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研修の手引き (勤務薬剤師教育研修管理者用)
日本医薬品卸勤務薬剤師会
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はじめに 研修内容の共有化を目的にご活用願います。 平成23年 日本医薬品卸勤務薬剤師会 会長 木俣 博文
医薬品卸企業の新任勤務薬剤師に対する薬事の導入研修及び研修管理者用のチェックリストとして「研修の手引き」を作成しました。 研修内容の共有化を目的にご活用願います。 平成23年 日本医薬品卸勤務薬剤師会 会長 木俣 博文 *使用に当たり無断転用は禁止とさせていただきます。
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目次 Ⅰ.医薬品卸売業の概要 Ⅱ.物流・販売機能等の業務 Ⅲ.安全確保業務 Ⅳ.情報業務 Ⅴ.教育訓練について Ⅵ. 危機管理について
Ⅰ.医薬品卸売業の概要 Ⅱ.物流・販売機能等の業務 Ⅲ.安全確保業務 Ⅳ.情報業務 Ⅴ.教育訓練について Ⅵ. 危機管理について (ポイント) 医薬品卸売業の概要は卸薬剤師としての一般知識として それ以外は会社の状況に合わせて、他部署と協力して研修を実施。
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Ⅰ.医薬品卸売業の概要 医薬品卸売業許可制度の法的経緯 社会的使命と役割 医薬品の区分と特殊性 医薬品卸売業の取扱商品 医薬品卸売業と薬剤師
医薬品卸売販売業の倫理 日本医薬品卸業連合会 日本医薬品卸勤務薬剤師会 (解説) 先ずは、医薬品卸売業の業界の概要として、8項目について説明 *管理薬剤師主管事項以外については、担当部署の協力により講習を行なってください。
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1.医薬品卸売業許可制度の法的経緯 昭和36年 現行薬事法施行 (一般販売業としての卸売業態) 昭和54年 卸売一般販売業許可
昭和36年 現行薬事法施行 (一般販売業としての卸売業態) 昭和54年 卸売一般販売業許可 (小売と卸売業態が区分) 平成21年 卸売販売業許可 (医療用医薬品の供給が卸売業者に特化) (解説) 医薬品卸業については、医薬品卸がひとつの業態として明確に誕生したことはほとんどなく、医薬品の輸入業者、製薬業者、また一般の人に医薬品等を販売するため、昔から存在していた薬局や薬店等の形態の中で、卸業機能をあわせ持っていたと思われる。このような経緯から輸入業、製造業、販売業という分け方の概念が出てきた。当時は卸業という業態は、販売業のひとつの形態としての認識しかなく、薬事法の中で卸売業が一般販売業に包括されていた。 (ポイント) 平成21年「卸売販売業」が、ひとつの業態として明確に規定され、その機能として「卸売販売業における医薬品の適正管理の確保」が記載された。
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2.社会的使命と役割 ・ 使命 製薬メーカーが製造販売した医薬品を、その品質を損なわずに必要な情報とともに、必要な時に、必要な場所に、必要な量を、正確迅速に供給するように努め、国民の生命と健康を守る。 ・ 役割 約17,000種の医療用医薬品を、毛細血管型の流通網により23万軒余の医療機関等への安定供給とともに、不良医薬品に対する迅速な回収や副作用等の情報収集と提供者としての独自のMS機能をもつ「社会的インフラ」としての価値。 (解説) 医薬品卸業は、薬事法をはじめとする種々の法規制等に則って、メーカーが製造販売した医薬品等を仕入れ、その医薬品等の品質を損なわずに保管・管理しながら、医療機関等からの発注に従って、必要な医薬品等を必要な情報を添えて必要な時に・必要な場所に・必要な量を正確・迅速に供給するように努め、結果として国民の生命を守ることを使命としている。 従って、販売業務によって得られる利益の追求は当然行なわれなければならないが、医薬品というものが「生命関連商品」であり、それを取扱う医薬品卸業は、「国民の健康に奉仕する」精神はもとより、倫理観をもって営まなければならない。 医薬品卸業界には、JGSP(Japanese Good Supplying Practice)という卸連合会が自主的に策定した実践規範があり、高い倫理・道徳観をもって卸業は実践されている。 医薬品卸業は、日本の医療の基盤を支え、医薬品の安全・安定且つ効率的な供給に努めている。約17,000種類に及ぶ医療用医薬品を「毛細血管型」の流通網によって約23万箇所の病院・診療所などの医療機関等に迅速・確実に供給している。(参考資料・P69)加えて、不良品の回収や副作用等の医薬情報の収集・提供といった特殊な機能も持っている。 また、大規模地震などの災害時や新型インフルエンザ流行時においても、医薬品の流通を確保し国民の生命を守る役割を果たしている。 さらに、先にも触れた日本の医薬品卸に特筆されるMSは、欧米の卸にはない情報の提供という独特な機能を持っている(参考:「医薬品卸の機能別コストの国際比較」2010年卸連合会発行)。医療機関等での副作用などの医薬品情報の収集・提供はもとより、医師の医薬品選択に関わるような業務も行なっており、こうした機能は世界に冠たるものであり、社会的インフラとしても高い価値を示している。 (ポイント) 医薬品卸業の社会的使命の明確化、倫理性、JGSPの存在、 市販後医薬品の安全性確保等の卸の役割を解説する。
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医薬品卸の主な機能 主な機能 物流機能 金融機能 災害・パンデミック時 対応機能 販売機能 情報機能 (解説)
仕入れ、保管、品揃 配送、品質管理機能 金融機能 債権・債務の管理、 経営の効率化を図る機能 災害・パンデミック時 対応機能 販売機能 販売促進、コンサルティング、 販売管理、適正使用促進機能 情報機能 医薬品等に関する情報の収集・提供機能 主な機能 (解説) その他、医薬品卸は多機能な役割を担い医療に貢献している。表に医薬品卸の主な機能を5項目示した。
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3.医薬品の区分と特殊性 ・医療用医薬品 ・一般用医薬品 (OTC薬) ・診断用医薬品 ・動物用医薬品 (ポイント)
・医療用医薬品 ・一般用医薬品 (OTC薬) ・診断用医薬品 ・動物用医薬品 (ポイント) 医薬品卸で取扱っている、医薬品を大きく分け 各医薬品の区分とその商品を解説する。
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医薬品の特殊性 1)生命関連性 2)社会性・公共性 3)高品質性 4)外観上の商品特性の非明示性 5)多種多様性及び少量生産性
1)生命関連性 2)社会性・公共性 3)高品質性 4)外観上の商品特性の非明示性 5)多種多様性及び少量生産性 6)需要の予測困難性及び・使用の緊急性 (解説) 1)生命関連性:医薬品は,一般の商品とは異なり,その働きは直接生命にかかわりを持つ商品である。医薬品の成分のうちには生体にとって異物であるものが多く,ある程度の副作用は避けられず,従ってその適正な使用はきわめて重要である。 2)社会性・公共性:医薬品は,いつ,どこでも,どんな病気に対しても,必要があれば供給されなければならない。従って,我国では,医薬品は医療に不可欠一体のものとして社会保障制度のなかに組み込まれているが,一方では,その高い社会性・公共性により大きな制度的制約を受けている。 3)高品質性:医薬品は,生命関連商品という特性上,なにより厳しい基準での高い品質を持つことが要請され、適正管理義務が課せられている。 4)外観上の商品特性の非明示性:一般の商品はその外観を見るだけで,その商品の効用,作用,機能が判るのが普通であるが,医薬品は外観のみでは内容・品質について知ることは困難である。 5)多種多様性及び少量生産性:病気に対応して医薬品の品目もきわめて多種多様で、薬価基準に収載されている医療用医薬品は約17,000品目(厚労省ホームページ:平成23年9月現在では16,659品目)、一般用医薬品においても約12,800品目が上市されている。また、必要な時に必要最少限の量を用いるべきものであるため,個々の医薬品については一般的にその需要は少量であり品目ごとの生産量も少ない。 6)需要の予測困難性・使用の緊急性:医薬品の需要量は,多くの場合,その個々の医薬品についての需要の原因である疾病発生が予測できないため,時間的,地域的に不安定である。しかし,だからといって,緊急時において必要とする医薬品を供給できなければ,国民の保健衛生上,重大な支障を生じることになるので,いつ,いかなる時でも需要に応じられるよう,必要かつ十分な量の医薬品を安定的に供給できる体制が特に重要となる。
