2012 年 11 月 20 日 環境エネルギー政策研究所 所長 飯田 哲也 「原発稼働ゼロ」から「原発ゼロ」へ リアルな脱原発の実現シナリオ 資料1.

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作成者 : 白 六郎 画像引用元:「マンガ版・劣化ウラン弾」 「えすかばい!プルサーマル」 小出裕章氏札幌講演パンフレット.
経常収支とは?  一国の国際収支を評価する基準の一つ。  この 4 つのうち、 1 つが赤字であっても他で賄え ていれば経常収支は黒字となる。 貿易収支 モノの輸出入の 差 所得収支 海外投資の収益 サービス収支 サービス取引額 経常移転収支 対価を伴わない 他国への援助額 これらを合わせたものが経常収支.
アーガス・メディア社 顧問 (元慶應義塾大学 産業研究所) (元東京ガス総合企画部) 吉武 惇二
多々納 裕一 京都大学防災研究所社会システム研究分野
エネルギー変換技術の評価例:発電技術 立場 (ステークホルダー) 評価項目 評価細目 利用(適用)技術 放射性廃棄物処分費用?
2012.1.14-15 脱原発世界会議(パシフィコ横浜) 持込企画:発送電分離プロジェクト 全国市民オンブズマン連絡会議
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第3章 実態経済に大きな影響を及ぼす金融面の動向
指導教員 梶原 寿了 卒業研究生 阿部 聡太 中島 賢一 古川 高文
日本のエネルギー政策 神戸大学国際文化学部 坂口 祐子.
所属: 東京農工大学 大学院 環境エネルギー工学講座
前回 テキストベースの強調 発表資料 脱原発について 30分の時間制約にも徐々に慣れつつある 時間の使い方,資料作成の慣れ
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-国民に開かれた電力システムを目指して-
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シンポ「日本の環境・エネルギー政策選択」
電力班 小松・早川 藤丸・松浦 電力自由化に伴う 電力価格の変化.
日本の原子力政策の現状と課題 c 大谷紗代.
電力自由化の是非 肯定派.
電力自由化の是非 否定派 相原 成田 紙崎 保立.
日本の エネルギー政策 c 上坂愛一郎.
日本の地熱発電への期待 # c 中村幸代.
核燃料サイクルとは何か ウラン 軽水炉 使用済み核燃料 高レベル 放射性廃棄物     再処理 プルトニウム 高速増殖炉 プルトニウム.
最近の中国と通貨に関する動向 08ba231c 松江沙織.
> > = = = 調整火力維持+蓄電池コストの抜本的低減 現状 将来 150円 25円 15円 発電 再エネ 再エネ
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二次電池利用による 不動産オフィスビルの環境対応モデル
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地球環境と技術 エネルギー安全保障と技術開発
縄文海進.
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①新規の需要を求めた海外展開(自国内展開 →EU域内展開 →EU域外展開) ②収益性の高い事業への参入・集中(再エネ電源への投資 等)や、
7基 12基 16基 7基 18基 原子炉設置 変更許可済 新規制基準への適合性審査中 適合性審査 未申請 稼働中 廃炉決定済 ※
機構 政 府 相互扶助の仕組み 金融 機関 被害者・被害事業者 資金交付 <特別資金援助の仕組み> 政府 <特別事業計画への記載事項>
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中越沖地震8周年 福島を忘れない! 柏崎刈羽原発ハイロ県民シンポ
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今年の冬の厳寒期における 四国電力管内での電力の需給状況 四国電力 アカデミー7班 1年 後藤 友彦 (日大・産業経営) 小林 航
資料2-1 地球温暖化対策実行計画の改定について 1 地球温暖化対策実行計画の改定の必要性について 3
脱原発関連 資料1-2 長期方針 エネルギー転換検討委員会の設置 国民的議論 エネルギー転換 基本方針の決定 エネルギー転換に
労働市場 国際班.
今までにないコスト合理化や収益拡大を目指す東電改革
資料1 2015年度夏季の電力需給対策について (概要) 2015年5月22日 電力需給に関する検討会合.
~四国電力の脱原発の可能性~ 四国電力 アカデミー6班 2年 坂口 啓 鈴木 幸隆 藤森 大輔 後藤 友彦 松澤 恵梨奈 (日大・金融公共)
発電方式別の二酸化炭素排出量
LPガスに係わる10項目 安定供給の確保 ①石油とLPガスの備蓄の確保 環境への適合 ②ガス体エネルギーへの転換を進める
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2012 年 11 月 20 日 環境エネルギー政策研究所 所長 飯田 哲也 「原発稼働ゼロ」から「原発ゼロ」へ リアルな脱原発の実現シナリオ 資料1

