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JAPAN PACK 2019 専門セミナー 令和元年10月31日 創包工学研究会 三浦秀雄

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1 JAPAN PACK 2019 専門セミナー 令和元年10月31日 創包工学研究会 三浦秀雄
医薬品包装の適正品質を考える JAPAN PACK 2019 専門セミナー 令和元年10月31日 創包工学研究会 三浦秀雄

2 品質の基本 品質のあり方 ★“品質とは種々の本質的なひとまとまりの特質が 要求事項を満たしている度合い”つまり“本来 備わっている特性の集まりが、要求事項を満た す程度”と定義される 。(ISO9000) ★そして品質は、当該の品物が有している種々の 特性を数字などで明確に表現される。 ★要求品質に適合した、可能な限り安価な品物の 提供を標榜すべきであり、過剰品質は排除される べきである。

3 医薬品の日本的品質 斎藤泉,医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,44(3),242(2013)に 筆者の意見を加筆
★外観品質・異物混入が海外より厳しい。 ★要求が外観特性に集中している。 ★製品の外観特性が均質で、仕上がりが綺麗である。 ☆状況は包装・容器・材料分野でも同様 ☆包装分野の外観品質と製剤の有効性・安全性・ 安定性などの本質的な品質との関係の明確化が必要 ☆関係業界での真剣な議論が必要 ☆最終消費者・医療機関などを含めた社会全体での 議論が望ましい。 ☆議論をリードする機関・組織が必要 ☆その他

4 医薬品包装設計・検討の特徴 医薬品包装の特徴 多品種少量生産体制・頻繁な規格変更 ① 通常、医薬品は“少量生産体制” によって
  生産されるうえ、規格変更・印刷変更が多い。 ② “少量生産体制” “材料仕様変更”のため、  医薬品包装分野では、次のような問題が定常 的に発生している。 ★材料・容器の多品種少量生産 ★ 品質・安定性維持に対する影響 ★ 材料規格設定及び受入試験が煩雑 ★ 保管・管理の煩雑さ ★ 多い廃棄材料 ★ 材料供給業者の大きな負担     ★ 予期困難なトラブル多発 ★ その他 医薬品包装品質に       関わるステークホルダー

5 包装品質とコスト ★機能とコストは正比例しない。 ★一定以上のレベルの品質では、その向上のためのコスト は加速度的・指数関数的に上昇する。 ★我が国の包装の品質は、“機能向上に伴って指数関数 的にコストが上昇する状況”に陥っている。 つまり、わずかな品質向上に膨大な費用を費やしている 傾向大。 ★我が国では特に外観品質(官能的品質)とコストの均衡 を再考する必要あり。

6 過剰品質の内容 https://www.businsscreation.jp/2018/09/26/過剰品質とは/を改変
★過剰品質は“顧客が求めている以上の品質”と 定義されている。 ★我が国の医薬品包装に見られる過剰包装は、 上記の定義には該当しない。つまり、消費者・ 医療機関・医薬品メーカーからなる 『業界関係世論』 と形容できる状況に依拠しており、より深刻な 状況にあるといえる。

7 包装の基本的機能及び包装品質:異物混入を例とする。
医薬品包装の品質 包装の基本的機能及び包装品質:異物混入を例とする。  ① 包装内外の遮断が基本的な機能である。  ② 異物混入は包装工程及びそれ以前に発生する。  ③ 50μ程度の糸屑などのような微細異物まで問題視するような傾向が出ている。  ④ 異物皆無が望ましいことは明白であるが、多大な投資と検討が必要である。  ⑤ 高品質は高価格を前提とする。  ⑥ わが国の製品は従来から“高品質・高機能・高価格”である。  ⑦ 一方、多くの他国では、どちらかといえば“低中品質・低価格”の傾向が強い。  ⑧ 高品質が望ましいが、高価格では競争力が低い。 品質と価格のバランスを検討することは急務である。  ⑨ 高品質・高機能・高価格の製品のみではなく中高品質・中機能・低価格の製品 の供給にも眼を向けるべきである。  ⑩ 極論ではあるが、“50~100μの糸屑が消費者に対してどのような被害を及ぼす    のか?”というような観点からの議論もなされるべきである。  ⑪ 過剰品質是正は大きな問題である。    当局・医療機関・消費者を含めて議論が必要である。  ⑫ 包装品質の許容限界を検討する必要がある。  ⑬ “包装に対する認識が低い状況下にあって高品質が要求されている”のが 現状である 。  ⑭ “その製品の使用などが、健康被害の原因となることはまず考えられない“    クラスⅢに起因する回収は現状のままで適正か?  ⑮ その他

8 品質問題の背景 ① 過剰品質の背景 社会の要請及び日本人の特質 ② 絶えざる向上心・完璧主義 ③ 真面目な国民性 ④ 型を重視する文化・習慣
  ① 緻密な国民性・細かな事象への十分な配慮 ② 絶えざる向上心・完璧主義 ③ 真面目な国民性 ④ 型を重視する文化・習慣     (茶道・華道・空手道・装道・香道・小笠原流など) ⑤ 品質の微差を問題にする体質 ⑥ 見えない部分にも手を抜かない国民性 ⑦ “賢い消費者“の存在 ⑧ 社会的責任の重視 ⑨ 高い同調性 ⑩ エレガンスへ憧憬 ⑪ 表示・識別の影響 品質問題の背景 ① ⑫ “消費者は神様”の考え方  ⑬ 日常生活での倫理性・形式・潔癖性を   重視する宗教(例えば曹洞宗) ⑭ 同一分野内での競争 ⑮ “他社を凌駕する品質”を標榜  ⑯ 限界を示さない規格 ⑰ ”過剰コンプライアンス状態?”と保身?  ⑱ コンプライアンスを隠れ蓑にした異常な要求  ⑲ ヒューマンエラーをカバーするための手段    としての過剰品質 ⑳ その他