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医薬品の流通経路 医薬品卸売販売業者 (医薬品卸売業者) 医薬品製造販売業者(メーカー) 販売 販売 医療用医薬品 一般用医薬品 製造委託
(医薬品卸売業者) 医薬品製造販売業者(メーカー) 販売 販売 医療用医薬品 一般用医薬品 製造委託 薬局・店舗販売業 医療機関・薬局 処方せん調剤 投薬 販売 医薬品製造業者 (自社、他企業) (ポイント) 医薬品の市場流通の経路について解説する。 患者 一般消費者
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製造委託先へのGMPに基づく指導監督義務 医薬品の市販後調査義務 (PMS)等 ・医薬品製造業者
・医薬品製造販売業者(製薬メーカー) 新薬等の開発・輸入、臨床試験の実施 国からの医薬品の承認取得 承認を受けた医薬品の供給義務 製造委託先へのGMPに基づく指導監督義務 医薬品の市販後調査義務 (PMS)等 ・医薬品製造業者 製薬メーカーからの委託により、GMPに基づく 医薬品の製造受託 (ポイント) 製造販売業と製造業の主な業務と違い GMP:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準等を解説する
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・医薬品(麻薬、向精神薬、覚せい剤原料等)
4.医薬品卸売業の取扱商品 ・医薬品(麻薬、向精神薬、覚せい剤原料等) ・医薬部外品 ・医療機器 (高度管理、特定保守、管理、一般医療機器) ・医療用食品 ・毒物劇物 ・高圧ガス(医療用圧縮酸素 等) ・危険物(アルコール類 等) ・その他薬品(試薬、化学薬品 等) (ポイント) 医薬品以外にも医療関連商品を網羅している。 別途許可の必要なものもある。(次ページ参照)
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主な卸業務関連法規 ・薬事法 ・麻薬及び向精神薬取締法 ・覚せい剤取締法 ・毒物及び劇物取締法 ・消防法 ・高圧ガス保安法 等 (ポイント)
・薬事法 ・麻薬及び向精神薬取締法 ・覚せい剤取締法 ・毒物及び劇物取締法 ・消防法 ・高圧ガス保安法 等 (ポイント) 医薬品卸業務関連法規の概要を解説する。
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5.医薬品卸売業と薬剤師 薬剤師(薬剤師法第一条) 卸管理薬剤師の位置付けと業務
薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする 卸管理薬剤師の位置付けと業務 薬事法での医薬品卸売業の営業所管理者(実地管理者) 向精神薬取扱責任者 覚せい剤原料取扱責任者 毒物及び劇物取扱責任者 JGSP実施管理者 医薬品等の適正供給等に係る管理指導 医薬品情報(DI)業務 医薬品等の適正供給のための社員教育 等 (解説) 「薬剤師」の職種というと、一般的には薬局や病院薬剤部で医薬品を調剤し、患者への服薬指導等を行う職種と考えられるが、薬剤師業務は公衆衛生の向上を図り、もって国民の健康な生活を確保することであり、行政や製薬企業或いは医薬品卸業などにおいてもその役割を担う薬剤師が配置されている。 医薬品卸業に勤務する薬剤師は、薬事法によって卸業の営業所ごとに管理薬剤師を配置することが規定されている。欧米の医薬品卸業には管理薬剤師を配置して管理する規定がない。つまり、日本において医薬品卸に勤務する薬剤師は卸業を営む上で、管理を行う重要な責任があり、必要不可欠な存在となっている。 また、医薬品卸勤務薬剤師の業務も非常に広範に及んでおり、薬剤師法、薬事法、麻薬・向精神薬取締法、覚せい剤取締法、毒物・劇物取締法など種々の法規制に従って業を運営するとともに、DI業務や日本の医薬品卸業に特筆される「MS」と言われる販売担当者に対する教育・研修も担当している。 医薬品卸業に勤務する薬剤師は、バイオテクノロジーの発達やゲノム解析によって生み出される新しい作用機序を持った医薬品に関する知識を身につけたり、新しい法規制に関する理解と実施等が求められている。 これらの新しい知識は、実践の医薬品管理業務において活かされると同時に、薬剤師が行なうMSへの教育研修を通して医療機関等へも浸透することとなり、薬剤師としての任務が果たされていく。
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卸薬剤師の一日 薬剤師の一日は、社内への情報連絡から始まります。 出発を急ぐMSや物流担当者に必要な情報を伝達し、
医薬品の適正販売の徹底を図ります。 また、実地に倉庫内の温度管理や使用期限など 商品の品質管理体制の確認を行うほか、 メーカーからのDI情報や改訂添付文書の整理などの 定型業務に加え、医療機関や薬局からの問合せに対応し、 新規のお得意先の業態や資格の確認も行います。 さらにMSから報告された副作用等の情報の内容確認も 重要な業務です。夕方、最終在庫の確認を行った後、 MSの教育研修のための資料作りなどを行い、 一日を終えます。 医薬品の適正使用のために、必要な情報の提供と 品質管理への一層の取組みが求められる 現在、卸の管理薬剤師にはますます幅広い知識 とフットワークが求められています。 卸連ガイドに掲載されています。 ぜひご覧ください。 (卸連ガイドより)
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各営業所の許可、届出等の手続き ・営業所における取得許可等の把握 ・営業所における取得許可等の掲示確認 ・各種許可更新手続について
・管理薬剤師変更等の各種変更届の提出について (ポイント) 自支店の取得許可等を把握し、 更新、変更の手続きを理解する。
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6.医薬品卸売販売業の倫理 ・ 人間の尊重、生命の尊厳に対する心構えとして、我々医薬品 卸売販売業に従事する者は医の倫理と同じ高い倫理性が要
求される。 ・ 特に、我々が主として取り扱う医療用医薬品は、英語で Ethical DrugといわれているようにEthicalつまり倫理性を 持った商品であり、常に倫理性を伴う商品であることを深く認 識して行動しなければならない。 (ポイント) 医薬品卸として踏まえておくべき倫理を解説する。 日本国憲法においては、個人の尊重、幸福追求権を第13条に、生存・健康権を第25条において規定し、国民にこれらのことを保障している。すべての倫理はこの最高法規に繋がっていることを理解させる。 日本国憲法第13条 すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 第25条 すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 2.国は、すべての生活場面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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認知(理解)しておくべき倫理 ・日本薬剤師会薬剤師倫理規定 (1997年10月 日本薬剤師会制定) ・人の倫理(生命倫理) ・医の倫理
