MiniTAO 1.0m 用赤外可視同時 撮像カメラ ANIR 本原顕太郎(東京大学天文学教育研究センター) 他 TAO プロジェクトチーム.

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miniTAO 1.0m 用赤外可視同時 撮像カメラ ANIR 本原顕太郎(東京大学天文学教育研究センター) 他 TAO プロジェクトチーム

 TAO : The University of Tokyo Atacama Observatory  A 6.5m IR/Optical telescope  At the highest site on the world (18500ft)  Led by Institute of Astronomy, University of Tokyo TAO Project

 One of the peaks at the Chajnantor plateau  At the northern edge of ALMA concession  Altitude of 5640m (18500ft)  S 20deg/W 30deg Co. Chajnantor

 Very low water vapor  High transmittance in the infrared  Good seeing  Excellent weather(~90% clear fraction) Good Conditions continuous window in the NIR New windows at 30 um ATRAN simulation PWV=5mm PWV=1mm PWV=0.5mm

 A pathfinder telescope  R-C Cassegrain telescope  Focal ratio F/12.0  FOV φ10 arcmin  Two facility instruments  near-infrared camera ANIR  mid-infrared camera MAX38 Installed at the summit in 2009 Existing Facility : miniTAO 1.0m

Now Seen in Google Earth,

in Wikipedia,

… and Certified as Guinness World Record

ANIR : Atacama Near InfraRed Camera

  検出器は MUX  フィルターボックスなし   ファーストライト  問題点の洗い出し  検出器読み出しクロック  ダイクロイックミラー設定 試験観測@かなた

Pa  気 窓  Paschen-  accessible

 感度  NICMOS/HST と同等  大気透過率 ~ 50%  ただし、観測できない視線速度がある NICMOS/191sec ANIR/1080sec SgrA Region

 Median seeing < 0.8”  Clear fraction > 80%  Low PWV < 1mm typical  Lower than ALMA site Good Observational Condition Atmospheric Transmittance 5100m (mm)

 HAWAII-2 : Engineering Grade/ ハワイ観測所から貸与  デュワー : フィルター試験デュワーの流用  温度計、真空計 : 出世払い  光学系 : オフナー光学系、実費のみ 購入品 (>\1M)  冷凍機  フィルター  可視チャンネル CCD カメラ 寄せ集め観測装置

 miniTAO は GRB フォローアップに理想的  良好なサイト!  日本の南天の穴 (20S, 70W) を埋められる!  近赤外線同時観測で dark burst の迫れる ANIR に可視ガイダーを作るお金が欲し い!  フレームあたりの積分時間 >120sec  望遠鏡のトラッキング性能が未知数  河合特定領域・公募研究 ANIR に可視チャンネルを付けた い 不純な動機だった

Optical Channel of ANIR 望遠鏡取 り付け用 フランジ デュワー取り付け用フランジ

 Optical focus stage  FLI CCD Camera with USB IF  Proline PL MB  Controlled from a Linux PC  Filter Wheel Box Included  DM on a retractable stage 可視チャンネルレイアウト

 71mm x 50mm  赤外チャンネルは Y-band(1μm) まで  製造候補は  日本真空  朝日分光 (MITSuME の実績 )  収束光内に入れるため、非点収差が 出る ⇒ 46.8 分角のウェッジ Dichroic Mirror

 E2V BI CCD  1056x1027 format  RON=14e-/pix rms   m  BVRI  Slitless Grism  0.30”/pix, 5’x5’ FoV  既製品レンズの組み合わせ Optical Channel Specifications

 視野外周にはコマ収差が残 る  I-band は色収差でフォーカ スがずれる Performance of Optical Channel I

Slitless Grism Spectroscopy  R~30  ANIR のみで z<6 の GRB であれば同定可能  ただし、非常に初期の観測が必要 NGC1068 – J-band NGC1068 – Grism 0 th order 1 st order [OIII] H  +[NII] 6563

High I-band  16.6mag/ □ ”  原因は可視光学系鏡筒の内部散乱?  黒色アルマイトは >700nm で光る

 内部塗装を行った  黒アルマイト⇒トビカトップガード  I-band の背景放射が激減  16.6mag/ □ ” ⇒ 18.1mag/ □ ”  まだ明るい (Typical 20 mag/ □ Improvement of Scattered Light

 赤外チャンネルの結像には影響しない  はずだった … Image Quality in Infrared Channel

 Cross-shaped PSF  回転しないので、スパイダー起源ではない。  イメージサイズが 1” 以下にならない  ポインティングが変わると形状が変動することも ある  DM の問題ではないことは確認  測光精度には問題ないことも確認 Strange Image Profile of NIR Channel

