コロナウイルスは、一本鎖(+)RNAで、エンベロープ表面に存在する突起によって太陽のコロナのような外観を持つ。

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47 都道府県 日本地理 南台科技大學 應用日語系 担当:山藤夏郎 2 47 都道府県 日本の行政区分 47 の都道府県がある。 47 の都道府県がある。 1都1道2府 43 県 1都1道2府 43 県 都(と) … 首都 都(と) … 首都 道(どう) … 地方 道(どう) … 地方 府(ふ)
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コロナウイルスは、一本鎖(+)RNAで、エンベロープ表面に存在する突起によって太陽のコロナのような外観を持つ。 アルファコロナウイルス属 ブタ伝染性胃腸炎(TGE) ブタ流行性下痢(PED、1978年) 猫伝染性腹膜炎(FIP) 犬コロナウイルス ヒトコロナウイルス(229E、NL63) ベータコロナウイルス属 SARSコロナウイルス(2002年) ハクビシン、シナイタチアナグマ、コウモリ MERSコロナウイルス(2012年) ヒトコブラクダ、コウモリ 牛コロナウイルス コウモリコロナウイルス ガンマコロナウイルス属 デルタコロナウイルス属

伝染性胃腸炎(TGE; Transmissible Gastroenteritis ) 対象家畜: 豚、いのしし 疫学: 主に10月から4月の冬季に流行。ウイルスはキャリアー 状態の導入豚のほか、出荷トラックやヒトによって農場に侵入する。 抗体陰性農場では爆発的に流行する(流行型)。発症豚の下痢便 中には大量のウイルスが排泄され、接触、飲水および汚染飼料を 介し経口・経鼻的に伝播される。頻繁な種豚導入を行う農場等では 感受性豚が連続的に供給されるためウイルスが常在化することが ある(常在型)。 届出伝染病、OIEリスト疾病 臨床症状: 激しい水様性下痢、嘔吐、 脱水症状、削痩。全日齢の豚に感染し、 とくに1週齢以下の哺乳豚では罹患率、 致死率ともにほぼ100%。日齢がすす むと死亡率は低くなるが、発育は大幅 に遅れる(ヒネ豚)。妊娠・分娩豚では 食欲不振、嘔吐や下痢を呈し、泌乳低 下または停止のため哺乳豚が栄養失 調となり死亡率が高まる。

(1)疫学調査 ① 伝播が速く,高い発病率を示す。 ② 年齢に関係なく、発病する。 ③ 子豚(2週齢以下)の致死率が高い。 ④ 冬期~春先に好発する。 ⑤ 導入豚又は導入豚に接触したワクチン未接種豚から発生した。 ⑥ 周辺地域に本病の発生があった。 (2)臨床検査 ① 水様性の激しい下痢と脱水症状 ② 下痢に先行した嘔吐 ③ 母豚の著しい泌乳低下 (3)剖 検 ① 小腸壁の菲薄化と弛緩、黄色水様性腸内容物の充満 ② 哺乳豚では胃の未消化凝固乳滞留による膨満、胃憩室横隔膜側粘膜の小出血巣 (3)予防・治療 ①農場の出入り管理と衛生対策を組み合わせたバイオセキュリティー対策 ②乳汁免疫の誘導を目的とした母豚接種ワクチン(弱毒生ワクチンと不活化ワクチン)

OIE 陸生動物衛生規約の主な規定 TGEの伝播可能期間(Infective period)は40日。 繁殖豚または育成豚の輸出入には国際獣医療証明書を添付する。 出荷時にTGEの臨床症状を示していない。 過去12ヶ月間TGEの発生がなかった施設に由来するか、または、 出荷前30日の間に実施した診断でTGE陰性であり、その間隔離されていたか、または、 TGEが届出伝染病に指定されている国で過去3年間に発生がなかった国に由来する。 食用豚の輸出入には国際獣医療証明書を添付する。 出荷前40日の間にTGEの発生がなかった施設に由来する。 精液の輸入についての勧告 輸入国の獣医当局は、以下のことを立証する国際獣医療証明の提出を求めなければならない。 精液供与動物が採取日にTGEの臨床症状を呈していない。 精液供与動物は過去12ヶ月間TGEの臨床徴候がなかった人工授精センターで40日以上飼育されたものでなければならない。 ・・・・・

