コンピュータプラクティス I 再現性 水野嘉明

Slides:



Advertisements
Similar presentations
コンピュータプラクティ スⅠ 比較実験 水野嘉明. 本日の予定 計算量について 「比較実験」  パラメータを変化させての比較 ⇒ 実験1  二つのプログラムの比較 ⇒ 実験2  実験レポート R3として提出 2.
Advertisements

コンピュータプラクティ スⅠ 校正 水野嘉明. 本日の内容 「校正」 Word による自動校正  小論文:「校正の必要性」につい て 人による校正  前回作成したファイルを、他の人 と交換して校正 レポート提出  完成したファイルを R0 として提出 2.
生体情報論演習 - 統計法の実践 第 1 回 京都大学 情報学研究科 杉山麿人.
コンピュータプラクティ スⅠ アンケート 水野嘉明 1. 本日の予定 「アンケート」  人間的な要因を評価するための 一手段として、アンケートの方 法について学ぶ  実験では、アンケートの集計を 行う 2.
1 PC の情報を得る - 「システム情報」 ①「スタート」 → 「すべてのプログラム」 → 「アクセサリ」 → 「システム ツール」 → 「システム情報」とクリックする。 ②左欄の項目を選択すると、右欄に情報が表示される。
コンピュータプラクティス I 口頭発表 水野嘉明
Windows XP ウィルス対策手順 1 感染の確認 感染している場合→2へ 感染していない場合→3へ 2 ウィルスの駆除
ファイルキャッシュを考慮したディスク監視のオフロード
LZ圧縮回路の設計とハード・ソフト 最適分割の検討 電子情報デザイン学科 高性能計算研究室 4回生 中山 和也 2009/2/27.
Android と iPhone (仮題) 情報社会とコンピュータ 第13回
レポートの作成 効果的な発表の仕方.
ファイルやフォルダを検索する ①「スタート」→「検索」→「ファイルとフォルダ」とクリックする。
PCの情報を得る - 「システム情報」 ①「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「システム ツール」→「システム情報」とクリックする。 ②左欄の項目を選択すると、右欄に情報が表示される。
PHPエディタによる 情報システム演習 01.
☆これまでと、これからと☆ パソコンで携帯サイトをみる方法 誰でも利用できる環境の構築 Wiiリモコンを使った構内案内 ーー今回の発表ーー
コンピュータ演習Ⅰ 8月7日(日) 1限目 ファイルの種類.
Webサイト運営 09fi118 橋倉伶奈 09fi131 本間昂 09fi137 三上早紀.
心理学情報処理法Ⅰ コンピュータにおけるデータ表現 マルチメディアとコンピュータ.
「C++言語」習得のための実践的研究 -「テンプレート」,「例外処理」,「実行時型情報」-
高性能コンピューティング論2 第1回 ガイダンス
成績は、小テストと期末のレポートによって評価 (1/3以上欠席の場合は不可とします)
オープンソフトウェア利用促進事業 第3回OSSモデルカリキュラム導入実証
専門演習Ⅰ 国際経済学部 国際産業情報学科 2年 石川 愛
クラウドの内部攻撃者に対する安全なリモートVM監視機構
基礎プログラミング演習 第1回.
MPIによる行列積計算 情報論理工学研究室 渡邉伊織 情報論理工学研究室 渡邉伊織です。
コンピュータプラクティス I コンピュータプラクティスⅠ 校正 水野嘉明 校正.
型付きアセンブリ言語を用いた安全なカーネル拡張
九州大学キャンパスクラウド 利用法 情報ネットワーク特論 講義資料.
コンピュータプラクティス I 時間の測定 水野嘉明
MPIを用いた最適な分散処理 情報論理工学研究室 角 仁志
レポート課題(1班) 次回の授業で説明する手順に従い、各自で実験を行い、その結果と考察を提出する
リモートホストの異常を検知するための GPUとの直接通信機構
セキュリティ 05A2013 大川内 斉.
実行時情報に基づく OSカーネルのコンフィグ最小化
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
ゲーム開発モデルの基礎.
通信機構合わせた最適化をおこなう並列化ンパイラ
数量分析 第2回 データ解析技法とソフトウェア
Windows XP  ウィルスバスターインストール方法.
EGSに対応した粒子軌跡と 計算体系の3次元表示ソフト - CGVIEW -
情報処理技法(リテラシ)II 第9回:Word (2/2) 産業技術大学院大学 情報アーキテクチャ専攻 助教  柴田 淳司.
提出期間を厳守する。 締切は2014年12月21日(日曜日) やむを得ない場合には12月27日(土)まで
情報処理概論Ⅰ 2007 第5回 2019/4/7 情報処理概論Ⅰ 第5回.
未使用メモリに着目した 複数ホストにまたがる 仮想マシンの高速化
プログラミングⅠ 平成30年10月15日 森田 彦.
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
VMMのソフトウェア若化を考慮した クラスタ性能の比較
ガイダンス 情報システム管理 ガイダンス 水野 嘉明 情報システム管理 1.
ウェブアプリケーションサーバの Degradation Schemeの 制御に向けて
Cell/B.E.のSPE Isolationモードを用いた監視システム
~目次~ Ⅰ.動作環境 Ⅱ.ファイルのダウンロード Ⅲ.システムのインストール Ⅳ.初期設定 Ⅴ.アンインストール
ファイルやフォルダを検索する ①「スタート」→「検索」とクリックする。 ②「表示項目」から適当なものを選択する。
アクセス集中時の Webサーバの性能に対する OSの影響
第5回 メモリ管理(2) オーバレイ方式 論理アドレスとプログラムの再配置 静的再配置と動的再配置 仮想記憶とメモリ階層 セグメンテーション
コンパイラ 2012年10月1日
仮想マシンと物理マシンを一元管理するための仮想AMT
情報基礎Ⅱ (第1回) 月曜4限 担当:北川 晃.
OSI7層に関係する機器、仕様、機能など 物理層 データリンク層 ネットワーク層 トランスポート層 セッション層 プレゼンテーション層
Cell/B.E. のSPE上で動作する 安全なOS監視システム
Webインテリジェンス論 Protégé演習 (インストール)
MPIを用いた並列処理計算 情報論理工学研究室 金久 英之
ウィルスの感染先探索活動を可視化するツール“PacketViewer”の開発
nチャネルメッセージ伝送方式のためのjailによる経路制御
Uni Directional Link Routing 片方向通信路に於ける経路制御
ボットネットの国別マルウェア活動時間 なぜインドからの攻撃は日本時間で行われるか?
医療科学B演習のおさらい 杏林大学医学図書館 医療科学B.
MPIを用いた 並列処理 情報論理工学研究室 06‐1‐037‐0246 杉所 拓也.
<前提条件> C/S Bridge(C/S版)
プログラミング演習II 2004年11月 2日(第3回) 理学部数学科・木村巌.
Presentation transcript:

コンピュータプラクティス I 再現性 水野嘉明 コンピュータプラクティスⅠ 再現性 水野嘉明 再現性

本日の予定 「再現性」 実験の再現と実験環境について 前回の実験1、2について、追実験をおこなう 実験レポート R4として提出する

科学的方法 – 第三者による検証 論文(実験レポート)による成果の発表 実験が正しいことの検証 帰納的推論、演繹的推論に誤りがないことの検証 批判に耐えることにより、研究成果は受け入れられる

実験の再現 実験の正しさは、どのようにして証明されるか? 誰がやっても同じ結果になれば、正しいものと認められる 追実験が重要である

実験の再現 第三者が、同じ条件で実験を再現できなければならない 論文・レポートには 実験環境 実験の方法・手順 実験の経過や結果 を明記する

実験の環境 実験環境とは、実験に影響すると思われるすべての要因 ハードウェア ソフトウェア ネットワーク 人的要素

実験の環境 ハードウェア CPU メモリ (メインメモリ) キャッシュメモリ ディスク ビデオカード(ディスプレイ) その他

実験の環境 ソフトウェア OS (種類、バージョン、SP/パッチ) プログラムの実行条件 (優先順位、仮想記憶) 同時に動いているソフト (サービス/デーモン、アプリ) 使用ツール その他

