事例で振り返る JICAの非メインストリーム事業 ~ 調査・研究 を通じて国際貢献~ DC開発フォーラムワークショップ 2015年11月24日 18時30分~19時45分 The World Bank, Washington DC 敦賀 一平(Ippei Tsuruga) 国際協力機構 アメリカ事務所 (JICA USA Office) Web:ippeitsuruga.comippeitsuruga.com
非メインストリーム事業とは? どれがメインか決まっていませんが・・・ JICA法 13条(業務の範囲) 1項 1項 1号 技術協力 2号 有償資金協力 3号 無償資金協力 4号 国民等の協力活動 5号 海外移住 6号 緊急援助物資の備蓄・供与 7号 人材養成確保 8号 調査・研究(上記関連) 9号 附帯業務(上記関連) 2項 緊急援助隊派遣等 3項 受託業務
調査・研究マネジメントのJICA人生 メインストリーム事業担当になる日はくるの? 2004-08香川大学法学部 2008-09英国サセックス大学(IDS)貧困・開発修士 2009-10ILOカンボジア事務所 2010-12JICAアフリカ部 2012-14JICA研究所 2013-JICA社会保障KMN 2014-JICAアメリカ事務所
調査・研究がJICAの未来を担う JICAの判断で柔軟な運用ができる 早い 省庁間の調整・合意が必ずしも必要ない 国際約束が不要 柔軟 担当企画も多い、新しい試みも 発信 「日本の開発援助は見えない」の克服 連携 可能性は∞(民間・シンクタンク etc.)
直感でわかるJICAの調査・研究 細かい話はしません、できません・・・ 60年に1度、アフリカの角大干ばつ緊急調査 21年ぶりソマリアで活動再開 JICA史上初、ケニア保健・社会保障調査 有名人と共同研究で発信力にテコ入れ BOP調査3件で官民連携
出所:国連人道問題調整部
アフリカの角大干ばつ緊急調査 2011年夏、「来週からソマリア国境ね」 ポイント早い × 発信 調査団2名(職員) 期間1週間 半年で案件開始(最速?) 目的ニーズ調査、緊急支援方針策定
出所:英国国際開発省
成果 アフリカの角大干ばつ緊急調査-2011年 成果中長期支援パッケージ40億円策定 牧畜民支援にODA36億円アフリカ東部へJICA(産 経:2012年1月27日) 「アフリカの角」干ばつ危機に対する中長期的な取 り組みを開始(JICA:2012年4月27日) 「アフリカの角」干ばつ危機に対する中長期的な取 り組みを開始 北部ケニア干ばつレジリエンス向上のための総合開 発及び緊急支援計画策定プロジェクト(JICA) 北部ケニア干ばつレジリエンス向上のための総合開 発及び緊急支援計画策定プロジェクト
余談(おまけ) アフリカの角大干ばつ緊急調査-2011年 難民支援の3つのポイント 難民は帰ることが前提 ホストコミュニティの負担軽減 寄付金は難民に集まり、ホストコミュニティには集 まらない ※参考 ソマリア難民支援から難民問題とホストコミュニティの負担を考える (The Povertist:2015年9月19日)
21年ぶりソマリア国内で活動再開 日の丸タッグのコーディネーター役
ポイント連携 × 柔軟 問題 JICA関係者が事業展開できない地域 メインストリーム支援できない国(政府未承認) 国際機関 × 中小企業(BOP) × ソマリア
モガディシュの国内避難民を対象 清潔で安全な水供給のための調査 活動地域 首都モガディシュ近郊の国内避難民居住地区 実施団体 国際移住機関(IOM) 活動内容(パイロット事業を通じた検証) 給水分野における暫定連邦政府や開発パートナーの 能力向上手法の検討 衛生的で安全な水をより効率的に供給する方法の検 討 国内避難民に対する衛生に関する意識向上活動の実 施方法の検討
モガディシュ近郊の国内避難民を対象に衛生に関す る意識向上活動を実施し、効果の検証を行う。 国際移住機関(IOM) 提供
安全な水の効率的な供給方法の検証の一環で、日本 の技術(凝集剤)が活用されている。 国際移住機関(IOM) 提供
21年ぶりソマリア国内で活動再開 日の丸タッグのコーディネーター役 目的 「日本の技術を生かした持続的かつ効果的な給水・衛生 事業の可能性を検証し、提言をまとめること」 IOMへ調査委託して国内避難民へ水供給 ソマリア国内で事業展開 × 政府承認不要な調査
