火山災害情報伝達ツールとして見た学校理科教育 2003.10.21 A05班会議 火山災害情報伝達ツールとして見た学校理科教育 秋田大学 林 信太郎 別府温泉
A05班の目的の中の位置づけ 普遍的かつ実用的な情報発信・伝達のために知見・手法・ツールを得ることを目的とする(計画調書の目的欄より) 火山教育の位置づけは?
情報伝達のツールとしての 火山教育 火山情報の発信者→火山情報の受信者 受信者サイド:火山情報リテラシー 主体的な避難者 生徒 社会人 受信者サイド:火山情報リテラシー 主体的な避難者 生徒 社会人 発信者サイド:情報受信者についての理解(顧客理解)
本日の議論 学校教育における火山教育の問題 受信者理解の課題 主体的な避難者の育成
学校教育における 火山教育の課題 ターゲットは小学校・中学校 教材の供給 指導要領改訂 高校の地学履修率 10%以下
小中学校における火山教育分野の比率
教材・授業案の供給 小学校に火山分野が登場して2年目 →学校現場も手探り状態 火山学者の援助が必要 小学校に火山分野が登場して2年目 →学校現場も手探り状態 火山学者の援助が必要 <開発した教材>:実験教材:ココア泥流によるハザードマップの学習、チョコレート溶岩とココア火山による地表変形の学習、コンニャク断層とマヨネーズ火山による噴火と地震の連動性の学習 紙芝居 その他
本日の議論 学校教育における火山教育の課題 受信者理解の課題 知識 レベル 志向 主体的な避難者の育成
受信者の知識 火山に関する知識 火山に関する素朴知 火山「灰」問題 地図の読解力
受信者のレベル 小・中学生の学力 以前よりも差がつく 階層差が現れている 火山学者の持つ子供像 →高学力バイアスがかかっている
受信者の志向 顧客を理解するには不十分 市場調査 桜島友の会→参加者の動員力 アクティビティ 子供はマグマが好き 岩石はそれほどでもない
本日の議論 学校教育における火山教育の課題 受信者理解の課題 主体的な避難者の育成 火山災害に対する態度の養成 主体的な判断の訓練
主体的な避難者の育成に関する火山教材開発の実績 ロールプレイングゲーム: 「南の火の島ー火山災害対策本部」 ゲーミングシミュレーション: 「裏山が噴火したら・・・」
ロールプレイングゲーム 「南の火の島 -火山災害対策本部」 <状況設定> ここは火山島の「大焼島」である。人口3万人で集落は主に4ヶ所に別れ、一番南方の「大賀港」が町の中心部で町役場もここにおかれている。 大焼島火山は、標高960m。過去200年間で3回の噴火をしたことがわかっている。1820年には島の南方に割れ目噴火が起き、海岸では,マグマ水蒸気爆発が起きた。噴石に当たって8人の村人が犠牲になった。1853年には山頂部で小規模な噴火があったが被害はゼロだった。1945年には火山の西部で割れ目噴火があり,流下した溶岩により家屋に被害が出た。いずれの噴火も有感地震がはじまって数日で噴火が始まっている。平安時代にはこの島としてはかなりの大規模噴火があった。山頂部でマグマ水蒸気爆発が起き、全島に火砕サージがおよんだことが地質調査と古文書からわかっている。 2002年12月12日から低周波地震がおこりはじめた。 2002年12月15日10時から話は始まるのだが・・・ ロールプレイングゲーム 「南の火の島 -火山災害対策本部」 対象:大学生・社会人 ねらい:講義内容の理解を深める。火山災害対策の 難しさを知る。主体性を高める。火山災害に対する 態度の養成
登場人物 町長 助役 警察署長 各部の部長 火山学者(災対本部組+現地調査組) 気象庁職員 マスコミ 町長:タクシー業界出身、観光の振興に強い関心がある。 助役:時期町長の有力候補。 火山学者 小林 :火山学者。A国立大学教授。 心配性の火山学者 佐藤:火山学者。B国立大学助教授。 上司の田村教授は海外出張中である。 気象庁火山防災担当職員:教官が担当。火山現象の報告者
ゲーミングシミュレーション 「裏山が噴火したら・・・」 ゲーミングシミュレーション 「裏山が噴火したら・・・」 (状況:噴火開始直後、昼食時、噴石及び火山灰 避難するとき手近に次の物がありました。3つだけ持っていくとしたらあなたはどれを選びますか? アイテムのリスト 議論の過程が重要→自分自身で判断する訓練
アイテム ラジオ、携帯電話、財布、雨合羽、スノーボードの板、着替え、チョコレート、懐中電灯、タオル、スキーゴーグル、軍手、ビニル袋、ろうそく、水、風呂敷、ビデオカメラ
おわり