9 品質問題の背景 ② ★ 多様化する消費者のニーズ 有効性・安全性のみならず、使用性・味・匂い・外観などに対しても高度な要求 ★ 品質に対する要求の高度化 ★ 多岐にわたるステークホルダー 原材料供給・医薬品製造・物流保管・医療機関・最終消費者などが複雑に交絡 ★ 医薬品全体システムの複雑化 法的規制・表示・品質維持(GQP・バリデーション)・製造(GMP)・流通(GDP)などが、 さらに複雑かつ高度になっている。 ★ 新技術開発に伴う使用方法の複雑化 ★ 高齢化に伴う使用性向上への要求 ★ UD思想の一般化による使用性改善 ★ 品質に対する各企業の考え方の相違・国家・民族間の相違 ★ その他

10 品質問題の現状 過剰品質 ★ 多品種少量生産 ★ 必要以上の品質指向 ★ 外観品質の重視 ★ 必要項目への配慮? ★ アンバランスな品質
★ 受入試験の非適切運営 ★ 抜取検査に対する理解不足 ★ 不公平ともいえる取引慣習 ★ 販売側の姿勢 ★ 従来の成功体験 ★ 微差の品質を問題視 ★ 多様性に起因する混乱・非能率 ★ 使用性重視 ★ 不十分な弱者への配慮 ★ 『目にとまるもの』はすべて不可 ★ その他 過剰品質 下記の ような 弊害 材料の廃棄量増大 生産性低下 コスト上昇 国際競争力低下 SDGs・環境問題への逆行 材料メーカーの疲弊 材料の安定供給への懸念 非能率 その他

11 材料品質に関する問題点(PTP材料の例)
① 技術的に非合理的な面がある。 ② アンバランスである。 ③ 一方的な内容が多い。 ④ 購買側の要求が優先 ⑤ 項目によって厳しさが異なる。 ⑥ 内容が各社各様である。即ち、規格・試験法・ バリデーションなどが企業ごとに異なる。 ⑦ 横の連絡に乏しく、業界全体の状況が把握されていない。 ⑧ 自縄自縛に陥っている。 ⑨ 危機感が感じられない。 ⑩ 将来の安定供給に問題が発生する可能性あり。 ⑪ 日本の材料規格・基準は国際的に 特異である。“日本品質”と揶揄されている。 ⑫ 特異なことに起因する価格高騰及び国際競争力低下 ⑬ 材料メーカーの体力消耗に伴う新製品開発力低下? ⑭ 材料メーカーへの正当な対価の支払いに問題? ⑮ 材料・機械が類似しているにもかかわらず品質要求   が多種多様である状況は不合理? ⑯ 将来の自動化・IoTなどの新技術への対応に問題? ⑰ その他 高品質 PTP製品の 恒常的 生産が 目的 左表の ような 状況が 正常か? 改善の 余地は ないか? 現実的には 右表の ような現状

12 法的規制と品質の関係 GMP・ICH Q6・異物対策など
規制との関係 法的規制と品質の関係 GMP・ICH Q6・異物対策など  ①高い品質を保証する体系を 設計することを要求 ②『規格に適合する」とは,規定され た方法に従 って試験するとき,原 薬や製剤がリストにあるすべての 判定基準に適合することを意味 する.規格は,医薬品の製造業者 がその妥当性を示す資料を添付 して申請し,行政当局によりその 医薬品を製造するための条件と して承 認された遵守すべき品質 の基準である。』 公的文書としてはやむを得なiい 表現要減と思われるが、 『適合 する』の意味があいまいで、数字 で表現されていない。 具体的な記述なし。企業側では 『安全側』に立脚した 規格を設定 する傾向大。 平成12年3月8日,医薬発第237号, 医薬品・医療機器等の回収について ウ.混入した異物の種類と製品の   性質からの判断  (ア)医薬品の場合、製剤の種類     及び混入した異物の種類を     勘案して判断すること。     無菌製剤については原則的に     無菌性確保が確実か否かを     重要な判断とし、外来性異物     及び生体由来物が混入して     いた場合には回収すること。     非無菌性製剤については、     生体由来物が混入した場合     には、回収する。 明確な部分もあるが、“異物の種類を 勘案して判断する”の部分がやや あいまいで、過剰反応になりやすい。 回収問題に発展しやすくなり、過剰 品質の遠因になっている。 平成26年11月2日, 薬食発1121第10号 2)混入した異物の種類及び  製品の性質 ①異物が混入している医薬品・   医療機器等であって、保健衛生 上問題が生じないことが明確に 説明できない場合は、回収する こと。 ②無菌製剤は、原則的に無菌性 保証が確実か否かを重要な 判断基準とする。 “保健衛生上問題が生じないこと” を証明するのは、かなり困難で 回収に傾きやすい。 また、“無菌性が保証されているか 否かの証明”も簡単ではない。 結果的に、回収になりやすく、過 剰品質に繋がる。

13 医薬品包装に関わる必要文書 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課事務連絡, 「PIC/S GMP ガイドラインを活用する際の考え方について月9
① 包装工程については、当該原薬の特性を考慮して判断 ② 包装材料の規格及び試験方法を記載 ③ 安定性品質に影響を与える場合、記載 ④ 承認申請書には品質確保に必要と判断 される包装材料を記載 ⑤ 工程管理規格、出荷判定規格 ⑥ 印刷材料については特別な留意必要 ⑦ 材料規格書 ⑧ 合否判定手順書 ⑨ バリデーション ⑩ 包装材料:外観・完全性・印刷 包装・材料に関わる 記載に許容品質水準 の記述なし 『安全側』に立脚した 社内規格を設定する 傾向助長 過剰品質の遠因

