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シックハウス対策としての住宅のアルデヒド類濃度と換気性能に関する研究
ー木造実験住宅における放散源を用いた検証実験ー 高断熱・高気密住宅における換気に関する研究について渡部が発表させていただきます。 渡部 裕介
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換気設備は居室で換気回数0.5回/h以上とする。
はじめに 近年 ホルムアルデヒド等の化学物質による 室内空気汚染が問題となっている。 2003年7月施行 建築基準法改正 ホルムアルデヒド低減のための規制 （例えば、内装仕上げの制限等・・・） 換気設備は居室で換気回数0.5回/h以上とする。 建材の等級表示が改正された。
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ホルムアルデヒド発散量に関する建材の等級表示
建築物に使用され5年経過したものは、制限なし ホルムアルデヒド発散量と建材の等級表示は次のように改正されました。 JIS・JASの旧名称はEO、FC0でしたが、 JIS・JASの新名称はFの☆四つというような表示になりました。 今までのEO、FC0の上の規格も出来ました。 ※1 夏期条件（28℃、相対湿度50％）の値 ホルムアルデヒド濃度が温度上昇とともに増加することが知られている。
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研究目的 従来の研究により建材等の放散量測定結果から 室内気中濃度の換算式がある。 ・多数室では他室との空気の出入りがある。 ・建材等の吸着 単室条件だけである。 しかし 実住宅における実験は行われていない。 実大実験住宅の室内に合板を用いたホルムアルデヒド放散源を設置し、冬季・夏季における室内ホルムアルデヒド気中濃度と換気量の関係について実験的検証を行うことを目的とする。 本研究では
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場所：（財）ベターリビング筑波建築試験センター 在来軸組工法木造二階建住宅
実験住宅の概要 1階 2階 平面図 場所：（財）ベターリビング筑波建築試験センター 在来軸組工法木造二階建住宅
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換気システム（1） 熱交換器 第一種ダクト式 ダクトを用いて集中給排気 全熱交換により、排気の熱を回収
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換気システム（2） 第三種ダクトレス 外壁面に排気ファン、給気口を設置排気のみを運転
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1枚の大きさ：91cm×91cmの合板（表裏表面積1.66m2）
放散源の設置状況 1枚の大きさ：91cm×91cmの合板（表裏表面積1.66m2） 合計：392枚
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放散源の設置 JAS規格FC0の構造用合板を使用 合板設置量は床面積の5倍
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使用する建材の面積に0.5を乗じた値が床面積を超えてはならない。
放散源を床面積の5倍にした理由 居室における換気回数と内装材制限 ＋3倍（家具相当） 5倍 ※夏季条件での値 使用する建材の面積に0.5を乗じた値が床面積を超えてはならない。
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ガラスデシケーターの中に建材を入れ、蒸留水に吸着させ、その水のホルムアルデヒド濃度を測定する方法
建材からのホルムアルデヒド放散量 デシケーター法 JIS A 1480に規定される ガラスデシケーターを用いた方法 ガラスデシケーターの中に建材を入れ、蒸留水に吸着させ、その水のホルムアルデヒド濃度を測定する方法 チャンバー法 JIS A 1901に規定される 小型チャンバーを用いた方法 小型チャンバーの中に建材を入れ、チャンバー内に空気を流通させ、出口で捕集した空気から濃度や換気量等を知ることによって時間当たりの放散速度を測定する方法
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デシケーター法による放散量測定結果 放散量 製造直後、0.58mg/L 冬季実験期間中、3回の平均0.22mg/L 夏季実験期間中、2回の平均0.125mg/L 夏季に放散量が低減：木口アルミテープ無
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測定スケジュール 30分間の窓開け換気： 室内のホルムアルデヒド濃度を外気同等まで下げる
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サンプリング方法 測定方法 DNPHを用いたアクティブサンプリング バッジを用いたパッシブサンプリング アクティブサンプリング 吸引ポンプを用いて強制的に室内の空気をDNPHカートリッジにサンプリングする方法 ポンプ流量は1.0ℓ/minとし、30ℓ採気 パッシブサンプリング 24時間パッシブサンプラーに暴露してサンプリングする方法
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サンプリング設置状況 アクティブサンプリング パッシブサンプリング
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空気質測定位置
