDS(Synchronous Transfer Mode PDS):同期転送モード ② ATM-PDS(Asynchronous Transfer Mode PDS):非同期転送モード

51 シングルスター(SS)型の場合 ① 上下共に同一波長1.3μmでピンポン伝送方式, TCMで通信が行われる。
② SS型の場合,利用者宅にONUを設置する必要がある。

52 アクティブダブルスター(ADS)型の場合
① 加入者線収容局とRTの間は, 上下共に同一波長1.3μmでピンポン伝送方式。 TCMで通信が行われる。 (SSと同じであることに留意) ② 利用者宅とRT(光分岐装置)の間は, 電気的に分岐されて通信が行われる。

53 STM-PDS ● STM-PDSは,基本的に同期転送モードである。 ● 上下共に波長1.3μmを用いる。 ● ピンポン伝送方式で通信する。
● ピンポン伝送方式で通信する。 SDH(同期ディジタルハイアラーキ)に規定されるフレームは, 125μ Sec の周期で多重化され, 以下の転送モジュールがある。 ① STM Mbps ② STM Mbps ③ STM Mbps ④ STM Mbps

54 ATM-PDS APON (ATM Passive Optical Network) ● ATM-PDSはAPONとも呼ばれる。
● 加入者線収容局とスターカプラの間は ATMで多重化される。 ● 上り波長1.3μm,下り波長1.5μmを用いて通信する。

55 (4) 1心伝送方式と2心伝送方式 ① FTTHでは,光スプリッタなど電源を用いない受動部品,
いわゆるパッシブ部品のみで構成されているので, 基地局と加入者局だけに依存した伝送が行われる。 ② このとき,異なる波長の光を1本の光ファイバに多重化するWDM方式で 伝送することができる。これを1心伝送方式と呼ぶ。 ③ 同一エリアで映像とインターネット(データ)の契約者数が極端に違うとき, 映像とデータを別ファイバで伝送する方式がとられることもある。 これを2心伝送方式と呼ぶ。

56 1心伝送方式と2心伝送方式の例 2心伝送方式を使うと, 映像の多重度とインターネットの多重度を別々に扱うことができ,
それぞれ個別に設計することができる。 (a) 1心伝送方式 下り1.55μm(映像) 利用者宅 事業者 WDM WDM 上り1.31μm(データ) 下り1.49μm(データ) (b) 2心伝送方式 下り1.55μm(映像) 利用者宅 利用者宅 事業者 上り1.31μm(データ) 下り1.49μm(データ)

57 光ファイバー通信における多重度 光ファイバの減衰特性は,波長1.55[μm]付近で最低となり,
その近くの波長でも十分低く,実用的な減衰定数を得ることができる。 波長1.55[μm]付近で利用可能な波長帯域幅を, 例えば1.500[μm]から1.600[μm]の0.1[μm]とすると,周波数帯域は f 1 = 3×10 8/(1.5×10 -6 ) = 2.000×10 14 f 2 = 3×10 8/(1.6×10 -6 ) = 1.875×10 14 f W = f 1 - f 2 = × = × = 12.5 [THz] この周波数帯域に,光の搬送周波数を 100 [GHz] 間隔で配置すると, 125 チャネルの搬送波をのせることができる。 1つの搬送波に 10 [Gbps] の情報を乗せると以下の伝送量になる。 125 × 10 × = 1.25× = 1.25 [Tbps]

58 周波数安定化の必要性 周波数間隔が接近しているので,OFDMやWDMを使うには, 複数の半導体レーザの周波数を安定化させる必要がある.
例えば,ファブリペロー共振器をも用いることにより, 共振周波数間隔を確保し,周波数間隔を 数 10 [GHz] ~ 数 100 [GHz] まで設定することができるので,ひとつの周波数基準で 周波数間隔を等間隔に安定化させることができる。

59 (5)光ブロードバンドサービスの工事 FTTH:Fiber To The Home FTTB:Fiber to The Building
ONU:Optical Network Unit(光ファイバ終端装置) (5)光ブロードバンドサービスの工事 ①局舎の光ファイバケーブルは,地下管路などに敷設される。 ②起線点で分岐して電柱間を架空に配線されたり,地下管路を通って,   加入者宅やビル,集合住宅に引き込まれる。 O N U 加入者宅 ONU ONU FTTH 引き込み線 FTTB 起線点 多心光ファイバケーブル