14 医薬品包装に関わる必要検討事項・文書 GMP
⑪規格書:出発原料、包装材料及び最終製品について、適切に認定され、日付の入った規格書の   作成と保管が必要である。また、出発原料、一次包装材料又は印刷された包装材料の規格書には、 以下の事項を含むことが必要である。 a) 原材料についての記載     − 指定された名称及び社内参照コード -承認された供給業者、及び( 場合により) その原材料の製造元       − 印刷された材料の実物見本 b) 検体採取及び試験のための指示事項 c) 定性的及び定量的な要求事項( 許容限界を含む) d) 保管条件及び保管上の注意事項 ⑫包装指図書:製品、包装の容量及び種別ごとに承認された包装指図書がなければならない。 そして、包装指図書には、以下の事項を含む又は参照先を示すことが必要である。 a) 製品の名称( バルク及び最終製品のバッチ番号を含む) b) 剤形及び( 該当する場合)含量についての記載 c) 最終容器中の製品の数量、重量又は容量で表した包装サイズ d) 必要とされるすべての包装材料の完全なリスト( 数量、サイズ、種別及び各包装材料の 規格書に関連付けるコード又は参照番号を含む) e) 印刷された包装材料の実例又は複製品、並びにバッチ番号の参照及び製品の有効期間を どこに表示するかの実物見本 ⑬その他 規格書・指図書など で要求される実物見本 として完璧なものを 準備する傾向大 材料業者に対しても “完璧な品質” を要求

15 材料規格とGMP ★全般的事項:すべての原材料及び製品の取扱いは、手順書又は指図書に従って行い、 ( 必要な場合) 記録する。そして容器の損傷のほか、原材料の品質に悪影響を及ぼす 可能性のある問題があれば、原因を究明し、記録するとともに、品質管理部門に報告 する。 ★包装材料: 一次包装材料及び印刷された包装材料の購入、取扱い及び管理には、 出発原料に対するものと同様に相応の注意を払う。また、包装過程における製品の オンライン管理は、少なくとも以下をチェックする。 a) 包装の全体的な外観 b) 包装が完全であるか? c) 正しい製品及び包装材料を用いているか? d) 刷り込み印刷が正しいか? GMP文書としてはやむを得ない表現であるが、 限界または品質許容水準を示さない記述 過剰品質指向の重要な一因

16 外観品質重視と本質的品質の アンバランス ★ 我が国の関係者は、外観品質を重視する傾向大 ★ 包装に関しても外観品質が重要視されている ★ 高齢化の進展とともに使用性重視の傾向増大 ★ 特に異物混入・識別性等に固執の傾向あり ★ 外観重視が高コスト体質を招来している ★ 製剤の有効性・安全性・安定性等の本質的な品質を より重視すべきではないか? ★ 本質的品質と外観品質の関係を明確にする必要あり。 ★外観重視の思想の再検討必要?

17 監査とベンダーバリデーション 監査 ① 目的 査察による材料メーカーの品質管理状況把握 及び材料品質向上・品質安定化 ② 効果
  査察による材料メーカーの品質管理状況把握   及び材料品質向上・品質安定化 ② 効果 医薬品メーカーへの不良包装材料搬入防止 不良医薬品製造防止 不良医薬品出荷防止 材料メーカーの技術レベル向上への協力 ③ 問題点   医薬品メーカー間の意見相違   優先事項選択の困難性   コスト上昇   頻繁な監査   人的・時間的・経済的負担 ④ その他

18 製造所管理の実態・問題点 斎藤泉,医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,44(3),242(2013)に加筆
内    容 件数 比率(%) レスポンスが遅い 50 21 GMPレベルが高いとはいない 34 14 要求品質レベルを理解してくれていない 薬事制度の理解不足 28 12 異常・逸脱の発生が多い 27 11 自社のポリシーを理解させるのが困難 25 10 監査の役割は重要であるが、 当局・医薬品製造業者側 からの材料メーカーへの “圧力”は依然として 大で過剰品質の遠因に なっている。 海外業者との取引において多発した問題  ①異物に関する考え方の相違(59件)  ②異常・逸脱に関する考え方の相違(43件)  ③日本のGMP・薬事規制への理解不足(40件)

19 医薬品包装に関わる監査の問題点(例) 全国グラビア協同組合アンケート
★ 製版代・印刷立ち合い料金の設定が困難なことがある。 ★ 過剰な品質要求 機能的な問題のない欠点 中間業者の勝手な感覚による過剰品質要求 材料受け入れ側の検査ミス 頻回のデザイン変更による混乱 ★ 取引先のミスを押し付けられる。 ★ 不当な返品 ★ その他

20 取引上の問題点 取引上の関係 ① 薬事法・GMP/バリデーションに関わる事項 ② 監査に関わる事項 ③ 情報開示に対する強い要求
④ 変更・異常発生時の連絡・対応 ⑤ 価格引き下げ圧力 ⑥ “下請け代金支払遅延防止法”に対する姿勢 ⑦ 品質許容水準に関する考え方 ⑧ 材料・容器・材料規格・試験法などの標準化への   消極的姿勢 ⑨ 材料適性と包装機械適性の関係・調和 ⑩ 表示変更に関わる負担への配慮 ⑪ 包装に使用性に関わる使用者側の要望 ⑫ 購買担当者の専門知識不足 ⑬ 包装・材料・容器に対するやや不適切なクレーム ⑭ その他 過去の過当競争時代 の影響と思われる 取り引き上のある種の ヒエラルキーの存在が 購買者側の過度な 要求を供給者側が 拒否しにくい 状況を作っている。 過剰品質の遠因

