未来の脳科学に挑戦 する学生を歓迎します 臨床神経生理 飛松省三 連絡先 (Tel)

Slides:



Advertisements
Similar presentations
全脳アーキテクチャ解明ロー ドマップ 産業技術総合研究所 一杉裕志. 大脳皮質 モデル 大脳皮質モデルを中心とした ロードマップ xx 応用: パターン認識 ロボット制御単純労働様々な労働支援高度な言語処理 時間 到達 目標: 要素 技術: 皮質・基底核連携モデル.
Advertisements

理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 発生・再生科学総合研究センター. 発生メカニズムの解明 1つの受精卵からどの様にして複雑な個体が発生 するのか。 再生メカニズムの解明 生物はどのようなメカニズムで、怪我や病気、加齢で失った 組織や臓器を再生するのか。 再生医療への学術基盤の構築 細胞移植を中心としたヒトの再生医療に応用可能な発生・再生メカニズムの.
神経発育と精神疾病 趙春傑 東南大学基礎医学院教授.
まばたき、声をあげる等といった応答が見られる
音楽・情報・脳 音楽は人類にとって普遍性の高い行動領域 =脳の聴覚系・報酬系神経ネットワークを活性化 =美しさ・安らぎ・感動をもたらす
マンガ読解のプロセスモデル マンガリテラシーとマンガ読解力
非侵襲脳活動計測(fMRI)と(MEG)情報統合とその応用
脳の活動部位の探求 (脳科学の方法).
脳活動計測で 「指先の動きを再現する」技術
順序立った判読の仕方.
Additional Explanatory Figures for
学校教育と脳科学 討論 寺尾 敦 青山学院大学社会情報学部.
脳とこころ:認知神経科学 ネットワークと新しい視点
単一分子接合の電子輸送特性の実験的検証 東京工業大学 理工学研究科  化学専攻 木口学.
執筆者:市川伸一 授業者:寺尾敦 atsushi [at] si.aoyama.ac.jp
VEP(視覚誘発電位) 刺激: 格子縞反転 チェックサイズ: 15’, 30’ 刺激頻度: 1 Hz 周波数帯域: 0.5~200 Hz
骨格筋のインスリン抵抗性が肥満の引き金 1 参考 最近、エール大学のグループは、骨格筋のインスリン抵抗性がメタボリック症候群を引き起こす最初のステップであることを報告した。BMIが22-24の男性をインスリン感受性度で2グループに分け、食事(55%炭水化物、10%蛋白質、35%脂肪)を摂取してから、筋肉のグリコーゲン量をMRI(核磁気共鳴画像法)で調べたところ、インスリン感受性群に比べて、抵抗性群ではグリコーゲン生成が61%減少していた。肝臓のグリコーゲン量は2群間で有意差はみられなかった。しかし、肝臓の
クロストーク成分の相互相関に 着目した音場再生システム
睡眠脳波.
顔表情認識のための顔特徴点抽出 徳島大学 大学院 工学研究科 長野 信男.
脳血管障害 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 緊急処置 一般検査 画像検査 治療 診断
Research Center for Child Mental Development
Principles of Neural Science Chapter 17
臨床診断総論 画像診断(3) 磁気共鳴画像 Magnetic Resonance Imaging: MRI その1
誘発電位の基礎 九州大学大学院医学研究院 脳研臨床神経生理 飛松省三.
画像工学 2011年10月6日 担当教員 北川 輝彦.
(Cognitive Brain Science) ニューロエソロジー・神経行動学 (Neuroethology) 計算論的神経科学
大脳辺縁系.
生命科学基礎C 第3回 神経による筋収縮の指令 -ニューロン 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
生物科学科(高分子機能学) 生体高分子解析学講座(第3) スタッフ 教授 新田勝利 助教授 出村誠 助手 相沢智康
脳血管 MR診断に必要な脳動脈の解剖 荏原病院放射線科 井田正博

