2012 年 7 月黒潮続流域集中観測 モデル感度実験 防災科学技術研究所 飯塚 聡 2012 年 12 月 17 日:東北大 学
Response of Cloud to SST gradient
2012 年 7 月の集中観測 NCEP-fnl + JCOPE2 NCEP-fnl + OISST: WRF20km + 28verical levels
モデル感度実験概要 モデル: WRFV3.3 – YSU-PBL, KF-Convection, Goddard SW, RRTM-LW – 2012 年 7 月 2 日 00Z から積分開始 水平解像度 – 24.3km, 8.1km, 2.7km, 900m: 1-way nesting – 9km (Standard) 鉛直解像度 – 58 Levels 境界条件(再解析データ) – NCEP-final, ECMWF-Interim, JRA/JCDAS SST – OISST, MGDSST, JCOPE2, JCOPE2-RA
Model WRF: 57Levels: 9km & 24.3km > 8.1km > 2.7km > 900m SST : OISST, MGDSST, JCOPE2, JCOPE2-RA B.C.: NCEP-final, ECMWF-Interim, JRA/JCDAS
水平解像度の影響:モデル領域と SST 24.3km > 8.1km > 2.7km > 900m : 121 x 121 x 58
水平解像度依存性 24.3km > 8.1km > 2.7km > 900m : 121 x 121 x 58 NCEP に Nudging 9km でも十分
水平解像度依存性 24.3km > 8.1km > 2.7km > 900m : 121 x 121 x 58 NCEP に Nudging Nudging の影響
SST & B.C. の影響: SST & LH & PBLH 143E 付近の PBLH を見ると …. 同じ SST でも違う 同じ再解析データでも違う
143E での雲水量の鉛直プロファイル( 7/2~7/4 平 均) OISST MGDSST JCOPE2 JCOPE2-RA NCEP Final 1.0deg ECMWF Interim 0.75deg JRA/JCDAS 1.25deg
143E での相対湿度の鉛直プロファイル( 7/2~7/4 平 均) OISST MGDSST JCOPE2 JCOPE2-RA NCEP Final 1.0deg ECMWF Interim 0.75deg JRA/JCDAS 1.25deg
143E での仮温度の鉛直プロファイルの差( 7/2~7/4 平均) SST の影響は 300m 程度の下部に限定、再解析データに依存しない MGDSST を与えた 実験からの差
143E での仮温度の鉛直プロファイルの差( 7/2~7/4 平均) 再解析データの違いの影響は 300m 程度の付近で特に顕著。 ではどうする?
2012 年 7 月 2 日 12:00GMT
2012 年 7 月 2 日 18:00GMT
2012 年 7 月 3 日 00:00GMT
2012 年 7 月 3 日 06:00GMT
2012 年 7 月 3 日 12:00GMT
2012 年 7 月 3 日 18:00GMT
初期値依存性 + 鉛直格子の配置 58 Levels(Standard) 58 Levels(Specified) 20~30 levels in the PBL WRF(9km): 181x181: 58Levels NCEP-fnl + JCOPE2 7/1 から 7/2 から 初期値依存性もある
感度実験から 水平解像度は 10km は必要? 鉛直解像度? 再解析データに結果が強く依存 – 積分開始時間にも依存 SST の影響は、境界層( ~500m 以下)にの み影響 ゾンデデータによる 2 次元モデルも検討?
集中観測: 2012 年 7 月 2 ~ 11 日のコントロール実験の平均 OISST:PBL=1 ・続流域の SST 南北勾配も強いが、東 西にもコントラスト ・続流域では平均風速 が弱く、 SST の応答は不 明瞭 ・でも収束には見られ る(気圧の影響) ・モデル最下層の雲水 → 短波放射量に SST と対 応するようなコントラ ス
OISST-SMOOTH OISST:PBL=1 ・潜熱 黒潮の影響が明瞭 ・風速 トカラ海峡でのみ明瞭 ・下層収束 黒潮の影響? ・降水量 ? ・下層の雲水+日射 冷たい方で下層雲水大 暖かい方で下層雲水小 日射量に下層雲水量の 違いが反映されている 風速の違い
Impact of Kuroshio on Fog over WNP Tokinaga et al., JC2009 南風の時のコンポジット SSTs affect Fog on interannual time scales! Positive Feedback 年々変動 あり / なし 細かい 構造 コンター:気候値
Summary:2012 年 7 月上旬 天気概況:黒潮フロント付近をメソ低気圧が 3 つ通過 海洋概況: OISST では、 37N に沿った東西方向の SST の変化も特徴 – 146E-148E で SST が低く、その両側で SST は高い – SST の南北コントラストの影響は、梅雨前線(大気自信)の南北 構造の違いを反映しているのか区別しにくい WRF の結果:温度、水蒸気など – 最下層の雲水量(霧?)に SST に対応した東西コントラスが見ら れる – 一方、相対的に SST が高い場所、特に 150E では雨水量が多いよう にも見える。 – モデルの下向き短波放射量に下層の大気場の影響 – PBL のオプションにより定量的な違いはあるが定性的な傾向はい ずれも一致している WRF の結果:風速 – SST に対する風速への影響は、九州の南の琉球列島付近では見ら れるが、続流域では不明瞭。
Y-Z profile of moisture depends on initial condition! 58 Levels(Standard)28 Levels(Standard)
58 Levels(Standard)28 Levels(Standard) 58 Levels(Specified) 20~30 levels in the PBL
東アジアモンスーン域での黒潮の役割 冬季モンスーン夏季モンスーン 日本周辺は、風向や降水量 に顕著な季節変化が見られ る東アジア・モンスーン地 域に位置している。 高分解能の衛星データ 冬季・夏季共に平均降水量 の極大値は、黒潮や続流域 で見られる。 モンスーンの年々変動が激 しい東アジアにおいて、黒 潮・続流域などの微細な SST は、降水量の年々変動に影 響を与えるのか? さらに低気圧活動に変化を もたらすのか?
初夏( 5/11~7/9 )の応答: 1993~2010 九州より南の琉球列 島付近では深い応答 が見られる。 しかし、続流域での 応答は境界層に限ら れている。 鉛直混合よりも圧力 調節メカニズムが働 いている。 大気の応答は、後半 ( 7 月)になるほど弱 くなる。