豚伝染性胃腸炎 養豚業の規模拡大の時期に多発した伝染性胃腸炎は、飼養管理と衛生対策の向上、ワクチン開発によって減少してきた。母豚乳汁中の抗体が子豚の消化管を護る。 発生頭数の推移 日生研TGE・PED混合生ワクチン MPK-Ⅲa 細胞培養弱毒豚伝染性胃腸炎ウイルスh-5株、Vero細胞培養弱毒豚流行性下痢ウイルスP-5V株の混合剤。4ないし8週間間隔で妊娠豚の筋肉内に2回接種する。第2回目接種は、分娩予定日の約2週間前とする。 発生頭数の推移 14 4 2 2 数値は発生戸数 1 3 1 1 1 7

豚流行性下痢(PED; Porcine Epidemic Diarrhea) 対象家畜: 豚、いのしし 病原体: アルファコロナウイルス属の豚流行性下痢ウイルス。 PEDウイルス株間での抗原学的差異はなく、血清型は単一だが、遺伝学的には2つのグループに分かれる。 PEDは、1971年に英国で最初に報告され、1978年のベルギーでの発生においてウイルスが特定された。 届出伝染病、OIEへの通知義務なし 疫学: ウイルスは豚の腸上皮細胞で増殖し、糞便中に排泄され、経口または経鼻感染で伝播する。ウイルスは環境中で比較的安定しており、糞便中では気温40℃で最低7日間、飼料中では室温で少なくとも28日間生残する。清浄農場への伝播は、感染豚、ウイルスに汚染された輸送車両、衣類および履物などによって起こる。 予防: 農場の出入り管理と衛生対策を組み合わせたバイオセキュリティー対策によりウイルスの侵入・蔓延防止。早期発見、隔離分娩、 消毒の徹底、オールインオールアウト方式。乳汁免疫の誘導を目的とした母豚接種ワクチン(弱毒生ワクチンと不活化ワクチン)。

臨床: 食欲不振、元気消失に続く水様性下痢が特徴で、伝染性胃腸炎に酷似するが嘔吐の割合は低い。10日齢以下の哺乳豚では脱水によりほぼ100%が死亡する。日齢が進んだ豚では軟便にとどまり、致死率も低下する。母豚では泌乳減少や停止が起こり、哺乳豚の死亡の要因となる。常在型では、新たに離乳舎や育成舎へ移動した豚が移動後2~3週間で下痢を呈することが報告されている。

中国での初発は1973年とされ、1984年にPEDウイルス検出が報告された。韓国では、1992年にPED発生が確認した。2005~2008年には中国、韓国、ベトナム、タイ、およびフィリピンでPEDの流行が確認されている。 2010年以降、中国各地で7日齢以下の哺乳豚を中心とする発生が増加し、100万頭以上の子豚が死亡し被害が深刻化した。この際、従来型のPEDウイルスとともに、新型ウイルス株が分離された。 米国では、2013年4月にオハイオ州において初めてPED発生が確認され、その後、急速に拡大し、2014年10月までに31州において8,622件の発生が報告された。遺伝子解析の結果、2010年以降中国で大規模に流行している新型PEDウイルス株と高い遺伝的類似性を持つことから、中国由来の可能性が高い。 韓国では、2013年12月から2014年1月2013年に流行した株は米国で分離された株と近縁であることが確認された。

1982 ~1984 年 下痢便 や腸内容物中にコロナウイルス 粒子が確認されたが TGE が否定された「 PED を疑 う症例」を初報告。 北海道: 少なくとも 2町14戸の2 ,103 頭に下痢 岩手: 5 戸4 ,593頭中2 ,756頭に下痢(内179頭の哺乳豚が死亡)干葉: 繁殖豚 43頭飼養農家で子豚 202頭下痢(内10頭死亡) 日本における PED確認症例の発生 1993年 北海道5,152頭飼養農場で全ての日齢の 2,075 頭が下痢(内哺乳豚146頭、育成豚 12頭が死亡) i994年 鹿児島と三重で少なくとも数千頭以上の哺乳豚が死亡 1995年 鹿児島:5戸の一貫経営農家で子豚の死亡率30~65% 1996年 鹿児島を含む9道県の102戸で発生し、発症頭数81,117頭、死亡頭数は39,539頭に及んだ。 1997年 3戸185頭 1998年 3戸2698頭(三重、北海道) 1999年 2戸812頭(三重) 2001年 2戸2218頭(鹿児島) 2006年 1戸3頭(香川) OIEへの通知義務がないので世界的発生状況の把握が難しく、TGEより軽く被害が比較的少なかったこともあり、対応が遅れる要因となった?

