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ユーザーのQOLを考慮した CLの選択と運用

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Presentation on theme: "ユーザーのQOLを考慮した CLの選択と運用"— Presentation transcript:

1 ユーザーのQOLを考慮した CLの選択と運用
さど眼科 順天堂大学眼科 佐渡一成 第50回日本コンタクトレンズ学会 講習会

2 緒言 不同視や強度の屈折異常に対する屈折矯正 手段としてCLは非常に優れているし、外見上の 希望から眼鏡よりCLを選択するユーザーも多い。
 不同視や強度の屈折異常に対する屈折矯正 手段としてCLは非常に優れているし、外見上の 希望から眼鏡よりCLを選択するユーザーも多い。  一方、CLは眼球に直接接する異物であり、 処方にあたっては適応の遵守が極めて重要である。  今回は私が、特にQOLの向上に留意して 処方・フォローしている症例を紹介し、QOLを考慮した CLの選択と運用について理解を深めていただきたい。

3 QOL: Quality of Life 多和田 悟(盲導犬訓練士) 訳 「人生の質」 「まったく見えなくても幸せな人生」があり、
QOL: Quality of Life 多和田 悟(盲導犬訓練士) 訳           「人生の質」 「まったく見えなくても幸せな人生」があり、 「何不自由なく見えていても幸せでない人生」もある

4 QOL: CL以外ではニーズが満たせない

5 屈折

6 症例 運動部入部希望の+7Dの小学生 2000.7.27 初診 (5歳) 調節性内斜視 弱視
 初診 (5歳)  調節性内斜視 弱視 RV=0.4p(0.4) LV=0.15(0.2) 調節麻痺下屈折検査後 処方眼鏡 右:+7.0=cyl-1.5Ax180° 左:+7.5=cyl-1.0Ax20° RV=0.4(1.0) LV=0.3(1.0)

7 症例 運動部入部希望の+7Dの小学生 2007.1.27 RV=1.2(better×+6.0) LV=0.8(1.0×+6.0)
2007.1.27   RV=1.2(better×+6.0) LV=0.8(1.0×+6.0) 中学校に入学したらバレーボール部に入りたい コンタクトレンズ希望

8 症例 運動部入部希望の+7Dの小学生 考慮事項 年齢 +6Dという屈折状態 バレーボール部入部希望 Dispo系のSCLには「+7D」はない

9 症例 運動部入部希望の+7Dの小学生 R:8.9/+7.0/14.0 L:8.9/+7.0/14.0 考慮事項 年齢 +6Dという屈折状態
バレーボール部入部希望 Dispo系のSCLには「+7D」はない 従来型SCLでも選択肢が少ないが R:8.9/+7.0/14.0 L:8.9/+7.0/14.0 毎日CL装用、フォロー中

10 +5Dを超える遠視矯正用の SCLの選択肢が少ない!

11 アスリートと装用環境

12 涙点プラグ挿入後にSCL装用が可能になった クレー射撃オリンピック候補選手
  佐渡一成、小渕輝明、金井淳、宇野憲治、上園里望  眼科43: ,2001

13 プール 従来型SCL使用の水球選手: プールで外れないように、プールに入る前に 角膜にSCLを押し付けて圧着させていた
「強度近視のため度付きゴーグルでは見えない」 「プールから上がるとSCLが            張り付いている感じで乾く」

14 サーフィンのときDDSCL装用、フォロー中
症例 角結膜炎を繰り返す サーフィン愛好者 考慮事項 ・頻回交換SCL装用でも  時々角結膜炎を  繰り返していること ・海水中でも装用の  「安全を保障している  CLは存在しない」のに、  安全への配慮を助言し  CL装用を認めていいのか? サーフィンのときDDSCL装用、フォロー中

15 海やプールでの使用を保障しているCLはない
海水やプールの水によるSCL汚染 浸透圧によると思われるSCLの接着増強 装用後に廃棄できるので 終日装用SCL 海やプールから上がってすぐに外すのではなく、 少なくとも30分以上経過してから外して捨てること 少しでも以上があったらCLを装用せずに、 受診すること

