ガイダンス(内業) 測量学実習 第1回
本日の概要 講義概要 測量法の改正と測地系の変更 GISアクションプログラム2002-2005(2002年2月20日) 講義目的 空間データの作成 講義の流れ 課題提出 評価の基準 講義のホームページ 測量法の改正と測地系の変更 地図投影法と座標系 測地成果2000 GISアクションプログラム2002-2005(2002年2月20日)
講義目的 空間情報科学に基づく空間データの作成 ・GIS、リモートセンシング、GPS、デジタル航空測量など デジタルな写真測量,地図編集,応用測量の分野 個人での成果品 ・リモートセンシングや空間データの基礎 ・DM (電子地図)の品質評価 グループでの成果品 ・共用空間データ基本仕様に基づくDM(電子地図)の作成 ・1/2500紙地図の作成
空間データの作成 空間データの計測 ・デジタルマッピング ・デジタル平板測量(デジタル地形測量) ・GPS ・リモートセンシング ・デジタルマッピング ・デジタル平板測量(デジタル地形測量) ・GPS ・リモートセンシング ・デジタル航空測量 紙地図空間データの入力処理 ・ハンドデジタイジング ・スキャニング → マップデジタイジング または ラスタ/ベクタ変換 空間データの構造 ・空間属性(狭義の空間データ) ラスタデータ、ベクタデータ ・主題属性(狭義の属性データ) リレーショナルデータベース ・地理情報標準第2版(JSGI2.0) ISO19100S ・共用空間データ基本仕様 → 品質評価
デジタルマッピング デジタルマッピング オーバーラップして撮影された2枚の航空写真を解析図化機と呼ばれる立体図化機を用いることにより地上の立体像を作成し、そのデータをもとに数値情報化すること。 デジタルマッピングの工程 標定点測量と対空標識の設置 -時空測量のための基準となる地点を正確に測量し、航空機からでも認識できる対空標識を設置する。 空中写真撮影と空中三角測量 -航空機により写真撮影を行い、それに基づき、空中三角測量する。 航空写真で不完全な部分を現地調査で補う 数値図化と地図データ作成 -航空写真をベースに解析図化機を用いステレオモデルを作成し、結果を数値データとしてアウトプットする。 データ収集と自動製図
デジタル平板測量(デジタル地形測量) 計画・準備 踏査・選点 基準点測量(観測) データ編集 デジタル地形測量 基準点測量(計算) 製図・データ出力 データ交換・デ-タ利用
デジタル平板測量(デジタル地形測量) 特徴 ・計測点に属性を入力するのが容易 ・高精度の現況図の作成 ・品質が一定 ・省力化 ・計測点に属性を入力するのが容易 ・高精度の現況図の作成 ・品質が一定 ・省力化 ・成果管理が容易 現地でトータルステーションを用いて土地の境界(筆界)点の座標を求め、パソコンで実際の地籍図を表示させて、実際の地籍(土地台帳)の測量として行われている。
GPS GPS測位 GPSで位置を計測することを「測位」と呼び、測位方法には大きく分けて「単独測位方式」と「相対測位方式」がある。 DGPS 干渉測位 ・スタティック測位 ・キネマティック測位 GPSの利用形態
単独測位 単独測位 一点測位(Point Positioning) とも呼ばれ、GPSのもっとも基本的な利用方法である。 精度:数10m 受信機の時計により信号の到達時刻を測定し距離を求める。 測位点の座標x,y,z, 時計の誤差⊿t の4つの未知数を4衛星の測定値から解く。 精度:数10m 測位用受信機
相対測位 DGPS 予め位置が正確な位置がわかっている参照地点で測位誤差を求め、それによって未知地点での測位結果を補正して精度を改善するもの。 電離層 対流圏 地上 単独測位での主な誤差原因 ①衛星の時刻、軌道の誤差 ②電離層による伝搬遅延 ③対流圏による伝搬遅延 ④SA(Selective Availability) 精度:数m 参照地点 未知地点
干渉測位 干渉測位方式 GPS衛星から発信されている搬送波を利用し、搬送波の位相を測定する方式。大きく分類するとスタティック測位とキネマティック測位の二つになる。 スタティック測位 基準局と利用者局双方の固定静止位置で、同時に取得した搬送波位相積算値データを用いて後処理で測位計算を行う。平均をとるため、 測位精度は最も高い。 キネマティック測位 基準局を固定し、利用者局が移動しながら順次搬送波位相積算値データを取得する。後処理でどんどん測位計算を行っていく。 -リアルタイムキネマティック測位(RTK) 基準局と利用者局双方で同時に搬送波位相積算値データを取得し、基準局はそのデータを利用者局へ伝送する。利用者局ではそのデータを利用し、実時間で利用者局位置の測位計算を行い、その結果を出力する。
デジタル航空測量 スリーラインセンサーシステム 3つのCCDラインセンサを用いた航空測量 航空レーザー測量システム レーザーを用いた航空測量
スリーラインセンサーシステム 3つのCCDラインセンサを搭載し、それぞれ前方視、直下視、後方視に対応したライン画像を取得し、航空機の飛行に合わせてライン画像を並べていく方式で、3方向の画像が100%オーバーラップした空間デジタル画像が得られ、図化に必要な実体視が可能となる。 GPSを用いてラインごとにラインセ ンサの位置および姿勢データを取 得することにより、既知の地上基準 点による空中三角測量が原理的に 不要となる。 参考:(株)中日本航空 http://www.nnk.co.jp/skymedia/rs/tls/principle.html
スリーラインセンサーシステム 特徴 ・高解像度デジタル画像(対地高度300mで解像度2.3cm) ・水平中心投影 ⇒ 飛行方向に建物の倒れこみがなくシームレス ・斜め撮影による壁面テクスチャー取得 ⇒ ナビ・タウン情報に活用 ・マルチスペクトル画像による高い判読性 ⇒ 交差点の人を確認できる