60 光ブロードバンドを集合住宅に引き込む場合
VDSL:Very high bit rate Digital Subscriber Line Home PNA:Home Phone line Networking Alliance 光ブロードバンドを集合住宅に引き込む場合 戸ごとに光回線を引くためのスペースがないことが多い。 ビル一棟で光を受け, 電話線で各戸につなぐことが多い。 【ビルの共用部】 光ケーブル成端キャビネット/ONU/メディアコンバータ Home PNA,VDSL 等を使う。 光回線の高速性を 電話線で実現 加入者宅 ONU ONU FTTH 引き込み線 FTTB 起線点 多心光ファイバケーブル

61 (6)広域イーサネット イーサネット回線の構成例(イーサネットの説明から再掲) ゾ ー ン 間 中 継 網 ゾーン間 光中継回線 収容局X
ゾ  ー  ン  間  中  継  網 ゾーン間 光中継回線 収容局X 収容局Y ゾーン内 中継網 ゾーン内 中継網 ゾーン内 光中継回線 収容局D 収容局A 収容局B 収容局C 光アクセス回線 メディア コンバータ メディア コンバータ メディア コンバータ メディア コンバータ 本社 支社1 支社2 支社3

62 アクセス回線とユーザ回線 ① 通常,アクセス回線や中継回線はギガベースイーサネットまたは
① 通常,アクセス回線や中継回線はギガベースイーサネットまたは 10Gベースイーサネット,あるいはWDMによる光ファイバ網。 ② ユーザ側端末では10 Mbps,100 Mbps,1 Gbpsなど 様々なイーサネットファミリが利用可能である。 このため,アクセス回線とユーザ側端末の間に メディアコンバータが必要である。 ③ MPLSによるネットワークでイーサネットフレームを そのまま転送できるようにしたEoMPLS(Ethernet over MPLS)では, MPLSのラベルパスを仮想的な伝送路とみなして イーサネットフレームを流す。 MPLSネットワークを構築し,この方法を使って 遠隔地のLANを接続することで広域イーサネットを実現することができる。

63 [補足]VLANサービス VLANサービスは,一般に ① 最低帯域保証型VLANサービス
に分けることができる。 この他, ■ IPネットワーク上でVPNを構築(次項で説明)する際のトンネリング用プロトコル L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)等を使って VLANを実現するIPリモートブリッジによる接続サービス. ■ VLAN網とユーザ網の間にATM回線,STM回線,DSL回線を介する接続等 様々な形のサービス提供がある。 なお,これらの場合,E/Aコンバータ,E/Sコンバータ,DSLモデム, ONU/DSUなどの接続機器が必要となる.

64 [補足]IP‐VPN VPN(Virtual Private Network) VPNとは,公衆回線を専用線のように利用できるサービス。
仮想施設網,仮想閉域網とも呼ばれ,専用線より導入コストが安い。 IP-VPNとは,通信事業者が, VPNにインターネット技術及び暗号化技術を適用したもの。 インターネットサービスとは独立して,自前のIPネットワークとして提供する。 通信路での暗号化が行われ,あたかもプライベート回線を使っているように 接続可能なため以下のシステムの安価な実現方法として利用可能。 ①エクストラネット(IPプロトコルを利用した企業グループ間情報システム) ②イントラネット(IPプロトコルを利用した企業内情報システム) 【IP-VPNの利用形態】 ① LAN間接続VPN ② ダイヤルアップでプロバイダに接続し,組織内サーバにアクセスするための リモートアクセスVPN

65 MPLS MPLS(Multi-Protocol Label Switching) IP-VPNで使われているルーチングプロトコル
IPヘッダの前にラベルという識別子を付加。 ② MPLS網の出口でラベルを除去。 ③ MPLS対応機器間ではラベル情報を交換して経路を維持する ■MPLS網を構成するルータ ラベルエッジルータ(Label Edge Router) : MPLS網の出口のルータ CEルータ(Customer Edge Router) : ユーザ拠点内に設置するルータ PEルータ(Provider Edge Router) : 電気通信事業者内でCEルータ向けの回線を収容するルータ Pルータ(Provider Router) : 電気通信事業者内の基幹ネットワークを構成するルータ 【補足】 基幹ネットワークとして光スイッチを使う場合,GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)というプロトコルが使われる。GMPLSは,ラベル情報を基にして波長単位で光信号のスイッチングを行う方式である。

66 4.3.4 固定無線アクセス (1)トポロジー P-P(Point to Point) P-MP(Point to Multi-point)
  4.3.4 固定無線アクセス (1)トポロジー P-P(Point to Point) 無線基地局 無線基地局 加入者局 加入者局 P-MP(Point to Multi-point) 加入者局 加入者局 加入者局 加入者局 加入者局 無線基地局