豚流行性下痢(PED)は2006年の1件以降、7年間発生は確認されなかったが、2013年10月1日に沖縄県中部地域で確認(9月2〜4日母豚2頭が嘔吐及び下痢。16日までに哺乳豚約50頭が死亡) 。その後、11月18日、29日には茨城県で、12月には鹿児島県(11日)及び宮崎県(13日)で、2014年1月には熊本県(28日)で確認された。さらに2月には愛知県および青森県と、発生は全国に広がった。 新たな週別発生件数の推移 冬季に多発し、 夏に向けて減少 鹿児島1 沖縄1 茨城1 茨城2 宮崎1 沖縄2 沖縄3 沖縄4 2013年 2014年

ウイルス疾患の特徴として、冬季に多発し、夏に向けて減少するパターンが繰り返されており、今年もこらから警戒を高めなければならない。 2013年10月~2014年8月 鹿児島169件 296,111頭 千葉県111件 153,582頭 群馬県 81件 110,663頭 宮崎県 81件 67,362頭 愛知県 59件 25,379頭 茨城県 37件 64,314頭 熊本県 32件 40,123頭 新潟県 29件 48,951頭 北海道 23件 68,588頭 栃木県 22件 91,708頭 長崎県 22件 31,914頭 青森県 21件 127,021頭 静岡県 20件 16,135頭 沖縄県 4件 242頭 38道県817件1,289,090頭 が発症。419,852頭が死亡 2014年9月~2015年9月6日 千葉県 41件 13,768頭 茨城県 37件 64,314頭 愛知県 28件 5,936頭 鹿児島 25件 99,205頭 群馬県 16件 4,688頭 熊本県 13件 14,922頭 宮崎県 11件 4,255頭 長崎県 12件 2,929頭 沖縄県 6件 3,357頭 北海道 5件 2,253頭 秋田県 5件 50,915頭 青森県 4件 10,285頭 宮城県 4件 560頭 三重県 3件 1,012頭 28道県で233件288,708頭が発症し、71,863頭が死亡 2015年9月7日以降 愛知県 9月14日10件 宮崎県 9月26日 2件 茨城県10月 1日 2件 三重県10月 5日 1件 千葉県10月15日 1件 鹿児島10月21日 2件 群馬県11月 2日 2件 熊本県11月 4日 2件 栃木県11月14日 1件 9県で23件7,218頭が発症し、590頭が死亡 これらの死亡したほぼ全てが哺乳仔豚 ウイルス疾患の特徴として、冬季に多発し、夏に向けて減少するパターンが繰り返されており、今年もこらから警戒を高めなければならない。

鹿児島県内の発生状況 2013年12月から2014年6月6日 2014年10月以降の発生戸数 33 鹿児島県内の発生状況  2013年12月から2014年6月6日 2014年10月以降の発生戸数 33 鹿屋市 17、志布志市 4、曽於市 2、錦江町 2、大崎町、垂水市、伊佐市、霧島市、湧水町、南さつま市 各1 これらの農場は、2015年7月下旬以降、全て非発生農場扱い(PED防疫マニュアルに基づき、症状がみられなくなったことを家畜防疫員が判断してから8週間が経過した農場)となっている。 地域 南薩 北薩 姶良 曽於 肝属 徳之島 合計 肥育 5 2 9 33 49 繁殖 13 20 35 一貫 7 3 19 53 1 85 14 4 41 106 169 発症頭数: 2275,590頭(繁殖:29,424頭,肥育:140,514頭,子豚:105,652) 死亡頭数: 61,811頭(ほぼ全て子豚) 11月17日までに、3農場で発生確認。 発症頭数:1,951頭 、死亡頭数:169頭。 伊佐市1件、錦江町2件の一貫農場。

短期間で遠隔地に飛び火し、全国流行となった原因は、 「同時多発」的な特徴を示している。 新たな発生県の推移 発生順が沖縄⇒茨城⇒鹿児島・宮崎へと遠隔地へ移動した理由は判らない。 熊本県 沖縄県 高知県、鳥取県、岡山県、佐賀県、大分県、福岡県、千葉県、埼玉県、長崎県、三重県 神奈川県、長野県、山梨県、広島県、徳島県 愛知県、青森県 鹿児島県、宮崎県 茨城県 香川県、愛媛県、栃木県、群馬県、新潟県、静岡県、福島県、富山県、石川県、山形県、北海道、岐阜県、福井県、岩手県、秋田県、宮城県 発生に関与する要因は、国内だけでなく、種豚、飼料原料・飼料および飼育機材の輸入、ヒトの国際的移動など多岐に及んでいる。 短期間で遠隔地に飛び火し、全国流行となった原因は、 「同時多発」的な特徴を示している。 戸数 発症数 死亡数 45 72,950 14,589 866 1,197,489 379,879 2013 2014

