PRISM と m-lepton flavor violation

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PRISM と m-lepton flavor violation 青木正治 大阪大学 国際高等研究所「物質の起源研究会」 平成14年1月16ー18日

もくじ イントロダクション e e-A変換 PRISM まとめ MEG (PSI) MECO (BNL) PRISM概要 PRISMと e-A変換, PRIME まとめ 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

m-lepton flavor violation 稀崩壊 |DLi | =1 e eee  ±変換 |DLi | =2 e-  変換  変換 中間子稀崩壊 |DLi | =1 KL → e K+ → p++e- B → e |DLi | =2 K+ → p-++ 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

LFV 探索の現状 ミュオンが大変健闘している 質量が比較的小さい為、大量に生成可能 統計を上げやすい 寿命が比較的長い 実験しやすい 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

m-LFV 探索の歴史 Since 1948 m稀崩壊の歴史 = m-LFV探索の歴史 10年毎に2桁!! 平成14年1月16-18日 E.P. Hincks and B. Pontecorvo, PR 73 (1948) 257 m稀崩壊の歴史 = m-LFV探索の歴史 10年毎に2桁!! After Yoshitaka Kuno 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

LFV と SUSY-GUT SUSY-GUT Standard Model + Neutrino Mass |DLi | =1 slepton mixing 現在の実験精度 からわずか数桁下 Standard Model + Neutrino Mass Neutrino mixing Very small ~ 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

e探索 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

m → eg とm-A → e-A m  eg m  e conv. t  mg 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

Signal と Background 信号の特徴 バックグランド Ee=m/2, E=m/2 (=52.8 MeV) e=180back-to-back) 同時計測 バックグランド ビームバックグランド radiative muon decay e ニュートリのエネルギーが小さい場合 アクシデンタルバックグランド e+ in e ine in e+e- annihilation in flight 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

meg/MEG 目標感度 : 10-14 ソレノイド電磁石 e+ 液体 Xenon カロリメータ g Duty factor = 100% Constant Bending Radius (COBRA) spectrometer a solenoid field with gradient to keep 52.8 MeV e+ following a constant radius. 液体 Xenon カロリメータ g high light yield PMTs surrounded (mini-Kamiokande type) Duty factor = 100% start in 2004 ? 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

バックグランド Bmeg = 10-14 Nb = 0.5 events Bmeg = 10-16 Rm = 1010 m/s After Y. Kuno and Y. Okada Bmeg = 10-14 Nb = 0.5 events Bmeg = 10-16 Rm = 1010 m/s Nb ~ 104 events? 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

e-A変換 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

e-A変換 m- muonic atom (1s state) 原子核 neutrinoless muon nuclear capture (= e-A変換) 原子核 m- nuclear muon capture muon decay in orbit |DLi | =1 コヒーレント process 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

Signal と Background 信号の特徴 (Z5) 単色電子の放出 Emax = (m-B) MeV バックグランド アクシデンタルバックグランド無し muon decay in orbit (Emax - Ee)5) エンドポイントエネルギーは信号と同じ radiative muon capture with photon conversion 標的の選定により低減可能 pion capture with photon conversion ビームからのパイオンの徹底的な排除 cosmic ray 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

MECO at BNL-AGS E940 aim at B(AleAl-16at BNL AGS MECO 5x1011-/spill, 1.1MHz pulse 8GeV proton beam at AGS high field capture solenoid of 4T schedule : 2006 start ??? 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

m-LFV の現状(まとめ) 現在までの主な実験,準備中の実験 これからの方向 さらなるミュオン強度の向上 バックグランドの低減 1) PSI experiment (解析中) 2) BNL-E940 (MECO) experiment (2004) 3) PSI experiment (2003) これからの方向 さらなるミュオン強度の向上 バックグランドの低減 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

m-LFV の進むべき方向 m→ e-A 変換へのフォーカス 大強度陽子加速器へのコミット 事象の選別が簡単 Michel崩壊からのバックグランドが無い ⇔ m  e e e アクシデンタルバックグランドが無い ⇔ m  e g 大強度陽子加速器へのコミット ミュオンの収量はビーム強度に比例する。 大立体角ビームラインによる大強度ミュオンビーム 高品質なミュオンビームの実現 高い純度 パイオン起源のバックグランドの低減 低いミュオン運動量 <70 MeV/c 散乱バックグランドの低減 細いミュオン運動量幅 薄いミュオン静止標的の使用 優れたe-運動量分解能の実現 高エネルギー粒子による散乱バックグランドの低減 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

PRISM 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

PRISM PRISM (Phase Rotation Intense Slow Muon source) 位相空間回転 高磁場大立体角パイオン捕獲 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

