僕の音楽生活 4 歳から 66 歳まで 諏訪邦夫 2003 年 11 月日本麻酔・集中治療テクノロジー学 会
最初の音楽? 1941 年 (4 歳 ): 幼稚園には行かず 音楽の例 : 童謡, 歌物語(カチカチ山、桃太 郎) 装置 : 『電蓄』、針を 1 面毎に変える 特記事項 : 他に落語、浪曲、軍歌
最初の楽器 1943 年 (6 歳、小学校 1 年 ): 学校のオルガン – 友達に家でもオルガンをいじった記憶 音楽の例 : 学校唱歌、軍歌 装置 : 上記オルガン、自宅の電蓄は? 特記事項 : 戦争が次第にきびしくなった
最初の好きな歌? 1946 年 (9 歳、 4 年生、終戦後 ): 群馬県疎開 先 – 終戦で急になごやかに、村の『演芸会』 音楽の例 : 大量の歌謡曲 装置 : 電蓄とレコードは疎開できず。楽器 なし。 特記事項 : 覚えたのは戦前の歌が多い。 – 「勘太郎月夜」、「丘を越えて」、「新雪」 他 – 「りんごの歌」、「東京の花売り娘」 – 翻訳歌:「旅愁」, 「故郷の廃家」, 「故郷を 離る歌」
最初の西洋音楽? 1947 年 (10 歳、 5 年生 ): 群馬県の疎開先 音楽の例 : 母の歌うメロディをハーモニカ で 装置 : レコードはない。ラジオだけ 特記事項 : ハーモニカを手に入れていろい ろなメロディを吹いた。けっこう上手に なったと思っている。 – 「カルメン前奏曲」「天国と地獄序曲」のメ ロディ
初めてピアノを生で聴いた 1948 年 (11 歳, 小学校 6 年 ): 東京に戻る 音楽の例 : 長妻先生の弾くピアノ – 『ドナウ河の漣(イヴァノヴィッチ)』 – 長音階と短音階の説明 装置 : はじめて生でピアノを聴いた、見た。 特記事項 : ピアノの上手な先生(長妻莞爾 氏) – 小学校は戦災を免れてグランドピアノが 2 台 – 男子でめずらしく音楽好きで可愛がられた記 憶
最初のクラシック音楽 1949 年 (12 歳 ): 中学 1 年 音楽の例 : モーツァルト、アイネクライネ など 装置 : 手巻ぜんまい式蓄音機 特記事項 : 長兄がレコードをもっていた。 – 他にタンゴの類やビングクロスビーの歌など も
最初の音楽の宿題 1950 年 (13 歳, 中学 2 年 ): 夏休みの宿題 – 音楽を 1 曲聴いて感想を書く。下記ロッシー ニ 音楽の例 : 「セヴィリアの理髪師」序曲 装置 : 同じ手巻ぜんまい式蓄音機 特記事項 : レコードが増えた – 「運命」、「田園」、「未完成」 – 「青きドナウ」、「ウィーンの森」、「皇帝 円舞曲」 – ブルーノワルター指揮、ウィーンフィルが多 い
最初の音楽映画「カーネギーホー ル」 1951 年 (14 歳, 中学 3 年 ): 友人同士で話題に 音楽の例 : 「名歌手序曲」(ワルター / NY P) 会場 : 記憶にない。多分浅草の映画館 特記事項 : 全曲か楽章全部 – ワルター、ロジンスキー(運命第 4 楽章)、 ストコフスキー(チャイコフスキー第 5 の第 4 楽章) – ルービンシュテイン(英雄ポロネーズ) – ハイフェッツ(チャイコフスキーVCの第 3 楽章) – 他にジェームス(トランペット), ピンツァ (バス)
最初の演奏会 1952 年 (15 歳, 高校 1 年 ): 野山嘉正君 – 中学以来の友人。国文学者 音楽の例 : ブラームスチクルスの第 1 回 – 大学祝典序曲、第 2 ピアノ協奏曲、第一交響 曲 会場 : 日比谷公会堂 演奏 : 山田和男 / 東京交響楽団、P:園田高弘氏 特記事項 : 先日園田氏が同曲をテレビで演奏 その後、「青少年音楽コンサート」に精勤 – エロイーズ・カニングハムさんが最近死去して話題 に
初めてレコードを買う 1953 年 (16 歳, 高校 2 年 ): レコードは高価 –1 枚 500 円( 78 廻転盤、 8 分程度) 曲目 : ショパン「英雄」(ホロヴィッツ)など – その後, 「皇帝」はすりきれるまで聴いた。 店 : 浅草の「ヨーロー堂」は今も盛業 特記事項 : 「プレーヤー」を購入に(ラジオに つなぐ)。手巻きから解放された。 – このプレーヤーは 78 廻転用だったが, 大学入学直後 に自力で 33 廻転の「LP」も使えるように改造。
最初の無料演奏会: NHK土曜コン サート 1953 年 (16 歳, 高校 2 年 ): 中村孝司君 – 高校以来の友人。消化器科専門医 音楽の例 : 「天国と地獄」序曲 会場 : 日比谷公会堂 演奏 : 高田信一 / 東京フィルハーモニー 特記事項 : この土曜コンサートはよく通った。 – N響にも無料公開があったが、こちらは抽選でほと んど当らなかった。それでN響はあまり聴いていな い。
