2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 早稲田大学理工学部 電気・情報生命工学科4年 神保直史 熱音響管の解析とシミュレーション.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
ActionScript を用いた 新世紀型物理教育のための シミュレーション教材開発 日本物理学会 2005 年春季大会 ePhysics プロジェクト.
Advertisements

スイングバイを行う惑星 探査機軌道の再現 B 上杉耕玄. 目的・研究概要 スイングバイを再現するために 3 次元の運動方程式を ルンゲクッタを用いて解き, 精密な太陽系シミュレー タを作成した. 各惑星とパイオニア 10 号の初期位置と初期速度を打 ち上げの 1 ヶ月後,6 ヶ月後, スイングバイの.
1 関西大学 サマーキャンパス 2004 関西大学 物理学教室 齊 藤 正 関大への物理 求められる関大生像 高校物理と大学物理 その違いとつながり.
宇宙ジェット形成シミュレー ションの 可視化 宇宙物理学研究室 木村佳史 03S2015Z. 発表の流れ 1. 本研究の概要・目的・動機 2. モデルの仮定・設定と基礎方程式 3. シンクロトロン放射 1. 放射係数 2. 吸収係数 4. 輻射輸送方程式 5. 結果 6. まとめと今後の発展.
冷媒回路のしくみ<ヒートポンプを分解すると>
今後の予定 7日目 11月 4日 口頭報告レポート押印 前回押印したレポートの回収 口頭報告の進め方についての説明 講義(4章),班で討論
冷媒回路のしくみ<ヒートポンプを分解すると>
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
大阪大学 基礎工学部 電 子 物 理 科 学 科 エレクトロニクスコース 物性物理科学コース.
定在波型熱音響エンジンにおける 臨界温度比推定のための適応制御系の 安定性に関する実験と理論の比較 長岡技術科学大学
(Fri) Astrophysics Laboratory MATSUO Kei
2009年8月27日 熱流体力学 第14回 担当教員: 北川輝彦.
フィードバック制御に基づく 定在波型熱音響エンジンにおける 自励発振条件の特徴付け
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
超磁歪アクチュエータを用いた キャビテーション発生機構における 機械的特性の解析
本時の目標 電気エネルギーの変換のしくみを理解し、適切な利用方法が選択できる。
課題 1 P. 188 解答 ΔvapS = ΔvapH / T より、 T = ΔvapH / ΔvapS 解答
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
早稲田大学理工学部 コンピュータネットワーク工学科 山崎研B4 大野遙平
新学習指導要領説明会 技術・家庭(技術分野) 内容の数が2から4へ  ・改善の基本方針  ・内容の解説  ・指導計画の作成.
静電気学会のプラズマ研究と 学会連携への期待
定在波型熱音響エンジンの共鳴現象に 対するフィードバック制御の効果 長岡技術科学大学 ☆角島 悠太 小林 泰秀, 山田 昇.
2段式ADR冷却サイクル に関する研究 宇宙物理実験研究室 浅野 健太朗
学籍番号:   氏名:新保尚敬  指導教員:小林泰秀 准教授
高効率・太陽電池 エス・ジー・ケイ有限会社.
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
閉ループ系を安定限界に保持する 適応制御に基づく定在波型 熱音響エンジンの定常発振制御
機械創造工学課程 西久保智昭 担当教員 小林泰秀 准教授
今後の予定 4日目 10月22日(木) 班編成の確認 講義(2章の続き,3章) 5日目 10月29日(木) 小テスト 4日目までの内容
22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
27 共鳴管付ループ管型熱音響冷凍機の製作と ナイキストの安定判別に基づく発振条件の解析
地球惑星物性学1 ( ~) 参考文献: 大谷・掛川著 地球・生命 共立出版 島津康夫著・地球の物理 基礎物理学選書 裳華房