・日本薬剤師会薬剤師倫理規定 (1997年10月 日本薬剤師会制定) ・人の倫理(生命倫理) ・医の倫理 ・薬の倫理 ・医薬品卸売販売業の倫理綱領・実践規範 ・医療用医薬品卸売販売業公正販売活動指針 (解説) 日本薬剤師会薬剤師倫理規定(参考資料・P68) 医薬品卸売販売業の倫理綱領・実践規範 :医薬卸連では,昭和55年の「医薬品卸売販売業の倫理綱領」及び「医薬品卸売販売業者の実践規範」の策定・実施により,また薬事法改正後における医薬品卸売販売業者の社全的使命と役割を担うにふさわしい卸販売担当者の資質向上を図る。 医療用医薬品卸売販売業公正販売活動指針:業界の自主規制ルールである公正競争規約の遵守,この指針の趣旨に沿って各事業者が自主的に策定する公正販売活動指針などに従った行動が求められる。また,定めのない事項についても,倫理綱領に照らして自らの行動を律し,社会的批判を受けるような行為をしないよう要請している。 (ポイント) 日本薬剤師会薬剤師倫理規定をはじめとして、各種の倫理がある。 その他、倫理に関する項目を挙げると、公正競争規約、プロモーションコード、MSの倫理、企業人としての倫理、薬の倫理、医の倫理、人としての倫理、生命倫理、公正販売指針等がある。 特に薬剤師としての倫理、医薬品卸売販売業の倫理綱領を解説する。 卸販売担当者は,「医薬品卸売販売業の倫理綱領」とあわせ,公正販売活動指針の理念をよく理解し,業務に生かしていくよう努めなければならない。 参考資料:医療用医薬品卸売業公正競争規約解説書、国家公務員の倫理保持のためのルール、公取協ガイド、公正競争規約必携、独占禁止法遵守のガイドライン、独占禁止法に関する相談事例集、医療用医薬品卸売業公正競争規約Q&A集等
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医薬品卸売販売担当者 “MS”のあり方 ・MSの役割 ・MS教育研修制度の意義 ・MSの基本的な行動倫理 ・望まれるMS像
・MSの役割 ・MS教育研修制度の意義 ・MSの基本的な行動倫理 ・望まれるMS像 ・MSの基本的な心構え(マナーと心得) (解説) MS(marketing specialist)は、医薬品卸売販売業の許可を受けた企業に所属し、医薬品・医療機器等の販売活動・情報活動を日常業務とする。 そのため、MSは常に企業を代表して業務を行うという責任を自覚して行動しなければならない。 MSに求められる資質の向上を目指して、卸連では「販売担当者教育研修要綱」を制定し、各社でもMSの教育研修に励んでいる。特に企業を代表する者として知識のみでなく倫理的行動は強く要求される。 また卸機能も日々進化するなかで、MSの果たすべき役割は、メーカーからの視点・医療機関からの視点で高度化しており、資質向上のための研修がますます重視されている。 (ポイント) 医薬品卸の倫理綱領、公正競争規約、MSの基本的心構えを理解し、MSによく理解・実践させることを説明。
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販売担当者が留意すべき 主な関係法規 1)薬事関連法規(薬事法,麻薬及び向精神薬取締法, 毒物及び劇物取締法,覚せい剤取締法等) 2)医療法
1)薬事関連法規(薬事法,麻薬及び向精神薬取締法, 毒物及び劇物取締法,覚せい剤取締法等) 2)医療法 3)医療担当者関連法規(医師法,歯科医師法 及び薬剤師法) 4)医療保険関連法規(健康保険法,国民健康保険法, 各種共済組合法,老人保健法等) 5)競争関連法規(独占禁止法,景品表示法) (解説) 販売担当者が留意すべき主な関係法規としては,次のようなものがある。 1)薬事関連法規(薬事法,麻薬及び向精神薬取締法,毒物及び劇物取締法,覚せい剤取締法等) 2)医療法 3)医療担当者関連法規(医師法,歯科医師法及び薬剤師法) 4)医療保険関連法規(健康保険法,国民健康保険法,各種共済組合法,老人保健法等) 5)競争関連法規(独占禁止法,景品表示法) 販売担当者は,これらの法規を自ら遵守するとともに,取引の相手方の法規違反(たとえば,会計法や予算決定及び会計令に反する行為など)に加担しないよう努める必要がある。 さらに,業界の自主規制ルールである公正競争規約の遵守,この指針の趣旨に沿って各事業者が自主的に策定する公正販売活動指針などに従った行動が求められる。また,定めのない事項についても,倫理綱領に照らして自らの行動を律し,社会的批判を受けるような行為をしないよう要請している。 従って卸販売担当者は,「医薬品卸売販売業の倫理綱領」とあわせ,この指針の理念をよく理解し,業務に生かしていくよう努めなければならない。
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卸MSの一日 医薬品卸の販売担当者をMS(Marketing Specialist)といいます。
医薬品卸の基本的役割に基づいて行われます。 朝、一日の訪問スケジュールの確認、ミーティングや MR(メーカーの医薬情報担当者)との情報交換などを行い、 お得意先(病院・診療所・薬局・歯科診療所等)へと向かいます。 お得意先では、医薬品の紹介、商談、情報の提供や収集を 中心に活動し、帰社後は、それぞれのお得意先からの 依頼事項の処理、配送担当者との情報交換や社内業務を 行い、明日の準備を整えて一日の業務を終えます。 さらに、お得意先の経営環境が大きく変化する現在、 医療経営についての相談を受けるなど、 お得意先の問題解決のお手伝いをする。 (ポイント) MSの活動は、商品の配送のみならずMRの情報支援活動、医療機関への情報提供活動、さらには医業経営サポートなど進化していることを説明。
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7.日本医薬品卸業連合会 (医薬卸連) ・昭和16年卸企業各社により組織された公益法人 (今後社団) ・加盟卸企業94社(平成23年4月)
・国民医療の増進に寄与することを目的とした事業展開 医薬品流通における国との業界窓口 医薬品流通の適正化、近代化 業界の課題等について各委員会が検討対応 行政備蓄抗インフルエンザ薬、ワクチン流通スキーム検討 卸関連法規改正等での厚労省等との協議 等 (解説) ・日本医薬品卸業連合会(医薬卸連)は、医薬品卸企業によって組織された都道府県単位の卸組合等の団体を会員とする全国団体で、昭和16年に誕生した。 昭和53年には、厚生大臣(現厚生労働大臣)から公益法人の認可を受け、以来、医薬品流通の適正化、近代化を図りつつ、国民医療の増進に寄与することを目的に各種の事業を展開し、また新たな課題に機動的に対応できる各種委員会を組織し活発な活動を繰り広げている。パンデミックに備えた抗ウイルス薬の備蓄や新型インフルエンザワクチンの供給への協力、大規模災害時の法律的面での厚生労働省との交渉窓口等の活動もそのひとつである。 また、近年における卸業の再編の動きは非常に激しいものがあり、平成元年に本社数は380社以上あったが、合併やグループ化によって平成23年4月には94社に集約・再編されている。この結果、従来は各地区に本社が存在し、地域と深い関係を保った業が営まれていたが、大同合併した企業は自ずと全国に営業拠点を持つことになり、広域卸として事業展開を図るようになった。従来の卸業者は、夫々いわゆる「メーカー色(しょく)」というものがあり、取引メーカーが企業によって異なっていたが、合併等で広域卸ができたことにより、その「メーカー色」は薄まり、特に広域卸では全メーカーの商品を取扱っているため、その企業同士の差別化は「付加価値」によるものへと変化している。