矛盾と数字遊び・言葉遊びの政府戦略 2030 ? 2

原発は(事実上)ゼロとなった 稼働 5.5

00 稼働原発 「ゼロ」から「ゼロ」へ 今 未来 4

5 ほぼ全原発が停止している この夏の電力は足りた 再稼働には最低 2 年かかる 初期条件と境界条件を確認する 使用済み核燃料プールが満杯 使用済み核燃料の行き場なし さらに、仮に再稼働しても

この夏、電力は足りた 6 6

この夏、電力は充分に足りた 7

8 「我慢」で「一時的」に足りたのではない ・広域融通 ・分散発電(自家発) ・揚水発電など電源管理 ・無理なく儲かる省エネ ・需給調整契約 ・デマンドレスポンス ・ ( 分散発電・自家発)

・我慢 ・上からの省エ ネ ・電気が足りな い ・発電所増設 ・経済にマイナ ス ・効率化 ・節電発電所 ・ピークマネジメ ント ・需要側管理 ・経営に良い 節電・省エネにかんする進化論 9

再稼働には最低 2 年かかる 10 稼働 年 9 月 2013 年 1 月 2014 年 1 月 2015 年 1 月 4 月 7 月 10 月 安全基準 改訂 安全基準 改訂 安全 審査 安全 審査 バックフィット まともに安全基準見直しをした場合 PC 承認 新基準 適合作業 PC 承認 安全基準 改訂 安全基準 改訂 安全 審査 安全 審査 バックフィット 新規制庁が手抜きした場合 新基準 適合作業

再稼働には最低 2 年かかる 安全基準 安全審査 バックフィット 約1年約1年約1年約1年+α年+α年 稼働 0 最低2年〜

体系的・リアル・合理的な脱原発・エネルギー戦略 12 脱原発メカニズム (安全規制、使用済み燃 料総量規制、損害賠償) 脱原発メカニズム (安全規制、使用済み燃 料総量規制、損害賠償) 電力市場出口戦略 ( 発送電分離、競争市場、 再エネ・コジェネ戦略等 ) 電力市場出口戦略 ( 発送電分離、競争市場、 再エネ・コジェネ戦略等 ) 開かれた競争的・創造的な電力市場へ 環境とエネルギーのデカップリング ( 切り離し ) 開かれた競争的・創造的な電力市場へ 環境とエネルギーのデカップリング ( 切り離し ) 目指すべき原子力・エネルギー政策 過渡期マネジメン ト ( 電気料金影響緩和、 電力需給、廃炉、東電等 ) 過渡期マネジメン ト ( 電気料金影響緩和、 電力需給、廃炉、東電等 ) 原子力・電力行政のガバナンスの再構築

脱原発メカニズム 13 大前提となる安全性改善 原子力損害賠償見直し 使用済み核燃料 総量規制・保管場所 使用済み核燃料 総量規制・保管場所 50 基 技術的廃炉 経済的廃炉 現 状 40 年寿命・新増設禁 止 総量規制 40 年寿命 経済的廃炉 廃炉へ 制度的廃炉