16 海やプールでの使用を保障しているCLはない
海水やプールの水によるSCL汚染 浸透圧によると思われるSCLの接着増強 装用後に廃棄できるので 終日装用SCL 海やプールから上がってすぐに外すのではなく、 少なくとも30分以上経過してから外して捨てること 少しでも以上があったらCLを装用せずに、 受診すること

17 ロービジョン

18 症例 黄斑低形成 治 23歳女性 主訴:視力不良(眼鏡は使用していない) RV=0.1(0.3×-1.25=cyl-0.5Ax180°)
症例 黄斑低形成 23歳女性 主訴:視力不良(眼鏡は使用していない) RV=0.1(0.3×-1.25=cyl-0.5Ax180°) LV=0.1(0.3×-0.5=cyl-0.75Ax180°) 考慮事項 原疾患による視力不良 原疾患による眼球振盪

19 症例 黄斑低形成 治 頻回交換SCL処方 RV=(0.4p) LV=(0.4p) 23歳女性 主訴:視力不良(眼鏡は使用していない)
症例 黄斑低形成 23歳女性 主訴:視力不良(眼鏡は使用していない) RV=0.1(0.3×-1.25=cyl-0.5Ax180°) LV=0.1(0.3×-0.5=cyl-0.75Ax180°)  裸眼よりも「ずっと見やすい」  「0.1」と「0.2」の差は大きい 頻回交換SCL処方 RV=(0.4p) LV=(0.4p) 毎日CL装用、フォロー中

20 症例 角膜内皮障害の高度な 術後無水晶体眼の高齢者
症例 角膜内皮障害の高度な 術後無水晶体眼の高齢者 考慮事項 ・34年前の水晶体全摘術後 ・高度角膜内皮障害 ・眼鏡では視力不良 ・自分ではCLの装脱ができない RV=(0.6×+11.0) LV=(0.6×+12.5) いつも着物で来院するおしゃれな女性

21 症例 角膜内皮障害の高度な 術後無水晶体眼の高齢者
症例 角膜内皮障害の高度な 術後無水晶体眼の高齢者 考慮事項 ・34年前の水晶体全摘術後 ・高度角膜内皮障害 ・眼鏡では視力不良 ・自分ではCLの装脱ができない ブレスオー連続装用 RV=(0.8×SCL) 8.1/+13.0/13.5 LV=(0.8×SCL) 8.7/+14.5/13.5

22 症例 角膜内皮障害の高度な 術後無水晶体眼の高齢者
症例 角膜内皮障害の高度な 術後無水晶体眼の高齢者 考慮事項 ・34年前の水晶体全摘術後 ・高度角膜内皮障害 ・眼鏡では視力不良 ・自分ではCLの装脱ができない ブレスオー連続装用 RV=(0.8×SCL) 8.1/+13.0/13.5 LV=(0.8×SCL) 8.7/+14.5/13.5 最近、施設入所のため 通院不可能となりCL装用断念 5年間通院

23 ブレスオーの洗浄・消毒や SCL装・脱の手伝いをしてくれる 医療機関は「絶滅危惧種」!

24 症例 緑内障発作後に視力低下の 残った角膜不正乱視の高齢者
症例 緑内障発作後に視力低下の 残った角膜不正乱視の高齢者

25 症例 緑内障発作後に視力低下の 残った角膜不正乱視の高齢者
症例 緑内障発作後に視力低下の 残った角膜不正乱視の高齢者 LV=0.08(0.15p×+7.0=cyl-6.0Ax10°) 考慮事項 弱視でも日常生活に不自由が無かった状態が、   発作によって優位眼の視力低下が急に生じた 眼鏡では視力不良 自分ではCLの装脱ができない

26 症例 緑内障発作後に視力低下の 残った角膜不正乱視の高齢者
症例 緑内障発作後に視力低下の 残った角膜不正乱視の高齢者 LV=0.08(0.15p×+7.0=cyl-6.0Ax10°) 考慮事項 弱視でも日常生活に不自由が無かった状態が、   発作によって優位眼の視力低下が急に生じた 眼鏡では視力不良 自分ではCLの装脱ができない RGPの連続装用 LV=(0.3×RGP)