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JGSPについて 昭和50年 「JGSP」 「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範」 安定供給と品質管理における実践規範として
「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範」 安定供給と品質管理における実践規範として 各社の業務マニュアル作成での原本となった。 平成20年 「JGSP2007」「JGSP2008一般薬版」 「医薬品の供給における品質管理と安全管理 に 関する実践規範」として全面改訂された。 ・安全確保業務の新設 ・法令遵守の視点を強化 (解説) 日本医薬品卸業連合会は、昭和50年、「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範」(JGSP)を医薬品の安定供給と品質管理における実践規範として策定し、卸業各社の自主規範作成の基本として活用され、供給・品質等の管理に反映されてきた。さらに、製薬業界を初めとする他業界における管理規範の参考としての役割をも果たしてきた。 しかし、時代の大きな流れの中で、医薬品に対する安全性が一層重要視され、薬事法等の法規も方向を一にした改正が行なわれてきた。 また、近年において食品企業等の虚偽表示などの不祥事がしばしば明るみに出るようになり、コンプライアンスの重要性を改めて求める世論が強まってきた。 国民保健衛生を担う医薬品卸業に課せられた重大な社会的責任としての「コンプライアンス」を改めて明確にするとともに、「安全性」を一層重視した実践規範とするため「医薬品の供給における品質管理と安全管理に関する実践規範」(JGSP 2007)を平成20年1月に策定した。これは、従来のJGSPの見直しとともに、①「安全確保業務に関する事項」として「安全確保業務において医薬品等の情報の収集と提供」、「回収と返品」、「トレーサビリティ」の項目を新設、②法令遵守の視点が全面的に織り込まれた。このJGSP 2007は、専ら医療用医薬品に対する実践規範であり、一般用医薬品(大衆薬)についても医療用医薬品と同様の趣旨をもって別途「JGSP 2008〈一般薬版〉」として平成20年5月に策定し、実践されている。 (ポイント) JGSP2007の活用等を指導
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卸企業組織の参考例 (各社の組織をいれてください) ・標準的な卸企業での組織例を紹介 PMS担当部門
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8.日本医薬品卸勤務薬剤師会 (卸勤薬) 昭和54年 医薬卸連の外郭団体として創設 (全国47支部)
昭和54年 医薬卸連の外郭団体として創設 (全国47支部) 会員は医薬卸連加盟企業に勤務する薬剤師約2千名 卸勤務薬剤師の学術面と地位の向上を目的とする。 ・研修会、フォーラム開催(特別講演、支部発表) ・各支部での継続研修会 ・DI実例の作成、収集、掲載 ・日本薬剤師会卸部会との連携活動 ・医薬卸連(薬制委員会)との連携 等 (解説) 日本医薬品卸勤務薬剤師会は、日本医薬品卸業連合会の外郭団体として昭和54年に創設された組織であり、医薬卸連加盟の卸業に勤務する薬剤師の学術面での向上と地位の向上を目指し、また企業の壁を越えて情報共有のできる態勢を構築する努力をしている。 最近10年を振り返ると、卸業の再編にも関わらず会員数は約2000名で推移している。 現在、この組織では教育研修を中心として活動を行い、東京及び大阪の2会場でフォーラムを開催している。このフォーラムは、その時々の時流に合ったテーマでの特別講演と全国11ブロックの中から数ブロックが夫々研究したテーマについて発表する場となっている(毎年1月~2月に開催)。 また、毎年理事会が開催されるが、その日に合わせて研修会が催され、その時々の課題や問題を取上げ、厚生労働省等の関連団体等から講師を招いた講演会としている。 当組織は社団法人日本薬剤師会の職域部会である卸薬剤師部会と連動しており、この部会が主導する研修会にも、毎年多くの卸勤務薬剤師会会員が参加している。そしてこの部会は、日本薬剤師会が策定中の「薬剤師将来ビジョン」のうち、卸勤務薬剤師に関する将来ビジョンの策定を手掛けている。 その他、全国の会員から毎月、DI実例を収集し、卸勤務薬剤師会ホームページへ掲載すると同時に卸連が毎月発刊する「月刊卸薬業」の「DIのページ」にも掲載され、会員会社のDI担当者の参考に供している。 また、当会は、医薬卸連の中にある「薬制委員会」と連携し、卸業に関係する薬事的事項の検討、販売担当者教育研修用の教本「一般知識と倫理」の作成、支援や薬学生の実務実習のための卸版カリキュラムの作成等々、幅広い活動を行っている。
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卸勤務薬剤師会の位置付け (社)日本薬剤師会 卸部会 日本医薬品卸業連合会 薬制委員会 (小委員会) 日本医薬品卸 勤務薬剤師会
卸勤務薬剤師会の位置付け (社)日本薬剤師会 卸部会 日本医薬品卸業連合会 薬制委員会 (小委員会) 日本医薬品卸 勤務薬剤師会 (実務委員会) 下部組織 外郭団体 連携 (解説) 日本医薬品勤務薬剤師会は日本医薬品卸業連合会の外郭団体であり、その中に、実務委員会が設置されている。また、日本医薬品卸業連合会の下部組織に薬制委員会がある。日本薬剤師会の中には、職種部会があり、卸に関する卸部会が設置されている。日本医薬品勤務薬剤師会は組織運営上、日本医薬品卸業連合会及び日本薬剤師会との連携が重要である。 26
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Ⅱ.物流・販売機能等の業務 1.仕入れ~納品業務 2.保管管理及び品質確保業務 3.医薬品等の販売業務 4.特別な管理を要する医薬品等
5.トレーサビリティについて (解説) 次に、卸の機能として、物流機能、販売機能、金融機能、情報機能 そして危機管理機能の5つが言われているが(P7参照)、物流と販売機能の業務について他部署と協力し説明する。
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1.仕入れ~納品業務 1)発注業務 2)入荷及び入庫業務 3)受注業務 4)伝票発行業務 5)出庫業務 6)出荷及び配送業務 7)納品業務
(解説) 医薬品等の品質の維持管理及び、関連法規に則り迅速的確に納入されるまでの一連の卸業務の流れと、それぞれの業務での留意事項。また、これらの業務に対し薬剤師がどのように係っているかを交えて解説する。
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1)発注業務 ・発注管理システムについて ・発注記録等について ・その他留意事項 等 (ポイント) ・製薬メーカー等への標準的な発注方法
・発注管理システムについて ・発注記録等について ・その他留意事項 等 (ポイント) ・製薬メーカー等への標準的な発注方法 ・発注システム(自動発注、定数管理等) ・発注記録等の管理、その他留意事項
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2)入荷及び入庫業務 ・入荷検品業務について ・品質等検査業務について ・入庫業務について ・入荷検品業務について 誤入荷防止対策
・入荷検品業務について ・品質等検査業務について ・入庫業務について (ポイント) ・入荷検品業務について 誤入荷防止対策 発注記録等との照合確認、過不足等の対応等 ・品質等検査業務について 検査体制と検査方法等 有効期限・使用期限、汚損・破損品等のチェック ・入庫業務について 業務の概要 医薬品(劇薬、保冷品)、医療機器、医療用食品のほか、 施錠管理を要する医薬品等(毒薬、毒物劇物)、向精神薬については、 リスク管理(施錠規定、誤入庫防止策、入庫記録等)を解説する。
