交通システム 東京大学交通ラボ:「それは足からはじまっ たーモビリティの科学」,技報堂出版, 2000. 人間は「交流する動物」であ る 交流という人間の本質的な活動に伴って生じ る人や物や情報の行き来 <交通> <交通システム> 交通を支える技術的・制度的なしくみ.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
配送計画システム. 輸送計画問題 生産計画在庫管理オーダー 輸送計画 輸送需要 配送計画 幹線輸送計画 積載計画配車計画 運行計画 作業計画 物流拠点 工場 需要地 物流拠点 工場 販売店 顧客 品種・量 納期制約 オーダー 在庫制約 拠点間の 長距離輸送 月間・週間計画 デポを中心とした 区域配送.
Advertisements

電子制御設計製図Ⅰ 第一回 担当教員: 北川輝彦 2015 年 4 月 7 日. 電子制御工学の概要 コンピュータ 自動車 航空・宇宙 医療機器 情報 / 通信 ネットワーク ロボット 電子機器 電気 知能化システム 環境機器 電子 機械 情報 制御 計測 実験・実習.
社会システム論 第 1 回 システムとは何か 大野正英 経済学部准教授. この授業のねらい 現代社会をシステムという視点から捉 える。 社会の複雑さをシステムというツール を用いることによって、理解する。
身の回りの IT 情報科教育法 後期 10 回 2004/12/18 太田 剛. 目次 1. 最終提出の確認 2. ルータの説明 ( 先週の続き ) 3. 身の回りの IT 1/8 の授業は情報科教員の試験対策です。
経済の仕組みと経済学. 経済学とは 「経世済民」経済 世の中を治め、民の苦しみを救うこと 人々が幸せに暮らすためのしくみでありその活動 = 経済学とは: 「希少な資源を競合する目的のために, 選択・配分 を考える学問」 2.
経営科学概論 ( 2013 年度~入 学) 経営科学Ⅰ (~ 2012 年度入学) 経営学系 山下英明 3 号館 4 階 413
☆京都版エコポイントシステム(仮称)のねらい 次の2つの仕組みが自立・循環し、 CO2 削減に貢献する京都発の社会経済システ ム 1. 家庭の CO2 削減の取組を促進させる仕組み 2. 家庭と企業との連携によって地域全体の CO2 削減を促進させる仕組み 企業の経済活動 家庭の CO2 削減を購入.
1 ネットワークでかわる社会 第1節 社会で利用されている情報シス テム 情報 プレゼン用資料 ( C401 ) 第2章.
情報システム演習 Bコース紹介 2009 /10/15 情報システム学科 情報システム演習 2 担当:小宮山智志 この資料は、小宮山のホームペー ジから閲覧できます。
曹研究室 紹介 生産物流研究室 Keio University SCM and Logistic Lab Slide 1.
ケース研修( No.1-12 :問題分析) 1.問題分析・・・プロジェクト計画を作成する上で問題となる事項を洗い出す(検討後にも追加する) 分 類 Ⅴ.解答シート 問 題 点原 因解 決 策.
卸売流通 卸の変化 1. 卸売業とは 生産者や同業者から商品を仕入れ同業 者や小売業者へ販売する業者 消費者は販売の対象としない メーカと小売を結ぶ結節点 集荷分散機能・在庫調整機能を持つ 2.
海上コンテナ輸送における 船社戦略についての検 討 流通情報工学課程 99760 増森 大輔 指導教官鶴田 三郎 黒川 久幸.
夢の車! 自動運転車 名古屋学院大学 伊沢ゼミ 北村邦彦 清水大靖.
第2章 経済生活とビジネス 1 経済のしくみとビジネス 5秒間待つか,クリックすると次の画面に変わります。
トラック事業の現状と課題.
SCMとトヨタ生産方式を比較する 再編 ∞Infinity
初級ミクロ経済学 -生産者行動理論- 2014年10月20日 古川徹也 2014年10月20日 初級ミクロ経済学.
経済学A ミクロ経済学(第4回) 費用の構造と供給行動
 授業を設計する(その4) 情報科教育法 後期5回 2004/11/6 太田 剛.
デマンド交通(予約型乗合交通)って どんなもの?
社会基盤保全工学 ガイダンス コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
2017/3/14 サプライ・チェイン最適化 東京海洋大学 久保 幹雄.
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
