電子社会設計論 第3回 Electronic social design theory 中 貴俊
内容 はじめに 情報の電子化とコンピュータ
はじめに 電子社会を知る上で 電子社会とコンピュータの関係(第2回、第3回) 電子社会と通信技術の関係(第4回) 情報を多量・高速に処理できるコンピュータは、従来相互の関連性が明確でない情報も注目されるようになり様々な分野の電子社会を構築する上で重要な役割を果たしている。 電子社会と通信技術の関係(第4回) 様々な情報が電子化されたことにより、通信が容易なものとなり電子社会発展の上ではかかせないものである。
情報の電子化 電子化=デジタル(digital)化 デジタルコンピュータにおいては、0と1だけからなる2進数を 物理的な表現形式 (電圧の高・低) として持つため、 デジタルは0と1からなるという説明がよくなされるが、 はっきりと区別できる2以上の状態で表現されているデータ (例: そろばんの玉など) はどれもデジタルと呼ぶことができる (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
電子化された情報の例+メディアの推移(歴史) 1960年代 : 科学技術データベースの電子化 1970年代 : DIALOGやORBITといったオンライン情報検索サービスの勃興(DB) フロッピーディスクの登場 1980年代 : CD-ROMの登場 1990年代半ばまではHDDよりも大容量 この頃、一般分野での電子化情報=音楽 CD 1990年代後半:DVDの登場 2000年代:ブルーレイ 情報の電子化の歴史において 最初はDBに代表される情報の整理や閲覧を目的とした利用であった 変化があったのは80年代のCD-ROMの登場 当時主流の記憶メディアであるフロッピーディスクの実に500~600倍の記憶容量を持つ 音声の電子化への利用 科学技術情報 =自然科学. を基礎とする技術に関する情報をいい,当該技術に直. 接関係する自然科学に関する情報を含むものとする CD-ROM おもに音楽情報 DVD 映像、動画 ブルーレイ 高画質 (大画面,地上デジタル) HDDの歴史は1956年に始まるといわわれます。世界初のHDDを搭載したコンピュータ発表がされるのです。このコンピュータのHDDは直径24インチ(約60センチ)のディスクを50枚も重ねたもので、ドライブユニットの大きさは大形冷蔵庫2個分くらいもありました。では、このHDDの記憶容量はどれくらいあったとのでしょうか。たった4.4Mバイトだそうです。
現状の電子化された情報例 データベース、電子雑誌、新聞記事などの文書情報 音楽、動画、ビデオなどのマルチメディア情報 ゲームなどのインタラクティブ情報 メディアや記憶装置の容量増加 これらはメディアや記憶装置の容量増加が大きな要因 その他PCの性能アップ
情報の利用・機能 情報提供 (商業的、あるいは官公庁の) 娯楽、メディア コミュニケーション、パブリック・リレーション (企業から個人のホームページまで) 広告・販売促進媒体 研究開発活動、創造活動 電子化された情報の利用例 さまざまな書類など ニコニコ動画とか?(娯楽 コミュニケーション) インターネットも当然ながら電子化情報
情報を電子化する利点 情報の処理が容易 劣化しにくい ペーパーレス 複製 追加 削除 検索 など ノイズによる誤差の修正が容易 検索 など 劣化しにくい ノイズによる誤差の修正が容易 ペーパーレス 大量の情報の保持 紛失等の人為的ミスの削減
情報の電子化による問題点 近年における急速な情報の電子化 電子化により容易化された部分の悪用 いたちごっこ 違法コピー など・・・ BD 著作権保護技術
マルチメディア 情報の電子化による産物 マルチメディア(multi-media)の広義 デジタル化された映像・音声・文字データなどを組み合わせて、総合的なメディアとして利用すること (大辞林 第二版) マルチメディアPC etc
マルチメディアの特徴 1.統合化されたメディアである 文字、音声、静止画、動画など、従来のアナログ時代においてはそれぞれ別個独立の情報メディアとされていたものが、デジタル信号に置換されることによって同レベルの情報として1つのメディアに統合されたことが要因。 著作権への影響 言語著作物、音楽著作物、写真著作物、映画著作物などはそれぞれ別個独立の著作物として、保護の対応の仕方も別個に扱われていた。しかしデジタル信号に置換されることによってこれらの枠組みが取り払われ、新たに単一の著作物が成立することを意味するものであり、これをどのように著作権法上扱うかが問題となる。
マルチメディアの特徴 2.インタラクティブ性を持つ 従来のソフトのような情報提供者による一方的な情報の伝達ではなく、ソフトの利用者が情報にアクセスして、その情報を自由に編集・加工できる点。 著作物への影響 複製、貸与、放送といった著作物のそのままの形での利用であったが、マルチメディアソフトになると、利用者による加工が重要な地位を占め、ソフトが簡単に変形されて著作物の同一性の識別が困難になってくることが予想され、著作者の利益をどのように保護したら良いかが問題となる。
マルチメディアの特徴 3.複製が容易 デジタル方式の複製技術の進展により、原物と全く異ならない複製物が簡単に作成できる。すでにCD-Rが登場し、技術的にはCDに入力されているソフトと寸分違わぬクローンの製作が容易になっているが、これは他のマルチメディア・ソフトにも及んでいくことが予想され、膨大な情報を蓄積しているこれらのソフトが簡単にコピーされることによって、ソフト製作者の利益が大幅に阻害されることになり、これをどのようにして防ぐかが今後重要となる。
データの情報量(テキストデータ) 半角英数字 全角(日本語など) 漢字は康煕字典に載っているものが47000文字 1byte(0~255) 全角(日本語など) 2byte(0~65535) 漢字は康煕字典に載っているものが47000文字 日本語の新字体や中国の簡体字、更には色々な俗字や、仏教などの特殊な分野のみで使用する文字を加えていくと・・・ たとえば Unicode 2 or 4byte 具体的な電子化手法例
デジタル画像 ラスターイメージ ベクターイメージ ビットマップ(BMP : Microsoft Windows Bitmap Image) JPEG : Joint Photographic Experts Group ベクターイメージ Adobe Illustratorなどのデータ
デジタル画像情報量計算例 1ピクセル当たり 24 ビットのカラー情報をビデオメモリに記憶する場合,横 1,024 ピクセル,縦 768 ピクセルの画面表示に必要となるメモリ量は,約何 M バイトか 8ビット = 1バイト (0~255) 24ビット これが動画になると 1秒間に何フレームか・・・などで容量が増える 圧縮化技術必須 ちなみに地デジハイビジョンは1440*1080サイズ BDへの録画3時間で25Gくらい 横 1,024 ピクセル×縦 768 ピクセル×3バイト = 2,359,296バイト ≒ 2.4M バイト
画像ファイルに用いられる圧縮形式 圧縮 可逆圧縮 非可逆圧縮 PNG : Portable Network Graphics GIF JPEG(可逆圧縮方式もあるが特許の関連で主にこちらを採用)
今日のおさらい 電子化された情報の推移 記憶メディアの推移 電子化のメリットやデメリット 具体的なデジタルデータの例
課題提出状況