健康経営に取り組んでいる、もしくは今後取り組みたいと思う企業は7割超

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健康経営の推進に向けた取組 経済産業省 商務情報政策局

健康経営に取り組んでいる、もしくは今後取り組みたいと思う企業は7割超 中小企業における「健康経営」の認識  ⇒ 健康経営の意義等について、一層の理解促進が必要 Q1 健康経営という言葉をご存知ですか? 健康経営を知っている企業は 全体の1割程度に留まっている。 Q9 健康経営の実施状況 (健康経営の概要を説明した上で、) 健康経営に取り組んでいる、もしくは今後取り組みたいと思う企業は7割超 健康経営に取り組む目的としては、社員満足度・モチベーションの向上、生産性の向上など、人材投資的な要素が大きい Q10 健康経営実践の目的

企業理念(長期的なビジョンに基づいた経営) 「健康経営」とは 健康経営とは、従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考 えの下、 健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること。 企業が経営理念に基づき、従業員の健康保持・増進に取り組むことは、従業員の活力向上や生産 性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織としての価値向上へ繋がることが 期待される。 業績向上 企業価値向上 企業への効果 組織の活性化 生産性の向上 従業員の健康増進 従業員の活力向上 社会への効果 国民のQOL(生活の質)の向上 ヘルスケア産業の創出 あるべき国民医療費の実現 人的資本に対する投資 (従業員への健康投資) 企業理念(長期的なビジョンに基づいた経営)

健康関連リスク (保健指導等の基準でリスク判定) 健康経営の生産性等へのインパクト 個人の健康関連因子(「生物学的リスク」・「生活習慣リスク」・「心理的リスク」)とプレゼンティーイズム(相対的生産性損 失など)・アブセンティーイズム(欠勤など)の相関分析を実施。 各リスク項目該当数が多いほど、プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムによる生産性損失が高くなり、低リスク 層に対して高リスク層は損失コストが1.4倍(一人あたり30万円程度の損失)となることが分かった。 【研究の結果概要】 健康関連リスク (保健指導等の基準でリスク判定) 1:生物学的リスク ①血圧、②血中脂質、③肥満、④血糖値、⑤既往歴 2:生活習慣リスク ①喫煙習慣、②飲酒習慣、③運動習慣、④睡眠・休養 3:心理的リスク ①主観的健康感、②生活満足度、③仕事満足度、④ストレス リスク階層別の損失コスト(3組織 3,369件) 高リスク (6以上) 90万円程度の損失 中リスク (4-5) 60万円程度の損失 低リスク (3以下) 健康になることで、一人あたり30万円の損失削減 医療費 日々の生産性の損失(プレゼンティズム) 欠勤による損失(アブセンティズム)

(健康経営の“リーディングカンパニー”) ① 健康経営の顕彰制度 (全体像) 大企業向けの顕彰制度は、「健康経営銘柄」をトップとして、次点に「健康経営優良法人(日本健 康会議 宣言4)」。認定の前提として、「健康経営度調査」への回答が必要。 中小企業向けの顕彰制度は、「健康経営優良法人」をトップとし、次点に「健康宣言法人(日本健 康会議 宣言5)」。健康宣言については、各都道府県単位で実施。 【 大企業 等 】 【 中小企業 等 】 (健康経営の“リーディングカンパニー”) 中小企業・中小規模医療法人※ 健康宣言に取り組む法人・事業所 (日本健康会議) 33社 大企業版 健康経営優良法人 中小企業版 健康経営優良法人 500社 健康経営度調査への回答 10,000法人 大企業・大規模医療法人※ ※「中小企業・中小規模医療法人」とは、①製造業その他:300人以下、②卸売業:100人以下、③小売業:50人以下、④医療法人・サービス業:100人以下とし、「大企業・大規模医療法人」とは、 「中小企業・中小規模医療法人」以外の法人とする。

認定の流れとインセンティブ(中小企業等) ① 健康経営の顕彰制度 (中小規模法人の認定体制) 地域の健康課題に即した取組や日本健康会議の進める健康増進の取組をベースに、特に優良な健 康経営を実践している大企業・大規模医療法人、中小企業・中小規模医療法人(中小企業等) 等を認定。本年秋頃から申請受付を開始予定。 認定を受けた中小企業等には、金融市場や労働市場でのインセンティブの措置を検討。 認定の流れとインセンティブ(中小企業等) 認定フロー(中小企業等) ③ 審査 インセンティブの 付与主体(想定) 健康経営優良法人 認定委員会 数百社 健康経営優良法人 ○金融市場 (低金利融資等) Ex) 地銀、信金など ○労働市場 (採用広告等) Ex) 人材紹介・派遣 会社 など ○公共調達 (入札評価等) Ex) 地方自治体 健康宣言内容の達成 ② 推薦 1万社 申請の窓口 (都道府県拠点の組織) 健康宣言に取り組む中小企業等 (※日本健康会議 宣言5) 健康宣言の実施 ① 申請 中小企業等 385万社 ④ 認定 中小企業 等 ※ 認定基準は、厚生労働省と経済産業省で策定

