災害対策拠点の分散化を支援する 耐災害性の高い電源・通信システムの開発

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災害対策拠点の分散化を支援する 耐災害性の高い電源・通信システムの開発 都市減災研究センター(UDM)2010年度研究成果報告会 研究テーマ 4  災害対策拠点の分散化を支援する 耐災害性の高い電源・通信システムの開発 小課題 4.1) 災害拠点の分散化を支援する 通信システム 工学部 情報通信工学科 教授 水野 修 准教授 小林亜樹 准教授 山口実靖 教授 淺谷耕一 早稲田大学 国際情報通信学研究所 教授 中里秀則

背景と目的 目的 背景 都市部における災害発生時においては,山間部や居住区域と異なる減災情報システムが求められる.  都市部における災害発生時においては,山間部や居住区域と異なる減災情報システムが求められる. 密集地における映像等を用いた災害地の状況把握 多数の罹災者への情報提供 企業活動を途絶しないための遠隔地への業務分担 目的 災害発生状況下で,情報伝達を円滑に実現するための,情報通信システム構築法の確立

想定する情報通信システム 電源系 電源系 電源系 区内拠点ビル 約3km 約30km 無線機器 無線機器 無線機器 無線機器 サーバシステム アンテナ アンテナ アンテナ アンテナ 区内拠点ビル 約3km 約30km 無線機器 無線機器 無線機器 無線機器 サーバシステム 対象拠点ビル サーバシステム サーバ システム 電源系 電源系 バックアップ拠点ビル 電源系 親機 半径約500m 子機 避難所等

検討課題 課題1:通信系(無線機器等) 課題2:情報系(サーバシステム) 無線回線の安定度の評価 アプリケーション実現法の検討 サーバ計算機の性能と省電力化の検討 検索負荷軽減法の検討

無線回線の安定度の評価 目的:バックアップ回線である長距離無線LANが安定して使用可能か確認する 概要:新宿キャンパス-八王子キャンパスの長距離無線LANシステムの伝送スループットを継続的に測定 -周波数帯 4.9GHz帯(Alvarion社製)

計測方法 観測期間 2010年6月7日~ 1分間あたり3秒のUDPストリーミングデータを送り,スループットを計測 ⇒1時間分を平均して記録 観測期間 2010年6月7日~ 1分間あたり3秒のUDPストリーミングデータを送り,スループットを計測  ⇒1時間分を平均して記録 4.9GHz アンテナ アンテナ 無線機器 無線機器 データ送信機器 スループット測定機器 34 Km

一日のデータ変動の大きいケース 突発的にスループットが下がることがある 2010/9/25 13時~9/26 12時 25d 12h 15h 2010/9/25 13時~9/26 12時 25d 12h 15h 18h 21h 26d0h 3h 6h 9h 12h 突発的にスループットが下がることがある

東日本大震災時の伝送評価 3月6日 14:30~15:30の伝送結果 3月11日 14:30~15:30の伝送結果 スループット[Mbps] 14:30 14:40 14:50 15:00 15:10 15:20 15:30 時刻[hh:mm] スループット[Mbps] 3月6日 14:30~15:30の伝送結果 3月11日 14:30~15:30の伝送結果 また,このシステムを評価するにあたって,先日発生した東日本大震災のとき新宿で震度5強の地震が起こった際の評価を行った. 縦軸はスループット横軸は日時です ここが地震が発生した時刻です.このように地震が発生した際にスループットが低下してしまっていることがわかる. このように,災害時には音声や映像によるリアルタイム通信が必須となるが,通信障害により正しい情報の伝達がスムーズに行えない という問題が生じる.

アプリケーション実現法の検討 不安定な伝送状況を想定したアプリケーション リンクレベルアグリゲーション: トラヒックを複数ルートに分配する  トラヒックを複数ルートに分配する セッションハンドオーバー: 品質の悪いルートのセッションを継続しながら切り替える 切替 分配 リンクレベルアグリゲーション セッションハンドオーバー

サーバ計算機の性能と消費電力の評価実験 消費電力の大きいGPUの処理量と消費電力の関係を調査し,考察する 2系統から供給される電源について測定する

1GPU 性能と消費電力 ・処理はスレッド単位で行い,1ブロックの中に複数のスレッドが存在し,複数のブロックが存在 ・ブロック数、スレッド数をあげることにより,性能/消費電力が向上

検索負荷軽減法の検討 背景:探索負荷の問題 探索: 処理負荷、通信負荷  電力消費 分散探索時の探索負荷軽減     探索: 処理負荷、通信負荷  電力消費         分散探索時の探索負荷軽減 方針 :冗長探索トラヒックの抑制 効果 :負荷軽減(分散も)     省電力につなげる 提案方式 高負荷探索枝の短縮化   高頻度queryへの最終回答を準備   能動的経路情報キャッシュ 最終回答時の改善打ち切り   最終回答時に無効な応答を混入する

評価実験 シミュレーション設定値 アルゴリズム Routing 反復 k-buckets 人気度 Zipf分布 利用度 平均 偏差 アクセス制約 利用度 平均  偏差  ネットワーク設定 Node数 コンテンツ数 クエリ数 使用ソフトウェア Overlay Weaver 0.96 [2] 通信リンク 探索ノード 反復routing 利用度 (探索頻度) 被クエリノード コンテンツ ルートノード 被クエリノード 人気度 (探索される頻度) [2]首藤一幸, 田中良夫, 関口智嗣:“ オーバレイ構築ツールキットOverlay Weaver ”, 先進的計算基盤システムシンポジウム(SACSIS2006)

結果:探索負荷分布 ほとんどのnodeで負荷軽減 高負荷nodeほど高効果 負荷のばらつきも抑制(平準化) sd: 標準偏差 m: 平均値 rsd: 相対標準偏差 被探索実頻度 被探索相対頻度

まとめ 減災情報通信システム実現法の検討 今後 通信系 情報系 システムの構築 現実に即したユースケースでの検証 無線回線の安定度の評価 → 比較的安定しているが,地震等で突発的な変化もある.  アプリケーション実現法の検討 →セッションハンドオーバなどがある 情報系 サーバ計算機の性能と省電力化の検討 →ブロック数,スレッド数を上げると効果がある. 検索負荷軽減法の検討 →提案方式の有効性を実証 今後 システムの構築 現実に即したユースケースでの検証

研究成果 学術雑誌,商業誌,研究機関への研究報告,展望,論説等  4件 口頭発表  22件 その他    1件