農地・水・環境保全向上対策 営農基礎活動支援に係る交付金の使途の例 議題(2)-③-2 農地・水・環境保全向上対策 営農基礎活動支援に係る交付金の使途の例 (注)この使途例はあくまで参考ですので、ここに示されている事例に限定されるものではありません。 事例以外のもので活用可能かどうかわからない場合には、各地域協議会または県・市町村担当者へご相談ください。
まずは、必ず御一読ください ○交付金の使途についての主な注意点 ○この資料の使い方 1 ○交付金の使途についての主な注意点 交付金を有効に活用するため、使途は活動組織内でよく検討してください。 この交付金は、地域の環境負荷低減に向けた取組への支援であり、個人の取組への支援ではありません(活動組織として活用する交付金です)。 交付金は年度内で活用してください。 日当の単価や謝金の額について、活動組織として決めている場合には根拠を明確にしてください。 交付金の活用にあたっては、何に活用したのかが説明できるよう、取組内容を記載しておくとともに、領収書(レシートでも可)をきちんと保管しておいてください。 ○この資料の使い方 1.地域で取り組みたいと考えている推進活動はどのようなものですか? ・・・・・ P.2~P.4 2.支出できるものとして、このようなものが考えられます。 ・・・・・ P.5~P.12 (注意点あり)
1.地域で取り組みたいと考えている推進活動はどのようなものですか? 推進活動の項目 取り組みたい内容(例) 取り組んだ結果(例) 支出項目(例) ①環境負荷低減に向けた取組に関する検討会や消費者との意見交換会等の開催 ・環境にやさしい農業について、地域として今後どのようにして取り組んでいくのか、多くの人を交えて意見交換をしたい。 ・消費者に自分たちの取組を直接説明したい。 ・消費者はどのような農産物を購入したいのか知りたい。 ・農産物の販売等で消費者との交流を図っていきたい。 ・地域で取り組む上での課題を解決するため、その他の地域の生産者を交えて意見交換会を開催して、解決を図りたい。 ・地域としての方向性が固まり、農産物のブランド化に向けた取組が始まった。 ・デパートなどでの展示販売会のイベントで、消費者に自分たちの取組が理解され、消費者が産地に来るようになった。 ・展示会や試食会を開催し、消費者アンケートを実施した。このことで、消費者ニーズに合った栽培が行えるようになった。 ・活動内容のパンフレットを配布した結果、自分たちの取組に興味を示した消費者が、地元に来るようになり、消費者との交流が始まった。 ・順調な取組を行っている他の地域の方々に、課題解決へのアイディアをもらい、不安がなくなり、活動が順調に行えるようになった。 など 5ページ ②技術研修や先進地調査等の技術の習得等に関する研修 ・以前から5割低減に取り組んでいる地域に行って、技術を勉強してきたい。 ・環境保全型農業の全国会議に参加したい。 ・先進地調査に行くことにより、新たな栽培技術を習得できたため、地域として安定的に5割低減での栽培ができるようになった。また、関心の無かった農家も取組に参加するようになり、取組の拡大が図られた。 ・全国会議に参加することにより、全国各地の農家との情報交換ができるようなつながりができ、取組の質を向上させることができた。 6ページ 2
1.地域で取り組みたいと考えている推進活動はどのようなものですか? 3 推進活動の項目 取り組みたい内容(例) 取り組んだ結果(例) 参考ページ ③技術指導マニュアル、普及啓発資料等の作成及び配布 ・5割低減するための技術にはどのようなものがあるのかもっと知りたい。また、その技術を地域に広めたい。 ・5割低減の取組を地域の住民に知ってもらいたい。 ・5割低減をするために必要な技術の調査や専門家からの指導によりマニュアルを作成し、地域の農家に配布。このことで、安定的な生産が可能となった。 ・地域の取組概要についてのパンフレットを作成して、地域住民へ配布したことなどにより、環境に配慮した取組についての地域住民の理解が深まった。 など 7ページ ④技術実証ほの設置等の環境負荷低減技術の実証及び調査 ・先進地調査で学んできた技術を実証してみたい。 ・新たな作物に取り組んでみたい。 ・これまでの栽培技術より良い技術があることが実証されたため、生産量が安定した。 ・これまで5割低減では栽培ができないと思っていた作物でも、5割低減で栽培できることがわかった。 8ページ ⑤先進的な取組の展示効果を高めるための標示 ・インターネットを使って地域の環境負荷低減の取組をPRしたい。 ・先進的営農で栽培された農産物の知名度を向上させたい。 ・活動組織でホームページを作成し、先進的取組を紹介したことにより、消費者からの問い合わせが来るようになった。 ・先進的営農によって栽培した米の知名度を向上させるため、広報のための看板を設置したり、活動組織のマークやシールを作成。このことで、消費者に対し良いPR活動ができた。 9ページ