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冬季の実験条件 ※○の中の数字は実験条件番号 換気システム：換気停止、第一種ダクト式、第三種ダクトレス
換気回数：住宅全体の容積に対して0.4回/h、0.5回/h 気密性能：高気密仕様（2cm2/m2 ）、一般気密仕様（5cm2/m2 ） 温度：エアコン暖房で 23℃、28℃
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冬季のｱｸﾃｨﾌﾞｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞによる ﾎﾙﾑｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞの住宅内平均濃度測定結果
機械換気を行わない場合 指針値の7割程度
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冬季のｱｸﾃｨﾌﾞｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞによる ﾎﾙﾑｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞの住宅内平均濃度測定結果
機械換気を行わない場合 指針値の7割程度 機械換気 （換気回数0.4～0.5回/h） 指針値の4割程度
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冬季のﾎﾙﾑｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞの1・2階平均濃度比較
寒 暖 温度差換気 2階は1階より濃度が高い 2階は1階の1.3倍
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デシケーター法による放散量から求める室内濃度換算式
放散量から求めた換算室内濃度式 デシケーター法による放散量から求める室内濃度換算式 ppmからμg/m3への変換式
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放散量から求めた換算室内濃度と実測値濃度の関係
冬季のデシケーター法による 放散量から求めた換算室内濃度と実測値濃度の関係 実測値より換算値が高い
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冬季の換気回数とﾎﾙﾑｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞ濃度の関係
換算濃度曲線 1階は右下がり線、2階はばらついている 温度差換気により1階から2階に空気が上昇している
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チャンバー法による放散速度を用いた室内濃度換算式
放散速度を用いた換算室内濃度式 チャンバー法による放散速度を用いた室内濃度換算式 チャンバー法が28℃設定のため、設定温度に補正する式
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放散速度を用いた換算室内濃度と実測値濃度の関係
冬季のチャンバー法による 放散速度を用いた換算室内濃度と実測値濃度の関係 チャンバー試験時の換気回数0.5回/h 換気回数0.4~0.5回/hの場合は、実測値と換算値の相関あり
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夏季の実験条件 ※ ○の中の数字は実験条件番号 換気システム：換気停止、第一種ダクト式、第三種ダクトレス
換気回数：住宅全体の容積に対して0.4回/h、0.5回/h、0.7回/h 気密性能：高気密仕様（2cm2/m2 ）、一般気密仕様（5cm2/m2 ） 温度：28℃、33℃（満たないときはエアコン冷暖房）
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夏季のｱｸﾃｨﾌﾞｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞによる ﾎﾙﾑｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞの住宅内平均濃度測定結果
機械換気を行わない場合 指針値の9割程度
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夏季のｱｸﾃｨﾌﾞｻﾝﾌﾟﾘﾝｸﾞによる ﾎﾙﾑｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞの住宅内平均濃度測定結果
機械換気を行わない場合 指針値の9割程度 機械換気 （換気回数0.4～0.7回/h） 指針値の6割程度
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夏季の換気回数とﾎﾙﾑｱﾙﾃﾞﾋﾄﾞ濃度の関係
冬季よりばらつきが少なくなっている 内外温度差が小さく、温度差換気が起こりにくい
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換気回数と実測ホルムアルデヒド濃度の関係 換算濃度曲線を下回っていたことから安全側だといえる
まとめ 冬季23℃・夏季28℃環境下 ホルムアルデヒド指針値(100μg/m3)を 超えるものはなかった 機械換気を行わない 換気回数0.5回/h程度 3割程度濃度が下がる デシケーター法の濃度換算式 換気回数と実測ホルムアルデヒド濃度の関係 換算濃度曲線を下回っていたことから安全側だといえる チャンバー法の濃度換算式 実験条件とチャンバー法の設定条件が同じ場合 濃度換算式で実測値が推定できる