21 異物・異種品混入と材料・容器の関係 異物・異種品混入 異物・ 異種品 混入に 関する 過度な 要求 包装工程と異物混入 ①毛髪混入
      異 物          種 類 材 料 異     物 ゴム片 アンプル × バイアル ゴム栓 プラスチック容器 各種ラミネート材料 包装工程と異物混入 ①毛髪混入 ②昆虫類混入 ③材料由来異物混入 ④塵埃混入防止  ↓↓↓ 不良医薬品 ↓↓↓   回収問題 異物・ 異種品 混入に 関する 過度な 要求 ○:発生する可能性がある ×:発生する可能性が低い 医薬品回収のクラス分け クラスⅠ:クラスⅠとは、その製品の使用性などが、重篤な      健康被害または死亡事故の原因となり得る状況 をいう。 クラスⅡ:クラスⅡとは、その製品の使用などが、一時的 もしくは医学的に治癒可能な健康被害の原因と なる可能性があるかまたは重篤な健康被害の おそれはまず考えられていない状況をいう。 クラスⅢ:クラスⅢとは、その製品の使用などが、健康被害 の原因となることはまず考えられない状況をいう。 健康被害の可能性が低いものを 回収の必要があるか? 慎重な検討の必要あり

22 回収問題と材料・容器の関係 回収問題 回収の対象になる不良品:材料・容器と直接的・間接的関係 イ)薬機法第56条等に該当する不良医薬品
   ★ 性状または品質が日局の基準に不適合な医薬品    ★ 成分・分量または性状・品質が承認規格に不適合な医薬品    ★ 成分・分量または性状・品質が厚生労働大臣の定めた基準に不適合な医薬品    ★ 生物学的製剤・抗生物質医薬品基準など保健衛生上特別に注意を要する基準     に不適合な医薬品 ★ 不潔な物質、変質、変敗している医薬品      ★ 異物が混入または付着している医薬品             ★ 病原微生物により汚染した医薬品 ★ 指定以外のタール系色素を使用した医薬品 ロ)不正表示医薬品 ★毒薬及び劇薬の表示義務違反 ★添付文書等の記載事項違反 ★直接の容器等の記載事項違反 ★記載禁止事項 ★外部の容器または被包の表示義務違反 ★封の施されていない医薬品 ハ)有害な容器または被包を使用した医薬品及び無許可医薬品 ★有毒若しくは有害な物質からなっている容器もしくは被包に収められている医薬品 ★医薬品の容器若しくは被包が、その医薬品の使用方法を誤 らせるようなもの  緑字部分:包装・容器が影響を      及ぼす可能性大 表示・異物混入などの外観品質が 回収の原因になりうる。 外観品質に過剰な反応を示す 原因になる。

23 TIE-9000シリーズ 錠剤外観検査装置 野沢省吾,創包工学研究会第70回講演会要旨集を改変
適応錠剤 素錠、フィルムコート錠、糖衣錠、異形錠 [割線・刻印・印刷(両面印刷)] 適応   サイズ 外形:[丸錠] Φ5mm~Φ12mm [異形錠] 長さ MAX21mm ※その他のサイズでも特殊仕様で対応可 検査精度 汚れ:表裏 Φ50μm以上の黒点相当     側面 Φ50μm以上の黒点相当 処理能力 TIE-9000 最大30万錠/時 TIE-9500 最大60万錠/時 項目 内         容 汚れ 異物付着、毛髪、繊維 欠け 縁欠け、刻印・割線不良、表面凹凸 形状 錠剤の大きさ、割れ、変形、スティッキング 色むら、着色、退色、色調差、脱色、 コート剥がれ、印刷色 印刷 かすれ、にじみ、印刷違い PTP(例) 異種品:0.1×0.1㎜2 異物:25μ×2.5㎜ 練込み異物:0.5×0.5㎜2 毛髪:0.1mm角、25μm

24 POIE-8000C 末・顆粒検査装置 野沢省吾,創包工学研究会第70回講演会要旨集
【仕様概要】 5000画素カラーラインセンサーの採用により、有色異物の検出、色指定で 特定の色異物も自在に検出。 20μmの高分解能と自動調光、線状異物の検出アルゴリズムを搭載。 ①適応粉粒体 : 散剤、細粒、顆粒 ②処理能力 : 20~100kg/時 ③検査項目 : φ40~60μm以上の黒色・有色異物 φ30μm×3mm以上の毛髪繊維 ④カメラ :5000画素 RGBカラーラインセンサーカメラ ×4台

25 ユニバーサルデザインと医療過誤 UD・使用性 使用性重視 物理的特性や 読解性への 過度な要求に つながる。
医療過誤における与薬エラー発生の原因 ① 情報伝達混乱:複数の情報伝達手段の存在、不統一指示記載、 不正確な指示、変更・指示の伝達不備 ② 類似性・不統一性(デザイン):包装形状・大きさ・色彩の類似、 名称の類似、不揃いの規格、煩雑な操作等 ③ 患者の類似:同姓、類似した外見、類似の病状・治療等 ④ 同時性:同時検査、同時手術、同時点滴更新等 ⑤ バリエーション:患者や病態に応じた多種類の処方・与薬等 ⑥ 準備、業務の中断:突発的事項発生、看護業務以外の発生等 ⑦ 不確かな業務連携:医療従事者間の業務連携、連絡不徹底等 ⑧ 不明確な作業区分及び狭隘な作業空間:狭隘・非機能的な準備   台・物品棚、他業務と供用する作業台・準備室等 ⑨ 時間切迫:業務量、業務密度と医療従事者能力のミスマッチ ⑩ 薬剤知識の不足:多種な薬剤、同一成分異名称製品、   同一名称異含量等 ⑪ 新卒者の臨床知識・技術:医療現場との乖離  ⑫ その他 ユニバーサルデザインの原則 ① 誰もが使用できる ② 使用上の自由度が高い ③ 直観的で簡単な使用方法 ④ 必要情報の理解が容易 ⑤ ミスが発生しにくいデザイン ⑥ 無理な姿勢・強い力等が不要 ⑦ 接近して使用できる寸法・空間 山下和幸:包装技術,平成12年10月号 高齢者の身体的機能(65歳以上) ① 反射的反応速度:20歳台の71% ② 握力:20~24歳の75% ③ 静止視力:20歳台の63% ④ 夜間視力:獲得光量20歳台の50% ⑤ 巧緻性及び動作速度:最高期の85% 都立大学身体適性学研究室編,日本人の 体力標準値,不昧堂,P117(1980) ユニバーサルデザインと情報伝達 ① 多い専門用語 ② 過多な英語表現 ③ 小ポイントの文字 ④ 赤色による注意事項表示 ⑤ “晴眼者”を前提にした説明書 ⑥ 読みにくいフォント 使用性重視 物理的特性や 読解性への 過度な要求に つながる。