SCMのためのITマネジメント 先端的グローバル・ビジネスと ITマネジメント
土木計画学 第11回(12月21日) 土木計画と説明責任 計画における代替案の作成1 担当:榊原 弘之.
土木って何? コンクリート工学研究室 岩城 一郎
第10回 追加資料:物流関連法規 【労務・調達関連法規】 ・労働基準法( 最低基準 の労働条件を定めた法律;週40時間制等)
経済・経営情報コース コース紹介.
配送計画最適化システム WebMETROご紹介
「次世代モビリティパワーソース研究センター」 研究内容紹介
名古屋市の自動車から排出される CO2を削減するには
新幹線を用いたモーダルシフトの 可能性に関する研究
経営情報論B⑩ 情報技術と組織革新①(第9章).
ITS(高度道路交通システム)とは何か?
スポーツ経営学 第4回目 スポーツ経営学の特徴.
物流への興味向上のためのVRを用いた近未来流通センターの構築
2010/04/8 情報システム学科 情報システム演習1 担当:小宮山智志
シミュレーション論 Ⅱ 第15回 まとめ.
経済学とは 経済学は、経済活動を研究対象とする学問。 経済活動とは? 生産・取引・消費 等 なぜ、経済活動を行うのか?
フィールドセンシング Field Sensing Technologies
応用社会システム計画 (第10回) ここで、学習すること 学籍番号: 氏名: ■これまでの講義内容の整理 ■計画問題の設定と手法
公共経済学(06,04,28) 公共財1.
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
佐 藤 英 人 2011年2月10日 序章 地理情報科学概論 3.GISの構成要素 佐 藤 英 人
貨物利用運送事業について.
平成19年度青年部会「第2回~第4回研修会」(人材育成研修会)実施計画書
管理的側面 管理者に必要な経営知識 経営学の基本 ②環境と戦略と競争優位.
担当者: 河田 正樹 年度 管理工学講義内容 担当者: 河田 正樹
社会基盤保全工学 ガイダンス コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
ユビキタス・コンピューティング に関する研究紹介
第1回 商法Ⅰ.
ロードプライシングによる環境に優しい街づくり
3.阪神高速のITS (1)日本のITS 国土交通省ホームページより.
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
中間発表 MIRS1704 .
ナップサック問題 クマさん人形をめぐる熱いドラマの結末.
社会と情報 社会における情報システム 理科領域専攻2回 161187 黒塚祐貴.
配送計画最適化システム WebMETROのご紹介
シミュレーション論 Ⅱ 第1回.
システムズシミュレーション 樋口良之 主な研究分野 予定卒論テーマ 履修しておいてもらいたい科目 アピール
サプライ・チェインの設計と管理 第5章 ロジスティクス戦略 pp 米国出版販売(ベーハン)のケーススタディを読んでおくこと!
サプライ・チェイン最適化における モデリングについて
担当者: 河田 正樹 年度 管理工学講義内容 担当者: 河田 正樹
平成31年度 自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築に関するプロジェクト 企画提案書
都市・港湾経済学(総) 国民経済計算論(商)
ソーシャルコミュニケーション研究室 仲谷 善雄.
貨物利用運送事業について.
経済学入門 ミクロ経済学とマクロ経済学 ケインズ経済学と古典派マクロ経済学 経済学の特徴 経済学の基礎概念 部分均衡分析の応用.
Presentation transcript:

交通システム 東京大学交通ラボ:「それは足からはじまっ たーモビリティの科学」,技報堂出版, 人間は「交流する動物」であ る 交流という人間の本質的な活動に伴って生じ る人や物や情報の行き来 <交通> <交通システム> 交通を支える技術的・制度的なしくみ

<モビリティ> 交通システムによって規定される、交 流のしやすさの善し悪し より高いモビリティを希求することは、 人間社会の本源的な欲求の一つといえ る 交通システムに関する「四つの疑問」に答 える (1)どうやって動かすか? (2)どうやって計画・制御する か? (3)人間はどう行動するか? (4)社会のなかでどう機能する か?

