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結婚に認める価値(1) ーなぜ「結婚」することにしたのか、しなかったのかー

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1 結婚に認める価値(1) ーなぜ「結婚」することにしたのか、しなかったのかー
永久ひさ子 (文京学院大学)

2 問題と目的 晩婚化、未婚化、少子化などの家族変動は、家族を持つことに認める価値の変化と考えられる。
いつの時代も、現にいる家族は大事な存在であろう。しかし、新たに家族を持つことを、自分の生き方にどう位置づけるかは、経済的状況や社会文化的文脈によって変化すると考えられる。 子どもの価値の研究では、若い世代で、子どもを持つことを何より優先されるべき事柄と考える絶対的価値は弱くなり、代わって、他の生き方と比較検討される相対的価値が高くなっていることが報告されている(柏木・永久,1999)。 しかし、子どもの価値研究では、既に結婚し家族を持つ選択をした人が調査の対象だったため、そもそも家族を持つこと=結婚について消極的なケースにおける家族を持つことに認める価値は研究対象に含まれていなかった。 そこで、本研究では、未婚者や男性も対象に含め、   家族を持つこと=結婚することにどのような価値を認めるかについて調査を行った。

3 方法 2011年2月から7月に、20歳代から70歳代までの既婚・未婚を含む男女に半構造的インタビューを行った。
調査協力者は、知人に紹介を依頼し、さらにその調査協力者からの紹介を依頼した。 面接の場所は調査協力者の指定の場所で行い、所要時間は1時間30分から2時間だった。許可を得て録音を行い、逐語録を作成した。 共通に質問した項目は以下の通りである。

4 質問内容 ①未婚の時点での結婚のイメージ ②結婚への態度と、その理由 ③以前に交際した人と結婚に至らなかった理由 ④結婚を決断した理由
⑤子どもが生まれる前の結婚生活の様子 ⑥子育てへの夫婦の関わり方と配偶者への思い(評価) ⑦現在の夫婦の様子と配偶者への思い(評価)。 ⑧夫婦は一つだと思うか、個人と個人だと思うか 未婚者には①~③⑧のみ質問した。 本調査結果は調査の一部であるため、今回の分析には使用しなかった質問も含まれている

5 調査協力者 男性 10 20歳代 2 既婚 18 無職 0 女性 16 30歳代 10 未婚 7 パート 4 非常勤 40歳代 6 死別 1
性別 年齢 婚姻 学歴 就業(既婚者は結婚決断時、 未婚者は現在) 男性 10 20歳代 2 既婚 大学以上 18 無職 女性 16 30歳代 10 未婚 短大 パート 4 非常勤 40歳代 6 死別 専門学校 5 常勤 50歳代 5 高校 自営業 2 70歳代 3 注:数値は人数

6 分析方法 1 質問内容①から⑧の逐語録から、結婚のメリットとデメリットおよび「結婚」をしたい・したくないと思う理由、さらに「~が満たされる結婚」ならばしたいと思う理由について語られている箇所を抜き出し、協力者ごとにカード化した。 2 まず50歳代の既婚男女6名と未婚女性2名(30~40歳代)のカードを、KーJ法によって分類した(結果1)。 3 次に30~40歳代の既婚男女のカードを2で得られた カテゴリーに分類した。その過程で、カテゴリーの追加、修正、サブカテゴリーの作成を行った。 4 同様の手続きで、20歳代既婚、30歳~40歳代未婚、 70歳代既婚のカードを順に分類し、カテゴリーとサブカテゴリーの追加、修正を行った(結果2)

7 結果1 50歳代既婚男女と未婚女性 プラスの価値 内容例 マイナスの価値 恋愛の成就 ずっと一緒にいられる 会いに行かなくてよい
結果1 50歳代既婚男女と未婚女性 プラスの価値 内容例 マイナスの価値 恋愛の成就 ずっと一緒にいられる 会いに行かなくてよい 生き方の選択肢が狭まる チャレンジしたかった まだ決めたくなかった 人生の基盤 家族が持てる 家事子育てがしたい 時間的制約 帰りが遅く両立できない 就職後10年は仕事 生きる上でのサポート 親以外に守ってくれる 病気の時心強い 今の生活が変化 田舎に引っ越したくない 生活のペースが崩れる 子どもが持てる 子育てができる 個人の空間が 持てない 個室は必須条件 発達課題 親と距離が持てる 一人前になれる 新たな生活 仕事がやめられる 生活を一から作れる 親の期待 親が結婚を望んだ 親がうるさかった 社会的承認 一緒に住むなら結婚 子どもができたら結婚 経済的価値 二人ならやっていける