26 包装と消費者の関係 消費者との関係 包装の使用性や消費者 からのクレームなどを 重要視 品質への要求が 高度化・複雑化・ 過剰の遠因
2020/1/10 消費者との関係 包装と消費者の接点 ① 包装は消費者と医薬品・医薬品製造側と  を繋ぐ絆である。 ② 包装は製品との最初の接点である。 ③ 使用性は製品の第一印象を左右する。 ④ 消費者は包装に関して容易にクレームを   発することができる。即ち、包装に関して   “開封しにくい” “読みにくい”“重すぎる” “分割しにくい” などのようなクレームを 受けることが多い。 包装と消費者の関係 クレームに関わる問題点 製品に問題がある場合とそうでない場合があり、 使用者側に問題があるケースもかなり多い。 その原因は下記の通りである。   ★ 説明書・添付文書・レーベルを読まない。   ★ 予想困難な行動をすることがある。   ★ 不適正な使用   ★ クレームのためのクレームが存在する。   ★ “不純な動機” でのクレーム発出 ★ 時として“犯罪行為”に類するケースもある。 事故・犯罪防止技術 ① 事故・犯罪防止機能は包装のみが具有 ② 小児誤飲防止包装(安全包装)UDは いずれも重要であるが、両者は矛盾した 概念である。今後の議論・検討が重要 ③ 万引防止包装 : OTC製品では万引き防 止タグの必要性が増大しつつある。 方式選択・費用負担などの問題あり。 ④ 医療過誤防止包装:表示読解の徹底に   対する理解を深めると同時に、フェイル セーフな包装が望まれる。 包装の使用性や消費者 からのクレームなどを 重要視 品質への要求が 高度化・複雑化・ 過剰の遠因

27 表示:薬機法第50条 三浦秀雄,医薬品包装分野において局方などに望むこと,研修講演会,(社)東薬工(2010)を改変
薬機法第50条による表示に間違いがあってならない。  誤記は回収に繋がる。 ① バーコード記載などの例に見るように記載すべき事項が増大。 印刷文字ポイント縮小にともなって読解性低下。UD思想と完全に逆行。 可能な限り簡略記載を広げる必要あり。 ② 注射剤などで認められている簡略記載 ③ 読解性の重要性増大と実際の読解性の低下 ④ 過多な表示・印刷が“模様として認識される”可能性を増大させる危険性 ⑤ 読解せず一瞥で判断しようとする傾向 ⑤ “読解困難で不完全な表示の医薬品は毒物である”との認識が重要 印刷材料の品質に対する要求のエスカレート 表示内容の 変化

28 PTP用成形材のロール幅の実態 PTP機械材料研究会材料部会
材料仕様の混乱 PTP用成形材のロール幅の実態 PTP機械材料研究会材料部会 包装材料の仕様の混乱は、材料メーカーの負担を増大させ、 品質チェック体制の混乱を誘発する。 多種多様な仕様の存在を許容することも一種の過剰品質である。

29 多種類ロール幅の問題点① PTP機械材料研究会材料部会資料
1.材料のシーティングまたはラミネート終了後、頻繁な型替えなどの段取りが必要であり、段取り 工程に要する時間が時としてスリット工程より長くなるなど、無駄が多い。スリット工程の50~70 %前後は前作業・清掃・準備に費やされているとの情報もあり、スリット加工の実質稼働率は30 ~50%程度になっている。リードタイムの方が長時間になっていて、生産性を大幅に低下させ コストを上昇させている。速度、張力、接圧力などの加工条件の調整を実施したうえで、刃の 組み換え、刃の当たり、刃の摩耗度チェックなどの極めて細かな再設定を行う必要があり、 これらの調整が不十分な場合、巻きシワ・蛇行(スキュー)・折れシワ・巻きズレ、紙管変形、 スリットバリ、耳立ち等の各種の不良が発生する可能性がある。不良が発生すればそのアフター ケアに多くの時間を要する。ロール幅が多種類あることは、頻回な刃位置・刃圧・喰込角度・ 噛合量などの調整が必要であることを意味し、結果的に上記の不良発生を促進しかねず、無視 できない経済的な損失が発生する。 2.材料原反の在庫が多く、コストアップの原因になる。 3.ロール材料用の紙管・段ボール・ストレッチフィルム・ポリ袋など資材が多種多様なため入手・管 理・保管が煩雑になり、また副資材メーカーに過大な負担を与える。 4.成形材料の場合、その包装に係る表示が煩雑で、誤記発生につながる。 5.作業前の確認が復雑である。すなわち、受注番号・得意先企業名・仕様書番号・生産数量・材質 ・工程管理項目などの詳細を確認する必要がある。確認は当然のことであるが、過度な品種数 のため複雑さが倍増し、確認に要する時間を増大させている。