実験の環境 プログラムの実験に関する注意 同じソースファイルでも、生成される実行ファイルはコンパイラにより異なる コンパイラの種類、バージョン、最適化レベル、使用ライブラリ、その他の設定

実験の環境 環境の確認 (Windows XPの場合) 「マイコンピュータ」で右クリック → [プロパティ] [アクセサリ] → [システムツール] → [システム情報]

ctrl+alt+delete → タスクマネージャ 実験の環境 実行中のプログラムを調べる 実行中のサービスを調べる ctrl+alt+delete → タスクマネージャ [管理ツール] → [サービス]

実験の環境 ネットワーク 通信相手の処理内容、環境 通信路の性能、混み具合など IPアドレスは直接関係しないが、ネットワークのどの部分にどのように接続されているかが、性能等に影響する

実験の環境 人的要素 人の振る舞いは様々な要因に依存 再現性に乏しい ⇒ 統計的に扱う必要

演習1 実験環境を調べよ 実験用PCの仕様 ソフトウェア環境

追実験 追実験は、 元実験と同じ方法・手順で行う 環境の影響を、出来るだけ取り除く 例えば、同時にアプリケーションを動かさない、など どのような影響があるかを、見極める事が大事

追実験 元実験側の責任が大 実験環境、手順・方法、経過や結果を、 実験方法 レポート(論文)にきちんと書く 例)応答時間を測定する時には、ネッ トワーク経由のサーバーではなく、 ローカルなディスク(C:) を用いる レポート(論文)にきちんと書く 実験環境に左右されない

追実験 実験環境を明示する理由 (1) 実験結果が環境に左右 されて いないか、検証する 例:ネットワーク経由の起動時間 (1) 実験結果が環境に左右 されて いないか、検証する 例:ネットワーク経由の起動時間 (2) 結果の違いが環境の違いで 説明できるか どうか、判定する 例: CPU速度の換算

追実験 影響を避けることの出来ない環境もある 例: OSの種類、CPUの性能 その場合、出来るだけ環境をそろえる 同じ環境を再現できなくても、相対的な比較はできることがある 例: CPUの性能は異なっていても、 速度は換算できる 等

追実験 追実験は、元実験が正しいかどうか を検証するために行う 元実験を批判的に見る コンピュータプラクティス I 追実験 追実験は、元実験が正しいかどうか を検証するために行う 元実験を批判的に見る 実験結果は、数値だけではなく、推論についても検証すること 追実験の結果、「元実験は正しくない」 という結論も有り得る 再現性

追実験 追実験は、同じ数値を出す事が目的ではない 速度の実験では、同じ速度を出しても仕方がない 換算が可能 ⇒ オーダーが重要 コンピュータプラクティス I 追実験 追実験は、同じ数値を出す事が目的ではない 速度の実験では、同じ速度を出しても仕方がない 換算が可能 ⇒ オーダーが重要 再現性

実験1、2 先週の実験1、2を追実験せよ 追実験対象レポートは、Webサイトよりダウンロードする サンプル1~サンプル3の中から選択すること

実験1、2 元実験の 実験環境を明記した上で、実験方法、実験結果を記せ 自分の実験環境、実験方法も明記する 追実験を行い、結果を確認せよ 自分の結果と比較し、考察せよ

課題 正確な追実験を行うために必要なことを調べ、科学的方法における追実験の意義について論ぜよ

実験レポート レポートR4として提出せよ レポートの構成(章立て)に注意 R1、R3と同じ章立て 表題は 「比較実験の追実験」

追実験の注意事項 実験環境は、元の環境と追実験の環境の、両方を書かなければ意味がない 測定方法について、記述すること 「どのレポートの追実験か」も明記する 数字の検証だけではなく、推論も検証すること

課題についての注意事項 正確な追実験を行うために必要なこと テキスト以外の文献を二つ以上調査すること 注:時間がかかる 科学的方法における追実験の意義 自分の言葉で書くこと テキストの切り貼りは不可

演習2 追実験を行ってみた経験から、自分のレポートR3を見直し、次の各項目をチェックせよ 理論、特に仮説 実験環境、実験方法、実験結果 考察 結論

演習2 改めて、レポートR3R として、提出せよ

お疲れ様でした