27 症例 緑内障発作後に視力低下の 残った角膜不正乱視の高齢者
症例 緑内障発作後に視力低下の 残った角膜不正乱視の高齢者 LV=0.08(0.15p×+7.0=cyl-6.0Ax10°) 考慮事項 弱視でも日常生活に不自由が無かった状態が、   発作によって優位眼の視力低下が急に生じた 眼鏡では視力不良 自分ではCLの装脱ができない RGPの連続装用 LV=(0.3×RGP) 眼鏡での生活に慣れたため、現在CLは使用していないが、通院中

28 症例 先天性白内障術後無水晶体眼で 緑内障治療中の女子大学生
症例 先天性白内障術後無水晶体眼で 緑内障治療中の女子大学生 RV=0.03(0.1×+16.0)       (0.1×SCL) LV=0.03(0.3×+16.5=cyl-2.5Ax180°)   (0.2×SCL)(0.3×SCL=cyl-2.5Ax180°) 視野

29 症例 先天性白内障術後無水晶体眼で 緑内障治療中の女子大学生
症例 先天性白内障術後無水晶体眼で 緑内障治療中の女子大学生 眼鏡を勧める? RV=0.03(0.1×+16.0)       (0.1×SCL) LV=0.03(0.3×+16.5=cyl-2.5Ax180°)   (0.2×SCL)(0.3×SCL=cyl-2.5Ax180°) 視野

30 症例 先天性白内障術後無水晶体眼で 緑内障治療中の女子大学生
症例 先天性白内障術後無水晶体眼で 緑内障治療中の女子大学生 考慮事項 術後無水晶体眼 高度遠視 緑内障点眼治療中 SCL長期装用による内皮障害の可能性 眼内レンズ2次挿入のリスク

31 症例 先天性白内障術後無水晶体眼で 緑内障治療中の女子大学生
症例 先天性白内障術後無水晶体眼で 緑内障治療中の女子大学生 考慮事項 術後無水晶体眼 高度遠視 緑内障点眼治療中 SCL長期装用による内皮障害の可能性 眼内レンズ2次挿入のリスク ブレスオー 5枚セット 毎日CL装用、フォロー中

32 症例 錐体・杆体ジスロフィで VDT作業の必要な30代女性
視力  RV=(0.03×+3.75=cyl-0.75Ax20°) LV=(0.03×+3.75=cyl-0.75Ax160°) 視野(20年以上前)

33 症例 錐体・杆体ジスロフィで VDT作業の必要な30代女性
考慮事項 ・原疾患による視力・視野障害 ・原疾患による羞明 ・VDT作業による眼精疲労 ・遮光眼鏡の色への心理的抵抗 ・眼鏡への心理的抵抗 ・進行に対する不安 ・治療法がないことへの不満

34 症例 錐体・杆体ジスロフィで VDT作業の必要な30代女性
VDT作業の疲労を訴え、  CLが合っていなければ眼鏡希望 CLではなく、歩行にも拡大鏡を見るにも  都合の良い度数の眼鏡を遮光で処方 RGP+遮光眼鏡(度なし) 外見の心理的負担 思い出したように受診

35 症例 内反症の80代 男性(過疎地) 治 両眼の内反症による長年の流涙、眼脂、異物感を 訴えて受診
症例 内反症の80代 男性(過疎地) 両眼の内反症による長年の流涙、眼脂、異物感を 訴えて受診 眼科診療は月3回、本人の運転で病院まで30分 睫毛を抜去しても次回の眼科診療までもたない。

36 症例 内反症の80代 男性(過疎地) 治 両眼の内反症による長年の流涙、眼脂、異物感を 訴えて受診
症例 内反症の80代 男性(過疎地) 両眼の内反症による長年の流涙、眼脂、異物感を 訴えて受診 眼科診療は月3回、本人の運転で病院まで30分 睫毛を抜去しても次回の眼科診療までもたない。 1週間連続装用SCL処方  両眼の手術が終わるまで、1週間毎に来院、  看護師がSCL交換

37 症例 先天性眼瞼欠損 角膜混濁の 30代女性 治 R L RV=0.15(nc) LV=指数弁 虹彩付SCL コスメティックユース
症例 先天性眼瞼欠損 角膜混濁の 代女性 R L RV=0.15(nc) LV=指数弁 虹彩付SCL コスメティックユース 人工涙液頻回点眼中

