魅せる実験の探索 -定時制高校における物理実験の試みから- Exploring How to be Inspired - Trial in the Physics Experiment at Night High School - 第40回 物理教育研究集会 Sat 於 ハービス OSAKA オフィスタワー8 F 大阪府立成城高等学校Ⅲ部 燈下 将樹
研究の動機と解決への道筋 成城高校(夜間)の生徒は疲れて いる → 惹きつける授業の必要性 大阪市大村田研との連携 透明大型真空箱、真空ポンプを 拝借 清風 豊田先生に実験手法を学ぶ 高速度カメラ、プロジェクタの 購入
今日の目次 1.水の減圧沸騰の実験 2.高速度カメラとプロジェクター による 放物運動の解析 3.まとめと今後の展望
1.水の減圧沸騰の実験 ~水の状態図の理解のために~ 固相線は難しそうなので、 液相線の作成からアプローチ 減圧・降温により、 0℃~100℃の範囲を追いか けた 水の状態図(常温常圧付近)
アクリル製 透明大型減圧箱 真空ポンプ ベローズ型 圧力計 湯を入れた 断熱容器 1.水の減圧沸騰の実験 突沸したときの 圧力と温度を計測 ~実験の様子~
0 ℃ 圧 力 100 ℃ 温度 1 気圧 突沸、温度圧力 記録点 氷 水蒸気 水 1.水の減圧沸騰の実験 ~実験の概念図~ 一回数分の減圧の過程で6,7点のデータ。 繰り返し実験が容易。 突然沸騰する様子が生徒の興味を惹く。
1.水の減圧沸騰の実験 ~実験の結果~ Pressure (atm) 文献値とおおよそ一致
2.高速度カメラとプロジェクターによる 放物運動の解析 実験の手法① ~撮影~ 参考文献 豊田將章, “ ビデオ映像を使った放物運動の解析 ”, 大阪府高等学校理化教育研究会 第5回物理研究委員会, 2010.
2.高速度カメラとプロジェクターによる 放物運動の解析 実験の手法② ~運動をプロットする~ カメラをコマ送り プロジェクタで投影 ホワイトボードにプロット
この部分の解析結果 (速さの様子について) 2.高速度カメラとプロジェクターによる 放物運動の解析 ~実験の結果~
重力加速度と空気抵抗について 速度の1次まで考えると、水平方向の運動方程式は 解は まず空気抵抗を求めてから重力加速度が求めら れる。 → 今後の課題
1.水の減圧沸騰の実験について ・ WagnerEq. の結果におおよそ一致 ・ 一回、数分の実験で6,7点のデータが取れ、繰り返しも容易 ・ 湯が突然沸騰する様子に生徒の興味 ・ 状態変化と状態図の科学的イメージ、それらの関係の理解 今後 アクリル製大型減圧箱の製作 2.高速度カメラとプロジェクタによる放物運動の解析 ・ ピンポン玉の放物運動のコマ送りに生徒の興味 ・ 軌跡の記録の反復から運動則を体得 ・ 生徒実験でも、水平方向の空気抵抗の検出精度 ・ 実験は短時間、結果も即明示、繰り返しも容易 今後 ピンポン玉をスーパーボール、テニスボールなどに代え、空気抵 抗の影響を観測する。 3.まとめと今後の展望
謝辞 大阪市立大学大学院理学研究科 超伝導物理学研究室 村田惠三 教授 横川敬一 客員研究 員 清風学園 清風中学・高等学校 物理科 豊田將章 教諭 この研究は 財団法人武田科学振興財団 2009 年度「高等学校理科教育振興奨励」 および 科学技術振興機構 「 H22 年度中高生の科学部活動振興事業」 の支援によって行われました 。