30 多種類ロール幅の問題点② PTP機械材料研究会材料部会資料
6.シート原反幅とロール幅の関係つまり取り数によっては、大きな無駄と膨大な廃棄物が発生する 可能性があり、実際のロール幅共用化によって、コスト上昇を防止できる効果を有している。 7.スリット後の切屑・切断面形状などの管理が複雑になる。 8.スリット後のロール材料が保管用吊り下げ装置の幅と最大公約数にならない場合には、吊り下げ 保管用装置が多数必要になる。 9.スリットは高度に機械化されているが、いわゆる“名人芸”に依存せざる得ないケースがあり、 能率向上の妨げになっている。 10.材料規格が多種類になる。 11.異種品混入事故発生の可能性が増大する。 12.PTP機の設計・製作が医薬品メーカーごとのいわゆる専用機になっているため非能率的であり、 パーツ類の調整・保守管理が煩雑である。 13.PTP機に係る設計・製作関係図書、作業手順書類も膨大になる。 14.CSVを含む各種適格性評価が複雑になり、過大な負担を強いられている。 15.重大な有事の場合、危機管理・対応が困難になる可能性が大である。 16.材料メーカーによる新材料開発などの新規テーマへの挑戦を妨げている。 17.その他

31 PTP用材料の 紙管止めの 実態① PTP機械・材料研究会 材料部会, PHARM TECH JAPAN, 29(8),(2013)

32 PTP用材料の紙管止めの実態② PTP機械・材料研究会材料部会PHARM TECH JAPAN,29(8),(2013)

33 PTP用材料の継ぎの実態③ PTP機械・材料研究会材料部会,PHARM TECH JAPAN,29(8),(2013)
各社各様の ロール幅・継ぎ・ 紙管止め・フラッグ・ 巻末止め仕様は 材料メーカーの 混乱を招来し、 生産性の低下を もたらし、結果的に コスト上昇となる。 仕様の多様性は、 一種の過剰品質で ある。

34 PTP用材料の継ぎの実態④ PTP機械・材料研究会材料部会,PHARM TECH JAPAN,29(8),(2013)
成形材 MD断面 MD断面 蓋材(アルミ箔)

35 PTP用材料のフラッグ仕様の実態 PTP機械・材料研究会材料部会,PHARM TECH JAPAN,29(8),(2013)

36 PTP用材料の巻末止めの実態① PTP機械・材料研究会材料部会,PHARM TECH JAPAN,29(8),(2013)

37 印刷基材のフィッシュアイに関わる印刷不良 高橋昌男,創包工学研究会第75回講演会要旨集を改変
基材メーカー メーカー検査 材料廃棄 コンバーター フィッシュアイ コンバーター 検査 繋ぎ作業 不可判定 除去作業

38 基材メーカーの技術レベル 品質判定ガイドライン,全国グラビア共同組合連合会編を改変
乖離 問題 要求レベルが高すぎる ため到達することは 容易ではない ① 各企業の努力 ② フィッシュアイ発生は   避けられない。 ③ 印刷によって欠点が   目立つようになる。 ④ 印刷業者が不良部分   を除去 ⑤ 生産性低下 ⑥ 廃棄物増加 ⑦ その他 現行レベル 企業の努力に より現行レベル に達した      過去           現在             未来

39 PTPシート品質(1) バリデーションの考え方と実施,大阪府健康医療部薬務課,平成29年3月
PTP品質 PTPシート品質(1) バリデーションの考え方と実施,大阪府健康医療部薬務課,平成29年3月 本資料は非常に有益であるが、欠点もある。 評価項目 試 験 法 評 価 基 準 PTPシート 外観 目視による 確認 ① 錠剤ポケットの成形不良や変形等 の異常が認められないこと。 ② シール目が入っていること。 ③ スリット(ミシン目)の位置ずれがないこと、切断されていないこと。 ④ 著しい反り(カール)がないこと。 ⑤ 正しい位置で打ち抜かれていること。 ⑥ PTP シートの表示の位置が指定通りであること。 錠剤充填状態 ポケットへの錠剤の充填状態を目視に より確認。 正しく錠剤が充填されていること。 錠剤外観 目視により確認 。必要に応じてPTP シートから錠剤を取り出して目視で確認 錠剤の割れ、欠け、汚れがないこと。 打抜き 目視で確認 正しい位置で打ち抜かれていること。 ピッチ(マーク) 合せ PTPシートの表示の位置が指定通りであること。 漠然とした基準のため、各社各様の判断になる⇒過剰品質に繋がる。 “正しく”の意味が不明瞭⇒作業性に悪い影響を与える可能性 定義があいまいのため、各社各様の解釈になる⇒過剰品質になりやすい。 “正しい位置”の定義曖昧⇒各社各様の判断⇒過剰品質に繋がる。 “指定通り”の解釈が自由⇒過剰品質に繋がる。

40 PTPシート品質(2) バリデーションの考え方と実施,大阪府健康医療部薬務課,平成29年3月
評価項目 試 験 法 評 価 基 準 シール性 ①着色した水に浸漬し、減圧 (○○kPa)下 で ○○分間放 置し、錠剤ポ ケット部の状態を 確認 ②減圧(○○kPa)下で○○分間 放置し、錠剤ポケット部の蓋   フィルムの状態を確認 ①錠剤ポケット部からの気泡が発生 しないこと。 錠剤ポケット内部に 着色した水が浸入しない こと。 ②蓋フィルムが膨らんだままの状態であること。 スリット (ミシン目) 切断 切断性試験: スリット部分で所定の回数直角 に折り曲げる。ポリプロピレン 等材質によっては、引き裂く等 により 切り離す。 適切に切り離されること。 刻印・印字判読性 及び 刻印・印字位置 PTP シートの外観を目視で検査 (印字の場合は、カメラ検査する場合もある。) 表示内容が正しく判読できること。 刻印・印字位置が指定範囲に入っていること。 規格値がないため、各企業では安全側に立脚 した規格値を設定する傾向大                ⇒過剰品質につながる。 “適切”の解釈が各社各様で、各企業では安全側に 立脚した規格値を設定するj傾向大                ⇒過剰品質につながる。 正しく判読できればOKと解釈できるが、 判読する条件が不明。 ”指定範囲内に入っていること”の意味があいまい。                             ⇒過剰品質につながる。