(1)どうやって動かすか? 交通システム成立の基礎 「動力」「抵 抗」 (2)どうやって計画・制御する か? 交通システムの安全性を確保し、実用的な 交通システムを実現するうえで不可欠 ・車両や航空機など単体の制 御 ・交通システム全体の計画と制 御 (3)人間はどう行動するか? ・利用者や操作者としての人間の行動 ・そうした行動を踏まえたマンマシンの 設計

(4)社会のなかでどう機能する か? ・環境という側面からの交通技術 ・交通システムと社会とのさまざまなインタラ クション ・交通プロジェクトの効果・影響 ・本文で用いる一般的な意味での「交 通」 <「交通」に関する用語につい て> communication ・「交通」の一部である情報 通信 telecommunication ・何かを運ぶという意味や、それに関連した概念 や量 transport( 英・仏 ) transportation( 米 ) ・人や車などが行き来する状態や量に関連した概 念 traffic

<交通システムの進化のモーティベーショ ン> ・もっとたく さん ・もっと 速く ・もっと遠く へ ・もっと廉価 に <交通システムに対する社会的要請の進化> ・もっと安全 に ・もっと楽し く ・もっと快適 に ・もっと美し く ・もっと人に、環境に優しく

<交通システムの構成要素> 最も原始的な交通システム: 足と道 足に相当するもの:「交通 具」 道に相当するもの:「交通インフラストラク チャー」 交通システムを構成する最も基本的な二大要 素 交通具:「入れ 物」 自転車、自動車、鉄道車両、船舶、航空機な ど 交通インフラストラクチャー:交通路や交通ター ミナル 道路や鉄道線路、航路や航空路、駅や空 港、 バスターミナルやトラックターミナル など

運行制御:交通システムをより効率的かつ安全に 運用 鉄道の列車計画や運行管理、道路の信号制御、 ITS (Intelligent Transport System ) 技術、航空交通官制な ど 営業:交通システムを商業的に運 営 運賃・料金の体系、その徴収システム、座席 予約システムや顧客管理、マーケティング活 動など 交通システムの構成要素: 要素1:交通具(あるいは、輸送具、運搬 具) 要素2:交通インフラストラクチャー 要素3:運行制御 要素4:営業システ ム

交通システムは、交通というサービスの供給 を支える技術的・制度的なひとまとまりのし くみ <交通にかかわる古典的な学問領域 > 交通システムにかかわる狭義の技術的分野 交通具:機械工学系や電気工学系 交通インフラストラクチャー:社会基盤工 学系 (土木工学 系) 運行制御:電子工学系 交通経営や交通政策:従来は経済学や商学 現代は社会基盤工学や都市工学も進出 その他にも心理学や教育学、医学、林学なども関 連 現代ではこうした古典的な学問領域の境界を 云々する意味は小さい

<交通サービスの市場> 交通システム:「交通サービスの供給システ ム」 「交通サービスの需 要」 本源需要:交通サービスの消費そのものを楽 しむ ヨットやバイクのクルージングとか、鉄道 マニアの乗りつぶし旅行など 派生需要(連動需要):他の経済活動と連動 して発生する需要(交通サービスに対する大 方の需要) 財やサービスの生産、流通、消 費 物(原料、製品)の輸送、人(労働力) の輸送(通勤)や業務打合せ、観光など

