「方法」に関する注意 1) 実際におこなった内容(「事実」)を記載する 例えば、実習中に騒がしくして、静かにするよう教員から注意されたにもかかわらず、「方法」には「…を静粛な環境で実施した…」と書くのは、明らかに事実に反している。
2) 重要事項に絞って記載する 長大な論文を作成するわけではないので、どうしても記載すべき事項のみを書く(いわゆる5W1Hのうち、とくに「誰が」「何を」「どうしたか」を意識して書くとよい)。使用器具などの詳細な記載があるにもかかわらず、データが何人から得られたのかや手続きの記載が欠落していたのでは、後続の「結果」等を読む上で大きな支障となる。
「結果」に関する注意 1) 「方法」に対応した内容を記載する 例えば、「方法」には測定値の処理法が書かれてないにもかかわらず、「結果」には代表値が示されていて、かつ平均値なのか中央値なのかの記載も無い。
2) 図表にある内容を重複して記載しない せっかく図や表にまとめながら、そのデータ(測定値)を本文にまた書くのは無意味である。併せて、図と表の内容も重複させない。 3) はじめて読む人がわかる記載をする 図や表は「結果」の理解を助ける補助資料であり、その内容を本文で丁寧に説明する。「見ればわかるでしょう」という記載法は、最も避けるべき姿勢である。
「結論」に関する注意 1) 「結果」の繰り返しではない 実験を通じて、明らかになった内容を記載する必要がある。例えば、ある人が500万円紛失したとして(「結果」相当)、それによってその人が生活に困窮したのか、大金持ちで何の影響もなかったのか(「結論」相当)を書くべきである。
2) 「考察」的な内容は記載しない 「結果」から考えられる内容(「考察」)、ましてや個人的な意見や感想は記載しない。上記の例では、その人の年収に占める割合が大きいとか、自分にとって大変大きな金額であるなどが「考察」に相当するが、それらにかかわらず結局どうなのかを記載するのが「結論」である。
到 達 目 標 ↑ 重点内容 実習の進行 → 「実習Ⅰ」 「実習Ⅱ」 (PT&OT) A.「方法」の正確な記載 A.+B.「結果」の中で測定値の初歩的な処理(手書き) A.+B.+C. 測定値のやや高度な処理(Excel) A.+B.+C.+D.「結果」の生理学的な意義を考察 到 達 目 標 ↑ 重点内容 項目1, 2 項目3, 4 項目5, 6 項目7, 8 実習の進行 →
A. 第1ステップ ↓ ・二点弁別閾値-指定部位の反復測定 「材料と方法」の正確な記載に努める ・筋電図の記録-負荷増大に伴う上腕二頭筋活動の変化 班員分について、各負荷時の積分筋電位(ピーク値)をグラフ表示する(各測定値のマーカーと平均値の横棒を手書きする)
B. 第2ステップ ↓ ・血圧の測定-聴診法と電子法による測定 「材料と方法」の正確な記載に努める ・心電図の記録-標準肢誘導データによる電位解析 班員分について、(Ⅰ誘導電位+Ⅱ誘導電位)とⅢ誘導電位をグラフ表示する(散布図を手書きする)
C. 第3ステップ ↓ ・ウェーバー法則-重量感覚を対象に同法則の検証 「結果」の正確な記載と適切なグラフ表示に努め、とりわけExcelグラフの作成法を理解する ・呼吸機能-肺活量と1秒率の測定 班員分について、両測定値の分布をグラフ表示する際、Excelによる「散布図」作成に慣れる
D. 第4ステップ ↓ ・皮膚感覚点-触点分布の検索 班員分のデータについて、Excelによって棒グラフ(平均値+SD)に表示した上で、その生理学的な意味・意義を「考察」する ・唾液分泌-蒸留水と酸味溶液による誘発分泌