航空レーザー測量システム 航空機から地上に向けてレーザーを照射し地上から反射してくるレーザーの時間差で地物の高さを測る。 航空機の空間位置は、地上のGPS基準局と航空機に搭載したGPS/IMU(ジャイロ)により、正確な位置が常に把握できる。 これらを解析することで 地物のX,Y,Zを計測できます。 参考:(株)国際航業 http://www.ramse3d.com/gijutu/reza.html
講義の流れ 月曜クラス(測量学実習A)の講義は 10月11日(土)は休講で1月17日(土)が補講
課題提出 □ホームページ上の課題提出フォームからの提出 氏名,所属学科,学生書番号,メールアドレスおよびIDを必ず記入 ルールを守っていない提出物は,未提出とみなされます. コンピュータのエラー等でどうしても提出ができない場合には,紙にプリントアウトしてエクセル3(2F)の景観計画研究室まで持参してください. □紙面でのレポート提出 紙でのレポート提出は,エクセル3(2F)の景観計画研究室まで各自持参 提出の際には,氏名,所属学科,学生書番号,IDを必ず記入してください. □各課題の提出の期限 月曜クラス(測量学実習A)は課題の出た週の金曜日の18:00まで 木曜クラス(測量学実習B)は課題の出た翌週の火曜日の18:00まで
評価の基準 内業1/3、外業2/3の割合で評価する グループで作業するので休まないように 3回以上休んだ場合は、基本的に単位を与えない 3回以上休んだ場合は、基本的に単位を与えない 出席点と個人・グループの課題を総合して評価する
講義のホームページ http://www.ritsumei.ac.jp/se/rv/sasatani/2003/survey/
測量法の改正 測量法及び水路業務法の一部を改正する法律の改正 測量法施行令の改正 平成13年6月20日に公布,平成14年4月1日施行 基本測量及び公共測量が従うべき測量の基準のうち経緯度の測定は,日本測地系に代えて世界測地系に従う 地球を想定した扁平な回転楕円体(世界測地系の採用する楕円体)の長半径及び扁平率の値については、測量法施行令において定める 測量法施行令の改正 日本経緯度原点の原点数値を世界測地系に基づく値に変更 改正法で政令(測量法施行令)に委任されていた世界測地系による回転楕円体の長半径及び扁平率を新たに規定 長半径: 6,378,137 m 扁平率:
測地系の変更(日本測地系から世界測地系へ) 測地基準系(測地系)とは 地球上の位置を経度・緯度で表わすための基準 地球の形に最も近い回転楕円体で定義 日本測地系 明治時代に定められた基準点 ベッセル楕円体 世界測地系 VLBIや人工衛星を用いた観測によって明らかとなった地球の正確な形状に基づいた楕円体 国際的に定められている測地基準系
VLBI(超長基線電波干渉法) Very Long Baseline Interferometryの略で、国土地理院では、この方法を用いて各国と国際的な協力によって高精度な測量を行っている。 国土地理院ではこの方法によって日本列島の正確な位置を高い精度で求めるため、VLBI観測局を つくば、鹿島、新十津川、 父島、姶良に設置し、任意 の地点で観測できる移動観 測用の施設として可搬型の 機器一式を常備している。 国土地理院内のつくばVLBI観測局パラボナアンテナ 参考:国土地理院 http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/vlbi/main.html
VLBI(超長基線電波干渉法) 宇宙の彼方にある電波を発する星、電波星の電波を二つの地点でアンテナにより受信し、同じ波形の電波の受信時刻の差(遅延時間)を「水素メーザ原子時計」を用いて1000億分の数秒の精度で測定する。 遅延時間による二つの地点の距離測定を3方向以上行うことにより、2地点の相対的な位置を求め、大陸・プレートの移動や地球の自転の変化を精密に測ることができる。 行路差=C・⊿T ⊿T:遅延時間 C:電波の早さ(光速度) VLBIの原理
日本測地系と世界測地系の違い
大学周辺での日本測地系と世界測地系の違い
世界測地系への対応するメリット 全国への電子基準点整備による位置精度の高精度化 科学的合理性の向上 明治時代の測量機器や測量技術による誤差の解消 地殻変動による基準点網のひずみの解消 国際標準化への貢献 GPS及びGISとの連携
GISアクションプログラム2002-2005 国土空間データ基盤に関する標準化と政府の率先使用 ISO(国際規格)への対応、G-XMLの推進 地理情報の電子化・流通を促進する観点からの制度・ガイドラインの整備 地図の電子納品 地理情報の電子化と提供の推進 数値地図2500、数値地図25000、街区レベル位置参照情報の3種類の地理情報の電子化 GISの本格的な普及支援 自治体の統合型GISの普及、CALS/ECの推進 GISを活用した行政の効率化、質の高い行政サービスの実現 地図を含む電子申請・届出、行政におけるGISの活用
本日の課題 課題1 ネットサーフなどを行い測地成果2000 の意義ついて述べよ.(400字) 課題2 リンク集(測量学実習のホームページ「その他」を参照のこと)などをネットサーフして,GISを含む空間情報科学があなたの生活や仕事など社会にどのように生かされるべきだと考えるかを述べよ.(400字) 課題提出期限 月曜クラス(測量学実習A)は10月3日金曜日の18:00まで 木曜クラス(測量学実習B)は10月7日火曜日の18:00まで
参考URL 国土地理院 (http://www.gsi.go.jp/) GISアクションプログラム2002-2005(http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/02/020220_.html) 7-10限目の教室 月曜日:C306 木曜日:P203