21年ぶりソマリア国内で活動再開 日の丸タッグのコーディネーター役 成果ソマリア支援再開への狼煙 ソマリア共和国内における活動を21年ぶりに再開 ソマリア共和国内における活動を21年ぶりに再開 (JICA:2012年01月17日) 日本の浄化剤ソマリア避難民支援 (産経:2012年7月30日) IOMは、日本政府の資金でスケールアップ IOMは、日本政府の資金でスケールアップ
JICA史上初、保健×社会保障調査 ケニアへの支援戦略を180度転換 調査団10名(職員6名+コンサル4名) 期間2週間~1ヶ月(2012年2月) 目的プログラム・支援方針転換 JICAの支援は貧困層へ届いているのか? 保健システムへのアクセスは?(料金・社会保障)
Rich Better- Off Poor Poorest National Hospital Insurance Fund Premium Subsidy Fee Waiver Cash/In-Kind Transfers Health Voucher Fee Reduction Private Insurance Universal Coverage Existing Schemes in Demand-side Financing ~貧困層のアクセスを促す試み~ ■ カバレッジ 18% (2012 年 ) ⇒ 72% (2019 年 ) 被扶養者: 660 万人 (2010 年 ) 制度改革中 ■ 保険料(入院のみ) フォーマル: Ksh インフォーマル: Ksh 160 ■ 財源 保険料 + 投資回収益 NHIF
成果 ケニアへの支援戦略を180度転換 成果感染症対策からUHCへ支援戦略転換 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成のための 保健セクター政策借款(JICA:2015年8月18日) ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成のための 保健セクター政策借款 アフリカ地域で同様の調査を実施し、UHCがJICAの 保健戦略の主軸に。
世界的権威との共同研究 なぜ、どうやって? なぜ? JICA事業・知見が可視化・引用される(英語) 有名機関を通じて発信できる (国連総会、TICAD、AfDB総会、DCセミナー etc) どうやって? 各自論文持ちより、執筆者会合2回、書籍化、発表会
世界的権威との共同研究 有名人と共同研究で発信力にテコ入れ ブルッキングス研究所 The Last Mile in Ending Extreme Poverty コロンビア大学(IPD) Industrial Policy and Economic Transformation in Africa サセックス大学(IDS) Growth is Dead, Long Live Growth: The Quality of Economic Growth and Why it Matters センテニアル社 AFRICA 2050: Realizing the Continent's Full Potential
官民連携・BOP調査 年2回募集、プロポーザル評価、事業化は各自 協力準備調査(BOPビジネス連携促進) 目的 開発途上国でのBOPビジネスを計画している本邦法人からの提案に 基づき、ビジネスモデルの開発、事業計画の策定、並びにJICA事業 との協働事業の可能性について検討・確認を行うもの。 対象事業 ミレニアム開発目標(MDGs)をはじめ開発課題の改善に資する事 業、また、JICA事業との連携により更なる開発効果が期待できる事 業 調査費用 調査に必要な費用のうち1件あたり5,000万円を上限(消費税を含 む)とする。(中小企業は上限2,000万円もしくは5,000万円のい ずれか選択可能) 調査期間最大3年間程度 調査範囲 投資環境・ビジネス環境、事業計画、事業化により改善されるべき 開発課題に関する状況、BOPビジネスと連携して行うべきJICA事業 の内容に係る提案 出所:国際協力機構国際協力機構
官民連携・BOP調査 担当案件は? 住友化学株式会社(ケニア:2010年) 防虫関連製品の貧困層向けビジネスモデル構築 三洋電機株式会社(ケニア:2010年) ソーラーランタンBOPビジネス適合調査 会宝産業株式会社(ナイジェリア:2011年) BOP層が参画する環境配慮型の自動車リサイクルバ リューチェーンの構築事業準備調査
官民連携・BOP調査 ポイントは? JICAと営利企業の感覚の違いを埋めること 貧困層のために VS 貧困層から利益を 地方の中小企業が社運を掛けるチャンス 「海外業務に不慣れ」をコンサル・NGOが補填
Q & A