41 適正品質追求 のための 対策(例) 品質適正化の提案
★『適正品質』の追求・OC曲線への認識 ★外観品質重視の姿勢の変更 ★外観品質の意味の再確認 ★グローバリゼーションとのバランス ★適正品質提案及び見本作成配布 ★国際競争力向上のため適正化検討 ★厳しすぎる判定基準の見直し ★『品質はコストである』ことを認識 ★材料の標準化・共有化 ★IoT・連続生産などの推進 ★必要な機能と品質のバランス ★業界内での品質に対する根本的検討 ★その他 適正品質追求 のための 対策(例) 外観品質よりも本質的品質を! 外観品質よりもSDGsへ! 適正品質で適正利益を! アンバランスから均衡へ! 局所的最適化から全体的最適化へ! ●消費者の啓発 ●品質に関する消費者団体との対話 ●人手不足をドライビングフォース化   した品質適正化検討

42 監査の問題点とその解決 吉田,三浦,創包工学研究会第67回講演会要旨集を改変
問題点(前出) ★ 医薬品メーカー間の意見・要求の相違 ★ 優先事項選択の困難性 ★ コスト上昇 ★ 頻繁な監査 ★ 人的・時間的・経済的負担 ★ 要求のエスカレート ★ その他 改善対策 ① 改善に時間を要することへの理解 ② 監査の標準化 ③ 第三者機関による監査の検討 ④ 監査回数減少の可能性の検討 ⑤ 業界全体での対応を検討 ⑥ 材料に関するMF制度の適切な活用 ⑦ その他

43 PTP用材料ロール幅標準化 PTP機械材料研究会材料部会資料
① 材料受入の単純化 ② 検査、試験の合理化 ③ 材料幅の共用化による在庫管理の合理化・経費削減 ④ 材料共用化による納期短縮 ⑤ 段取り回数・時間減少及び歩留まりアップ ⑥ パーツ類及び関連設備の共用化促進によるコストダウン ⑦ パーツ類及び関連設備の共用化による危機管理対応への改善 ⑧ 各種適格性評価確認及びバリデーション・CSVの単純化・共通化 ⑨ 危機管理対応改善:例えば、大震災などのケースにおいて選択肢が 増大し、供給がより円滑になる。 ⑩ 異種品(異種ロール幅材料)混入事故減少 ⑪ その他 業界全体に係るメリット ① 将来の全材料・医薬品メーカーの 共通規格への可能性が残されて いる。つまり、ロール幅のみでは なくPTPシートサイズの標準化も 視野に入れることが可能となる。 ② いずれ公的規格などへの反映を   指向? ③ その他 医薬品メーカー内で発生するデメリット ① 材料廃棄物(スクラップ幅)増大の可能性 ② 関連文書(材料規格・SOPなど)変更・再整備 ③ 設備・冶具・金型などの各種パーツ等の再整備及び費用負担の可能性 ④ 一時的に変更バリデーションが増加する可能性 ⑤ その他

44 PTP用材料ロール幅の標準化提案 PTP機械材料研究会材料部会資料
材  質 ロ  ー  ル  幅  (案) 成形材 (PVC・CPPなど) ① 180~230mm 180,185,190,195,200,205,210,215,220,225,230 ② 上記の180~230mm以外領域では、10mmキザミとする。 例えば、80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,240, 250,260,270,280,290,300,310,320,330,340,350とする。 ③ 必要性が高い場合には、2mmキザミを採用することもありうる。 この場合、原則として偶数とする。 蓋材 (Al箔など) ① 175~225mm 175,180,185,190,195,200,205,210,215,220,225 ② 上記の175~225mm以外の領域では、10mmキザミとする。 75,85,95,105,115,125,135,145,155,165,235,245,255,265,275,285, 295,305,315,325,335,345とする。 (ただし、マーク合わせが必要とされる場合には②+5mmと する。) この場合、原則として偶数とする。 

45 印刷の品質問題の解決 高橋昌男,創包工学研究会第75回講演会要旨集を改変
多くの印刷企業が品質向上に取り組んでいるが、ロスの 発生原因が必ずしも自社の生産工程にあるとは限ら ないため、印刷企業のみでの取り組みには限界がある。 製品ライフサイクル全体での最適化・効率化を実現する ためのすり合わせが、関係企業間で必要となってきて いる。 ・適切な品質許容レベル設定が重要 ・過剰品質問題-特に外観品質-に関する調整が必須

46 少数色覚者対策 三浦秀雄,医薬品包装分野において局方などに望むこと,研修講演会,(社)東薬工(2010)
色覚問題 少数色覚者対策 三浦秀雄,医薬品包装分野において局方などに望むこと,研修講演会,(社)東薬工(2010) ① 毒薬に関しては、直接の容器又は直接の被包に、黒地に白枠、白字をもって、その品名   及び「毒」の文字が記載されていなければならない。 ② 劇薬に関しては、直接の容器又は直接の被包に、白地に赤枠、赤字をもって、その品名   及び「劇」の文字が記載されていなければならない。 ① 「劇」の表示は識別しやすさを念頭においた措置と考えられるが、ユニバーサルデザインの 観点からは十分とはいいにくい。   「劇」表示の近傍には緑色を配置しないなどの配慮が必要である。 ② 赤色と緑色の区別が困難な人がいる(約3~5%)ことを認識すべきである。 ③ デザイン変更促進 ④ 根拠薄弱な外観品質重視から、UDデザイン重視へ 通常 少数色覚者(P型) 伊賀公一,創包工学研究会 第37回講演会要旨集,(2008)