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3)受注業務 ・受注方法について ・受注形態に応じた業務の流れについて (ポイント) <受注の種類> ・ MS等の直接受注
・受注方法について ・受注形態に応じた業務の流れについて (ポイント) <受注の種類> ・ MS等の直接受注 ・ 電話・FAXによる受注 ・ インターネットによる受注 ・ 自社システムによる受注 受注形態の違いに応じた業務の流れと受注記録の取り方 ・誤受注防止策等
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4)伝票発行業務 ・各種伝票について ・伝票発行の流れについて (ポイント) ・伝票の種類と業務の概要
・各種伝票について ・伝票発行の流れについて (ポイント) ・伝票の種類と業務の概要 売上、得意先返品、メーカー返品等に対応する各種伝票 受注(返品)から伝票発行までの業務の流れ
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5)出庫業務 ・出庫(ピッキング)について ・施錠管理を要する医薬品等の出庫について ・その他注意事項 (ポイント)
・出庫(ピッキング)について ・施錠管理を要する医薬品等の出庫について ・その他注意事項 (ポイント) ・ピッキングの方法と検品時の注意事項 ・誤出庫防止策(品名、規格容量、ロット、数量等の確認方法等) ・施錠管理を要する医薬品については、出庫記録の必要性を解説する。 ・出庫後の保冷品管理
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6)出荷及び配送業務 ・配送者への引渡しについて ・配送時の品質管理について ・盗難紛失等の事故防止について (ポイント)
・配送者への引渡しについて ・配送時の品質管理について ・盗難紛失等の事故防止について (ポイント) ・配送者への引渡し 配送者の照合確認の概要(誤配送の防止) ・配送時の品質管理 車内温度管理・遮光対策・破損汚損対策等(品質確保) ・盗難紛失等の事故防止 車外からの視認防止対策、車輌施錠ルール等
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7)納品業務 ・適切な納品業務について ・受領書、法定譲受書等の受領について (ポイント) ・誤納品防止
・適切な納品業務について ・受領書、法定譲受書等の受領について (ポイント) ・誤納品防止 納品先との相互検品(伝票との照合確認) ・保冷品納品時の注意事項 ・受領書の管理、毒物劇物の譲受書等の受領と管理等
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2.保管管理及び品質確保業務 1)医薬品倉庫の衛生環境維持 2)保冷設備と保冷品の保管管理 3)有効期限等管理 4)医療機器の保管管理
5)危険物の保管管理 6)医薬品等の廃棄 (解説) 医薬品の保管には、品質確保を目的とした保管場所の構造設備や衛生環境、保管設備等についての法令等の規定があること。 医薬品以外の物品では、貯蔵保管等の規定が、人的被害や環境汚染等の防止、 不正流通の防止等を目的としている場合もあることについての解説と管理薬剤師が留意する事項を解説する。
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1)医薬品倉庫の衛生環境維持 ・医薬品倉庫の概要 「薬局等構造設備規則」 に基づく衛生環境及び保管環境 (ポイント)
・医薬品倉庫の概要 「薬局等構造設備規則」 に基づく衛生環境及び保管環境 (ポイント) ・薬局等構造設備規則について(薬局、医薬品販売業等での医薬品倉庫設備等の規定) ・医薬品の品質維持確保を目的とした保健衛生上の措置 倉庫の設置場所(事務所等とは独立している旨) 倉庫面積の規定 換気設備(塵埃対策等) 倉庫内照度、遮光対策 倉庫内温度管理(空調設備、温度設定と温度記録) 壁、床等の材質(清掃し易い材質である旨) 昆虫類、その他小動物の侵入防止措置(出入口、窓、ダクト、排気口等は要時開口) 保冷設備 ・毒薬、向精神薬、毒物劇物等の施錠を要する保管設備 ・管理品目の保管設備等 *([JGSP2007]参照)
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2)保冷設備と保冷品の保管管理 ・保冷品区分 冷所品・冷蔵品・冷凍品 ・保冷庫設備概要 ・緊急時対応 (ポイント)
・保冷品区分 冷所品・冷蔵品・冷凍品 ・保冷庫設備概要 ・緊急時対応 (ポイント) ・冷所品(冷所品、冷蔵品、冷凍品)区分と設備の運用基準等 ・自記温度計による温度記録 温度管理(温度設定と温度記録) 警報装置 ・保冷庫設備の不具合、停電時等の緊急対応 ・蓄冷剤管理等
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3)有効期限等管理 ・ 医薬品の有効期限、使用期限について 業務概要 期限切迫品等への対応 (ポイント) ・有効期限等管理の方法と運用基準等
・ 医薬品の有効期限、使用期限について 業務概要 期限切迫品等への対応 (ポイント) ・有効期限等管理の方法と運用基準等 期限切迫品、販売中止品等の出庫停止の対応
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4)医療機器の保管管理 ・保管場所の特定について (ポイント) ・保管場所の特定 ・高度管理、特定保守、管理、一般医療機器
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5)危険物の保管管理 ・危険物について ・業務概要 ・消防法の規定 ・貯蔵量と貯蔵設備 (ポイント) ・危険物について(消防法の規定)
・危険物について ・消防法の規定 ・貯蔵量と貯蔵設備 ・業務概要 (ポイント) ・危険物について(消防法の規定) ・医薬品卸が扱う主な危険物 ・貯蔵設備概要 ・貯蔵量による許可の種類等 (JGSP2007参照 P7~P8)
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6)医薬品等の廃棄 ・廃棄の方法及び注意事項 (ポイント) ・一般人が入手、誤使用等の事故防止
・廃棄の方法及び注意事項 (ポイント) ・一般人が入手、誤使用等の事故防止 ・得意先の廃棄要請については、産業廃棄物処理業者の紹介を原則とし、卸売業者は廃棄処理を受付けない ・不良医薬品の廃棄は製造メーカーの責任で行う ・麻薬及び覚せい剤原料の廃棄は、所定の申請を行った後、行政の立会のもとに行う
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3.医薬品等の販売業務 1)得意先の取得許可等の確認 2)管理品目・自主管理品目の販売管理 3)医療機器の販売 (ポイント)
・医薬品等の販売においての薬事法での規定 ・医薬品等の適正使用のため、医薬品卸が取り組む業務等
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1)得意先の取得許可等の確認 ・ 医薬品の販売先について ・ 許可等の確認業務について (ポイント) ・医薬品卸の販売先の限定について
・ 医薬品の販売先について ・ 許可等の確認業務について (ポイント) ・医薬品卸の販売先の限定について ○平成21年6月1日 改正薬事法施行により従来の「販売先変更許可」が廃止された。 ○新たに同日付け「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(新施行規則第138条関係)により 厚生労働省令で定める販売先が指定された。(14の業種及び厚生労働大臣が指定する業種が対象) ○平成23年3月31日厚生労働省 事務連絡により卸売販売業者が販売できる相手先の個別事例が示さ れている(事例38) 新たに示された卸売販売業の販売する「相手先」の考えを理解する。 ・許可証等の確認業務と、販売管理の方法等 ○得意先の許可、免許、登録業種を確認する。 ○それぞれの会社で行っている得意先業種における販売制限による販売管理の方法を説明する。