① 健康経営の顕彰制度(中小規模法人版 優良法人認定制度の基準) ① 健康経営の顕彰制度(中小規模法人版 優良法人認定制度の基準) 機密性○ 大 項目 中項目 小項目 評価項目 ヒアリング結果 (8社中の適合者数) 事務局案 (参考)日本健康会議 健康宣言の基準 ①経営理念(経営者の自覚) 健康宣言の社内外への発信(経営者自身の健診受診) 全て適合 必須 ②組織体制 健康づくり担当者の設置(健康経営アドバイザー等の活用) 設定が望ましい ③制度・施策実行 従業員の健康課題の 把握と必要な 対策の検討 健康課題の把握 ①定期健診受診率(実質100%) 4/4適合 0社 3/4適合 7社 2/4適合 1社 1/4適合 0社 適合無し 0社 (平均 2.9個)  2/4 以上 少なくとも1つ ②受診勧奨の取り組み(例:健診時間の出勤認定又は特別休暇認定 等) ③ストレスチェックの実施 ④健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画) 健康経営の実践に 向けた基礎的な 土台づくりと ワークエンゲイジメント ヘルスリテラシーの 向上 ⑤管理職又は一般社員に対する教育機会の設定 3/3適合 2社 2/3適合 3社 1/3適合 3社 (平均1.9個) 1/3 ワークライフバランス (過重労働の防止) ⑥適切な働き方実現に向けた取り組み  (例:時消灯・退出日の設定、有休取得目標の設定 等) 職場の活性化 (メンタルヘルス不調の防止) ⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み  (例:挨拶運動、社員旅行、社員運動会 等) 従業員の心と身体の 健康づくりに向けた 具体的対策 保健指導 ⑧保健指導の実施及び特定保険指導実施機会の提供 7/7適合 0社 6/7適合 0社 5/7適合 1社 4/7適合 5社 3/7適合 2社 2/7適合 0社 1/7適合 0社 (平均3.9個) 3/7 健康増進・ 生活習慣病 予防対策 ⑨食生活の改善に向けた取り組み  (例:自販機メニューの検討、朝食摂取を促す貼り紙 等) ⑩運動機会の増進に向けた取り組み  (例:階段利用の推奨、朝ストレッチの導入 等) ⑪受動喫煙対策(禁煙又は完全分煙) 感染症予防対策 ⑫従業員の感染症予防に向けた取り組み  (例:予防接種の出勤認定、感染者の出勤停止等拡大防止 等) 過重労働対策 ⑬長時間労働者への対応に関する取組 (例:休暇取得の勧奨、出社制限 等) メンタルヘルス対策 ⑭不調者への対応に関する取組  (例:対応方針・職場復帰支援ルールの策定 等) ④評価・改善 保険者との連携 (求めに応じて)40歳以上の従業員の健診のデータの提供 ⑤法令遵守・リスクマネジメント 従業員の健康管理に関連する法令について重大な違反をしていないこと(自主申告) ヒアリング企業中 認定基準適合数 8/8社 -

③ 健康経営実施に向けたノウハウ (中小企業の現状分析) ③ 健康経営実施に向けたノウハウ (中小企業の現状分析)   ⇒ 健康経営を推進するには、ノウハウの提供が重要 Q11 健康経営を実践する上での課題 健康経営に取り組む上での課題は、 指標、ノウハウの不足が多く、 「何をしたら良いのか分からない」ことが原因 Q13 健康経営を実践する上で希望するサポート 企業ニーズとしては、「ノウハウの提供」が多く、インセンティブとしても直接的なメリットとなる金銭的なものが求められている

