将来計画とフレーバー物理俯瞰(理論) Shigeki Matsumoto (Kavli IPMU)

Similar presentations


Presentation on theme: "将来計画とフレーバー物理俯瞰(理論) Shigeki Matsumoto (Kavli IPMU)"— Presentation transcript:

1 将来計画とフレーバー物理俯瞰(理論) Shigeki Matsumoto (Kavli IPMU)
Kavli IPMU Thermal Dark Matter Project 0. タイトル WIMPについて New Physics beyond SM Tableと戦略 Mixed Singlet (scalar) Singlet with Heavy Singlet with light Weak charged Summary 暗黒物質探査は新物理研究の重要戦略の一つとなっている!                    ↓ フレーバー物理に関する将来計画が果たす重要な役割とは?

2 素粒子物理学における主な指導原理 様々な指導原理内で“電弱スケールの自然さ”が重要な役割を果たしてきた!
1/8 素粒子物理学における主な指導原理 様々な指導原理内で“電弱スケールの自然さ”が重要な役割を果たしてきた! なぜ電弱対称性は自発的に破れたのか?それも100GeVというスケールで?                          ↓ 超対称模型、複合ヒッグス模型、余剰次元模型等の様々なモデルが提案された。 これらの模型で予言されるシグナルが発見されず。全く別の機構等で説明されるのでは?(必要条件と十分条件の違いに注意!)  様々なアイデアが提案。 何か別の良い指導原理はないものか? とりあえず、暗黒物質の正体(暗黒物質に関する様々な性質)を明らかにして、それを橋頭保として素粒子標準模型を超える新物理の解明を行うのはどう? 暗黒物質の存在は素粒子標準模型では説明できない実験(観測)事実である。 先行例: ニュートリノ質量の存在 宇宙のバリオン数生成 宇宙の地平線問題等  インフレーション  宇宙背景放射 & 重力波観測 クラークの三法則 1.高名で年配の科学者が可能であると言った場合、その主張はほぼ間違いない。また不可能であると言った場合には、その主張はまず間違っている。 2.可能性の限界を測る唯一の方法は、不可能であるとされることまでやってみることである。 3.十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。 シーソー機構 レプトン数生成  ニュートリノ振動 & 2重β崩壊

3 暗黒物質と熱的仮説 暗黒物質に関しては得られている情報がまだまだ少なく、様々な候補が提案。 Mass 10–22 eV 1019 GeV
2/8 暗黒物質と熱的仮説 暗黒物質に関しては得られている情報がまだまだ少なく、様々な候補が提案。 l = 2p/mv < Gal. size l = 2p/m ~ 2m/Mpl2 m < Gal. mass Mass 10–22 eV 1019 GeV 1040 g Particle dark matter 膨大な質量領域を系統的に探査することは難しい為、様々な暗黒物質に関する仮説を立て検証を行っている。(例:WIMP仮説、Axion仮説、pBH仮説等々。) 熱的暗黒物質仮説 暗黒物質は(素)粒子であり、初期宇宙における凍結機構により現在の残存量が決まった。 凍結機構 (例: 軽元素合成、再結合等々) 平衡にあった系で、その平衡を保つ反応率が宇宙の膨張率を下回ることにより脱平衡が起こり、物理量(観測量)が決まるとする機構。

4 熱的暗黒物質仮説 熱的暗黒物質 弱荷 弱荷0(中性) 混合した弱荷 0でない弱荷 スピン ½ 1 ½ 1 ½ 1 WIMP
3/8 熱的暗黒物質仮説 From ΔNeff From unitarity WIMP GeV 10 –3 10 10 5 熱的暗黒物質の質量領域 熱的暗黒物質が標準模型のどの素粒子と主に反応するのかで様々な可能性有り。 熱的暗黒物質 弱荷 弱荷0(中性) 混合した弱荷 0でない弱荷 スピン 1 1 1 熱的暗黒物質は電荷とカラー荷を持たないため、弱荷とスピンで系統的に分類。

5 熱的暗黒物質仮説 熱的暗黒物質 弱荷 弱荷0(中性) 混合した弱荷 0でない弱荷 スピン ½ 1 ½ 1 ½ 1 WIMP
3/8 熱的暗黒物質仮説 From ΔNeff From unitarity WIMP GeV 10 –3 10 10 5 弱荷0 弱荷0 — 1/2 混合 弱荷1/2 弱荷1/2 — 1 混合 弱荷1 熱的暗黒物質をフェルミオンとしてミニマムな相互作用シナリオを仮定した場合。 熱的暗黒物質が標準模型のどの素粒子と主に反応するのかで様々な可能性有り。 熱的暗黒物質 弱荷 弱荷0(中性) 混合した弱荷 0でない弱荷 スピン 1 1 1 熱的暗黒物質は電荷とカラー荷を持たないため、弱荷とスピンで系統的に分類。

6 最近の実験、観測、理論からの示唆 WIMP
4/8 最近の実験、観測、理論からの示唆 WIMP GeV 10 –3 10 10 5 弱荷0 弱荷0 — 1/2 混合 弱荷1/2 弱荷1/2 — 1 混合 弱荷1 大型の直接探査でシグナル未発見  混合弱荷の場合が排除されつつある。 混合の起源(湯川相互作用)が暗黒物質と核子の散乱断面積を大きく予言。 電弱スケールの弱荷を持たない暗黒物質はLHCにおける新物理シグナルの未発見の結果、主にLeptophilicとHiggs portal(CPV)の領域が生き残る。 Leptophilic暗黒物質はμ粒子の異常磁気能率の観点で注目されている。 Higgs portal (CPV)暗黒物質は銀河中心からのγ線過剰の観点で注目。   TeVスケール暗黒物質は、その対消滅断面積が非摂動効果で増大し[Hisano, Matsumoto, Nojiri]、将来のγ線観測等が有効。 100TeV加速器実験。 弱荷を持つTeVスケール暗黒物質はヒッグス粒子発見後の新物理模型で予言され注目されている。[例)AMSB(Murayama, etc.), PGM(Yanagida, Ibe etc.)] 軽い暗黒物質領域は宇宙の構造のSmall Scale Crisis (SSC)の観点で注目。

