MANETを用いた車車間マルチホップ通信環境の構築 環境情報学部4年 岡田 耕司 okada@sfc.wide.ad.jp 結果を導出するためのストーリー
研究概要 MANETルーティングプロトコルであるTBRPFを用いて、車車間でのマルチホップ通信環境を実現 想定アプリケーション ツーリング時の車内動画・メッセージ交換 想定する規模: 10台程度 1番上をみたせるかどうかの検証 無線関係は全部抜く TBRPFの軽い説明 動画 動画
背景 自動車通信環境におけるインターネットの重要性 インターネット自動車の通信モデル 車車間通信の必要性 自動車は移動するネットワーク 自動車内外に存在する多様な通信ノード 広域通信網(狭帯域、高遅延、高コスト) 車車間通信の必要性 狭域通信網(広帯域、低遅延、低コスト) これまでのインターネット自動車の成果 車車間通信がしたい 車車間通信の必要性 通信路があるにも関わらず、使わないのが問題だよね
問題意識 インターネット 車内通信環境を IPで抽象化 自動車間で直接通信を行うことができない 車載ルータ 車載ルータ センサノード 「無線のリンクがあるにも関わらず!」という センサノード センサノード 搭乗者用端末 搭乗者用端末 GPS機材 GPS機材
本研究の概要 目的 手法 インターネット自動車における車車間通信の実現 同一方向の車線をターゲットとする TCP/IPを用いた車車間通信環境を設計、実装、評価 目的をもう少ししぼる 環境についてもっと議論が必要 ↓ 同一車線をターゲットとする理由を詳細に
MANET (Mobile Ad-hoc Network) 無線アドホックネットワーク形成技術 動的ルーティングプロトコル 代表的4プロトコル、2タイプ Proactive あらかじめネットワーク内の経路情報を管理 (OLSR, TBRPF) Reactive On-demandで経路を取得 (AODV, DSR) 研究手法を1枚挟む
ルーティングプロトコル選択 ネットワーク経路のサポート Proactiveなルーティングプロトコル 各自動車内に1つのネットワークプレフィクス Proactiveなルーティングプロトコル 比較的トポロジ変化が穏やか パケット転送時のオーバーヘッドを低減 想定する規模をちゃんとのべる 前提の環境を話す Proactiveのうれしさが述べられていない
TBRPF(Topology Dissemination Based on Reverse-Path Forwarding ) リンクステート型プロトコル ブロードキャスト方式にERPFを利用 不必要なリンク情報の間引き フラッディングを利用したリンクステート型経路制御プロトコルよりも、シミュレーション環境において通信コストを最大で98%削減(INFOCOM ’99) TBRPFのすごさをいえてない TBRPFの特徴 リンクステート型プロトコル ブロードキャスト方式にERPFを利用 不必要なリンク情報の間引き フラッディングを利用したリンクステート型経路制御プロトコルよりも、シミュレーション環境において通 信コストを最大で98%削減 (INFOCOM ’99)
ブロードキャスト方式の相違 9 6 7 8 4 5 1 2 3 13 12 10 11 15 14
リンク情報の間引き 9 6 7 8 4 5 1 2 3 情報の間引き 冗長な情報が流れない 13 12 10 11 15 Node 2’s reportable subtree Node 6’s reportable subtree 14 Node 10’s reportable subtree
TBRPFを選択した理由 TBRPF OLSR(Optimized Link State Routing Protocol) 差分情報のみを広告 ネットワーク経路を扱うことができる OLSR(Optimized Link State Routing Protocol) 定期的に情報を広告 ネットワーク経路が扱えない 略をばらしたのを入れる
TBRPF設計・実装 ユーザランドに実装 IPv6で実装 NetBSD-1.6-release上で開発 UDPによるメッセージング 設定変更の容易さ ポータビリティ(NetBSD, FreeBSD) IPv6で実装 NetBSD-1.6-release上で開発
モジュール相関図 メッセージ送信部 メッセージ受信部 リンク状態変化 ローカルリンク部 TBRPF Neighbor Discovery TBRPF Routing Module ルーティング部 メッセージの受信 メッセージの送信
評価実験 机上実験 プロトコル(実装)自体の性能評価 実車実験 現在の技術を用いた、TCP/IPによる車車間通信環境の評価
机上実験 有線ネットワークで、収束時間を測定 3台のPC上で、TBRPFを動作 3ffe:4::1のアドレスがついたインターフェースをダウンし、5秒後に再びアップさせる 3ffe:1::1 3ffe:2::1 3ffe:3::1 3ffe:4::1
実験結果 測定開始6.8秒後に接続性が失われる 測定開始15.6秒後に接続性が復活 中間ノードがリンク変化を検出してから0.8秒で1ホップのノードに情報が伝播 プロトコルの性能は十分
実車実験 手法 実験環境 3台の自動車が30km/hで並走(車間40~50m) 加速追い抜き、減速追い抜き、停車 通信継続性の測定(ping6) 実験環境 FreeBSD-4.6.2-release/NetBSD-1.6 Melco Buffalo WLI-PCM-L11
加速追い抜き実験 Bが中継し、Cにパケットを転送 ICMP Echo Request 自動車A 自動車B 自動車C
加速追い抜き実験 Cが加速して、Bを追い抜く ICMP Echo Request 自動車A 自動車C 自動車B
減速追い抜き実験 ICMP Echo Request 自動車A 自動車C 自動車B
減速追い抜き実験 Cが停車し、BがCを追い抜く ICMP Echo Request 自動車A 自動車B 自動車C
停車実験 3台がこのままの構成を保ったまま停車 ICMP Echo Request 自動車A 自動車B 自動車C
実車実験結果 加速 減速 停車
ルーティングプロトコルの評価 実験 収束時間 実験1 (加速追い抜き) 95秒 実験2 (減速追い抜き) 55秒 実験3 (停車) 16秒 実験 収束時間 実験1 (加速追い抜き) 95秒 実験2 (減速追い抜き) 55秒 実験3 (停車) 16秒 課題は次のスライド
実験結果考察 許容できないTBRPFの収束時間 要因の特定ができなかった 無線の影響 プロトコル ドップラー現象 フェージング 設計 実装 要因をかく
まとめ MANETを用いた車車間通信環境の提案 実自動車環境で評価 ルーティングプロトコルの選択 TBRPFの設計、実装 IEEE 802.11bを用いた際には、車車間通信は困難 目的と結果で挟む 予測した結果ではなかった 次のスライドで、結果を切り分けていく
今後の課題 車車間通信環境に適した無線デバイス技術の模索 自動車通信環境に適したMANETルーティングプロトコルの模索 実装のリリース 高速移動、相対速度に対する耐性 自動車通信環境に適したMANETルーティングプロトコルの模索 TBRPFをもとに、収束オーバーヘッドの原因追求、抑制 実装のリリース チューニング インターフェースの整備 Kameにポーティング?