40 年廃炉 不安全炉 ( 安全強化 ) 使用済み燃料総量規制 14 民主主義 ( 国民投票など ) 市場圧力 ( 保険など ) 脱原発プロセスのメカニズム

15 高レベル放射性廃棄物処分は(当面)実現不可能 ( 高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し ) 高レベル放射性廃棄物処分は(当面)実現不可能 ( 高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し ) 使用済み核燃料の総量管理と乾式中間貯蔵 ( 暫定保管および総量管理を柱とした政策枠組みの再構築 ) 使用済み核燃料の総量管理と乾式中間貯蔵 ( 暫定保管および総量管理を柱とした政策枠組みの再構築 ) 合意形成のための熟議の場 ( ・負担の公平性に対する説得力ある政策決定手続きの必要性 ・討論の場の設置による多段階合意形成の手続きの必要性 ) 合意形成のための熟議の場 ( ・負担の公平性に対する説得力ある政策決定手続きの必要性 ・討論の場の設置による多段階合意形成の手続きの必要性 ) 日本学術会議の提言 (2012 年 9 月 12 日 ) (前提として)再処理・核燃料サイクルは破綻しており、 ゼロからの見直しが必要 (前提として)再処理・核燃料サイクルは破綻しており、 ゼロからの見直しが必要

16 使用済核燃料の乾式中間貯蔵 総量規制と長期貯蔵場所 使用済核燃料の乾式中間貯蔵 総量規制と長期貯蔵場所 「最終処分」のあり 方の真の国民的熟議 やってはならないこ と (再処理) やってはならないこ と (再処理) およそ実現できないこ と (地層処分) およそ実現できないこ と (地層処分) 使用済み核燃料の『唯一解』としての乾式中間 貯蔵

推進と批判の対立を埋める、政治的に現実的な唯一の解決策 17 核燃料サイク ル破綻の現実 発電所プール 貯蔵容量限界 発電所プール 貯蔵容量限界 安全面からの 緊急避難 使用済核燃料の乾式中間貯蔵 ・貯蔵期限: 50 〜 100 年 ・貯蔵場所:どこに置くか? ( サイト、都市、集 中 ) ・総量抑制:今後どれだけ生み出すか? 使用済核燃料の乾式中間貯蔵 ・貯蔵期限: 50 〜 100 年 ・貯蔵場所:どこに置くか? ( サイト、都市、集 中 ) ・総量抑制:今後どれだけ生み出すか? 「最終処分」のあり 方の真の国民的熟議 使用済み核燃料の『唯一解』としての乾式中間 貯蔵

平均 6 年弱の 貯蔵容量残 18

使用済燃料の乾式貯蔵施設 東電福島第 1 原発にもあるが 3 ・ 11 の 地震・津波でも安全性に全く問題な かった 原発名1取替分貯蔵量最大容量 泊 50 3501,000 女川 東通 福島第一 1401,8202,100 福島第二 1201,1301,360 柏崎刈羽 2302,2102,910 浜岡 1001,0901,740 志賀 美浜 高浜 1001,1601,730 大飯 1101,3502,020 島根 伊方 玄海 ,070 川内 ,290 敦賀 東海第二 合計 1,34013,53020,420 六カ所ー 2,7003,000 六カ所再処理工 場もほぼ満杯 19 使用済燃料の乾式中間貯蔵の必要性

【出典】 Markus Rosenbaum (May 2011) Versicherungsforen Leipzig GmbH ドイツ 17 基の原発災害損害額 →16 兆円〜 680 兆円 それをカバーする賠償保険額 →14 円 /kW 時〜 6000 円 /kW 時 ドイツ 17 基の原発災害損害額 →16 兆円〜 680 兆円 それをカバーする賠償保険額 →14 円 /kW 時〜 6000 円 /kW 時 16 兆円 680 兆円 「儲けは電力会社、リスクは国 民という不公平なギャンブルを している」(ジョセフ・E・ス ティグリッツ教授) 原発災害が発生した場合の被害総額 20 原発の事故保険料は 14 〜 6000 円 /kW 時

21 政治無策のまま料金値上げや再稼働 「なし崩しシナリオ」 政治無策のまま料金値上げや再稼働 「なし崩しシナリオ」 国民・地方自治体・国・電力・経済界に よる 「五方良しシナリオ」 国民・地方自治体・国・電力・経済界に よる 「五方良しシナリオ」 今後かんがえられる2つのシナリオ