67 P-PとP-MP ■ P-Pは,大容量のデータ転送を行う企業ユーザ向け, P-MPは,個人ユーザ向けである。
  P-PとP-MP ■ P-Pは,大容量のデータ転送を行う企業ユーザ向け, P-MPは,個人ユーザ向けである。 ■ P-MPでは,衝突管理,多元接続, 通信内容の傍受対策が必要である。

68 (2)変調方式 (a)P-P方式における変調方式
  (2)変調方式 (a)P-P方式における変調方式 ① 高速系(52~156Mbps) 16値以上の直交振幅変調 (QAM:Quadrature Amplitude Modulation) ② 低速系(6~45Mbps) 4相位相偏位変調 (QPSK:Quadrature Phase Shift Keying) 4値周波数偏位変調 (4値FSK:Quadrature Frequency Shift Keying) なお,QAMの場合,現在64値までが可能である.

69 (2)変調方式 (b)P-MP方式における変調方式
  (2)変調方式 (b)P-MP方式における変調方式 ① 16値以上の直交振幅変調 (QAM:Quadrature Amplitude Modulation) ② 4相位相偏位変調 (QPSK:Quadrature Phase Shift Keying) ③ ガウスフィルタ最小周波数偏位変調 (GMSK:Gaussion filtered Minimum Shift Keying) ④ 直交周波数分割多重 (OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)

70 [用語解説] ■ GMSK 2値の入力信号をガウスフィルタと呼ばれる低域フィルタで カットし,カットされた信号にMSK変調を行う方式。
MSK(Minimum Shift Keying) ■ GMSK 2値の入力信号をガウスフィルタと呼ばれる低域フィルタで カットし,カットされた信号にMSK変調を行う方式。 使用帯域を狭帯域化することができるので, GSMやDCS1800方式の携帯電話に利用されている。 ■ MSK変調 FSK方式で周波数が変わったとき,位相が±90度になる 周波数では,元の信号を取り出しやすいことを利用する。 この関係が成立する周波数のうち 差が最も小さい周波数を選択する方式。

71 (3)通信方式 (a) P-P方式における通信方式
  (3)通信方式 (a) P-P方式における通信方式 ① 通信相手が決まっているので単純であるが,上り方向と下り方向を切り替える必要がある。 ② アナログ携帯電話におけるHICAP方式で用いられていた 周波数分割二重化(FDD:Frequency Division Duplex)方式も 採用されている.

72 (3)通信方式 (b) P-MP方式における通信方式
  (3)通信方式 (b) P-MP方式における通信方式 P-MP方式では,通信相手が多数であるため,多重化や衝突管理が必要である。 (ただし,サービスによって色々な方式が採用されている) ①周波数分割二重化方式 (FDD:Frequency Division Duplex) ②時分割二重化方式 (TDD:Time Division Duplex) ③周波数分割多元接続方式 (FDMA:Frequency Division Multiple Access) ④時分割多元接続方式 (TDMA:Time Division Multiple Access) ⑤直交周波数分割多重方式 (OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex) ⑥搬送波検出多元接続・衝突回避 (CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)  

73 P-MPにおける方式のバラエティ ① PHS-WLLは,PHS と同様,TDMA/TDDである。
  P-MPにおける方式のバラエティ TDMA/TDD(Time Division Multiple Access/Time Division Duplex) ① PHS-WLLは,PHS と同様,TDMA/TDDである。 ② ソニーのbit-driveのFWAサービスの室内ユニットには 10BASE-Tイーサネットのインターフェースが 用意されており,CSMA/CD方式で衝突を防いでいる。 ③ スピードネットの無線インターフェースでは, IEEE802.11をベースに 周波数ホッピング方式(FH-SS)を適用することで 通信傍受を困難にしている。

74 (c) P-MP方式におけるその他の通信方式
  (c) P-MP方式におけるその他の通信方式 動的スロット割り当て(DSA:Dynamic Slot Assignment)方式 実際に交換されているトラフィックの量に応じて, 帯域割当てを動的に変更する. [例] 日本テレコムのFWAサービス NTTアクセスサービスシステム研究所のAWA(Advanced Wireless Access) [注]AWAは,いつでも,どこでも同一端末で無線でネットワークアクセスを 可能とすることを目的としているので,FWAではなく NWAと捉えることが できる。ただし,NTTビル内の各種サーバと利用者宅のモニタ用端末を 光ファイバで接続し,利用者宅の屋内部分をAWA化するという意味で, 無線LANの延長としてのFWAサービスとしても利用可能である。 AWAでは,伝送方式としてATM方式,イーサネット方式を使用している。 NWA(Nomadic Wireless Access)