7 最近の実験、観測、理論からの示唆 WIMP
4/8 最近の実験、観測、理論からの示唆 WIMP GeV 10 –3 10 10 5 SSC γ, gm-2 弱荷0 弱荷0 — 1/2 混合 弱荷1/2 弱荷1/2 — 1 混合 弱荷1 Lepton collider Higgs factory Indirect detection 100TeV collider Model Model 大型の直接探査でシグナル未発見  混合弱荷の場合が排除されつつある。 混合の起源(湯川相互作用)が暗黒物質と核子の散乱断面積を大きく予言。 電弱スケールの弱荷を持たない暗黒物質はLHCにおける新物理シグナルの未発見の結果、主にLeptophilicとHiggs portal(CPV)の領域が生き残る。 Leptophilic暗黒物質はμ粒子の異常磁気能率の観点で注目されている。 Higgs portal (CPV)暗黒物質は銀河中心からのγ線過剰の観点で注目。   TeVスケール暗黒物質は、その対消滅断面積が非摂動効果で増大し[Hisano, Matsumoto, Nojiri]、将来のγ線観測等が有効。 100TeV加速器実験。 弱荷を持つTeVスケール暗黒物質はヒッグス粒子発見後の新物理模型で予言され注目されている。[例)AMSB(Murayama, etc.), PGM(Yanagida, Ibe etc.)] 軽い暗黒物質領域は宇宙の構造のSmall Scale Crisis (SSC)の観点で注目。

8 軽い熱的暗黒物質の物理 SM+DM (Fermion)  Gauge & Z2 対称性のため繰り込み可能な相互作用なし。
5/8 軽い熱的暗黒物質の物理 SM+DM (Fermion)  Gauge & Z2 対称性のため繰り込み可能な相互作用なし。                        (DMがBosonのときは軽い暗黒物質領域は排除される傾向。) 繰り込み可能な相互作用を持つならば、新たな新粒子(媒介粒子)が存在する。 観測されたDM密度を説明するため、媒介粒子の質量はDMと同程度な必要有。 媒介粒子の量子数は、Gauge & Z2 対称性に対しチャージを持たずボーズ粒子。 媒介粒子はスカラー粒子(Dark scalar)か、ベクター粒子(Dark photon)!! (軽い熱的暗黒物質におけるDark photonシナリオは排除されつつある?) c SM 媒介粒子 Z2-odd c SM 媒介粒子 Z2-even Which?

9 軽い熱的暗黒物質の検証 Minimal dark scalar scenario: ⊃
6/8 軽い熱的暗黒物質の検証 Minimal dark scalar scenario: 暗黒物質は媒介粒子(稀にヒッグス粒子)を通じてSM素粒子達と相互作用。 媒介粒子はヒッグス粒子を通じてSM素粒子達と2種類の相互作用を行う。 Higgs-Φ 混合 Higgs-Φ-Φ 反応 <H> <H> f H f H f 熱的仮説:暗黒物質/媒介粒子はSM素粒子達と一定以上の相互作用を持つ! 暗黒物質 SM素粒子 暗黒物質質量 < 媒介粒子質量 の場合 χχ  Φ*  SM SM 暗黒物質質量 > 媒介粒子質量 の場合 χχ  Φ Φ with Φ  SM SM 熱平衡 媒介粒子

10 軽い熱的暗黒物質の検証 熱的仮説条件と、現在&近い将来からの制限を課し全パラメータ領域を探査!
7/8 軽い熱的暗黒物質の検証 熱的仮説条件と、現在&近い将来からの制限を課し全パラメータ領域を探査! 探査すべき質量領域は、10 MeV < 媒介粒子質量 < 暗黒物質質量。 混合角の上限は加速器実験から & 混合角の下限は宇宙論の制限から。

11 軽い熱的暗黒物質の検証 熱的仮説条件と、現在&近い将来からの制限を課し全パラメータ領域を探査!
7/8 軽い熱的暗黒物質の検証 熱的仮説条件と、現在&近い将来からの制限を課し全パラメータ領域を探査! 探査すべき質量領域は、10 MeV < 媒介粒子質量 < 暗黒物質質量。 混合角の上限は加速器実験から & 混合角の下限は宇宙論の制限から。 地下実験における直接探査は、比較的重い暗黒物質に有効。将来は? フレーバー実験での長寿命粒子探査は重要。(@混合角 > 10 –4—10 –6 )。 Higgs factory (ILC, CEPC, FCC-ee)は相補的な役割を果たし重要!

12 まとめ 暗黒物質の性質解明を橋頭保とした新物理探査が注目を集めている。 熱的暗黒物質は有力な候補であるが、まだ探査されていない領域がある。
8/8 まとめ 暗黒物質の性質解明を橋頭保とした新物理探査が注目を集めている。 熱的暗黒物質は有力な候補であるが、まだ探査されていない領域がある。 軽い熱的暗黒物質がその領域の一つであり、フレーバー物理における将来実験とヒッグスの精密測定が、その探査において重要な役割を果たす。


Download ppt "将来計画とフレーバー物理俯瞰(理論) Shigeki Matsumoto (Kavli IPMU)"

Similar presentations


Ads by Google