③ 健康経営実施に向けたノウハウ (具体的な支援策) ③ 健康経営実施に向けたノウハウ (具体的な支援策)  商工会議所と共に中小企業に、健康経営のノウハウを提供する支援スキームを構築。 具体的には、優良事例集としての「健康経営ハンドブック」の策定と、企業に健康経営を普及・啓 発していく「健康経営アドバイザー(初級)」を整備。平成28年度から、まずは東京において本格 的運用を開始し、今後提供地域の拡大やアドバイザーの上級資格の設計などを進めていく。 健康経営 ハンドブック  中小企業が実施した健康経営の優良事例集を作成中。健康経営の実践に至るまでのストーリーを含め解説。全国の商工会議所を通じて、約1万冊を配布予定。今後、優良企業認定制度の認定企業等の事例収集を一層進め、必要に応じて更新。 【目次イメージ】 1.健康経営の優良事例集 2.全国の健康経営宣言の取組状況 3.健康経営の始め方ガイド 4.健康経営関連公共機関一覧  など 健康経営 アドバイザー チェックシート (簡易版) 経営に関する 知識を持つ人材 (経営者、中小企業診断士 等) 健康に関する (社労士、生保会社、産業保健師 等) 経営の知識  ・ 従業員の生産性  ・ 人材育成  等 健康の知識 ・ 健康投資手法等 (外部サービス利用含) 中 小 企 業 商工会議所 研修 一気通貫の運用 認定 派遣  中小企業経営者に健康経営の必要性を理解頂くためには、『従業員の「健康づくり」に係る知見』と『企業の「経営」に係る知見』の双方を合わせて持っておくことが重要。このため、商工会議所と連携し、健康経営アドバイザーを創設。平成28年度から本格的運用を開始し、数百名程度の登録を目指す。

(参考) 健康経営実施した際の        企業/従業員パフォーマンスへの影響

(参考1) 身体的リスクと各種損失との関係 <個人的な考察> ①医療関係の指標であることから、医療費との相関は強い。 (参考1) 身体的リスクと各種損失との関係 (アブセンティズム) 欠勤による損失 <個人的な考察> ①医療関係の指標であることから、医療費との相関は強い。 ②保健指導対象程度のリスクであることから、アブセンティズム・プレゼンティズムへの影響は少ないが、将来的なリスクは高くなると推定される。 差分 (日) 特に既往歴については、有意差が見られる (参考) 平均日給 1.5万円 0.3 0.1 0.5 1.6 (プレゼンティズム) 日々の生産性損失 差分 (万円) 7.1 1.2 3.1 ▲7.3 相関は薄い。 特に血圧については、有意差が見られる 医療費 差分 (万円) 相関は高い。 特に既往歴については、有意差が見られる 9.3 7.3 5.2 12.7 13.7

(参考2) 生活習慣リスクと各種損失との関係 (参考2) 生活習慣リスクと各種損失との関係 (アブセンティズム) 欠勤による損失 <個人的な考察> ①睡眠・休養が全般的に大きな影響を与えている。 ②プレゼンティズムへの影響が大きく、改善に向けて取り組む意義は大きい。 ②生活習慣が直接的・短期的に疾病に繋がることはないが、将来的なリスクは高くなると推定される。 差分 (日) 相関は低い。 特に睡眠については、有意差が見られる 0.6 0.7 (プレゼンティズム) 日々の生産性損失 差分 (万円) 相関は高い。 特に睡眠については、有意差が見られる 26.2 3.5 32.9 差分 (万円) 医療費 特に睡眠については、有意差が見られる 1.1 0.7 2.4

(参考3) 心理的リスクと各種損失との関係 <個人的な考察> ①他のリスクと比べて、全般的に損失に大きく影響している。 (参考3) 心理的リスクと各種損失との関係 (アブセンティズム) 欠勤による損失 <個人的な考察> ①他のリスクと比べて、全般的に損失に大きく影響している。 ②ストレスよりも、主観的な健康感、満足度等の方が、及ぼす影響は大きいため、従業員へのアンケート等は有用な方法である可能性が高い。 差分 (日) 相関が高い。 全項目で、有意差が見られる 2.6 1.4 1.1 1.7 (プレゼンティズム) 日々の生産性損失 差分 (万円) 相関は高い。 全項目で、有意差が見られる 110.5 46.0 71.0 41.5 差分 (万円) 医療費 全項目で、有意差が見られる 7.7 1.2 0.6 2.4

= (参考4)健康経営銘柄のパフォーマンス 累積超過収益率 = ①ファクター効果 + ②固有銘柄効果 個別銘柄のパフォーマンスは、①ファクター効果(財務諸表等からわかる従来の指標)、②固有 銘柄効果(財務諸表等では見えない指標)から構成。 健康経営銘柄については、持続的にパフォーマンスが伸びているが、その要因は②固有銘柄効果 が大きく、「健康指標」が企業パフォーマンスの代理指標である可能性が示唆されている。  累積超過収益率  =  ①ファクター効果     +   ②固有銘柄効果    (企業株価の伸び率:実績) (財務諸表等から見える企業の経営力) (財務諸表から見えない無形資産 等) 財務諸表上では伸びるはずのない企業が伸びている = 固有銘柄効果で伸びている ファクター効果は0に近い ※公表情報を基に岡三証券(株)が分析