矢印 生体豚の流れ 時期 ☆:米国産豚血漿蛋白含有飼料利用

☆:米国産豚血漿蛋白含有飼料利用

沖縄、茨城、鹿児島の初期発生事例の疫学調査で、第1例目はいずれも米国産の豚血漿蛋白含有飼料が与えられていた。トウモロコシ丸粒、大豆ミールなどが使用されており、それらが汚染していた可能性もある。 米国産豚血漿蛋白を含んだ飼料は、日本国内で一般的に流通しており、発生76農場中48農場において豚血漿蛋白を含んだ、または含む可能性がある飼料を計99種類使用していた。豚血漿蛋白を含む飼料83種類のうち日本国内で加熱処理されたものは63種類、加熱処理がされていないまたは加熱処理がされたか不明なものは20種類(加熱処理されていない4種類、不明16種類)であった。 カナダ食品安全庁による感染性検証 では、PEDウイ ルス遺伝子陽性豚血漿タンパクを経口投与したところ発症し、直腸スワブが陽性となった。 製造工程で加熱後、再汚染している可能性がある。日本でも飼料原料製造工場は、衛生管理が食品工場のように徹底しておらず、原料搬入入口と出荷出口が同じ工場もある。

グループ1 グループ2

2013年から2014年にかけて日本国内で確認された株には、大きく分けて2種類の株(北米型及びINDELs型)が存在することが明らかになった。 ・ 北米型: 中国(2011~2012年)、韓国(2013~2014年)及び北米(2013~2014年)で流行している株。 ・ INDELs型: 中国(2011~2012年)及び北米(2013~2014年)で確認されている株であって、S遺伝子の一部分の配列が北米型とは明らかに異なる。 2013年4月以降に、海外から少なくとも2種類のウイルスが侵入した可能性が高いと考えられる。遠隔地での「同時多発」は、汚染していた米国産飼料原料に起因?? 2014年7月以降は、「噴霧乾燥機を用い、少なくとも80℃の加熱処理による噴霧乾燥が行われなければならない」および「日本到着時に製造後少なくとも6週間経過したものでなければならない」の条件が追加された。

国内での感染拡大要因 ① 生体豚の移動による伝播の可能性 発生農場間における豚の移動日及び発生日の分析の結果、発生農場からの豚の導入実績がある農場での発生が確認されていることから、豚の移動が農場間の感染拡大要因となった可能性が高い。 導入元農場の感染が見逃されていた可能性がある。 中和抗体検査:65農場(1,225検体)中15農場(73検体)陽性 うち肥育豚・育成豚8農場(26検体)陽性 ワクチン未接種繁殖母豚5農場(16検体)陽性 ワクチン未接種繁殖雄豚1農場(2検体)陽性 ② 精液の移動による伝播の可能性 下痢や食欲不振の症状を呈していた種雄豚8頭の精液について PCR検査を実施したところ、そのうち3頭で陽性となった事例が報告されている。 種雄豚は感染しても多くの場合臨床症状を示さない。採精時に環境中のウイルスが混入する可能性や精液の容器が汚染される可能性がある。

③ 家畜運搬車による伝播の可能性 他の発生農場と共通の家畜運搬車を利用している例や、感染農場同士が共通のと畜場に出荷している例が確認されている。 一部の発生農場について、発生直後に家畜運搬車の拭き取り材料を用いたPCR検査を実施したところ、ドアノブ、アクセルペダル、タイヤハウス、荷台等が陽性となった(鹿児島県調査)。畜産関連施設の周辺道路面を拭き取った材料では、15か所のうち1か所(6.7%)においてPCR検査陽性となった。 ④ 汚染飼料による伝播の可能性 発生農場が他の発生農場と同じ飼料運搬車で飼料を搬入していた事例がある。非発生農場の導入・分娩豚舎及び出荷豚舎、豚輸送用トラックについて60農場を対象に拭き取り材料を用いてPCR検査を実施したところ、4農場(6.7%)が陽性となった(鹿児島県) 。 ⑤ と畜場等での交差汚染の可能性 発生農場が他の発生農場と共通の家畜運搬車を利用している例、共通のと畜場に出荷している例、他の発生農場と共通の糞尿運搬車を使用している例及び共通のたい肥処理施設を利用している例が確認されている。