38 症例 羞明と疼痛を訴えた アベリノ角膜変性症の20代女性
症例 羞明と疼痛を訴えた  アベリノ角膜変性症の20代女性   RV=0.7(1.0×cyl-0.75Ax150°)   LV=0.7(1.0×cyl-0.75Ax40°)

39 症例 羞明と疼痛を訴えた アベリノ角膜変性症の20代女性
症例 羞明と疼痛を訴えた  アベリノ角膜変性症の20代女性   RV=0.7(1.0×cyl-0.75Ax150°)   LV=0.7(1.0×cyl-0.75Ax40°) 可視光の短波長を制限する黄色いC-SCLを考慮 点眼で疼痛が軽減したため SCLは処方せずに経過観察中

40 症例 羞明のため日常生活に 支障を来たした医師
症例 羞明のため日常生活に 支障を来たした医師 2007.1.7に届いたメール 約10年前に両目PRK手術うけ、 現在ほぼ正視です。 問題は、両目がたいへんまぶしく感じることです。 屋外はもとより、屋内(院内)でも 非常にまぶしく感じ目が疲れます。・・・ 時々同僚眼科医師にみてもらうことありますが まったく異常なしと言われるだけです。

41 虹彩付きSCLを試したことあるのですが、
まぶしさの軽減には多少効果ありましたが 装用感が悪くて使用できませんでした。 サングラス、あるいは室内を暗くしている分には まったく不自由を感じないのですが、 周囲の理解は得られませんし非常に困っています。 サングラスを常用するのと同様の状態が得られる、 自分にあった遮光コンタクトレンズさえあれば、 非常に効果があるのではと勝手に思っています。 特注ででもできるのであれば、と考えています。 その他にも何かよい御考えがあれば 御助言いただければありがたいです。

42 私が思いついたのは2つです。 我々が開発に関わった黄色いソフトコンタクトと 診療中も奇異に感じない程度の薄い色の サングラスの併用。 羞明が強い場合はこのコンタクトだけでは 不十分な可能性が高いと思いますので、 許容範囲の色のサングラスのト併用で 問題が解決できればと思います。 もう一つは、

43 NIKE MAXSIGHT Sport-Tinted Contact Lens
NIKE MAXSIGHT Sport-Tinted Contact Lens

44 日本国内では販売されていませんが、 ボシュロムがNIKEと共同開発した NIKE MAXSIGHT Sport-Tinted Contact Lensです。 1ヶ月定期交換レンズだそうです。 こちらはアメリカにいるうちに アプローチされてみたほうが良いと思います。

45 使用後にメールで届いた報告 効果は間違いなくあります。 サングラスをかけているのと同程度に まぶしさが軽減します。 ただし私の場合、装用に違和感がありますので、 常用はしてません。 サングラスのようにつけたり外したりしてます。 いいものであるには違いないのですが、 完全に悩みを解決しきるものではありません。 あらためまして、貴重な情報いただき どうもありがとうございました。

46 アレルギー 14

47 賛否両論があるかもしれません。 絶対の答えもないのだと思います。 しかし、 可能であれば患者の希望を叶える手伝いを・・・

48 ステロイド点眼の  ・ 不適切な使用や  ・ 経過観察を怠ったことによるによる  感染症など悲惨な症例を数多く経験している

49 CL装用期間のステロイド点眼は「禁忌」! CLとステロイド点眼の併用は「禁忌」!
CL装用期間のステロイド点眼は「禁忌」! CLとステロイド点眼の併用は「禁忌」! ステロイド点眼の  ・ 不適切な使用や  ・ 経過観察を怠ったことによるによる  感染症など悲惨な症例を数多く経験している

50 症例 円錐角膜、アトピー性皮膚炎、 巨大乳頭結膜炎の20代女性
症例 円錐角膜、アトピー性皮膚炎、 巨大乳頭結膜炎の20代女性  1年前からの視力低下を主訴に受診 RV=0.02(nc)、LV=0.02p(nc) 両眼点状表層角膜症(3+) 角膜混濁(軽度) RGP処方(低Dk) RV=(1.0p×RGP)  LV=(0.6×RGP)