75 (4)狭帯域・広帯域アクセス技術 (a)周波数帯域による分類
  (4)狭帯域・広帯域アクセス技術 (a)周波数帯域による分類 ① MMDS ( Multi-channel Multi-point Distribution Service ) 周波数帯が 10 GHz以下で P-MP 方式による接続を行うもの。 ② LMDS ( Multi-channel Multi-point Distribution Service ) 周波数帯が10GHz以上のもの。 当初の目的は,無線による映像配信であり, 光ファイバに相当する高速通信を実現することにある。

76 MMDS ( Multi-channel Multi-point Distribution Service )
  (a) MMDSサービス例 MMDS ( Multi-channel Multi-point Distribution Service ) ① 米国連邦通信委員会(FCC)の割り当て 無線インターネット用に 2.5~2.69 GHz の周波数帯域を割り当てている。 ② スピードネットの2.4GHz帯の電波を使った通信サービス スピードネットの特徴は,無線方式を主体として,必要に応じて光ファイバや メタリックケーブルを併用する点にある.すなわち,東京電力の光ファイバ網に 無線基地局を接続し,利用者宅との間を2.4GHz帯の電波で通信している。 ③ PHS-WLL(PHS Wireless Local Loop) PHSの技術を利用して固定無線アクセスシステムを構築するPHS-WLL サービスも広義的にはFWAサービスと捉えることができる。PHSと同一の 1.9 GHz 帯電波を利用し,PHSサービスエリア外でサービスを提供する. PHSによるデータ通信と同一設備を利用でき,かつ安価なコストでシステムを 構築することができる。

77 LMDS(Local Multi-point Distribution Service)
  (b) LMDSサービス例 LMDS(Local Multi-point Distribution Service) ① LMDS用電波の割り当て   28 GHz 帯付近に 1.3 GHz 幅の周波数。 ② 伝送フレーム形式 通常,ATMセルをベースとした形式である。 フレーム形式がATMベースであるため, ATMバックボーンとの接続が容易である。 ③ 多重化方式 多重化方式としては,現在のところ以下の方式が採用されることが多い。 下り方向 : TDM (Time Division Multiplexing) 上り方向 : TDMA (Time Division Multiple Access)

78 LMDSサービス例 FWAタイブのBフレッツサービス NTT東日本では,光ファイバの引き込みが難しい マンション・オフィスビル等を対象にした
  LMDSサービス例 FWAタイブのBフレッツサービス NTT東日本では,光ファイバの引き込みが難しい マンション・オフィスビル等を対象にした FWAタイブのBフレッツサービスを提供。 このタイプでは建物付近の電柱に無線基地局を設置し, 26GHz帯の無線で最大23Mbpsのデータ通信を 提供している.

79 4.3.4 CATVアクセス技術 (1)CATVとは
  4.3.4 CATVアクセス技術 (1)CATVとは CATVは,基本的にはテレビ放送の再送信である。 通常,以下のように行われる。 ① VHFやUHFの地上放送波を 広帯域アンテナスタックで受信する。 ② 独自のチャネルを設定して搬送波を変調する。 ③ 放送用ヘッドエンド装置から 光ファイバや同軸ケーブルで配信する。

80 ケーブルモデム ■ケーブルモデム(CATV) ・ 上り:ベースバンド信号をCATV伝送に適した信号に変調
 ケーブルモデム ■ケーブルモデム(CATV) ・ 上り:ベースバンド信号をCATV伝送に適した信号に変調 ・ 下り:インターネット接続用データとテレビ用データの信号を分離・復調する。 加入者宅 同軸ケーブル または光ファイバ ツイストペア ケーブル パソコン 引込線 ケーブル モデム 同軸または 光ポート LANポート TV ホーム ターミナル(HT) ブースタ セットボックス(STB) とも呼ばれる

81 (2)周波数帯域 ① 映像伝送周波数帯は,55 MHz以上である。
  (2)周波数帯域 ① 映像伝送周波数帯は,55 MHz以上である。 ② 最高周波数は,伝送路によって 350 MHz,450 MHz,750 MHz等と様々である。 ③ 情報伝送には,55 MHz 以下が用いられるが,30 MHz 以下は雑音が多いので,30 MHz から 55 MHz の帯域が使用される。 上り 3.2 MHz 幅 下り 6 MHz 幅 ・・・ 流合雑音 放送チャネル (映像伝送) 情報伝送/ 映像中継 ・・・ 30 MHz 55 MHz 450 MHz