⑥ 農場関係者又は野生動物による伝播の可能性 ⑥-1 農場関係者による伝播の可能性 発生直後の農場における農場主の作業着や長靴等の拭き取り材料を用いてPCR検査を実施したところ、農場主の作業着、長靴等で陽性となった事例が報告されている。 農場への出入りに当たって消毒設備は設置しているが、適切に使用されているか否か確認がされていない事例がある。 ⑥-2 野生動物による伝播の可能性 飼料等共同たい肥処理施設においても、カラス、ネコ等の野生動物が確認されており、これらの野生動物がウイルスを機械的に伝播することが考えられる。 発生農場内ではカラス、スズメ、ネコ、タヌキ等の野生動物が確認され、野生タヌキの体表スワブ及び糞便からPCR陽性の結果が得られている。 ⑦ その他 繁殖母豚は分娩前に2回予防接種が必要だが、10%程度だったと推定され、低い接種率も感染拡大要因の一つである。馴致は人為的 にウイルス量を急増させる手法である。

自衛防疫:飼養者自らが農場および地域の防疫体制を作る 豚流行性下痢(PED)防疫マニュアル 2014年10月24日 1.基本方針 2.発生の予防及び発生時に備えた事前の準備 3.本病を疑う家畜(所見)発見時の対応 4.防疫措置 (1)農場への侵入防止対策 (2)発生農場内の感染拡大防止及び子豚の損耗軽減対策 (3)農場間の伝播防止対策 (4)発生農場からの出荷時の留意事項 (5)非発生農場への復帰の考え方 5.発生農場情報の共有 6.特別防疫対策地域の指定 7.ワクチン~子豚損耗防止のためのワクチネーション 8.馴致 9.成功事例等の紹介 発症豚の糞便や腸内容物を妊娠母豚に投与して免疫を付与する方法 自衛防疫:飼養者自らが農場および地域の防疫体制を作る

妊娠豚に2回注射することで、分娩後、ほ乳豚 が乳汁を続けて十分に飲むことにより、発 症を阻止又は軽くすることができる。 1.用法・用量に従った使用 子豚や肥育豚にワクチンを注射しても効果はない。 2.継続的な使用 発生してからワクチンを接種しても、十分な効果を得ることが難しい。流行初期は不足! 3.母豚の健康管理 抗体上昇と十分な泌乳量

予防: 農場の出入り管理と衛生対策を組み合わせたバイオセキュリティー対策によりウイルスの侵入・蔓延防止に努める。 1) 農場へウイルスを入れないために ① 農場入口での消毒徹底等による侵入防止対策 ② 畜産関係施設での車両消毒等による農場間伝播防止対策 ③ 排せつ物の適正な管理等の農場内拡大防止対策 ④ 発生原因及び感染経路特定のための情報収集 2) 繁殖分娩舎へウイルスを入れないために ① 繁殖分娩舎専任の作業員 ② それができない場合、繁殖分娩舎から作業を始める ③ 繁殖分娩舎では専用の衣類と履物を着用する ④ 定期的に豚舎を洗浄・消毒する。 3) 農場内にウイルスを蔓延させないために 発病豚群を完全に隔離するか、可能であれば、発病豚は全てオールアウトして徹底的な消毒を行い、2週間の空舎期間を設ける。また、分娩前1~2週の豚は別に確保した豚舎に移動させる。

PEDウイルスに効果のある消毒薬の車両消毒への適用 炭酸ナトリ ウム※1 逆性 石けん※2 ヨウ素系 塩素系 アルデヒド系 車体 幌 タイヤ タイヤハウス エンジンルーム フロアーマット ペダル類 その他(金属以外) その他(金属) ◯ 析出 腐食 着色 ◯ 腐食 ◯ ◯ ◯ ※1 : PEDウイルスは低温下ではpH耐性を持つため、消毒に当たっては4%炭酸ナトリウム溶液を用い、消毒液の濃度を維持する。 路面には石灰散布。 ※2: 逆性石けんは口蹄疫の消毒には不適であるが、その他の消毒薬は口蹄疫ウイルスにも効果のある。

ワクチン接種や消毒ポイントなど地域での自衛防疫 ワクチンによる予防: 乳汁免疫の誘導を目的とした母豚接種ワクチン(弱毒生ワクチンと不活化ワクチン)が市販されている。2回接種した妊娠豚の乳をほ乳豚に飲ませると、ほ乳豚のPEDの発症を防いだり、症状を軽くすることが可能。死亡率は接種しない場合:8割→ 接種した場合:3割以下。仔豚には無効。ワクチンメーカーに増産要請 初妊娠 分娩 妊娠 2wk 定められた期間 治療: 発生時の治療は二次感染防御のため抗生物質投与、脱水防止の補液投与等の対症療法が主となる。 法定伝染病は伝播力の強さ、予防・治療法の有無、ヒトへの影響の程度等を総合的に勘案して定められており、PEDは、殺処分等の強制的な防疫措置を行わない届出伝染病である。国際的にはOIEへの通報義務がある疾病ではない。 ワクチン接種や消毒ポイントなど地域での自衛防疫