初めて LP レコード購入 1955 年 (18 歳 ): 大学 1 年生 曲目 : ベ-ト-ベン、交響曲 1,5,8,9 (トス カニーニ /NBC )、2,3,4、 6 (ワル ター /NYP ) – 受験で小遣いが余っていたのかな? 装置:プレーヤーを改造して LP も可能に 特記事項 :2/4 のカップルは当時特別長時間 ( 65 分?)で話題。第 9 はワルター盤も あったが、高価で止めたと記憶。
最初の音楽クラブ 1955 年 (18 歳 ): 大学 1 年生 クラブ : 古典音楽鑑賞会。音楽を聴き語るグルー プ – レコードを無料で借りる( LP は 2500 円、授業料 6 千 円 / 年) 音楽の例 : ドイツリード(ドイツ語に凝った)、 マーラー「大地の歌」( カスリーン = フェリアー / ワ ルター /VPH ) 装置:プレーヤー改造、2A3アンプ(友人の 助言を受けて自作、真価は?) 特記事項 :2004 年はカスリーン = フェリアー没後 50 年とか。
最初の音楽クラブ 1955 年 (18 歳 ): 大学 1 年生 クラブ : 古典音楽鑑賞会。音楽を聴き語るグルー プ – レコードを無料で借りる( LP は 2500 円、授業料 6 千 円 / 年) 音楽の例 : ドイツリード(ドイツ語に凝った)、 マーラー「大地の歌」( カスリーン = フェリアー / ワ ルター /VPH ) 装置:プレーヤー改造、2A3アンプ(友人の 助言を受けて自作、真価は?) 特記事項 :2004 年はカスリーン = フェリアー没後 50 年とか。
初めてピアノを習う 1957 年 (20 歳 ): 医学部に合格して心理的に 余裕ができた。 音楽の例 : ぎくしゃくと何とか弾いたけれ ど – モーツァルトソナタ 330,331 – ショパンワルツ 2 曲 装置 : テープレコーダーを購入 特記事項 : ピアノは結局ものにならなかっ たが、お蔭でタイプのキーが簡単なマス ターできた。
レニングラード交響楽団 本格的なオーケストラの音に驚嘆 1958 年 (21 歳 ): 音楽目録 : グリンカ「リュスラン」、チャ イコフスキーの第 4 交響曲 お膳立て : ガウク指揮レニングラード SPO 、 日比谷公会堂 特記事項 : ムラヴィンスキーの予定が変更。 結局ムラヴィンスキーは聴けないまま死 去。 – プログラムにはモーツァルトの 39 番も載って いる。
初めての小沢征爾 1962 年 (25 歳 ): 医師 1 年目 演目 : シュトラビンスキー、ロイアンダー ソン、ガーシュイン 東京文化会館:仲違いする直前の N 響 特記事項 : 小沢さんの踊るような指揮振り に魅せられた。軽量級のボクシングのよ うか。 – 若い頃の小沢さんは「見て楽しい」指揮者 だった。
初めてのボストン交響楽団 1963 年 (26 歳 ): 渡米直後 演目 : マーラー交響曲 6 番、リハーサル – ラインスドルフ指揮、 会場 : もちろんボストンのシンフォニー ホール 特記事項 : リハーサルは 4 ドル 50 セントだっ たと思う。(均一料金, 座席指定なし)
初めての本格的ステレオ装置 1966 年 (29 歳 ): ボストンから帰国直後 音楽の例 : アメリカから大量の LP を持ち帰 る 装置 : マグネフロート、グレース F 8、山水 のアンプ、トリオのスピーカー(中高音 ホーン) 特記事項 : プレーヤーは、アームを SME に して現用、グレース F 8系は現在も使用。
初めてのウォークマン 1980 年 (43 歳 ) ? : いきさつ : 子供が相次いで中学受験 装置 : ソニーの 2 代目ウォークマン 特記事項 : – 始めは軽蔑していたが、使って見て急速に熱 を入れた。 – パソコンの時代が始まって、再生装置に手が 回らなくなったのも理由。
ウォークマンで気付くこと 音響自体がなかなか良い – 音楽を聴く行為がウォークマン中心になった 語りものの楽しさと有用性 – 落語, 語学, 朗読, 音楽解説など 録音を文章化するのにも有効 欠点、苦手な点 – モノオーラルの音楽が楽しくない – 雑音の多い録音が気になる
最初の音楽? 年 (X 歳 ): 音楽の例 : 装置 : 特記事項 :
最初の音楽? 年 (X 歳 ): 音楽の例 : 装置 : 特記事項 :
最初の音楽? 年 (X 歳 ): 音楽の例 : 装置 : 特記事項 :