82 (3)CATVの流合雑音 CATVでは,加入者宅側で発生する電気的な雑音が集まり, システム全体に悪い影響を及ぼすことがある。
  (3)CATVの流合雑音 CATVでは,加入者宅側で発生する電気的な雑音が集まり, システム全体に悪い影響を及ぼすことがある。 この雑音を流合雑音(ingress noise)と呼ぶ. 特に,オフィスビルやマンションなどの集合住宅にCATV回線を 引き込む際,主配線盤(MDF:Main Distribution Frame)に ケーブルを1本引き込み,配線を分岐させることが多い。 この場合,家庭用電化製品等の電気的雑音がTV端子から混入し, 上り方向の回線に対して集まることで,全体として無視できない 雑音となることが多い。

83 (4)流合雑音対策 ① 高周波帯に上位変換するアップコンバータ(up converter)を 上り回線に接続する。
  (4)流合雑音対策 ① 高周波帯に上位変換するアップコンバータ(up converter)を 上り回線に接続する。 ② 建物内ではTV用同軸ケーブルを使用しないで xDSL や Home PNA を用いる。 Home PNA とは電話用銅線ケーブルを使用して,音声通話で使わない 5.5 MHz ~ 9.5 MHz の帯域を使ってネットワークを構築する方法である。 ③ 伝送媒体として光ケーブルを用いる。 伝送路としては,従来,耐雑音性が良い同軸ケーブルだけで 配信することが多かったが,それでも加入者宅等からの流合雑音を 受信しやすいので,幹線部分に光ファイバを敷設して, 加入者宅に近いところで同軸ケーブルで分岐させる HFC (Hybrid Fiber and Coax)方式が現在の主流である。

84 (5)ケーブルモデムにおける伝送速度 ケーブルモデムの変調方式 64 QAM では, 1 シンボルで 6 ビット( 64 値)を伝送できる。
  (5)ケーブルモデムにおける伝送速度 ケーブルモデムの変調方式 64 QAM では, 1 シンボルで 6 ビット( 64 値)を伝送できる。 したがって,30 [Mbps] を実現するためのケーブルモデムの変調速度は 30 [Mbps] / 6 [bits]=5 [M baud] である。 256 QAM では,1 シンボルで 8 ビット(256値)であるから, 変調速度 5 [M baud] で 5 [M baud] × 8 [bits] = 40 [Mbps] の速度を実現することができる。 J.122の当初の上り方向変調方式である QPSK ( 4 値位相偏位変調)では, 1回の変調で 2 ビット(4 値)を送信できるので,変調速度の 2 倍が通信速度である。

85 4.3.6 衛星通信技術 (1)衛星通信とは ① 衛星通信を利用し,全世界にまたがる広帯域で長距離の伝送路を経済的に実現する。
4.3.6 衛星通信技術 (1)衛星通信とは ① 衛星通信を利用し,全世界にまたがる広帯域で長距離の伝送路を経済的に実現する。 ② 公転周期が地球の自転周期と同じ静止衛星が主に利用される。 ③ 地上設備から衛星に対して大電力の電波を送信し,衛星では微弱電波を受信して増幅して地上設備に対して送信する。地上設備では,衛星からの微弱電波を受信して増幅する。

86 衛星通信に必要な要件 ① アンテナ追尾 安定した通信を確保するために, 衛星の位置変動があったらアンテナを追尾させる。
② 衛星搭載アンテナの姿勢制御 アンテナが常に一定方向を向くように衛星の姿勢制御を行う。 ③ 大きな伝播損失の補償 地球局アンテナはで大きな伝播損失を補償するため 大型アンテナを設置する必要がある。 一般には,カセグレンアンテナが使用されている。 ④ 通信衛星における低雑音高利得の増幅器(トランスポンダ) 受信した微弱な信号を増幅するために低雑音高利得の増幅器が必要。

87 人工衛星の高度 約40,000km 約1,000km 約36,000km 通信衛星として 用いられることが多い静止衛星は
地球自転周期と同じ公転速度であるため 地上からは静止しているようにみえる。 人工衛星の高度 低軌道衛星(LEO) : 500 km~数千km 中軌道衛星(MEO) : 数千km~約20,000 km 静止衛星 : 約36,000 km 超楕円軌道(HEO) : 遠地点 約 40,000 km 近地点 約 1,000 km 長楕円軌道衛星 約40,000km 低軌道衛星 約1,000km 静止衛星 約36,000km