47 PTPポケットの 品質基準(案) (1) 規格値未記入の 部分ついては 今後議論が必要 創包工学研究会 のHP参照 PTPポケット品質

48 PTPポケットの 品質基準案 (2)

49 材料規格の今後の展開① 吉田,三浦,創包工学研究会第67回講演会要旨集を改変
1.化学的、物理的特性と安全性に関する品質基準 ●抜け落ちなく効率よく検索できるようにするために、PTP材料に関連する基準や試験法を   「PTP材料品質基準」への一括収載を検討する。ただし、個々の材料規格には収載しない。  捕足   材料の化学的、物理的特性や安全性に関する基準や試験法は、薬事法、GMP基準、日本薬局方、   食品衛生法、JIS規格、業界自主基準(PL、NL)ISOなどに規定されている。   材料の製造や使用は、これらの法規や基準に則り品質管理も実践され、また使用されているので、   この範囲内では大きな論点はないものと考えられる。   ただ、多くの法規や基準に分散しているので検索には相当の習熟度が伴う。   一括収載することで検索を容易にするとともに精度も向上する。  品質確認の方法   現在は材料の銘柄や原料のグレード毎に材料メーカーから証明書(材質、衛生性etc)、試験成績書、   MSDS、その他のテクニカルデータの提出を受け、医薬品メーカーで審査し承認する形態が採用されて   おり、今後もこの形態を踏襲する。正当な対価の支払い。   (同一の銘柄やグレード毎の品質確認 → 個々の規格には落し込まない)

50 材料規格の今後の課題② 吉田,三浦,創包工学研究会第67回講演会要旨集を改変
判断基準は検出可能な範囲とし、 現実的にはGMP基準に則り構造設備、室内環境の創意工夫により夾雑物の減少を目指す。 2.異物の基準 ● 虫や毛髪などの混入は、そのサイズや色によっては検出が困難(現在の技術水準)   混入させないための未然の対策が重要   炭化物などの夾雑(練り込み)異物のサイズや個数などの基準の再検討   (厳しすぎる面もあるので緩和の方向に再検討)(具体的な有害性を考慮) 補足   夾雑異物に対する医薬品メーカーの訴求要件はほぼ同じであるが厳格化の傾向にあり、材料のロスを   含め運用経費が増大しつつある。また、材料メーカーでは膨大な数の検査規格が運用されている。   結果的に医薬品メーカーの購入価格は高くなっている。   一方、PTPライン、特にPTP包装機に関しては、異物などの検査装置の搭載が常識となっており、   透過型、反射型など複数台でインライン全数検査が実践されており、その検査精度も非常に高くなって   いる。このような状況を鑑みると、異物(特に黒色異物と繊維クズ)の規格に関しては、材料の適正価格   追求などの観点から医薬品及び材料メーカーの双方で議論を深める必要がある。 ※ 参考情報   医薬品PTP用成形材(シート)の原料ロットの選定     PTP用成形材(PVC、PPなど)に用いる原料ロットは、黒色異物(炭化物)の少ない厳選     ロットが選定されている。

51 材料規格の今後の展開③ 吉田,三浦,創包工学研究会第67回講演会要旨集を改変
3.寸法バラツキの許容範囲 ● バラツキ許容寸法の見直し  捕捉説明    PTP材料の幅、巻き長さ、厚さに関しては±〇(mm,μm,m)、 ± (mm,m)、 ± (mm)   などの規格が設定され、材料メーカー、医薬品メーカーでロット毎に試験が行われている。    従来からバラツキ寸法に関しては厳格化の傾向が強くなっているうえ、各社各様の基準が存在する。    材料製造工程の管理難度は非常に高くなり材料ロスも増大する。結果的に納入価格の上昇を招く のみならず、ロットアウトのリスクを高めるなど多くの問題を残している。   今日、表示事項のピッチ印刷が増大し、また、両面図柄合わせデザインなど、精度が要求されるデザ   インが増加しているが、材料の品質・価格などの観点から医薬品及び材料メーカー側の双方での見直   しが必要である。 18

52 材料規格に関する総括 吉田,三浦,創包工学研究会第67回講演会要旨集を改変
★ 現在の材料規格の見直しと標準規格の策定に関する論点として、黒色炭化物に代表される   「夾雑異物の大きさと数の問題」と幅、長さ、厚み及び印刷ピッチなど「寸法バラツキ許容範囲」 をあげることができる。双方とも終わりのない永遠のテーマである。 ★ 今日まで、規格基準を厳格化することで満足品質を得ようとした感があり、千差万別の膨大な      規格が作成されている。 ★ 厳しすぎる規格設定は、材料の製造工程の効率を低下させるだけではなく、材料ロスを増大   させ、結果的に納入材料価格の上昇を招来する。 ★ 規格の厳格化と、その順守にはおのずと限界がある。 ★ 一方、PTP包装機に搭載されている検査装置の性能は大きく向上しており、夾雑異物の規格 基準を中心に再検討することを提案する。 19

53 品質に関する種々の考え方 https://hinshitsu-ukeoinin.com/about-tekiseihinshitsu/
★機能重視(主として材料・機械業者)    ・機能に問題がないケースでは多少の外観不良は許容すべきである。 ・機能に問題がないケースでは、“見えない品質不良”は可能な限り 許容する。 ★機能のみではなく外観品質も重視(医薬品メーカ―) ★外観品質重視(主として医療機関・消費者) ★過剰品質は“社会全体の損失”である。(社会全体) 関係者間の協議・合意    『現時点で有している技術を最大限に活用したうえで、必要な     価格も含めて関係者すべての折り合いがついた状態の品質、     つまり、必要以上の過剰な品質になっていないこと』を実現する。

54 PTP用材料の規格(私案) 本案はPTP機械材料研究会の議論を 基礎にしている。 紙面の都合で省略 創包工学研究会の ホームページを参照
ご清聴に感謝します。


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