3章 主記憶装置(pp. 36-42) 4章 補助記憶装置(pp. 43-51). 記憶装置の分類 主記憶装置(メインメモリ) 単に「主記憶」とも. コンピュータの電源が入っている間に, 作業中の情報を蓄える. 実行中のプログラムの,プログラム本体 実行中のプログラムの使う情報(C言語では,変数の値)

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3章 主記憶装置(pp ) 4章 補助記憶装置(pp )

記憶装置の分類 主記憶装置(メインメモリ) 単に「主記憶」とも. コンピュータの電源が入っている間に, 作業中の情報を蓄える. 実行中のプログラムの,プログラム本体 実行中のプログラムの使う情報(C言語では,変数の値) 補助記憶装置(外部記憶装置) 長期的に保存する情報(電源を切っている間や, 作業が一段落したときの情報)を蓄える. ソフトで「保存」としたときに,主記憶の情報が 補助記憶装置に保存(セーブ)される. ソフトを「起動」したときは,補助記憶装置から プログラム本体が読み込まれ,メインメモリに展開される. 「ファイル」として扱われる(C言語でのファイル操作は, 後期「プログラミングII」で学習する)

主記憶装置は,CPUと直接 つながっている. CPUには,主記憶装置の 個々の値を読み出したり変 更する命令が備わっている. 記憶装置 補助記憶装置は,入出力イン タフェースを経由してCPUと つながっている. データの読み書きには,入出 力インタフェースを操作する プログラムによって行う.

接頭辞(補助単位) 補助単位値 k ( キロ) 10 3 m (ミリ) M (メ ガ) 10 6 μ (マイク ロ) G (ギガ) 10 3 n (ナノ) T (テラ) p (ピコ) P (ペタ) E (エク サ) TBのハードディスク クロック周波数 主記憶の容量

初めて買ったハードディスク 高2(1988年), 20MB, 78,000円! 現在は,1万倍の容量のものが安価に入手可能 1000倍の容量の半導体メモリが指先に乗る大きさに

2TB(2テラバイト)って? 1バイト・・8ビット 2進数の から (255) までの 値を表現できる.2進数の8桁の数. 2進数の1つの桁(0か1か)をビットというので, 1byte は 8bit となる. 2TB とは? 上の関係から,2テラバイト=16テラビットとなる. つまり 16×10 12 個の0か1が記憶されている. 4x10 6 の二乗が 16×10 12 なので, 4km 一辺が 4km の 1mm 方眼紙を, ひとマスずつ白か黒で塗ったもの と同じ記憶容量!

4km 四方

記憶装置の種類と特性 HD Flash, SSD 不揮発性 携帯内蔵 Flash 揮発性 パソコン RAM 携帯電話等 組み込み リ ムー バブ ル CD DVD フロッピー 1KB1MB1GB 写真ムービーメール Blu-ray 電源を切っても 記憶が残る 電源を切ると 記憶が消える 装置から記憶部分を 取り出せる TB

記憶階層 大容量のメモリほど遅い 速度と記憶容量の両立のため,階層化されている 重要!!

キャッシュ(cache) 記憶装置の見かけの速度を速くする工夫 一度読み書きした情報を高速な記憶装置にも 蓄えておき,二度目の読み込みの時にそれを使う 書き込まれるデータをまず預り,後から書き込む 使い勝手は,元の大容量の記憶装置と変わらない キャッシュ _( コンピュータシステム )

メインメモリのアクセス方法 アドレス(メモリ番地) 場所を表す連番(アドレス, 番地)でアクセスする 一度に読み書きされるデータの大きさをワードという アドレスは,ワードまたはバイト単位で表される 組み込み機器など小型のコンピュータ:ワード単位が多い パソコン,携帯電話等:バイト単位が多い

記憶装置の性能を表す項目 記憶容量 速度 アクセス時間・・読み書きの指令から, 読み書きを完了するまでの時間. 記憶場所選択時間(待ち時間)+データ転送時間 サイクル時間・・読み書きの指令から, 次の読み書きの指令ができるようになるまでの時間. 揮発性 電源を切ったときに情報が失われるかどうか. 不揮発性:記憶が保持される 揮発性:消えてしまう 通常,メインメモリは揮発性.

メモリについて 書き込みが出来るかどうか 書き込み可能:RAM (Random Access Memory) 読み出しのみ:ROM (Read Only Memory) 電源を切ったときの振る舞い 揮発性:電源 OFF で忘れてしまう パソコンに搭載されている RAM は揮発性 不揮発性:データは消えない ROM は不揮発性. 電源を入れた直後の動作を決める パソコンには少しだけしか搭載されていない 組み込み機器のプログラムは全て ROM に格納されている 最近は「書き込み可能・不揮発」なメモリが増加 フラッシュメモリ(デジタルカメラの記憶媒体)など 読み書きが遅く,また書き込みに多くの電力が必要 補助記憶装置として扱われることが多い

メモリ(RAM)の構造

メモリの動作原理 DRAMの動作原理

アドレスバスとデータバス アドレスは,CPUからメモリへの一方通行(アドレスバス経由) アドレスバスの幅が,搭載できる最大メモリ容量を決める データは,双方向(データバス経由) データバスの幅が,同時に読み書き出来るビット数を決める 通常,ワード幅になっている メモリ内部では,一列が一斉に読み出し・書き込みされる CPU データ バス アドレス バス 行選択 列選択 メモリメモリ パソコンでは, 32ビット幅 もしくは 64ビット幅 (32ビット幅で は,最大メモリ 容量が4GB)

アクセスの方法 順次アクセス ファイルの先頭から順にデータの書き込み・読み込み 磁気テープ装置など.(テープをおくっていく必要が ある) ハードディスクや光学ドライブも,1つのファイルの 読み込みでは,順次アクセスを使うことが多い. 直接アクセス 任意の記憶場所に直接データの書き込み・読み込み ハードディスクや光学ドライブで可能 もちろん,半導体メモリ(フラッシュメモリ,SSD) でも可能.物理的な運動がないため,非常に速い.