88 衛星上には,衛星中継器(トランスポンダ)を設置する
(2)静止衛星の配置 極地方を除く全地球をカバーするには, 3個の衛星が必要である。 約162° 約17° 約36,000km 約42,000km 重複地域 不可視地域 衛星 赤道 衛星上には,衛星中継器(トランスポンダ)を設置する

89 (3)通信方法の違い ① タイムシフト型(最も古いタイプ) 衛星側で受信したメッセージを他の地域の上空で送出する。
米国が最初に打ち上げた通信衛星スコアの方式。 ② 受動型通信衛星 単なる反射帯として機能する通信衛星。エコー1号が最初。 ③ 能動型通信衛星  トラスポンダ(中継器)を搭載し,地球からの電波を受信・増幅し, 地上に送り出す方式。1962年7月打ち上げのテルスターが最初。 現在の通信衛星の主流である。

90 (4)通信の形態 受信 発信 地球 地球局と衛星間の距離 : ダウンリンク(down link) 衛星から地球局へ
中継器で増幅 (トランスポンダ) 受信 (地球局からの発信後約120m秒後) 発信 地球局と衛星間の距離      : ダウンリンク(down link)   衛星から地球局へ アップリンク(up link) 地球局から衛星方向へ 電波の速度: 遅延時間: (アップリンクの時間+ダウンリンクの時間) 発信側 地球局 受信側 地球局 (衛星からの発信後約 120 ミリ秒後) 地球

91 (5)アップリンクとダウンリンクの周波数 たとえば アップリンク 6 GHz,ダウンリンク 4 GHz これを「6/4 GHz帯」と呼ぶ。
衛星通信では,アップリンクとダウンリンクの周波数を同じにすると, 地上からの微弱な電波と衛星自身が送信した電波の区別が付かなくなり,衛星自体が送信した電波をそのまま受信して増幅してしまう。 アップリンクとダウンリンクの周波数を分ける。 たとえば アップリンク 6 GHz,ダウンリンク 4 GHz これを「6/4 GHz帯」と呼ぶ。

92 (6)代表的な周波数 ① 6/4 GHz帯(Cバンド) ② 14/12 GHz帯(Kuバンド) ③ 30/20 GHz帯(Ka バンド)
[注意点] ① 4 GHz,6 GHz,11 GHz帯は地上無線方式として使われているので,地上無線との干渉を考慮する必要がある。 ② 30/20 GHz帯は降雨減衰量が大きくなるが, 使える周波数範囲が広いため,伝送容量を大きくとれる。

93 (7)衛星通信に用いられる多元接続 ① 周波数分割多元接続(FDMA : Frequency Division Multiple Access) 周波数を分割して各地球局に割り当てる。 ② 時分割多元接続(TDMA : Time Division Multiple Access) 時間を分割して各地球局に割り当てる。 ③ 符号分割多元接続(CDMA : Code Division Multiple Access) 符号を分割して各地球局に割り当てる。 ④ 空間分割多元接続(SDMA : Space Division Multiple Access) 各地球局を地域に分割してアンテナに割り当てる。

94 (7)衛星通信装置の機能 伝送装置 エコー制御伝送装置 多元接続 大電力 送信 低雑音 受信 多元接続 受信 増幅 送信 地球局 地球局
(送信側) 伝送装置 地球局 (送信側) エコー制御伝送装置 通信衛星 (中継) 多元接続 大電力 送信 低雑音 受信 多元接続 電波 電波 受信 増幅 送信 追尾 追尾

95 (8)各局に必要な装置 以下に分けて説明する。 A.送信側地球局 B.通信衛星 C.受信側地球局 D.地球局および通信衛星に必要な装置

96 A.送信側地球局 ①多元接続装置 複数地球局で1台の衛星中継器を共用するため。 ②変調装置
伝送装置からの信号で中間周波数の搬送波に変調をかける。 ③周波数変換装置 中間周波数の搬送波を無線周波数に変換する。 ④電力増幅器 大電力送信信号を作り出す。 ⑤アンテナ装置 通信衛星に対して正確に電波を送信する。