8 結果2 修正後のカテゴリー 結婚の価値 サブカテゴリー 内容例 (1)恋愛の成就 好きな人と生活できる 好きという感情の重要性
結果2  修正後のカテゴリー 結婚の価値 サブカテゴリー 内容例 (1)恋愛の成就 好きな人と生活できる 好きな人と一緒に生活できる 好きという感情の重要性 好きになれば障害にならない (2)人生の基盤 家庭づくりが生きる目的 家族のために生きられる 仕事をする目的は家族 一生懸命働く目的ができる (3)個と家庭を両立 家庭と仕事を両立させる 仕事の目途がたってから結婚 経済的責任があってもチャレンジする お互いの立場を思いやる 互いの立場を思いやれる関係 結婚生活の中の個の領域 結婚しても個室、一人の時間 (4)情緒的安定 不安の回避 孤独死はイヤ 老後が不安 幸せな人間関係 仲のいい家族が持てる 信頼感のある関係 最後まで信頼できるのは家族 ほっとする場 癒される  安心感  楽な関係 自分の理解者 話し相手ができる 尊敬し合える関係 友人の延長 一緒だと楽しい 

9 結婚の価値 サブカテゴリー 内容例 (5)子ども 子どもが持てる 子育てができる 子どものために早く結婚 (6)発達課題 結婚するのが普通
子どもを持てる 後継ができる 子育てができる 子育てをしてみたい 子どもの成長を見る楽しみ 子どものために早く結婚 子どもの成人まで働いていたい (6)発達課題 結婚するのが普通 友達がみんな結婚した 出産年齢 子どもを産める年齢がある 成長の機会 結婚子育てで成長する 親のような生き方をしたい 両親がモデル 独身は十分楽しんだ 青春は十分楽しんだので結婚してもいい (7)新たな生活 会社を辞められる、働き方を変えられる 会社を辞められる、働き方を変えるいい機会 新しい家族関係 生活を一から作れる 新しい環境 東京に住める 海外に住める

10 結婚の価値 サブカテゴリー 内容例 (8)親・祖父母のため 親孝行 親からのプレッシャー 祖父母孝行 (9)社会的価値 社会的承認
安心させたい 孫をみせたい 親からのプレッシャー 親がうるさい 見合話をする 祖父母孝行 祖母が生きているうちに結婚 かわいがってもらった恩返し (9)社会的価値 社会的承認 一緒に住むなら結婚 相手の両親を安心させられる 法的に守られる 入籍すれば法的に守られる 入籍すると別れにくい 家族の一員になる お互いの家族になれる 家族や世代を繋ぐ 結婚は家族と家族がつながること 先祖から命を繋げる一員でいたい (10)機能的価値 性別分業 経済的に頼れる 家事と介護を期待 仕事が安定したら結婚 仕事のパートナー 会社を一緒に守ってもらえる 生活のパートナー 親の介護も二人の方がいい 稼ぐのも家の事も二人で分担 健康を気にかけてくれる人ができる

11 考察 結婚の価値のカテゴリーについて ・情緒的価値(恋愛の成就、情緒的価値、親・祖父母のため)
考察    結婚の価値のカテゴリーについて 結婚の価値は多岐にわたり、10のカテゴリーに 分類された。これらをさらにまとめると、 ・情緒的価値(恋愛の成就、情緒的価値、親・祖父母のため) ・生き方に関する価値(人生の基盤、子ども、発達課題) ・社会的価値(社会的価値) ・生活上の価値(個と家庭を両立、新たな生活、機能的価値)          の4つの価値にまとめることができる。

12 考察 結婚の価値と子どもの価値の比較 子どもの価値 結婚の価値 情緒的価値(老後安心、家がにぎやか) 情緒的価値
考察 結婚の価値と子どもの価値の比較 子どもの価値 結婚の価値 情緒的価値(老後安心、家がにぎやか) 情緒的価値 社会的価値(次の世代を作る、姓やお墓 ) 社会的価値 自分のため(子育てしてみたい、生きがい) 生き方に関する価値 条件依存(自分の生活に区切りがついた      二人の生活は十分楽しんだ) 生活上の価値(個と家庭の両立) 子育て支援 生活上の価値である、個と家庭の両立の価値は、結婚後も個人としての領域が維持できるような結婚ならしたい、という内容であることから、子どもの価値の条件依存と対応すると思われる。 結婚と子どもは異なる事柄についての調査であるが、人生の中に家族を持つことをどう位置づけるか、とういう点で共通であり、類似の価値がみられることが想定される。今回、異なる調査方法から、子どもの価値と類似の価値がみられたことで、一定の妥当性のある結果を得たと思われる。


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