 システム効率は 10% ほど低くなる  限界等級で 0.05mag 程度の減少 Efficiencies of Simultaneous Infrared Imaging

Limiting Magnitudes  600sec, 5 , 1.5”aperture  I-band のみまだあまりよくない。  Background がまだ高い  黒アルマイト加工が原因と思われる Band (  m)F (  Jy) Mag(AB) Y J H KSKS Band (  m)F (  Jy) Mag(AB) B V R I0.79(5.5)(22.0)

 GRB フォローアップ  特に、可視赤外同時撮像により SWIFT-UVOT による可視残 光が同定出来なかったもの  High-redshift? / Dusty environment?  AGN ダストトーラスエコー (Minezaki et al.)  可視・赤外のダストトーラスエコーで BH 近傍の降着円盤 構造  MAGNUM の続き  超新星サイトの metallicity (Kuncarayakti et al.)  母銀河の星形成クラスターの SED … Simultaneous Imaging Science Targets

GRB フォローアップ観測  これまでに 6 回の GCN 報告  GRB A: miniTAO/ANIR NIR observations : GCN12437  GRB A: miniTAO/ANIR NIR observations : GCN12420  GRB A: miniTAO/ANIR NIR detection : GCN11379  GRB A: miniTAO/ANIR NIR upper limits : GCN11362  GRB A: miniTAO/ANIR NIR upper limits : GCN11356  GRB : miniTAO/ANIR observations : GCN10047  1 ランあたりすくなくとも 3 回くらい観測している。  晴天率が非常に良い

GRB フォローアップ例 (1) Y= ± 0.14 J = ± 0.14 H = ± 0.20 Ks = ± 0.07 B= ± 0.13 V= ± 0.06 R= ± 0.05 I= ± 0.09

 GRB111005A  No Detection  西の空高度 20 度以下の観測  それでもシーイング 1arcsec!  GRB111008A  爆発後 6hr で観測開始  JHKs detection!  J = /  H = /  Ks = /- 0.17,  Z= / miniTAO で観測した最遠方天体  GROND は近赤外では検出できず。 GRB フォローアップ例 (2) J H Ks

 Minezaki et al. 近傍 AGN モニター

 可視データパイプライン  近赤外チャンネルのものの流用  Distortion 補正まではテンプレートで行える  2MASS 星で WCS を設定して Shift&Add をしているので 安定しない  可視チャンネルのキャリブレーション  ANIR システムでのフラックス原点出しや color term な どの測定は殆ど行われていない  積極的なユーザーを募集中  年間2ヶ月程度の運用しか行えない 現在の課題

 miniTAO 用赤外可視同時撮像 ANIR  シーイングも晴天率もいい  ただし、年間~2ヶ月の運用  可視赤外同時撮像  赤外チャンネルの星像が悪化する問題あり  可視のスリットレス分光も可能  GRB などのフォローアップを行なっている まとめ

High Altitude Problems  高山病  集中力低下  疲れやすい  イライラする ⇒ 酸素吸入ルール ( でも酸素分圧はマウナケア (4200m) 程度 )  機器の不具合  HDD が簡単にクラッシュ ⇒ 加圧式ハードディスク容器:失敗 ⇒ USB メモリキー ⇒ 現在は SSD で運用  放熱トラブル  静電気  電源トラブル(電解コンデンサ?)

Base Facility at San Pedro de Atacama  土地購入 (15,000m 2 )  500m2 観測施設( 2012 年度建設予定)  Observation room : Remote Observation  Laboratory : Maintenance of Instruments, Telescopes  Several Bedrooms : for observers

WiFi Network between Summit and SPA The base facility at SanPedro de Atacama The miniTAO telescope at Co. Chajnantor (hardware setup completed in March 2011)

The WiFi System Setup The summit LANThe base LAN L3 switch Regular use Backup use The Wireless LAN bridgeJRL-710 (JRC, Japan) The AntennaNZA-666 (1m-Parabola; JRC) The radio frequency2.4 GHz (IEEE802.11a/b/g) The throughput5 Mbps 常用系と予備系の 2 系統 常用が落ちると自動で予備に切り替わる

遠隔観測  山頂は完全無人、もしくは ただ見ているだけ  天候チェック  ドーム内状況チェック  観測開始 (随時天候等確認)  観測終了  装置・望遠鏡を終了状態に  ほぼ日没~日の出まで観測  たまにトラブルが発生すると緊急登頂 望遠鏡、ドーム制御の安定化が課題 山麓観測小屋 観測の様子

 ANIR の観測に興味の有る方はご連絡ください  観測  サイエンス提案のみでも まで 最後に