97 B.通信衛星 ① アンテナ装置 地球局からの微弱電波を受信し,逆に地球局へ電波を送信する。 ② 搭載中継器
微弱電波を増幅して中継する。トラスポンダとも呼ぶ。 [備考] 通信衛星の増幅器としては,一般にFET増幅器,クライストロン, 進行波管(TWT:Traveling Wave Tube)増幅器が使用される。 クライストロンは 6 GHz帯で帯域幅は 40~70 MHzと狭い。 TWTは高価で複雑であるが,帯域幅は 500 MHzと広帯域であり, 通信衛星では一般的である。 TWTを使う場合,いくつもの搬送波を増幅可能であるが, 振幅・位相の非直線性による相互変調ひずみに留意する必要がある。 なお,受信したマイクロ波を中間周波数に変換して増幅した後, 再びマイクロ波に変換して送信する方式をヘテロダイン中継方式と呼ぶ。

98 C.受信側地球局 ① アンテナ装置 通信衛星からの微弱電波を受信する。 ② 低雑音増幅装置 受信電波を増幅する。 ③ 周波数変換装置
無線周波数を中間周波数に変換する。 ④ 復調装置 中間周波数から元の信号に復調する。 ⑤ 多元接続装置 複数の地球局で1台の衛星中継器を共用するため。 ⑥ エコー制御装置 伝送遅延時間を伴って生じるエコーを抑える。

99 D.地球局および通信衛星 ① 監視制御装置 各装置の監視・現可動装置と予備との切替等を 遠隔かつ集中的に行う。

100 特にエコー制御について ○ 通常の国内回線では,エコーが対話者に戻ってくるのは, 0.01 秒程度であるため特に問題とならない。
○ 通常の国内回線では,エコーが対話者に戻ってくるのは, 0.01 秒程度であるため特に問題とならない。 ○ 衛星通信では,自分の声が通信衛星を通じて約 0.5 秒後に 返ってくるので通信妨害となる。 ○ エコー制御には, ・エコーサプレッサ (返ってきた信号を損失挿入回路で弱める方法) ・エコーキャンセラ (受信した信号から自分が送信した信号を差し引く方法) がある。

101 4.2.8 移動通信 (1)携帯電話とは Cellular Phone 持ち運び可能な電話機またはこれを使うサービスの総称。
4.2.8 移動通信 (1)携帯電話とは Cellular Phone 持ち運び可能な電話機またはこれを使うサービスの総称。 広い意味では移動体通信(Mobile Communication)でもある。 日本では携帯電話サービスとPHS(Personal Handy Phone)サービスが 定着している。 携帯電話サービス PHSサービス 基地局のカバー 数km以内 数100メートル以内 範囲(半径) 移動中の利用 可能 歩行速度程度 ビル内での利用 窓がある部屋では, 窓際しか利用できない ほぼ利用可能 ことが多い 音質 普通 携帯電話より良い データ通信速度 Cdma One 方式で14.4 kpbs 32kpbs, 64kbps PDC方式で9.6 kbps

102 世代別携帯電話の特徴 世代 通信方式 端末の特徴 サービス形態 備考 第1世代 アナログ 大型,重量 音声通話主体 電力消費量が大きく,
世代 通信方式 端末の特徴 サービス形態 備考 第1世代 アナログ 大型,重量 音声通話主体 電力消費量が大きく, 長時間利用が不可能。 第2世代 デジタル 小型,軽量 データ端末化 インターネットとの親和性を PDC, モノクロ液晶 音声・テキストによる 高めた i モードや GSMなど カラー液晶 情報提供,電子メールなど EZWev などが提供された。 第3世代 ディジタル カラー液晶 マルチメディア端末化 通信の高速化 CDMA中心 画面 映像ベースの情報提供 国際ローミング可能 テレビ電話サービス 映像・音楽配信 第4世代 W-CDMA カラー液晶 スムーズな動画伝送 高品質画像 (今後) Evolution 画面 テレビ電話 高速データ伝送 (20 Mbps) IP v6 導入 動画転送用として 新たな帯域割り当て 携帯電話の通信仕様統一

103 (2)移動無線装置の機能分類 移動無線装置の機能 移動側端末装置 無線機能 インターフェース 送信 受信 交 換 接 続 交 換 機
交 換 接 続 交 換 機 端 末 機 器 電波 変調 増幅 送信 受信 補償 増幅 復調 干渉抑圧 干渉抑圧 情報 情報 受信 送信 電波 復調 増幅 補償 受信 送信 増幅 変調 干渉抑圧 干渉抑圧 接続制御

104 移動無線装置の構成モデル 交 換 機 端末機器 移動局装置 電波 無線基地局装置 移動無線用 交換局装置 電波 電波 無線回線制御局装置
・送受信機能 ・接続制御機能 ・インターフェース機能 ・送受信機能 ・接続制御機能 ・交換接続機能 交 換 機 端末機器 移動局装置 電波 無線基地局装置 移動無線用 交換局装置 電波 電波 無線回線制御局装置 移動無線装置 ・制御接続機能