51 症例 円錐角膜、アトピー性皮膚炎、 巨大乳頭結膜炎の20代女性
症例 円錐角膜、アトピー性皮膚炎、 巨大乳頭結膜炎の20代女性 2001年から現在まで、毎日の十分な洗浄と 抗アレルギー薬・ヒアルロン酸Naの点眼 (ステロイドは使用せずに経過観察中)

52 症例 強度近視、アトピー性皮膚炎、 CLPCの20歳女性
症例 強度近視、アトピー性皮膚炎、 CLPCの20歳女性 RV=0.02(1.2×-8.0=cyl-1.0Ax180°) LV=0.02(1.2×-6.5=cyl-1.5Ax40°) 終日装用SCL+抗アレルギー薬点眼でも痒みとCLPC

53 症例 強度近視、アトピー性皮膚炎、 CLPCの20歳女性
症例 強度近視、アトピー性皮膚炎、 CLPCの20歳女性 RV=0.02(1.2×-8.0=cyl-1.0Ax180°) LV=0.02(1.2×-6.5=cyl-1.5Ax40°) 終日装用SCL+抗アレルギー薬点眼でも痒みとCLPC 終日装用SCL+ステロイド点眼 毎日CL装用、フォロー中

54 CL装用期間のステロイド点眼は「禁忌」! CLとステロイド点眼の併用は「禁忌」!
CL装用期間のステロイド点眼は「禁忌」! CLとステロイド点眼の併用は「禁忌」! 例外 コンプライアンスが確実に保たれていること 症状悪化の場合でも処方医が対処できること

55 あらためて CL処方の適応の確認

56 CL処方の適応 眼球・涙液・眼瞼などがCL装用可能な状態 対象者がCL装用を希望している CL装用によって対象者の希望が満たせる

57 CL処方「要注意」 屈折度の弱いもの( ±1.5D以下) 涙液分泌低下やBUTが短い場合 結膜炎や涙のう炎を頻発するひと
眼の異物感に敏感な人や神経質な人 全身状態に問題のある人(免疫不全などは禁忌) CL装用に興味のない人

58 CL処方「要注意」 屈折度の弱いもの( ±1.5D以下) 涙液分泌低下やBUTが短い場合 結膜炎や涙のう炎を頻発するひと
眼の異物感に敏感な人や神経質な人 全身状態に問題のある人(免疫不全などは禁忌) CL装用に興味のない人 きちんとケアや管理の行えない人(禁忌)

59 まず、CL処方の適応の確認 ユーザーのQOLを考慮して CLの選択を考える場合、 最初に必要なことは CLのケアや管理(定期検査)の
 できない方を厳格に除外すること

60 過酸化水素によるケアの中和忘れ  48歳女性

61 当院200*年4月従来型SCL処方。 翌年9月「あわてていたために過酸化水素の 中和を忘れて装用した」と 右眼の疼痛を主訴に受診。 それ以降も調子が悪くなったときしか 受診していない。

62 Yellow Card 安全・快適なコンタクトレンズ(CL)の装用には、 ・ 毎日のケア と ・ 3ヶ月毎の定期検査が必要です。
・ 毎日のケア と ・ 3ヶ月毎の定期検査が必要です。 次回も改善が見られない場合は  CLの処方はできませんのでご注意ください。

63 安全なCL装用に欠かせない3条件 ①毎日の正しいケア ②3ヶ月毎の定期検査 ③専門医による適切な処方             さど眼科 院長 佐渡一成

64 イエローカードの効用 口頭でのみ説明していた時には 怒り出したり、涙ぐんでしまったり 伝えたいことがうまく伝わらないことがあった

65 イエローカードの効用 口頭でのみ説明していた時には 怒り出したり、涙ぐんでしまったり 伝えたいことがうまく伝わらないことがあった
医師→ユーザー   伝えたいことを明確に伝えられる ユーザーにとって   「受け取りやすい」メッセージ

66 イエローカードの効用 ご希望のかたには差し上げます 口頭でのみ説明していた時には 怒り出したり、涙ぐんでしまったり
伝えたいことがうまく伝わらないことがあった 医師→ユーザー   伝えたいことを明確に伝えられる ユーザーにとって   「受け取りやすい」メッセージ ご希望のかたには差し上げます