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2)管理品目・自主管理品目の販売管理 ・管理品目について ・自主管理品目について ・メーカーによる医薬品情報提供について
・管理品目について ・自主管理品目について ・メーカーによる医薬品情報提供について ・受注から納品までの流れについて (ポイント) ・管理品目について解説する。 (プレグラディン、リタリン、コンサータ、サレドカプセル、クロザリル等の販売管理) ・自主管理品目について解説する。 薬剤の製造承認の前提条件として、全例調査報告が義務付けられている医薬品など ・メーカーによる事前の情報提供等が必要な医薬品について 投与方法、施術方法等が特殊で、メーカーによる事前説明あるいは技術の習熟が必要なもの等 販売管理の方法等も理解する。
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3)医療機器の販売 ・医療機器区分について ・従業員に対する教育訓練 ・流通履歴管理 (ポイント) ・高度管理医療機器等営業管理者について
・医療機器区分について ・従業員に対する教育訓練 ・流通履歴管理 (ポイント) ・高度管理医療機器等営業管理者について 管理者講習の受講義務(毎年度) ・従業員に対する教育訓練 ・販売記録事項
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4.特別な管理を要する医薬品等 1)毒薬・劇薬、向精神薬の保管管理業務 2)麻薬、覚せい剤原料の保管管理と販売業務
1)毒薬・劇薬、向精神薬の保管管理業務 2)麻薬、覚せい剤原料の保管管理と販売業務 3)毒物劇物の保管管理と販売業務 (ポイント) ・施錠保管や棚卸の必要な医薬品について解説する。
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1)毒薬・劇薬、向精神薬の保管管理業務 1)-1 毒薬 ・保管設備について ・社内施錠管理規定について 1)-2 劇薬 ・保管方法について
1)-1 毒薬 ・保管設備について ・社内施錠管理規定について 1)-2 劇薬 ・保管方法について (ポイント) ・毒薬 法定保管庫の規定について 区分保管(単一保管) 保管庫施錠の社内規定及び鍵の管理 ・劇薬 区分保管
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1)-3 向精神薬 ・法定責任者について ・保管場所と保管方法について ・誤差防止について ・販売先について ・廃棄について
1)-3 向精神薬 ・法定責任者について ・保管場所と保管方法について ・誤差防止について ・販売先について ・廃棄について ・紛失等の行政届出義務について (ポイント) ・法定責任者について 卸売販売業は管理薬剤師がみなしの責任者 責任者の義務 ・保管場所について(専用保管庫等) 保管場所施錠の社内規定及び鍵の管理 ・定期確認等の体制(入出庫記録による管理等) ・販売先について(異常数量販売先のチェック) ・向精神薬については、再使用できない状態での廃棄 (放流・焼却等の処理、産廃処理の場合は不正使用等の防止、処理完了の確認義務) ・事故届、届出を要する数量等
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2)麻薬、覚せい剤原料の保管管理と販売業務
2)-1 麻薬 ・免許制度の概要について ・保管設備概要等 ・管理者等 ・麻薬の流通の概要について ・麻薬の譲渡・譲受について (ポイント) ・麻薬取扱者免許の種類と各業務概要 不正使用及び乱用防止 元卸、卸、小売(薬局)、施用者、管理者、研究者等 免許証の有効期間 ・法定保管庫の規定について 構造、施錠設備、警報装置等、麻薬以外の保管禁止 保管庫施錠の社内規定及び鍵の管理者 ・管理者(実務者)の業務 ・流通経路(麻薬元卸~麻薬卸~医療機関・薬局等) ※麻薬生産者協会(元卸メーカー11社) ・製品番号での流通管理の特殊性(麻薬の特定) ・麻薬卸の譲渡地域 ・逆譲渡の禁止(卸から元卸、薬局等から卸への返品は禁止) ・譲渡・譲受の概要 ・麻薬譲渡(譲受)証の書式と記載事項等(譲受証は、法定の発注書、印鑑、名称等の確認) ・麻薬卸の帳簿記載事項等 ・麻薬卸の半期麻薬届(医療機関等の年間麻薬届)等
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2)-2 麻薬卸売業者の業務 ・麻薬の発注 ・入荷及び入庫 ・医療機関等からの受注 ・出庫及び出荷 ・配送及び納品 ・麻薬の廃棄
2)-2 麻薬卸売業者の業務 ・麻薬の発注 ・入荷及び入庫 ・医療機関等からの受注 ・出庫及び出荷 ・配送及び納品 ・麻薬の廃棄 ・事故等の届出 (ポイント) ・元卸(メーカー)等への発注方法等 譲受証原本送付、入荷までの日数等 ・入荷方法と確認注意事項等 発注記録、メーカー譲渡証との照合確認等 (品名、規格容量、数量、製品番号、封緘証紙の確認及び破損等の有無) ・入庫業務と注意事項 ・受注方法、 MS等による直接受注(譲受証原本の事前交付、又は写しの受領) 譲受証のFAX受注※納品先の免許証の種類と有効期間の確認 電話受注の問題点(受発注ミス) ・出庫時の注意事項 複数の販売メーカーのある商品等、配送者への引渡しでの注意事項、 引渡し後の管理(紛失等の防止) ・配送納品時の注意事項等 専用カバン等での配送(破損・盗難等の事故防止)、麻薬の優先納品 譲渡証、譲受証の交換(譲受証の事後交付は不可) 納品先との相互検品(立会開封、破損、数量不足の対応措置) 納品後の返品受領は法定での禁止行為 ・麻薬廃棄届 破損、有効期限切れ等の不良品、陳旧品等の不要の麻薬、 都道府県麻薬主管課立会いのもと廃棄、 ・紛失・破損等:都道府県薬務主管課(麻薬課等) 盗難:警察署
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2)-3 覚せい剤原料 ・営業者の指定制度について ・保管設備概要等 ・責任者等 ・覚せい剤原料の譲渡・譲受について (ポイント)
2)-3 覚せい剤原料 ・営業者の指定制度について ・保管設備概要等 ・責任者等 ・覚せい剤原料の譲渡・譲受について (ポイント) ・覚せい剤原料の譲渡行為(覚せい剤原料取扱者の指定) 指定証の有効期間 ※治療・調剤目的の場合、医療機関、薬局業務においては不要 ・法定保管庫について 構造、施錠設備、警報装置等、保管庫施錠の社内規定及び鍵の管理者 ・覚せい剤原料取扱責任者の届出・責任者(実務者)の業 ・譲渡・譲受の概要 譲渡(譲受)証の書式と記載事項等(印鑑、名称の確認) 覚せい剤原料取扱者(営業者)の帳簿記載事項等
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2)-4 覚せい剤原料取扱者の業務 ・覚せい剤原料の発注 ・入荷及び入庫 ・医療機関等からの受注 ・出庫及び出荷 ・配送及び納品
2)-4 覚せい剤原料取扱者の業務 ・覚せい剤原料の発注 ・入荷及び入庫 ・医療機関等からの受注 ・出庫及び出荷 ・配送及び納品 ・覚せい剤原料の廃棄 ・事故等の届出 ※覚せい剤について (ポイント) ・発注方法:譲受証原本送付等 ・入荷方法と確認注意事項等:発注記録、メーカー譲渡証との照合確認 (品名、規格容量、数量、破損等の有無) ・入庫業務と注意事項 ・受注方法:MS等による直接受注(譲受証原本又は写しの受領) 譲受証のFAX受注、電話受注の問題点(受発注ミス) ・出庫時や配送者への引渡しの注意事項、引渡し後の管理(紛失等の防止) ・配送納品時の注意事項等、・破損・盗難等の事故防止 ・譲渡証、譲受証(記載事項の確認)の交換 納品先との相互検品(立会開封、破損、数量不足の対応) 営業者以外(医療機関等)からの返品は不可 ・廃棄届 破損、有効期限切れ等の不良品、陳旧品等の不要の覚せい剤原料 都道府県薬務主管課(覚せい剤監視員)立会いのもと廃棄 ・紛失、盗難等:都道府県薬務主管課(警察署) * 覚せい剤について、 譲渡人:覚せい剤製造業者に限定(医薬品卸は不可)、 譲受人:覚せい剤施用機関(医療機関)及び研究者に限定