105 (3)携帯電話の構成 制御部 信号処理部 無線処理部 無線周波数選択, 信号処理方法判定 ベースバンド伝送 音声のディジタル化,
圧縮,時間圧縮・伸長 変調,復調, 電波の発信・受信

106 (4)ゾーン構成 (1)大ゾーン方式 ・米国における初期のアナログ自動車電話での方式。
・ひとつの基地局で広大なエリアのサービスを提供できる。 (2)小ゾーン方式(数100 m~数 km) ・同じ周波数を繰返し使えるので,周波数の有効利用を図ることができる。 ・ひとつのゾーンが狭いので,基地局を多く設置する必要がある。 ・移動局が他のゾーンに移っても通信を継続させるチャネル切替が必要。  現在は小ゾーン方式のほうが主流

107 チャネル切替の手順 基地局A 基地局B 移動局 移動局 ゾーンA ゾーンB ① 移動局の移行検出 ② 移行先ゾーンの決定
① 移動局の移行検出 ② 移行先ゾーンの決定 ③ ゾーンの空きチャネル ④ 移動局のチャネル切替 ③ 電波の空き状態を問い合わせ 空きがあればハンドオーバを要求 基地局A 基地局B ① 周辺基地局の電波の強さを モニタリングすることで 移動局の移行を検出 ④ チャネル切替 ② 移行先ゾーン の決定 移動局 移動 移動局 ゾーンA ゾーンB [用語]ハンドオーバ:移動局がセルから離れそうになると 隣接した基地局がサービスを継続すること

108 cdmaOneのレイク受信 cdmaOne ではレイク受信機能により 複数の信号の遅延を修正する機能があるため,
強度 直進波A 反射波B 反射波B 時間 レイク受信機能 強度 直進波A 基地局 時間 cdmaOne ではレイク受信機能により 複数の信号の遅延を修正する機能があるため, スムーズにハンドオーバが行われる。 これをソフトハンドオーバという。

109 (5)マルチチャネルアクセス ①周波数の有効利用する方法のひとつ。 ②一つの電波を多くの人が共同で使用し,かつ通信したいときに通信を行う。
① どの移動局も多数の周波数電波を送受信しておく。 ② 通信を行おうとするときに,移動局と無線基地局で自動的に選ぶようにする。 すなわち,ひとつの電波を多くの人が時間を分けて交互に利用する。

110 (6)携帯電話システムの構成 加入者系 移動通信制御局 加入者系 移動通信制御局 関門中継系 移動通信制御局 無線ゾーン 無線ゾーン 基地局
光ファイバ 他社携帯電話網 加入者系 移動通信制御局 加入者系 移動通信制御局 関門中継系 移動通信制御局 ホーム ロケーション レジスタ 関門 ロケーション レジスタ 共通線信号網

111 ホームロケーションレジスタ ホームロケーションレジスタ ●加入者のデータを保管しているデータベース
●位置登録エリアごとに携帯電話の所在を管理している。 [呼び出し] ① 携帯電話に電話がかけられると, 位置登録エリアの複数の基地局から一斉呼出し信号が発信される。 [位置登録] ② 携帯電話は電源が入れられると, 最後に登録した位置登録エリアと異なる位置にいることが分かると, システムに対して自動的に位置登録を行う。 ③ 電源が入った状態で位置登録エリアをまたぐと, 携帯電話はシステムに対して自動的に位置登録を行う。 ④ 位置登録情報は,共通信号線網を介して交換される。

112 関門ロケーションレジスタ 関門ロケーションレジスタ ●外来携帯電話(ビジター)の所在を管理しているデータベース
[ローミング:同じ電話番号のまま他システムのサービスを受けること] ① ある事業者Aと携帯電話Cが, 別の事業者Bのサービスエリアに入ってくると, 携帯電話は,自分がいる位置を事業者Aに連絡するよう 事業者Bのシステムに依頼する。 ② 事業者Bのシステムは,事業者Aのシステムに対して, ビジター情報を知らせるとともに関門ロケーションレジスタに登録する。 ③ ビジターが事業者Bのサービスエリアに入っている間, 関門ロケーションレジスタがホームロケーションレジスタとして振舞う。 ④ 他の網からビジターに電話がかかってきて, ビジターに関する問合わせがあると 関門ロケーションレジスタの内容が返される。


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