ー 第1日目 ー 確率過程について 抵抗の熱雑音の測定実験
脳活動に関するデータ データの種類 データの特徴 脳波・脳磁図・fMRI画像 脳活動とパフォーマンスの関係はきわめて冗長。
非侵襲脳活動計測(fMRI)と(MEG)情報統合とその応用
超伝導科学講座 (超伝導先端計測・分析システムの開発) 1.超伝導先端計測・分析システムとは
乳児における 運動情報と形態情報の相互作用
埼玉医科大学国際医療センター核医学 松田博史
一分子で出来た回転モーター、F1-ATPaseの動作機構 ーたんぱく質の物理ー
耐COアノード用錯体触媒の機構解明と設計に向けた第一原理計算
脳活動をモニターできる functional MRI とは何か?
第19回 HiHA Seminar Hiroshima Research Center for Healthy Aging (HiHA)
米山研究室紹介 -システム制御工学研究室-
シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成
中京大学 工学部 電気電子工学科 白井研究室 4年 T 為房直人
ゲノム科学概論 ~ゲノム科学における統計学の役割~ (遺伝統計学)
Bursty Bulk Flow 生成に関する理論モデル
高分子電気絶縁材料の誘電特性計測を用いた劣化診断に関する研究
ディジタル信号処理 Digital Signal Processing
電気分解の原理.
ニューロマーケティング H 経営学科3年 李 ミヌ.
原子分子の運動制御と レーザー分光 榎本 勝成 (富山大学理学部物理学科)
偏光X線の発生過程と その検出法 2004年7月28日 コロキウム 小野健一.
どのような特徴を見ているのか ― 計算の目的
混信回避行動 Df = f相手 – f自己 Df > 0 ? or Df < 0 ? 発電周波数 それが混信回避行動です。
Department of Neurogenomics
個体と多様性の 生物学 第11回 外界の刺激の受容 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
・神経とは ・神経細胞の発生 ・神経細胞の構造 ・膜電位生成 ・伝導のしくみ
ナイキストの安定判別に基づく熱音響システムの自励発振解析における発振余裕と 定常発振状態における圧力振幅の関係
子どもの性格は生まれつき? ー性格の決定因と発達ー
複雑流動場における物質移行過程の解明を目指した大規模数値計算 :実験計測データとの比較による数値モデルの構築
北海道大学病院 がん遺伝子診断部 ☎ (FAX; 7099)
大規模並列計算による原子核クラスターの構造解析と 反応シミュレーション
タンク内圧力の変動を考慮した コンプレッサーの能動騒音制御
センサの基礎知識 メカトロニクス機械を作り上げるには,センサについての幅広い知識と経験が必要!.
メルボルン スウィンバ-ン大学脳科学研究所
疫学概論 疫学研究の目的 Lesson 1. 疫学研究 §A. 疫学研究の目的 S.Harano,Md.PhD,MPH.
執筆者:行場次郎 授業者:寺尾 敦 atsushi [at] si.aoyama.ac.jp
ベイジアンネットワークと クラスタリング手法を用いたWeb障害検知システムの開発
臨界温度比推定のために熱音響エンジンを 定常発振させる時変ゲインを用いた 定エネルギー制御系の安定性解析
Presentation transcript:

未来の脳科学に挑戦 する学生を歓迎します 臨床神経生理 飛松省三 連絡先 092-642-5541(Tel) tobi@neurophy.med.kyushu-u.ac.jp

臨床神経生理学とは? 1)非侵襲的脳機能計測法による正常人の 感覚系,運動系,高次脳機能の機序解明 2)神経疾患の病態や診断・治療法確立へ の貢献 3)動物疾患モデルにおける脳神経疾患の 病態,病因,診断・治療法の実験的研究

なぜヒトの脳機能研究か? ヒトの大脳皮質は高度に発達!! チンパンジーとヒトのゲノムの差:1.23%!