化学工学基礎 −後半の後半− 第1回目講義 (2009年7月10日) 1 担当 二又裕之 物質工学1号館別館253ー3号室
エレベータの振動解析 (ロープ・かご) 富山大学 大学院理工学研究部(工学) 木村弘之 台北101国際金融センター.
連続体とは 連続体(continuum) 密度*が連続関数として定義できる場合
C4 能動騒音制御を用いたループ管熱音響冷却機の製作
DPFのマスモジュールにおける残留ガス雑音の研究II
M-HEXA マイクロ気液熱交換器 東京大学工学系研究科 鹿園研究室 株式会社イワモト 有限会社カンドリ工業 有限会社和氣製作所.
第9章 機械システム設計 ★機械設計では,常に「兼ね合い」が重要! ★機械を「システム」として組み立てる重要性.
学籍番号 廣瀬耕太郎 指導教員 小林泰秀 准教授
背景 課題 目的 手法 作業 期待 成果 有限体積法による汎用CFDにおける 流体構造連成解析ソルバーの計算効率の検証
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
1-1-6 ロバスト能動騒音制御に基づく ループ管熱音響システムにおける 定在波抑制制御の効果
熱音響コアが多段接続された 電力フィードバック進行波型熱音響発電機の 発振条件及び実験
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
ナイキストの安定判別に基づく熱音響システムの自励発振解析における発振余裕と 定常発振状態における圧力振幅の関係
フィードバック制御に基づく 熱音響発電システムの検討
μーTASへの応用を目指した ユリ花弁の吸水に関する研究
振動体の振幅を一定とする 振動発電機負荷のフィードバック制御系の 安定性解析 長岡技術科学大学 ○ 永井 和貴 稲田 千翔之 小林 泰秀
熱量 Q:熱量 [ cal ] or [J] m:質量 [g] or [kg] c:比熱 [cal/(g・K)] or [J/(kg・K)]
超流動デモ実験 低温物質科学研究センター 松原 明 超流動4Heが見せる不思議な世界 ・超流動4He ・スーパーリーク ・噴水効果
過熱水蒸気技術について トクデン株式会社 東京営業所 浦井 弘充 第一高周波工業株式会社 機器事業部 機器開発部 吉村 拓郎 1.
概念設計のステップ(1) 仕様書作成 仕様書の見直し(本質的項目だけに絞る) 全体機能の定義(Input と Outputだけを記述。)
外部共振器型半導体レーザー装置の製作 物理工学専攻 小菅 洋介 (M1) 〔指導教員: 熊倉 光孝〕
研究背景と目的 解析結果・グラフ 解析手法 今後の展望 太陽光模擬の高精度化 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用
研究背景と目的 解析結果・グラフ 解析手法 データベース化結果・今後の展望 データベース化 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用
小規模・自給自足を目指した 熱音響システム
PI補償器の出力を時変係数とする 定常発振制御系の安定性解析
ガスセンサーの製作 [応用物理研究室] [藤井新太郎]
・Bernoulli(ベルヌーイ)の定理
電子物性第1 第10回 ー格子振動と熱ー 電子物性第1スライド10-1 目次 2 はじめに 3 格子の変位 4 原子間の復元力 5 振動の波
31 ループ管熱音響システムにおける管内圧力計測系の製作 機械創造工学課程 梅本康平 担当教員 小林泰秀 准教授
How shall we do “Numerical Simulation”?
振動体の振幅を一定とする 振動発電機負荷のフィードバック制御 長岡技術科学大学 ○ 永井 和貴 齋藤 浄 小林 泰秀
第39回応用物理学科セミナー 日時: 12月22日(金) 14:30 – 16:00 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
エアリード楽器および音響機器における大規模音響流体解析
シミュレーション論Ⅱ 第2回 モデル化の手法.
臨界温度比推定のために熱音響エンジンを 定常発振させる時変ゲインを用いた 定エネルギー制御系の安定性解析
熱伝導方程式の導出 熱伝導:物質の移動を伴わずに高温側から低温側へ熱が伝わる現象 対流、輻射 フーリエの法則Fourier’s law:
Presentation transcript:

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 早稲田大学理工学部 電気・情報生命工学科4年 神保直史 熱音響管の解析とシミュレーション

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 研究内容 「レイケ管」と呼ばれる熱音響管を解析す る

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ レイケ管とは? レイケ管 (Rijke tube) 1859 年,オランダ人のレイケにより報告された現 象. ①パイプの中に金網を入れ ②その金網をバーナーで加熱 ③十分過熱したところで加熱を止める ④大きな音が鳴り始める ⇒簡単に出来る熱音響現象 実際にやってみます。

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 熱音響とは? ① 音響学では、一般的に「断熱」として考え る しかし、狭い空間を伝播する音波は 熱伝導や粘性効果の影響を受ける つまり、 熱⇔音波 の変換が無視出来なく なる

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 熱音響とは? ② 熱によって音が出る場合 熱い 冷たい 高温 低温 温度 ↑ 温度 ↓ 温度 ↑ 温度 ↓

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 過去の研究内容 山崎研での研究内容 – 自然エネルギーを駆動源とした熱音響システム, 水 野,2005 – 熱音響現象を用いた水の生成, 井田,2005 – 多様な共鳴現象を利用した騒音制御, 劉,2004 – 音を駆動源とした熱音響システム, 柳,2003 ⇒ 音波⇒熱 が主なテーマ

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 研究の目標 熱音響管から大きな音を出す

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ 研究の概要 レイケ管の解析 (物理的解明) より効率良く 大きな音を出せる 廃熱の有効利用 新しいエネルギー としての可能性 環境問題の 解決へ どのような管で どのような音が 出るか? 解析に 基づいて 太陽だけで 音が出る 太陽光を用いた 冷房とか レイケ管を実際に製作する レイケ管内のシミュレーションを する

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ レイケ管の実作① レイケ管を作る材料 – ステンレスパイプ+金網 → 簡単に現象を確認可能 – 強化ガラス管+金網 → 内部の観察が容易 レーザーでの解析も可能 – ステンレス太管+スタック → 大きな音を得られる 内部を加圧させる事も可能 → 音の持続が難しい → ガラスが高温に耐えられない → 熱を伝えるのが難しい

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ レイケ管の実作② 加熱方法 – ガスバーナー ⇒簡単に高温になるが高温を持続させに くい – ニクロム線 ⇒ショートしやすく加熱が難しい – 不導体で加工された電熱線 ⇒温度調整が容易,ショートもしない – パラボラ・虫めがね ⇒高温が可能,管内を温めるのが難しい

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ レイケ管のシミュレーション① 先行研究 –Stirling engine nodal analysis program (Schock,A., “Stirling engine nodal analysis program,” Journal of Energy,1978) スターリングエンジンの数値シミュレーションに用 いら れる解析手法. ※野川らが,熱音響管の解析に応用. ( Nogawa, M., Shu, S., Inoue, T., Numerical simulation analysis of thermal acoustic generator, 日本機械学會論文集, ) この方法を、より簡単なモデルにし、 製作したレイケ管に合わせてシミュレー ション

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ レイケ管のシミュレーション② 用いる基本式(定義式) 圧力 体積流量 質量流量

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ レイケ管のシミュレーション③ 用いる基本式(保存式) 質量保存式 運動量保存式 エネルギー保存式

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ レイケ管のシミュレーション④ 保存式において時間変化を考える 質量保存式 運動量保存式 エネルギー保存式

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ レイケ管のシミュレーション⑤ 計算に関して 時間変化を考えた差分式を使用 両端は大気圧,室温により,常に一定と仮定 網部分の温度が急激に上昇したとして計算開始 i+1 i i-1

2007/01/27 - 卒業論文合同発表会 - ♪ むすび 様々な管において、 熱から音に変わる現象が確認出来た。 計算機シミュレーションによって、 レイケ管内の動きをシミュレーション する 可能性を示した。