67 まず、処方の適応を確認    CLのケアや管理(定期検査)の    できない方は厳格に除外する その上で、  QOLを考慮した   CL選択・処方・フォローアップ

68 炎症 20

69 治 症例 右ぶどう膜炎の20代女性 RV=(1.2×FRSCL) CL power:-4.0D
症例 右ぶどう膜炎の20代女性 RV=(1.2×FRSCL) CL power:-4.0D LV=(1.2×FRSCL) CL power:-4.5D 考慮事項  角膜後面沈着物+も  前房内炎症は軽度で  ブロムフェナクNaの点眼で  コントロールされている

70 治 以前からの頻回交換SCL 症例 右ぶどう膜炎の20代女性 RV=(1.2×FRSCL) CL power:-4.0D
症例 右ぶどう膜炎の20代女性 RV=(1.2×FRSCL) CL power:-4.0D LV=(1.2×FRSCL) CL power:-4.5D 考慮事項  角膜後面沈着物+も  前房内炎症は軽度で  ブロムフェナクNaの点眼で  コントロールされている 以前からの頻回交換SCL 毎日CL装用、フォロー中

71 症例 ぶどう膜炎による続発緑内障例( 片眼失明の30代女性)
症例 ぶどう膜炎による続発緑内障例( 片眼失明の30代女性) RV=光覚弁なし  LV=0.1(1.0×-2.5) 膿疱性乾癬(皮膚科でシクロスポリン内服中) 考慮事項 右眼失明 眼圧40mmHg前後 疼痛なし 左眼は軽度の炎症が継続しているものの、  点眼で炎症・眼圧ともに現在はコントロールされている。 右白内障術後

72 症例 ぶどう膜炎による続発緑内障例( 片眼失明の30代女性)
症例 ぶどう膜炎による続発緑内障例( 片眼失明の30代女性) RV=光覚弁なし  LV=0.1(1.0×-2.5) 左眼は緑内障点眼薬(2種類)とブロムフェナクNa点眼中 LV=(1.2×DDSCL) CL power:-2.25D 普段は眼鏡、友人の結婚式など 必要なときにときどきDDSCL装用、フォロー中

73 症例 角膜移植後 角膜知覚の回復遅延例  左全層角膜移植術  右全層角膜移植術

74 症例 角膜移植後 角膜知覚の回復遅延例 治 L L 2007.6.15 (術後5年) RV=0.2(0.9×cyl-3.5Ax120°)
症例 角膜移植後 角膜知覚の回復遅延例  (術後5年) RV=0.2(0.9×cyl-3.5Ax120°) LV=0.03(0.8×-5.0=cyl-5.5Ax180°) 裸眼で生活している L L

75 症例 角膜移植後 角膜知覚の回復遅延例 治 L 患者の希望は理解できるので、 リスクを説明し 定期検査の間隔を短くすること、
症例 角膜移植後 角膜知覚の回復遅延例 患者の希望は理解できるので、 リスクを説明し 定期検査の間隔を短くすること、 充血や視力低下に気付いたら すぐに装用を中止し受診することを確認した上で 角膜知覚(-)ながら 左眼にRGP処方 手元の見え方にも配慮し LV=(0.6×RGP)  L

76 QOLを考慮したCLの選択と運用 1)ケアや管理(定期検査)のできない方の除外 2)QOLを考慮してCLを選択、処方 ・眼の状態
 ・眼の状態   (屈折、残存視機能、炎症・治療など)  ・年齢  ・装用スケジュール 3)フォローアップ(継続の可否を定期的に評価)

77 CL処方 おしゃれ目的のカラーコンタクト 眼鏡でも問題ないユーザーへの処方

78 CL処方 おしゃれ目的のカラーコンタクト 眼鏡でも問題ないユーザーへの処方 CLでなければQOLに支障がある場合の処方
見え方 : 円錐角膜 不同視 羞明など 精神面 : 角膜混濁など 疼 痛 : 遷延性角膜上皮障害など

79 CL処方 おしゃれ目的のカラーコンタクト(化粧品) 眼鏡でも問題ないユーザーへの処方(便利グッズ)
CLでなければQOLに支障がある場合の処方 見え方 : 円錐角膜 不同視 羞明など 精神面 : 角膜混濁など 疼 痛 : 遷延性角膜上皮障害など      治療としての側面が大きい