研究のキーワード Neuroscience 神経科学 研究テーマ例(研究費参照) ・Clinical(臨床) ・Systems(システム) ・Cognitive(認知) ・Developmental(発達) Neuroscience 神経科学 研究テーマ例(研究費参照) ・高次視覚認知調節機構    1. 顔・表情認知     2. 運動認知(共同運動)    3.漢字・仮名処理 ・脳仮想病変による脳機能可塑性 ・時間認知機構(脳の中の時計)

脳機能: 役割分担, ネットワーク処理 複数のモダリティによるアプローチ必要

頭を開けずに脳を見る, 測る, 探る! 電磁気生理学的方法 脳機能イメージング 128ch 脳波計 16ch 誘発脳波計 306ch 脳磁計 機能的MRI 48ch 光トポ 脳機能イメージング

脳機能研究: 場所と時間を決める 脳波・誘発電位 位置の精度(mm) ポジトロンCT 機能的MRI 脳磁図 時間の精度(秒) SPECT 10 SPECT 脳波・誘発電位 8 6 ポジトロンCT 位置の精度(mm) 機能的MRI 脳磁図 4 CT(コンピュータ断層撮影) 2 MRI(磁気共鳴画像) 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10 100 1000 10000 時間の精度(秒)

128chセンサーネット電極 による高次脳機能解析 PET,fMRI,NIRS,MEGなどの普及により脳波を用いた脳機能の研究は、かつての栄光の座から姿を消しつつあるが、高時間分解能やコスト面から考えた場合に捨てがたい手法でもある。1993年にTuckerらが開発したGeodesic Sensor Netにより脳波がこの分野で再び研究手法の対象になることを可能にした。人間の脳波をより忠実に測定するためにはデータのサンプリングにおけるナイキスト法則を満足しなければならない、時間的サンプリングはA/Dコンバータのサンプリング周波数で決定できるが、空間的サンプリングは電極の数に依存する。Srinivasan(1995年)は空間的ナイキストを満足するには128chの電極が必要と報告している。128個の電極を被験者に装着するにはペーストを用いて個々に装着したのでは多くの時間と被験者への負担が多く、さらにキャップ式電極を用いた場合でも、電極抵抗を下げるために皮膚に傷をつけるという衛生上の問題を抱えながら行わなければならなかった。 Tuckerらの開発したSensor Net電極は皮膚を傷つけることなく、129個の電極を僅か10分で装着でき、しかも電極インピーダンスが50K-100KΩでも脳波をひずみ無く計測できるもので、被験者への負担も無くまた新生児など今まで不可能であった対象への脳波記録が可能になった。さらに時間的・空間的分解能が向上したことでマッピング解析やソース解析の信頼性が向上し、脳波が研究手法として再び注目をあびる可能性が出てきた。

誘発電位による感覚機能探索 誘発電位波形の記録 体性感覚(電気) 聴覚(音) 視覚(パターン) 接地電極 16ch 誘発脳波計

磁気刺激による運動系探索 単発刺激 反復刺激 2発刺激

脳磁図による脳機能探索 超伝導 極微弱脳磁場 (地磁気の1億分の1) 脳の小人 (ホムンクルス)

機能的MRIによる基底核運動回路の可視化 (酸化ヘモグロビンの変動) 感覚運動野 補足運動野 感覚運動野 補足運動野 運動前野 被殻 感覚運動野 被殻 視床 Positive Negative 0.7 〜 1.0 -0.7 〜 -1.0 0.4 〜 0.6 -0.4 〜 -0.6 径路係数 視床 0.1 〜 0.3 -0.1 〜 -0.3 左手の複雑運動 0.1 〜 -0.1