東京大学交通ラボ:「それは足からはじまっ たーモビリティの科学」,技報堂出版, 目 次 プロロー グ 第 I 部 ものから捉えた交通 第1章 推進力を得るしくみ エンジン、モータなど 第2章 抵抗を減らす・抵抗を生 かす 空気抵抗、摩擦など 第3章 ビークルの運動 サスペンション、姿勢安定、最適制御など

第4章 交通システムを計画しうまく動かす方 法 信号制御、列車群運行計画、 ITS など 第5章 モビリティと環境保全技術 環境問題、電気自動車、燃料電池車、騒音対策な ど 第 II 部 人と社会から捉えた交 通 第6章 人間行動のメカニズムと交通 第7章 安全・安心なシステム 設計 マンマシン系、運転シミュレータ など 第8章 交通と社会のインタラク ション 第9章 交通プロジェクトを評価す る エピローグ 環境、情報技術

本講義の内容 交通システムの設計・計画・運用のための方法 論ならびに鉄道、道路等の個々のシステムにお ける具体的問題や手法について説明する。 <情報技術の社会への応用> ・対象(分野・システム)を理解す る ・技術(手法・方法論)を理解す る (交通システムを対象とした計画数学の事例紹 介)

<最適化の概念> 最適化すべき問 題 数学モデル 変数,数式 数理計画法 定められた計算手 順を用いて解くた めの方法論

輸送ルート計画 運用ルート計画 車両割当計画 ルート候補の作成 輸送ルート決定 運用ルート決定 ルート候補の作成 割当可能性判定 最適割当 知識ベース シミュレータ 集合分割モデル マッチングモデル 知識ベース 集合分割モデル 最小費用循環流 知識ベース 割当問題

生産計画在庫管理オーダー 輸送計画 輸送需要 配送計画 幹線輸送計画 積載計画配車計画 運行計画 作業計画 物流拠点 工場 需要地 物流拠点 工場 販売店 顧客 品種・量 納期制約 オーダー 在庫制約 拠点間の 長距離輸送 月間・週間計画 デポを中心とした 区域配送 輸送需要の 車両への割付け 車両手配 輸送ルート 車両運用 荷積・荷卸作業 容量・時刻制約

ITS (Intelligent Transport Systems) 「高度道路交通システ ム」 (1) ナビゲーションシステムの高度化 (2) 自動料金収受システム (3) 安全運転の支援 (4) 交通管理の最適化 (5) 道路管理の効率化 (6) 公共交通の支援 (7) 商用車の効率化 (8) 歩行者等の支援 (9) 緊急車車両の運行支援 ( 全体構想: 1996 年 )

新物流情報システムの構成 カーPC 通信 サーバ DB サーバ 運行管理端末実績管理端末 配車計画端末 < 物流センター > <車両> GPSPCナビ

新物流情報システムの特徴

配送計画の結果画面例 ( 車両割当 )

第1回 概論 交通システム,交通システムの情報化 第2回 鉄道システム,列車運行管理システム 第3回 鉄道システムにおける設計・計画・運用問題 第4回 問題解決の事例紹介 第5回 道路交通システム,交通流制御,スケジュー リング 第6回 ナビゲーションシステム,高度道路交通シス テム 第7回 問題演習 第8回 物流システム,物流情報システム 第9回 配送計画システム <シラバス>

第 10 回 航空システム,搬送システム,エレベータ 群管理 第 11 回 鉄道システムにおける情報化 第 12 回 道路交通システムにおける情報化 第 13 回 問題演習 第 14 回 必要に応じて,補足と復習を行う 学習・教育目標 1. 交通システムについて理解する. 2. 交通システムの情報化について理解する. 3. 今後の交通システムについて理解する.

<アンケート > 今後の授業の内容・進め方等について どのようなことに興味がある か ・どのようなことを知りた いか ・どのような話を聞きた いか 本講義を受講しようと思った動 機 ・漠然としたものでもよい(単位が必要だから 等でも) 授業の進め方等についての要望があれば ・数学はあまり使ってほしくない、 とか ・逆にもっと手法を詳しく説明してほしい、 など