MANETを用いた車車間マルチホップ通信環境の構築

Slides:



Advertisements
Similar presentations
TCP/IP によるチャットプログラ ム 薄井 秀晃. 基礎知識編 TCP/IP とは? IP とは・・・ Internet Protocol の略称であり通信方法の技術的なルールで あり、実際にデータを送受信する前にデータを小さなデータ に分割し、それに発信元と受信先の IP アドレスを付加させて.
Advertisements

UDL( 片方向通信路 ) 衛星リンクには Feeder,Receiver が存在 双方向通信には2つのチャンネル データの流れは一方通行 N 局による通信には n(n-1) のチャンネルが必要 送信局が入れ替わることにより、 擬似的に多対多型通信を行う研究もされている.
博士論文原案. 大枠 Mobile Centric L3/L4 Framework 問題意識 イメージ図 CS データリンク層 アプリケーション層 PS 管理副層 (IP)CS 管理副層 コンバージェンス副層 TCPUDPSCTP コントロール副層 アプリケーション要求値 / アプリケーションタイプ.
IP over DVB-RCS の設計と実装 研究背景 DVB-RCS 衛星回線を用いて受信局から送信局への狭帯域な戻り回線を提供 Forward Link Return Link HUB Terminal.
コンテンツ配信に優れている P2P 技術と、著作権侵害問題の関係について 述べよ。
NFCを利用した登山者間DTNの構築 Building DTN for Climbers by using NFC
ネットワーク技術II 第8.2課 イーサネット・スイッチング
前回の課題 IPv6アドレス IP ARP ICMP NAT インターネット層 2003年12月4日 情報ネットワーク論 新村太郎.
ラウンドトリップタイムを指標とした 無線LAN のためのアクセスポイント選択手法
仮想ブロードキャストリンクを利用した 片方向通信路の透過的経路制御 藤枝 俊輔(慶應義塾大学)
IPv6 エニーキャスト ルーティングプロトコル PIA-SM の設計および実装
スケールフリーネットワークにおける 経路制御のためのフラッディング手法の提案と評価
ネットワーク層.
神奈川大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻
発表の流れ 研究背景 マルチテナント型データセンタ 関連研究 IPマルチキャスト ユニキャスト変換手法 提案手法 性能評価.
センサノード 時刻同期と位置測定 浅川 和久 2008/11/16 センサノード 時刻同期と位置測定.
自律分散協調システム.
Towards Commercial Mobile Ad Hoc Network Applications: A Radio Dispatch System ECN M1 sada.
鈴木伸介 / KAME Project IPv6技術標準化の最新動向 鈴木伸介 / KAME Project
トランスポート層.
ネットワーク機器接続 2SK 情報機器工学.
アドホックネットワークの ルーティングプロトコル
ノードの情報を動的に反映したオーバレイネットワークの構築
ノードの情報を動的に反映したオーバレイネットワークの構築
ネットワークとノードの情報を利用したオーバレイネットワークの最適化
MANETを用いた車車間マルチホップ通信環境の構築
移動型ネットワーク基盤システム furu (M2)
メッシュネットワークに関する研究 ーチャネル割り当ての一手法ー
講義日程予定 第 1 回 「ガイダンス」 第 2 回 「ユビキタスシティ検討ワーキング中間とりまとめ」
IPv6アドレスによる RFIDシステム利用方式
大規模アドホックネットワークにおける 階層的な名前解決法
山本 貴之 大阪大学 大学院基礎工学研究科 情報数理系専攻 村田研究室 博士前期課程
6月19日 RoutingとRouting Protocol 大竹 由美子
イーサネット.
Hayato SAITO, Mitsutoshi MATSUDA, Masato NOTO
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
IPv6 ネットワークにおける エニーキャスト通信実現のための プロトコル設計と実装
大阪大学 大学院情報科学研究科 博士前期課程2年 宮原研究室 土居 聡
DiffServにおけるクラスの新しい設定方法の提案
i-Pathルータのフロー情報を用いたDoS攻撃検知法
2009年度卒業論文発表 CDNコンテンツサーバの動的負荷分散
オーバレイ構築ツールキットOverlay Weaver
出典・・・基礎からわかるTCP/IPコンピューティング入門 村山公保著
マルチホーミングを利用した Proxy Mobile IPv6の ハンドオーバー
各種ルータに対応する P2P通信環境に関する研究
TIME SIGNAL: 集合知を利用した赤信号点灯時間の取得手法
第16章 BOOTP:ブートストラップ・プロトコル
IP over DVB-RCSの設計と実装
DNSクエリーパターンを用いたOSの推定
Hawkeye: 街中ネットワークでのContext-aware Service提供を目指して
片方向通信路を含む ネットワークアーキテクチャに於ける 動的な仮想リンク制御機構の設計と実装
映像による 複数人のコミュニケーション向けの アプリケーションレベルマルチキャストEmmaの性能評価
P2P ネットワーク上で 実時間ストリーミングを実現するための 分散制御プロトコルの提案
勝手にインフラ隊 (の中の人といっしょ) に学ぶネットワーク講座 Part2
Prof. Noriyoshi Yamauchi
勝手にインフラ隊 (の中の人といっしょ) に学ぶネットワーク講座 Part2
小規模組織に適した IPv6ネットワークの設計と構築
情報ネットワーク 岡村耕二.
アドホックルーティングにおける 省電力フラッディング手法の提案
衛星回線を含むネットワークにおける 動的経路制御に関する研究
計算機群における 「動的なインターネット接続性」の共有に関する研究
Amicus: A Group Abstraction for Mobile Group Communications
低軌道周回衛星における インターネット構築に関する研究
異種セグメント端末による 分散型仮想LAN構築機構の設計と実装
Thomas Clausen氏の来日公演 2003/10/30(木) Τ12 11:15am スタート.
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士課程 2年 間 博人
情報ネットワーク 岡村耕二.
まさ 2003/06/12 卒論その後の進捗 まさ 2003/06/12.
DHCPv6 on zebraの設計 miyu(SING) B2 親:yasu.
Presentation transcript:

MANETを用いた車車間マルチホップ通信環境の構築 環境情報学部4年 岡田 耕司 okada@sfc.wide.ad.jp 結果を導出するためのストーリー

研究概要 MANETルーティングプロトコルであるTBRPFを用いて、車車間でのマルチホップ通信環境を実現 想定アプリケーション ツーリング時の車内動画・メッセージ交換 想定する規模: 10台程度 1番上をみたせるかどうかの検証 無線関係は全部抜く TBRPFの軽い説明 動画 動画

背景 自動車通信環境におけるインターネットの重要性 インターネット自動車の通信モデル 車車間通信の必要性 自動車は移動するネットワーク 自動車内外に存在する多様な通信ノード 広域通信網(狭帯域、高遅延、高コスト) 車車間通信の必要性 狭域通信網(広帯域、低遅延、低コスト) これまでのインターネット自動車の成果 車車間通信がしたい 車車間通信の必要性 通信路があるにも関わらず、使わないのが問題だよね

問題意識 インターネット 車内通信環境を IPで抽象化 自動車間で直接通信を行うことができない 車載ルータ 車載ルータ センサノード 「無線のリンクがあるにも関わらず!」という センサノード センサノード 搭乗者用端末 搭乗者用端末 GPS機材 GPS機材

本研究の概要 目的 手法 インターネット自動車における車車間通信の実現 同一方向の車線をターゲットとする TCP/IPを用いた車車間通信環境を設計、実装、評価 目的をもう少ししぼる 環境についてもっと議論が必要 ↓ 同一車線をターゲットとする理由を詳細に

MANET (Mobile Ad-hoc Network) 無線アドホックネットワーク形成技術 動的ルーティングプロトコル 代表的4プロトコル、2タイプ Proactive あらかじめネットワーク内の経路情報を管理 (OLSR, TBRPF) Reactive On-demandで経路を取得 (AODV, DSR) 研究手法を1枚挟む

ルーティングプロトコル選択 ネットワーク経路のサポート Proactiveなルーティングプロトコル 各自動車内に1つのネットワークプレフィクス Proactiveなルーティングプロトコル 比較的トポロジ変化が穏やか パケット転送時のオーバーヘッドを低減 想定する規模をちゃんとのべる 前提の環境を話す Proactiveのうれしさが述べられていない