22 政治無策のまま料金値上げや再稼働 「なし崩しシナリオ」 政治無策のまま料金値上げや再稼働 「なし崩しシナリオ」 社会的に いっそう の混乱 大飯3・4号 再稼働 次の再稼働 の強行 国 民 安全規制・政治・電力への不信 → 反発 電力会社 経営悪化 → 料金値上げ → 社会反発 経 済 界 料金値上げへの反発 → 電力対立・政治不信 地方自治体 再稼働対立 → 地域疲弊 → 国 / 地域対立と地域間対立 政 治 国民反発・経済反発 → いっそうの政治不信 官邸前デモ パブリックコメント 国民の反発拡大 官邸前デモ パブリックコメント 国民の反発拡大

国民・地方自治体・国・電力・経済界に よる 「五方良しシナリオ」 国民・地方自治体・国・電力・経済界に よる 「五方良しシナリオ」 23 大飯3・4号 再稼働 官邸前デモ パブリックコメント 国民の反発拡大 官邸前デモ パブリックコメント 国民の反発拡大 国民合意期間 (2年間程度) 国民的合意に沿った 脱原発シナリオへ 国民的合意に沿った 脱原発シナリオへ 徹底的な安全性改善 使用済み核燃料の 総量規制と中間貯蔵場所 使用済み核燃料の 総量規制と中間貯蔵場所 電気料金値上げへの対処 電力市場改革ロードマップ 原子力損害賠償の抜本見直

原発を動かせない期間を利用して、国民的な合意の場を 創る 24 国民合意期間 変革期 新市場へ 体制・基準の再構築 再適用・改善措置 体制・基準の再構築 再適用・改善措置 再稼働の可否 国民的合意 再稼働の可否 国民的合意 厳しい安全監視 原賠法抜本見直し 厳しい安全監視 原賠法抜本見直し 電力破綻の一時回避 料金値上げ抑制 電力破綻の一時回避 料金値上げ抑制 廃炉債務処理 電力新市場へ 廃炉債務処理 電力新市場へ 国費回収 ( 系統費 ) 国が再稼働凍結 電力支援 国が再稼働凍結 電力支援 使用済燃料総量規制 乾式中間貯蔵 使用済燃料総量規制 乾式中間貯蔵 最終処分への 国民合意 最終処分への 国民合意 脱原発ニューディール

原発「不良債権」をどうするか? 25 廃炉に伴う 原発資産の扱い 廃炉に伴う 原発資産の扱い モラトリアム間 の 燃料費等超過分 モラトリアム間 の 燃料費等超過分 電力自己責任国による救済 破綻処理 送電資産買取 資本注入等 破綻処理 電気料金値上 厳しいリスト ラ 電気料金値上 厳しいリスト ラ 交付国債等に よる支援

参考資料

27 【出典】 朝日新聞 2012 年 9 月 28 日 ・原発維持でも高く なる ・高くなる要素は主 に地球温暖化対策や 化石燃料の高騰 ・あくまで計算上の 話で、現実は異なる ・原発維持でも高く なる ・高くなる要素は主 に地球温暖化対策や 化石燃料の高騰 ・あくまで計算上の 話で、現実は異なる 「原発ゼロで電気料金 2 倍」のからくり

中国を中心とした輸出好調期( ) たまたま電気代も安かった。 リーマンショック 2008 年 9 月以降。 2008 年は価格高騰、 2009 年は価格低下だがそれと関係なく景 気が悪い 情報機器投資好調( 2000 ) 2000 年の情報機器投資好調 の反動( 2001 ) 製造業生産と電力価格はほぼ無関係 製造業売り上 げに占める電 力コストは 1.3%

製造業生産と電力価格との関係

原発停止で化石燃料の輸入と貿易赤字が増える 31 「ウソ」ではないが誤解招く「誇張」 原発よりも化石燃料価格(とくに原油価格)の影響 大 原発比率が高いときでも 23 兆円を輸入した 2008 年

原発停止で化石燃料の輸入が増える 後の化石燃料の輸入量 はむしろ減った事実(天 然ガス以外)