RAMの種類 SRAM(スタティックRAM) 論理回路素子(計算に用いる素子と同じ素子)に よって構成されている アクセス速度は非常に速い DRAM に比べて専有面積が大きい(小容量) CPU内のレジスタや,キャッシュメモリに用いられる DRAM(ダイナミックRAM) コンデンサに蓄えた電荷によって記憶する SRAM よりも大容量化が容易である 主記憶のほとんどはDRAMで構成されている リフレッシュ動作が必要 コンデンサに蓄えられた電荷がじわじわと漏れて減ってし まうので,読めなくなる前(数ミリ秒ごと)に読み出して, 書き込み直す動作が必要.

ROMの種類 読み出し専用のメモリ 記憶内容の設定・消去方法によって分類される マスクROM・・製造段階で内容を作りこんである PROM(プログラマブルROM)・・書き込み専用装置 (ROM writer)で一度だけ書き込める EPROM(Erasable ROM)・・ガラス窓があり,紫外 線を照射すると消すことができる EEPROM(Electrically EPROM)・・電気信号により 内容を消去できる. EEPROM が発展し,フラッシュメモリが登場した.

フラッシュメモリ デジタルカメラ用フラッシュメモリ (コンパクトフラッシュ) ハードディスク (マイクロドライブ) 様々な規格が乱立  CF (コンパクト フラッシュ)  SD / MMC (松下等)  MemoryStick (ソニー)  SmartMedia (富士フイルム等)  xD-Picture (オリンパス・富士)

仮想記憶 記憶装置の見かけの容量を大きくする工夫 高速な記憶装置に収まりきら ないデータを,より低速な 記憶装置へ自動的に退避する 使い勝手は元の高速な 記憶装置と変わらない 仮想記憶のポイント できるだけ使用頻度の低い データを外部に退避する パソコンでたくさんのソフトを起動 しすぎると,遅くなるのは,データ の入れ替え(スワップ)が頻繁に 発生するため 仮想記憶

補助記憶装置の種類 磁気ディスク装置 ハードディスク フロッピーディスク 光ディスク装置 CD, DVD など出荷段階で書き込まれているもの CD-R, DVD-R など一度だけ書き込めるもの CD-RW, DVD-RW など全体の消去もできるもの DVD-RAM のように部分的書き換えができるもの MO(Magneto-Optical):光と磁気を両方用いるもの 磁気テープ装置 大容量.バックアップ向けに用いられる 半導体記憶装置(メモリカード,USBメモリ, SSD)

ハードディスク データを磁気的に(カセットテープのように)記録 不揮発性(電源を切っても消えない)

ハードディスクの構造

ハードディスクの動作

フロッピーディスクの仕組み

CDの仕組み

回転型の記憶装置 ハードディスク(左から MicroDrive, ノートPC用,デスクトップPC用)  CD-R : CD-Recordable (1度だけ書き込み 可)  CD-RW CD-ReWritable (何度でも書き換え 可)  DVD-ROM,-RAM, DVD-R,-RW, DVD+R,+RW …

その他の用語 ファイル:データアクセスの単位 文書ファイル,画像ファイル,・・ ファイルの中身(レコード・項目) データベースシステムでよく用いられる ボリューム 補助記憶装置の物理的単位.「1台の装置」. レコード 項目(アイテム,フィールド)

磁気ディスク装置の構造 ディスク面が複数ある 表裏,ディスク枚数 磁気ヘッドは一斉に動く 磁気ヘッドが読み出す1 本の円をトラックと呼ぶ ある半径のトラックが一 斉に読み出される.その グループをシリンダと呼 ぶ. トラックは同じ大きさの セクタに分かれる ※光ディスクの多くは, 渦巻き型の記録方式.

回転型記憶装置のアクセス シーク時間 読み出しヘッドが,読みだしたいトラック(シリンダ)の 位置へ移動(シーク動作)するまでの時間 平均シーク時間として表す サーチ時間(回転待ち時間) 読み出したいセクタがヘッドの場所まで 回ってくるまでの時間 平均回転待ち時間は,ディスク回転時間の1/2 データ転送時間 データを実際に読み書きする時間. データ量によって変化する. データ転送速度は,1トラックの容量と回転速度で決まる. アクセス時間=シーク時間+サーチ時間+データ転送時間

アクセス時間の計算 教科書の条件 平均シーク時間:15ミリ秒 回転速度:3000rpm(毎分3000回転) 1トラックの記憶容量:20,000バイト 記録面数(シリンダあたりのトラック数):4 シリンダ数:155,000シリンダ ディスク容量 20,000*4*155,000=12.4GB アクセス速度(4,000バイト読み出し) 平均回転待ち時間:(60秒/3000回転)/2=10ミリ秒 データ転送速度:(20,000*4)/20=4,000バイト/ミリ秒 アクセス時間= = 26ミリ秒