PRISM諸現 大強度ミュオン パルスミュオン 高輝度 低運動量ミュオン 高純度ミュオン 1011~1012 m±/秒 バックグランド除去 高輝度 DP = ±0.5-1.0 MeV 薄いm静止標的 高いe-運動量分解能 散乱バックグランドの低減 低運動量ミュオン (68 MeV/c 以下) 散乱バックグランドの低減 高純度ミュオン パイオンの混ざり込み 殆ど無し FFAG (150 m) 高エネルギー e± 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

PRISMの原理 大強度パルス状陽子ビーム 高ソレノイド磁場による大立体角パイオン捕獲 パイオン崩壊によるミュオン生成 位相空間回転によるミュオンの高輝度化 ニュートリノ ファクトリー 前段部分 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

位相空間回転 何もしなければ:βの大きい高エネルギー粒子の位相は速く進み、βの小さい低エネルギー粒子の位相は遅く進む。 位相空間回転:高周波加速空胴を用いて、位相の速い粒子を減速し、位相の遅い粒子を加速する 位相 エネルギー 時間の経過 位相 エネルギー 時間の経過 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

位相空間回転 位相空間回転前 位相空間回転後 運動量の幅が狭くなっている 一次ビームパルス幅 < 10 nsec 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

PRISMの実装 大強度陽子加速器 大立体角パイオン捕獲 位相回転器 50 GeV PS @ 東海村 0.77 MW, 1014PPP 2007年コミッショニング 大立体角パイオン捕獲 12T, 5cm径 PT < 90 MeV/c 位相回転器 Fixed Field Alternating Gradient シンクロトロン 水平アクセプタンス 10000π mm・mrad 垂直アクセプタンス 3000π mm・mrad 運動量アクセプタンス ±20% not in scale 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

大強度陽子加速器 KEK/JAERI 統合計画 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

実験ホールと取出し方法 早い取出し < 10ns 100Hz 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

FFAG位相回転器 Fixed Field Alternating Gradient シンクロトロン 大河千弘考案 磁気合金内装型 高周波加速空胴 200kV/m 固体素子を用いた 高繰返しキッカー 電磁石 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

FFAG位相回転器 鋸波で加速空胴を駆動した場合 dp/p(%) phase (degree) 3倍波まで重ね合わせる 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

FFAG 原理の実証 陽子 FFAG 実証機によるテスト 150 MeV 陽子 FFAG 建設中 KEK ハドロン加速器グループ 終了: 500 keV まで加速を確認 150 MeV 陽子 FFAG 建設中 KEK ハドロン加速器グループ 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

高磁場パイオン捕獲ソレノイドの開発 試験ソレノイド電磁石の製作 11T ハイブリッド テスト 電磁石 (Nb3Sn, NbTi) 目下テスト中 KEK 低温センター 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

ミュオン収量の評価 PRISM PSI パイオン捕獲 FFAGアクセプタンス KEK/JAERI 統合計画 50-GeV PS PT<90 MeV/c (12T 5cm radius) FFAGアクセプタンス 10000p mm・mrad 水平, 3000p mm・mrad 垂直 Dp/p = ±20% In 20 MeV±(0.5-1.0)MeV KEK/JAERI 統合計画 50-GeV PS 1014 proton/sec ミュオン収量 = 1011-1012 m±/sec 現在世界最高強度を誇るPSIのミュオン収量の おおよそ10000倍!!! 0.005 - 0.01 m±/proton PRISM PSI 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

PRIME PRISM Muon Electron Conversion 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

PRIME 対 MECO 桁以上の改善 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

PRIME 計数率 パルス当たりミュオン数はMECOよりも104~105 倍高い 測定装置に特別な工夫が必要となる: MECO : 1 MHz PRIME : 100 Hz 測定装置に特別な工夫が必要となる: Spiral Solenoid Spectrometer 高アクセプタンス (>41%) 高 DIO リジェクション (>109) 極めて低く抑えられた計数率 (<10 per pulse) Electron Accumulator RING (EARING) 電子ストレージリングを用いたm-e変換電子のデバンチ 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

Spiral Solenoid Spectrometer トーラス磁場による低エネルギー荷電粒子の除去 D : トーラス主軸に垂直な方向へのドリフト距離 B [T] : トーラス磁場強度 s : トーラス副軸方向の距離 R : トーラス主半径 pt, ps : 横、縦運動量 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

幅広いPRISMの応用 素粒子物理学 脳の研究 バイオロジー 物性 考古学 位相逆回転による ナノ秒ミュオンビーム Muonium-antimuonium 変換 m- - m+ 変換 脳の研究 muonic X-ray 測定 からのエネルギーの揃った ミュオンビームによる ミュオン静止深さの制御 バイオロジー 物性 考古学 位相逆回転による ナノ秒ミュオンビーム 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

まとめ PRISM m-LFV、とりわけ|DLi|=1過程の実験的研究は大変に重要である。 が必要である。 PRISM 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」

End of Slides 平成14年1月16-18日 青木正治、「物質の起源研究会」