研究テーマ例(研究費参照) ・高次視覚認知調節機構 1. 顔・表情認知 2. 運動認知(共同運動) 3.漢字・仮名処理  ・高次視覚認知調節機構    1. 顔・表情認知     2. 運動認知(共同運動)    3.漢字・仮名処理  ・脳仮想病変による脳機能可塑性  ・時間認知機構(脳の中の時計) 顔認知の神経機構 Nat Neurosci, 2003 顔の同定(小細胞系, 紡錘状回(V4)) 表情認知(大細胞系, 扁桃体) 広帯域 空間周波数 高空間周波数   輪郭 (小細胞系) 低空間周波数   全体 (大細胞系) 並列的視覚情報処理: ‘What’ and ‘Where’ 運動認知の神経機構 Exp Brain Res, 2003 背側-背側系(V6→SPL)  行為のオンライン制御 腹側-背側系(V5→MST, IPL, SPL)   空間認知, 行為の理解 大細胞系: 運動, 立体視, 粗い形態 頭頂葉後部 後頭葉 V1 V5 頭頂葉 外側膝状体 下側頭葉 小細胞系: 色覚, 細かい形態(顔,文字)

競争的外部資金獲得状況 1) 科学技術振興機構 社会技術教育研究 (脳科学と教育) 平成16〜21年度 1) 科学技術振興機構 社会技術教育研究 (脳科学と教育) 平成16〜21年度   社会性の発達メカニズムの解明:自閉症スペクトラムと定型発達のコホート研究  3) 文科省科研費萌芽研究 平成18〜20年度 漢字・仮名処理の脳内基盤の解明 4) 文科省科研費基盤研究B 平成19〜21年度 脳の中の時計: 時間知覚の神経基盤 5) 文科省科研費萌芽研究 平成20〜22年度 聴覚の時計と視覚の時計の相互交渉場面を探る 6) 厚労省科研費 平成18〜21年度 双極性障害の神経生理・画像・分子遺伝学的研究 7) 厚労省科研費 平成20〜22年度 反復磁気刺激によるパーキンソン病治療の確立 8) 九大P&P 平成19〜20年度 デジタルブレイン研究・教育拠点 9) ERATO 合原複雑数理モデルプロジェクト 2003年11月〜2008年10月 脳の動的情報処理原理の解明

主な研究業績(過去5年) 1. Nakashima T et al: Electrophy-siol-ogical evidence for sequential discrimination of positive and negative facial expressions. Clin Neurophysiol. In press. 2. Tsurusawa R et al: Different perceptual sensitivities for Chernoff’s face between children and adults. Neurosci Res, 60 (2): 176-183, 2008. 3. Taniwaki T et al: Age-related alterations of the functional interaction within the basal ganglia  and cerebellar motor loops in vivo. Neuroimage, 36:1263-1276, 2007. 4. Tashiro K et al: Repetitive transcranial magnetic stimulation alters optic flow perception. Neuroreport, 18:229-33, 2007. 5. Tobimatsu S, Celesia GG: Studies of human visual pathophysiology with visual evoked potentials. Clin Neurophysiol, 117: 1414-1433, 2006. 6. Taniwaki T et al: Functional network of the basal ganglia and cerebellar motor loops in vivo: Different activation patterns between self-initiated and externally-triggered movements. Neuroimage, 31:745-753, 2006. 7. Tobimatsu S: Visual evoked magnetic fields and magnetic stimulation of visual cortex. In: Celesia GG (ed), Disorders of Visual Processing, Handbook of Clinical Neurophysiology, Vol 5, Elsevier, p.143-166, 2005. 8. Goto Y et al: Familiarity facilitates the cortico-cortical processing of face perception. Neuroreport, 16: 1329-1334, 2005. 9. Maekawa T et al: Functional characterization of mismatch negativity to a visual stimulus. Clin Neurophysiol, 116:2392-2402, 2005. 10. Yamaasaki T et al : Left hemisphere specialization for rapid temporal processing: A study with auditory 40 Hz steady-state responses. Clin Neurophysiol,116:393-400, 2005.