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3)毒物劇物の保管管理と販売業務 ・営業者の登録制度について ・毒物劇物取扱責任者について ・保管設備概要 (ポイント)
・毒物劇物取扱責任者について ・保管設備概要 (ポイント) ・毒物劇物営業者について 毒物又は劇物は、製造業、輸入業、販売業の登録を受けた者でなければその業務を行うことはできない。 これらの登録業者以外の者は、販売又は授与の目的で貯蔵、運搬、陳列をすることは禁止されている。 ・法定責任者である毒物劇物取扱責任者について 責任者の資格要件(医師、薬剤師等、取扱者試験の合格者) 責任者の義務(毒物劇物に係わる危害防止義務) ・保管設備概要 貯蔵・陳列場所(保管設備)への表示義務:「医薬用外劇物」、「医薬用外毒物」 保管庫施錠の社内規定及び鍵の管理者
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毒物劇物営業者の業務 ・毒物劇物の発注 ・入荷及び入庫 ・譲渡手続き ・ MSDS制度 ・毒物劇物の廃棄 ・事故等の届出
・医療機関等の遵守事項(業務上取扱者) (ポイント) ・発注方法 ・入荷方法と確認注意事項等 発注記録等との照合確認 (品名、規格容量、数量、破損等の有無) ・入庫業務と注意事項 ・譲渡先により異なる(毒劇物営業者、医療機関等の消費者) 毒物劇物営業者:譲渡記録の保管 医療機関等の消費者:譲受書が必要 ・交付の制限 18歳未満の者等への交付は禁止 ・労働安全衛生法、PRTR法に基づく化学物質の情報提供義務(MSDS) ※事業者による化学物質の自主的管理推進の改善、環境保全上の支障の未然防止 初回販売時での提供(営業者の義務) ・毒劇法での廃棄規定(化学的分解等での廃棄) 産廃処理が現実的 ・破損・漏出等:保健所、消防署(周辺の健康被害等の防止) 盗難・紛失:警察署 ・医療機関等(業務上取扱者にあたる)の遵守事項 盗難・紛失防止策、貯蔵・陳列場所の表示、事故の際の措置、立ち入り検査
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5.トレーサビリティについて 1)流通履歴管理について 医薬品の記帳義務について 生物由来製品のメーカー報告について
医薬品の記帳義務について 生物由来製品のメーカー報告について 高度管理医療機器等の販売記録について 2)バーコード管理について (ポイント) ・流通履歴管理の目的(保健衛生上の遡及調査等) ・医薬品の記帳義務(法定項目等) 薬事法上、すべての医薬品が記帳義務対象となっているが、製造番号については、 IT化が可能となるまで、定められたもの以外は免除となっている。 ・生物由来製品の製造番号(ロット番号)確認とメーカーへの報告義務 平成14年に公布された改正薬事法にて、医薬品卸売販売業者は、病院・診療所 への生物由来製品のロット番号を含めた納入情報を、製造販売業者へ報告する 義務が生じた。 ・高度管理医療機器等の販売記録 入庫および出庫の記録を製造番号を含めて保存する義務がある。 ・バーコード管理 医薬品のバーコード管理は、従来の商品名、規格、容量に加えて、製造番号や 使用期限等の情報を含んだ新バーコード(GS1-RSSなど)の表示制度が導入され、 徐々に浸透してきている。
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Ⅲ.安全確保業務 市販後安全確保業務 1. 医薬品等の回収業務 2. 医薬品等による有害事象等の収集及び報告
3. 医薬品等の注意喚起文書等の配付及び貼付 4. 市販直後調査 (解説) メーカーは医薬品の承認から上市、市販後の安全対策という一連の流れで責任を負う。 このメーカーの「製造販売後安全管理に関する業務」のうち、医薬品卸が行う安全確保業務について解説する。 卸における安全確保業務は、安全管理情報の収集及びメーカーにおける検討結果に基づく措置がこれにあたるが、その方法や管理薬剤師が留意する事項を解説する。 (ポイント) ・GVP:製造販売後安全管理基準を学ぶ。 ・安全確保業務の意味と業務内容を理解する。 ・受託する場合には、受託要件等を理解する。
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1. 医薬品等の回収業務 ・商品回収について GVPでの安全管理業務 製薬メーカーとの委受託契約 ・回収業務の流れについて
・商品回収について GVPでの安全管理業務 製薬メーカーとの委受託契約 ・回収業務の流れについて ・回収原因の及び発生傾向等について ・回収業務での問題点等について (解説) 市販後の医薬品等において、品質等や安全性に問題がある場合に商品回収の指示・依頼がある。その回収に至るまでの経緯と商品回収を遅滞なく行うための卸業務の概要を解説する。 ・国、都道府県からの回収命令と、製薬メーカー等の自主回収について ・回収情報の収集の情報は「医薬品医療機器総合機構」HPから確認できる。 ・回収業務の流れ(表1<59ページ>により業務概要を解説) ・回収原因の種別と近年の発生傾向等 (表2<60ページ>により解説) ・回収に際しての卸在庫への対応、医療機関等への情報提供と回収業務について解説する 。 ・過去の回収例を参考に、回収業務での問題点(代替商品の供給、投薬等での支障等)を解説。
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表 1 回収業務の流れ(JGSP2007より) 参考例は、JGSP2007より。 自社の回収業務フローを説明する。
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医療用医薬品に関する主な回収原因(医薬卸連資料)
表2 異物混入 ガラス片、毛髪、虫、金属片、黒かび、異種薬剤混入、微生物 シリコンゴム等 品質不具合 安定性試験不合格、規格外、溶出の遅延(低下)、結晶析出、 承認内容と異なる物質の使用、変質、成分力価低下、 測定値異常、液漏れ、形状変化、目盛りのずれ、 米国牛由来原料使用 等 表示ミス 単位表示、成分表示、製造番号・ロット番号印字、 ロット・使用期限非表示、ラベル表示と異なる物質混在、 使用期限表示、添付文書誤植、配合量印字、原材料表示、 ラベル未添付、添加物記載 その他 キャップの不具合、アンプルひび割れ、シール未接着、 添付文書の入違いガイドワイヤー不具合、アルミ袋封鎖不全、 カプセルひび割れ、容器膨張、 ICチップ不具合、針の不具合 等
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2. 医薬品等による有害事象等の収集及び報告 ・情報の収集業務について ・製薬メーカー等への報告義務について (ポイント)
・製薬メーカー等への報告義務について (ポイント) ・医療機関等からの情報収集について 医薬品等の品質、有効性、安全性に関する不具合情報等を得た場合の対処方法を解説する。 (自社の手順に従って) ・収集方法 ・社内の収集・伝達ルート ・報告様式 ・注意事項(情報の取扱い)
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3. 医薬品等の注意喚起文書等の配付及び貼付 ・配付業務について ・貼付業務について (ポイント)
・配付業務について ・貼付業務について (ポイント) メーカーから依頼された安全管理情報を販売実績のある医療機関等へ伝達する方法を解説する。 (自社の手順に従って) ・安全管理情報 ・改訂添付文書 ・(緊急)安全性情報 ・お知らせ文書 など ・配付の手順 ・貼付の手順 ・配付、貼付後のメーカー報告