TBRPF(Topology Dissemination Based on Reverse-Path Forwarding ) リンクステート型プロトコル ブロードキャスト方式にERPFを利用 不必要なリンク情報の間引き フラッディングを利用したリンクステート型経路制御プロトコルよりも、シミュレーション環境において通信コストを最大で98%削減(INFOCOM ’99) TBRPFのすごさをいえてない TBRPFの特徴 リンクステート型プロトコル ブロードキャスト方式にERPFを利用 不必要なリンク情報の間引き フラッディングを利用したリンクステート型経路制御プロトコルよりも、シミュレーション環境において通 信コストを最大で98%削減 (INFOCOM ’99)

ブロードキャスト方式の相違 9 6 7 8 4 5 1 2 3 13 12 10 11 15 14

リンク情報の間引き 9 6 7 8 4 5 1 2 3 情報の間引き 冗長な情報が流れない 13 12 10 11 15 Node 2’s reportable subtree Node 6’s reportable subtree 14 Node 10’s reportable subtree

TBRPFを選択した理由 TBRPF OLSR(Optimized Link State Routing Protocol) 差分情報のみを広告 ネットワーク経路を扱うことができる OLSR(Optimized Link State Routing Protocol) 定期的に情報を広告 ネットワーク経路が扱えない 略をばらしたのを入れる

TBRPF設計・実装 ユーザランドに実装 IPv6で実装 NetBSD-1.6-release上で開発 UDPによるメッセージング 設定変更の容易さ ポータビリティ(NetBSD, FreeBSD) IPv6で実装 NetBSD-1.6-release上で開発

モジュール相関図 メッセージ送信部 メッセージ受信部 リンク状態変化 ローカルリンク部 TBRPF Neighbor Discovery TBRPF Routing Module ルーティング部 メッセージの受信 メッセージの送信

評価実験 机上実験 プロトコル(実装)自体の性能評価 実車実験 現在の技術を用いた、TCP/IPによる車車間通信環境の評価

机上実験 有線ネットワークで、収束時間を測定 3台のPC上で、TBRPFを動作 3ffe:4::1のアドレスがついたインターフェースをダウンし、5秒後に再びアップさせる 3ffe:1::1 3ffe:2::1 3ffe:3::1 3ffe:4::1

実験結果 測定開始6.8秒後に接続性が失われる 測定開始15.6秒後に接続性が復活 中間ノードがリンク変化を検出してから0.8秒で1ホップのノードに情報が伝播 プロトコルの性能は十分

実車実験 手法 実験環境 3台の自動車が30km/hで並走(車間40~50m) 加速追い抜き、減速追い抜き、停車 通信継続性の測定(ping6) 実験環境 FreeBSD-4.6.2-release/NetBSD-1.6 Melco Buffalo WLI-PCM-L11

加速追い抜き実験 Bが中継し、Cにパケットを転送 ICMP Echo Request 自動車A 自動車B 自動車C

加速追い抜き実験 Cが加速して、Bを追い抜く ICMP Echo Request 自動車A 自動車C 自動車B

減速追い抜き実験 ICMP Echo Request 自動車A 自動車C 自動車B

減速追い抜き実験 Cが停車し、BがCを追い抜く ICMP Echo Request 自動車A 自動車B 自動車C

停車実験 3台がこのままの構成を保ったまま停車 ICMP Echo Request 自動車A 自動車B 自動車C

実車実験結果 加速 減速 停車

ルーティングプロトコルの評価 実験 収束時間 実験1 (加速追い抜き) 95秒 実験2 (減速追い抜き) 55秒 実験3 (停車) 16秒    実験    収束時間    実験1 (加速追い抜き)    95秒    実験2 (減速追い抜き)    55秒    実験3 (停車)    16秒 課題は次のスライド

実験結果考察 許容できないTBRPFの収束時間 要因の特定ができなかった 無線の影響 プロトコル ドップラー現象 フェージング 設計 実装 要因をかく

まとめ MANETを用いた車車間通信環境の提案 実自動車環境で評価 ルーティングプロトコルの選択 TBRPFの設計、実装 IEEE 802.11bを用いた際には、車車間通信は困難 目的と結果で挟む 予測した結果ではなかった 次のスライドで、結果を切り分けていく

今後の課題 車車間通信環境に適した無線デバイス技術の模索 自動車通信環境に適したMANETルーティングプロトコルの模索 実装のリリース 高速移動、相対速度に対する耐性 自動車通信環境に適したMANETルーティングプロトコルの模索 TBRPFをもとに、収束オーバーヘッドの原因追求、抑制 実装のリリース チューニング インターフェースの整備 Kameにポーティング?