1.地域で取り組みたいと考えている推進活動はどのようなものですか? 推進活動の項目 取り組みたい内容(例) 取り組んだ結果(例) 参考ページ ⑥先駆的農業者等による技術指導 ・先駆的農業者や専門家等を呼んで栽培技術を教えてもらいたい。 ・先駆的農業者を招き、技術指導を行ってもらうことにより、収量減などの心配から取組を躊躇していた農家も取り組み始め、先進的営農の取組農家数、取組面積が大幅に増加した。 など 10ページ ⑦土壌、生物等の調査分析 ・取り組むに当たっては、土壌の状況をまず知る必要がある。 ・自分たちのほ場にどのぐらい生き物がいるのか調査してみたい。 ・土壌診断をすることにより、適正な施肥ができるようになった。これにより、無駄な肥料が減り、環境にやさしい農業の推進にもつながった。 ・継続して生き物調査を実施したことにより、生き物の種類が多くなったことがわかり、地域住民の環境にやさしい農業への理解が深まるとともに、農家の取組意欲も向上した。 11ページ ⑧①~⑦に共通する事項 ・会議などの打ち合わせ用の資料を作成したい。 ・活動に必要なものがあるので購入したい。 12ページ 4
2.支出できるものとしてこのようなものが考えられます。 5 ①環境負荷低減に向けた取組に関する検討会や消費者との意見交換会等の開催 先進事例発表者への旅費、謝金支払(御礼として手渡す少額な物品の購入経費も含む) 講師への旅費、謝金(御礼として手渡す少額な物品の購入経費も含む) 会議(集落座談会、消費者との意見交換会)での・お茶代・茶菓代・昼食代(晩まで会議が続く場合は簡素な夕食代も可。但し酒類は不可)・資料作成費(参考資料の購入費用含む) 会議資料印刷代 消費者との意見交換会出席のための構成員の旅費・宿泊費に係る費用 意見交換会等の会場使用料 消費者との意見交換会・交流イベント等の試食(材料費、光熱費等)に係る費用 消費者との意見交換会・交流イベント等の企画・運営などのJA等への委託費 環境負荷低減の取組についての消費者アンケートなどの実施に係る費用 環境負荷低減の取組を宣伝するためなどに参加する各種イベントへの出店費用(出店場使用料(テント代)、文具用品等)に係る費用 先進的な取組により生産された農産物であることを消費者へ説明・アピールするのに必要な経費(のぼり、パンフレット等の資料作成、印刷代、試供品(材料、包装代等)、お茶代・茶菓代) 各種イベント開催に必要なアルバイト賃金 他の活動組織と合同で検討会や意見交換会等を開催する場合の負担経費(注意:正の領収書を持つ活動組織以外は写しで管理すること) 推 進 活 動 支 出 項 目 の 例 【注 意 点】 ○お茶代・茶菓代・昼食(夕食)代、御礼としての物品については、社会通念上の常識の範囲内としてください。 ○酒類への支出はできません。 ○委託をするに当たっては、例えば複数の団体等から見積書をとるなど、合理的な価格であることの根拠を示せるようにしておいてください。
2.支出できるものとしてこのようなものが考えられます。 ②技術研修や先進地調査等の技術の習得等に関する研修 研修会での参加者へのお茶代・茶菓代・昼食代(晩まで研修会が続く場合は簡素な夕食代も可。但し酒類は不可)・資料作成費(参考資料の購入費用含む)・資料印刷代 研修材料購入費(ボカシたい肥を作る研修会を実施する際の材料費等) 先進地調査への旅費(視察用バス借上料・保険料・高速料金・駐車料金含む)・宿泊費 先進地調査で先方への謝金支払(御礼として手渡す少額な物品の購入経費も含む)、資料代等 先進地調査を行った者への日当(活動組織を代表して調査等を行った場合) 環境保全型農業に関するシンポジウム・講演会等に参加する者への参加費・旅費(シンポジウム・講演会等が午後まで続く場合は、簡素な昼食代の支給も可) ※研修会開催の形態の例 団体・試験研究機関(農業関係の独立行政法人、各道府県の農業試験場等)等に依頼 複数の地区、活動組織が一体的に地域の試験場と連携して研修を自ら実施する。 