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4. 市販直後調査 ・市販直後調査の目的と概要について ・医薬品卸の受託要件について ・受託可能業務の範囲について
・市販直後調査の目的と概要について ・医薬品卸の受託要件について ・受託可能業務の範囲について ・受託調査の実例と問題点等について (ポイント) ・市販直後調査の目的と概要 ・受託する場合の条件・範囲 ・実施方法・・・自社におけるシステム操作等の説明 ・卸連安全管理業務手順書も活用願います。
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Ⅳ.情報業務 1. 問合せ対応業務 2. 医薬情報(DI)業務 (ポイント)
医薬品卸は、取り扱う商品が医薬品だけでなく試薬や医療機器、健康食品など多岐にわたるため、医療用医薬品や取扱い品目に限らない、様々な問い合わせに対応している。製薬企業では、主に自社の製品に関連する問い合わせを受け付けているのに対し、医薬品卸の問い合わせは、このように幅広い内容であることが特徴である。 1.問合せ対応業務 1) 医療機関等からの広範な問合せについて調査・検索・回答 ①臨床と治療 ②医療用医薬品(識別、薬価、適応、副作用、相互作用、中止・変更等) ③調剤・調整法 ④治験薬・外国薬 ⑤一般用医薬品 ⑥医薬品外(医療機器・部外品・食品等) ⑦検査・試薬 ⑧法規・診療報酬 2) 情報収集の手段 ①支店常備図書(保険薬事典など) ②インターネット検索(有用なサイト紹介) ③各種ソフト ④メーカーへの問合せ方法 ⑤卸勤薬HPのDI実例集の活用 2.医薬情報(DI)業務 商品の一覧表や、花粉飛散情報・インフルエンザの流行情報などの旬な情報についてまとめたものなどがある。 問い合わせへの回答に用いたり、MSがお得意様へ直接お届けしたりして、活用する。
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Ⅴ.教育訓練について 1. 目的 2. 対象者 3. 種類:導入教育,継続教育 4. 内容(カリキュラム) ・MS研修
・教育担当者としての研修 ・自己研鑽 (解説) 薬事法(則第155条)に従業員に対しての研修の実施が明記されている。 管理薬剤師業務の適正運用と信頼性確保を目的に教育訓練を実施し、能力を保持するよう努める。 医薬品の安定供給と品質管理、安全確保に関する業務を適正に運用し、その信頼性を高めるためにMSを対象とした教育研修を実施している。 「JGSP2007」「JGSP2008一般薬用」に必要と考えられる研修の項目、研修時間の基準を示し、研修を行った際には記録し保存することとなっている。 〔主な研修項目〕 ・医薬品の取り扱いの倫理 ・医学・薬学の基礎知識 ・医薬品の品質・供給に必要な知識 ・安全確保業務のために必要な知識
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Ⅵ.危機管理について 1.医薬品等の事故対応について 2.災害・パンデミック時対応について 3. 行政対応について 4. 自己点検について
1.医薬品等の事故対応について 2.災害・パンデミック時対応について 3. 行政対応について 4. 自己点検について (ポイント) ・破損、所在不明、紛失盗難等の事故発生に対する社内連絡体制 従業員からの事故報告の体制整備が薬事法に記載された(則第155条) ・災害時対応はその大きさにより各種対応が生じる。 (参考:卸連合会にて 「災害対応マニュアル作成ガイドライン」を平成19年発行) 災害備蓄品に対する研修 ・インフルエンザ等のパンデミック対応 (参考:卸連合会にて「医薬品卸売業における事業継続のための 新型インフルエンザ対策ガイドライン 」を平成20年に発行) ・ 行政への報告体制等 保健所等の立入検査、医薬品の収去、GE品の検体提供依頼等 警察からの販売データ等の提供依頼(犯罪捜査)、 事故時の行政への必須報告医薬品等 ・毒劇物等の管理強化依頼(事件発生防止)等 ・医薬品等供給業務での定期点検について ・安全確保業務での定期点検について
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参考資料
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日本薬剤師会薬剤師倫理規定 (1997年10月 日本薬剤師会制定)
日本薬剤師会薬剤師倫理規定 (1997年10月 日本薬剤師会制定) 第1条 薬剤師は、個人の尊厳の保持と生命の尊重を旨とし、調剤をはじめ、医薬品の供給、その他薬事衛生をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって人々の健康な生活の確保に努める。 第2条 薬剤師は、常に自らを律し、良心と愛情をもって職能の発揮に努める。 第3条 薬剤師は、薬剤師法、薬事法、医療法、健康保険法、その他関連法規に精通し、これら法令等を遵守する。 第4条 薬剤師は、生涯にわたり高い知識と技能の水準を維持するよう積極的に研鑽するとともに、先人の業績を顕彰し、後進の育成に努める。 第5条 薬剤師は、医療の担い手として、常に同僚及び他の医療関係者と協力し、医療及び保健、福祉の向上に努め、患者の利益のため職能の最善を尽くす。 第6条 薬剤師は、常に医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に努める。また、医薬品が適正に使用されるよう、調剤及び医薬品の供給に当たり患者等に十分な説明を行う。 第7条 薬剤師は、地域医療向上のための施策について、常に率先してその推進に努める。 第8条 薬剤師は、広範にわたる薬剤師職能間の相互協調に努めるとともに、他の関係職能を持つ人々と協力して社会に貢献する。 第9条 薬剤師は、職務上知り得た患者等の秘密を、正当な理由なく漏らさない。 第10条 薬剤師は、その職務遂行にあたって、品位と信用を損なう行為、信義にもとる行為及び医薬品の誤用を招き濫用を助長する行為をしない。 (前文) 薬剤師は、国民の信託により、憲法及び法令に基づき、医療の担い手の一員として、人権の中で最も基本的な生命・健康の保持増進に寄与する責務を担っている。この責務の根底には生命への畏敬に発する倫理が存在するが、さらに、調剤をはじめ、医薬品の創製から、供給、適正な使用に至るまで、確固たる薬(やく)の倫理が求められる。薬剤師が人々の信頼に応え、医療の向上及び公共の福祉の増進に貢献し、薬剤師職能を全うするため、ここに薬剤師倫理規定を制定する。 (ポイント) 日本薬剤師会薬剤師倫理規定の第4条にあるように、薬剤師は、生涯にわたり高い知識と技能の水準を維持するよう積極的に研鑽するとともに、先人の業績を顕彰し、後進の育成に努めるとある。
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毛細血管型流通 「取引先軒数の欧米との比較」
(動脈流通) 医薬品情報を伴い、欧米に比べて多い取引先に納入 併せて医薬品比較情報の提供・少量多頻度配送 卸の配送軒数(軒) 資料:厚生労働白書(平成22年版)より (静脈流通)製品回収、副作用情報等の収集 人口 病院 診療所 薬局 合計 日本 12,790万人 8,794 166,862 53,304 228,960 アメリカ 29,540万人 5,759 (2004) - 64,562 70,321 ドイツ 8,260万人 2,197 (2003) 54,640 56,837 (解説) 日本は欧米に比べ、様々な医療機関にどのような医薬品を供給するかの判断について、医薬品卸側での適切な管理が求められている。この適切な管理を行うため医薬品卸は、物流センターや営業所に管理薬剤師を配置し、供給管理と品質要件確保に努めてきた。医薬品流通の中で働く薬剤師の機能と役割により、表に示す『毛細血管型』(少量多頻度、情報提供等の多機能を有し、多くの取引先に対して配送をする型)と呼ばれる安全で安定した供給体制が構築され、維持されてきた。
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