80 CL以外ではニーズが満たせない場合

81 まず、処方の適応を確認    CLのケアや管理(定期検査)の    できない方は厳格に除外する その上で、  QOLを考慮した   CL選択・処方・そして フォローアップ

82 まず、処方の適応を確認    CLのケアや管理(定期検査)の    できない方は厳格に除外する その上で、  QOLを考慮した   CL選択・処方・そして フォローアップ 眼科専門医にしかできない「治療」

83 ご静聴ありがとうございました

84 症例 片眼黄斑円孔網膜剥離・ 眼内レンズ挿入後・不同視
症例 片眼黄斑円孔網膜剥離・ 眼内レンズ挿入後・不同視 元来、両眼強度近視 右黄斑変性 RV=(0.5p×C-SCL=-0.5) CL power:-13.5D LV=(1.2×C-SCL =-0.5 ) CL power:-13.0D

85 症例 片眼黄斑円孔網膜剥離・ 眼内レンズ挿入後・不同視
症例 片眼黄斑円孔網膜剥離・ 眼内レンズ挿入後・不同視  左PEA+IOL+PPV RV=(0.6×-16.0=cyl-1.25Ax175°) LV=(0.2×IOL=-3.25 )

86 症例 片眼黄斑円孔網膜剥離・ 眼内レンズ挿入後・不同視
症例 片眼黄斑円孔網膜剥離・ 眼内レンズ挿入後・不同視 RV=(0.8p×FRSCL=-2.25=cyl-1.0Ax170°) CL power:-12.5D LV=(0.2×IOL=-3.25 ) 右のCLで、左との屈折のバランスをとった上で <遠見用眼鏡処方> 右:-2.0=cyl-0.75Ax180 左:-3.75

87 症例 CL装用で周辺部角膜浸潤を 繰り返す20代女性
RV=(1.2×DDSCL) CL power:-5.0D LV=(1.2×DDSCL) CL power:-4.75D

88 症例 CL装用で周辺部角膜浸潤を 繰り返す20代女性
RGPでも FRSCLでも DDSCLでも 角膜浸潤を繰り返す CL装用をあきらめさせるか?

89 症例 CL装用で周辺部角膜浸潤を 繰り返す20代女性
角膜浸潤の原因として アレルギー CL装用に伴う乾燥 ケア用品の影響      などの可能性を考え、 頻回交換シリコンハイドロゲルSCL  (ケア:保存液で こすり洗い+過酸化水素)で         今のところ経過良好

90 症例 実質型ヘルペス性角膜炎、 高度角膜不正乱視の女子高校生
症例 実質型ヘルペス性角膜炎、 高度角膜不正乱視の女子高校生 RV=0.03(1.0×-4.0=cyl-0.75Ax10°) LV=0.03(0.04×-3.0=cyl-3.0Ax180°) 考慮事項 外見上の問題 眼鏡でも外斜視

91 症例 実質型ヘルペス性角膜炎、 高度角膜不正乱視の女子高校生
症例 実質型ヘルペス性角膜炎、 高度角膜不正乱視の女子高校生 RV=0.03(1.0×-4.0=cyl-0.75Ax10°) LV=0.03(0.04×-3.0=cyl-3.0Ax180°) LV=(0.9×RGP) 外斜視が目立たない 角膜炎再発時はCL中止 必要時のみRGP使用、時々受診中

92 症例 虹彩付SCLとのピギーバックを 提案した円錐角膜症例
症例 虹彩付SCLとのピギーバックを 提案した円錐角膜症例 LV=(1.2×RGP) 「でもダブって見える」 C-3.0Ax20°追加でやや改善 考慮事項 RGP装用状態でも残る残余乱視による 見え方の不満を眼鏡を用いずに、改善したい

93 症例 虹彩付SCLとのピギーバックを 提案した円錐角膜症例
症例 虹彩付SCLとのピギーバックを 提案した円錐角膜症例 考慮事項 ・RGP装用状態でも残る残余乱視による  見え方の不満を眼鏡を用いずに、改善したい ピギーバックは時々使用


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