推進活動 支 出 項 目 の 例 【注 意 点】 ○お茶代・茶菓代・昼食(夕食)代、御礼としての物品については、社会通念上の常識の範囲内としてください。 ○酒類への支出はできません。 ○先進地調査を行った者は、活動組織の構成員などに調査内容が報告ができるように資料などを整理してください。 ○先進地調査を行った者への日当は、先進地で得た知識や技術などを活動組織として活用するための調査に対しての日当を考えています。すなわち、資料の作成や編集等を想定していますので、調査参加者は、報告会の開催など、何らかの形で報告をするようにして下さい。 ○先進地調査については、調査の趣旨はあくまで研修ですので、このことに十分注意して行程を設定してください。また、宿泊する場合は宿泊の必要性について対外的に説明できるようにしておいてください。 6
2.支出できるものとしてこのようなものが考えられます。 7 ③技術指導マニュアル、普及啓発資料等の作成及び配布 技術指導マニュアルや資料の作成費(インターネットによる情報収集に係る費用、(印刷費(印刷用紙、インク代等)) 資料作成のための参考資料購入費(環境負荷低減に関する書籍・ビデオ・DVD、栽培技術に関する書籍・ビデオ・DVD等) マニュアル、資料作成に係る企画等の委託費や、専門家などからの助言・指導に係る謝金 環境負荷低減に関するパンフレットの作成、配布・環境負荷低減に関するパンフレットの作成、配布 環境負荷低減の普及啓発に関する資材費(普及啓発のための看板(パネルも含む)、のぼり) 栽培暦の検討・作成に係る経費(日当も含む) 推進活動 支 出 項 目 の 例 【注 意 点】 ○マニュアルや資料の作成のために使用するパソコン、資料作成用ソフト、デジタルカメラなどについては、「営農活動」に係るものだけではなく、共同活動を含めた全体の活動にも使用できることから、使用目的が複数にまたがるような備品等の購入を検討している場合には、活動組織内で十分に話し合いを行うとともに、各協議会または県・市町村担当者に相談してください。 ○参考資料(書籍・ビデオ・DVD等)については、活動組織内での話し合いを踏まえて購入してください。
2.支出できるものとしてこのようなものが考えられます。 ④技術実証ほの設置等の環境負荷低減技術の実証及び調査 実証に係る資材費(種子・苗代、たい肥、有機質肥料、フェロモントラップ、防虫ネット等)、機械リース料(マニュアスプレッター、各種アタッチメント等)、実証試験用の機械購入・改良費 実証ほの看板制作費(日当も含む) 実証試験の効果の確認に係る費用 ○収穫物の(機能性、食味等)調査費及び残留農薬検査等に係る費用 ○普及機関と連携して、IPM指針の効果確認実証に係る費用 ○フェロモン剤設置等の地域全体のほ場対象とした実証試験の後に行う、各農家を対象とし た簡易なアンケート作成・集計等に係る費用 など 技術指導等専門家への旅費、謝金(指導者資材の郵送代も含む) 環境負荷低減技術の調査に係る資材費 実証ほの記録及び成果資料作成に係る人件費(日当を含む)・印刷費 推進活動 支 出 項 目 の 例 【注 意 点】 ○実証ほ用の機械を購入しようと考えている場合には、リースした場合との比較・検討を行った上で決定してください。 ○実証ほを先進的営農支援に取り組むほ場に設置することは避けてください。二重払いになる場合があります。 ○技術実証が複数年度にまたがる場合、資材費の支出は当該年度に使用するものに限ります。翌年度に使用する資材は翌年度の処理となるのでご注意ください。 8
2.支出できるものとしてこのようなものが考えられます。 9 ⑤先進的な取組の展示効果を高めるための標示 先進的取組農家の各農場に掲示する標示票設置に係る費用(標示票の作成費、標示票を打ち込むための杭代及び工具費、活動組織を代表して取組農家の各ほ場に標示票を設置した場合の日当等) 地域の取組(営農活動支援に係る取組)を紹介するための看板の設置費用(看板を打ち込むための杭代及び工具費等)(日当も含む) 「○○地区環境保全会 ○○米」など、この対策の取組で栽培されたことがわかる看板や、ライスセンターなどへの掲示に係る費用(活動組織としての取組であることがわかるものに限る) 活動組織での取組で栽培されたことがわかるマーク及びシールの作成費用(個人名が記載されているものに対する支出は不可。活動組織名等を記載するなど地域での取組であることがわかるものに限る。) 先進的な取組を行っている旨を示した「のぼり・パネル」の作成(記載例:「化学肥料・化学合成農薬の大幅低減実施中 ○○地区環境保全会」) 商標、地域団体商標等の取得に係る経費(個人で取得する場合の経費は不可) 活動組織でホームページを作成し、地域の環境負荷低減を推進する営農活動(取組の紹介、先進的営農の技術等)をネット上でPRする際のパソコンリース料、インターネット接続料、HP制作費等 広報用資料の作成経費(作成に必要な日当を含む) 推進活動 支 出 項 目 の 例 【注 意 点】 ○先進的な営農の取組をPR(看板設置、HP作成等)する際には、活動組織内での話し合いにより合意した上で実施してください。
2.支出できるものとしてこのようなものが考えられます。 ⑥先駆的農業者等による技術指導 技術指導の会場使用料、技術指導実施のための安価な備品の購入費 技術指導の講師の旅費、謝金支払(御礼として手渡す少額な物品の購入経費も含む) (講師は集落内農業者も可。但し技術を有する者に限る) 技術指導に必要な資料の印刷費、資材費、機械リース料(機械運搬・設置経費も含む) 指導会の参加者(活動組織区域内の構成員である非農家の参加も可)へのお茶代・茶菓代・昼食代(指導が晩までかかる場合は簡素な夕食代も可。但し酒類は不可) 推進活動 支 出 項 目 の 例 【注 意 点】 ○お茶代・茶菓代・昼食(夕食)代については、社会通念上の常識の範囲内としてください。 ○酒類への支出はできません。 10
2.支出できるものとしてこのようなものが考えられます。 11 ⑦土壌、生物等の調査分析 調査分析にあたっての専門家からの指導に対する謝金(御礼として手渡す少額な物品の購入費も含む) 生き物調査に必要な事務消耗品(筆記用具・ノート等)、用紙類、捕虫網等の購入費 調査参加者へのお茶代・茶菓代・昼食代(晩までかかる場合は簡素な夕食代も可。但し酒類は不可) 土壌分析、たい肥成分分析、残留農薬検査、植物体検査費等の環境保全型農業の取組の拡大に資する分析費用 検査機械のリース費 土壌分析方法等の関係資料の購入費(書籍・ビデオ・DVD等) 調査結果集計者や調査分析用サンプル採取者への日当 地域土壌保全マップの作成費 簡易な土壌分析、残留農薬、植物体等検査機器(簡易PHメーター、葉緑素計等)及び試験紙等(ただし、外部に検査を依頼した場合との比較・検討を行うこと) 調査分析結果に対しての専門家からの評価・意見等をいただく場合の謝金(御礼として手渡す少額な物品の購入経費も含む) 推進活動 支 出 項 目 の 例 【注 意 点】 ○「生き物調査」については、営農基礎活動支援だけでなく、共同活動でも実施できることから、生き物調査を実施する際には、その実施の目的について活動組織内で十分に話し合いを行うとともに、どちらの交付金を活用するか各協議会または県・市町村担当者に相談してください。例えば営農基礎活動支援においては、環境にやさしい農業の効果を検証することを目的としている場合などで活用してください。 ○参考資料(書籍・ビデオ・DVD等)については、活動組織内での話し合いで必要な物を購入してください。 ○お茶代・茶菓代・昼食(夕食)代については、社会通念上の常識の範囲内としてください。 ○酒類への支出はできません。
2.支出できるものとしてこのようなものが考えられます。また、注意点もあります。 ⑧①~⑦に共通する項目 各種活動に付随する打ち合わせ費用(日当も含む) 各種書類の整理箱 事務消耗品(筆記用具・ノート等)、用紙類、写真フィルム(現像代も含む) 等、コピー代など(資料作成に係る構成農家私物のパソコン・プリンターの借料)、電子媒体(パソコン用フラッシュメモリ、デジタルカメラ用メモリーカード) 推進活動 支 出 項 目 の 例 【注 意 点】 ○事務消耗品については、必要最低限の購入としてください。 ○活動するにあたって使用するパソコン、資料作成用ソフト、デジタルカメラなどは、「営農活動」に係るものだけではなく、共同活動を含めた全体の活動に使用ができるため、使用目的が複数にまたがるような備品等の購入を検討している場合には、活動組織内で十分話し合いを行うとともに、各協議会または県・市町村担当者に相談してください。 12