高エネルギー加速器研究機構 物質構造研究所-中性子科学研究施設 佐藤節夫 中性子検出のための エレクトロニクス開発 高エネルギー加速器研究機構 物質構造研究所-中性子科学研究施設 佐藤節夫
紹介内容 KENS(KEK Neutron Science Laboratory)のパルス中性子と、飛行時間測定法 時間分析器(TA)、位置検出器(PSD)の読み出しシステム開発 新しい検出器の読み出しシステム開発 ネットワーク制御システムの開発 まとめ
パルス中性子の飛行時間測定法 重金属ターゲット 時間を区切ってカウント 陽子ビーム 速い中性子 L 中速中性子 count 遅い中性子 試料 検出器 time E=1/2*m(L/t)2 パルス中性子の発生 時間分析器を開発すればよい!
TA(時間分析)の概要 位置を識別しない検出器 +1000~1500V count time He3ガス検出器 チャージアンプ コンパレータ LLD time 時間情報 He3ガス検出器 位置を識別しない検出器
TA17XCシステムの開発 1994~ VME、アンプ、インターフェス付き TA17XCモジュール1台で、8本のHe3検出器のデータ処理
TAの例、INC、PORE、HIT INC HIT PORE 検出器約150本、高時間分解能化 検出器約50本、磁場でヒストグラム変更 検出器約150本、タイムフォーカス
PSD(位置敏感)+TAの概要 Q1 x/L= Q1/(Q1+Q2) L x Q2 位置を識別し、位置ごとにヒストグラムを作る +1400~2000V Q1 x/L= Q1/(Q1+Q2) 4kΩ count L position x time He3ガス一次元検出器 時間情報 Q2 位置を識別し、位置ごとにヒストグラムを作る
PSD2Kシステムの開発
PSD2Kの使用例 SIRIUSUグループ 高分解能粉末解析装置 約800本のPSDを装備
PSDの例、SIRIUS、SWAN、 EXCED PSD約500本、PSD2Kで約300本 PSD約100本、TA約50本 PSD 32本、PSD2Kを使用
中性子実験施設のデータ処理 TA:時間分析のみ、PSD:位置&時間分析 CAT:TA17,5台 FOX:TA17,5台 INC:TA20,10台 PSD2K,10台 LAM:TA17,5台 HIT:TA19,20台 WINK:TA17,10台 EXCED:TA17,5台 PSD2K,6台 VEGA:PSD2K,20台 SWAN:TA17,20台 PSD2K,16台 SIRIUS:PSDXC,100台 PSD2K,30台 TA:時間分析のみ、PSD:位置&時間分析
新しい中性子検出器の 読み出し回路開発 現状の検出器の問題点 開発をしている検出器 He3ガス検出器で、検出効率は良いが、カウントレートが低い(100KHz以下)。 位置の高分解能(1mm以下程度)が得にくい 。 開発をしている検出器 ファイバー2次元検出器 抵抗分割PMT2次元検出器 直読マルチアノードPMT2次元検出器 (MSGC?>>He3ガスを使うが、高速で高位置分解能)
ファイバー2次元検出器 位置分解:0.4mm*0.4mm 検出効率が悪い:6%程度(ZnS) 波長変換ファイバー2次元検出器 原理図 2次元画像データ例 位置分解:0.4mm*0.4mm 検出効率が悪い:6%程度(ZnS)
抵抗分割PMT2次元検出器 位置の分解のが良い:0.5mm*0.5mm程度 2cm*0.3mm 中性子ビームを 1mmずつ移動し、 30回照射 抵抗分割型2次元検出器 2次元画像データ例 90°回転 位置の分解のが良い:0.5mm*0.5mm程度 検出効率が良い:ZnSで30~40%程度、1mm厚Li6で90%以上 5インチ管で100mm径、 3インチ管で50mm径の検出領域 画像に歪みが出やすい
抵抗分割PMT2次元検出器 X軸とY軸の位置検出に 抵抗分割方式を採用。 2次元位置を出すのに、 2本分のPSDの処理系でできる。 検出器の構成図 読み出し回路 X軸とY軸の位置検出に 抵抗分割方式を採用。 2次元位置を出すのに、 2本分のPSDの処理系でできる。 PSD2Kモジュール チャージアンプ
直読PMT2次元検出器 高カウントレート:8*10^6Hz/cm2 検出効率が良い:60%以上 マルチアノード PMT(8*8)に 直接、1mm厚、 1.7*1.7mm2の Li6ガラスを64個、 貼り付けた。 高カウントレート:8*10^6Hz/cm2 検出効率が良い:60%以上 面積が小さい。Li6ガラスなので、ガンマ線を感じる
直読PMT2次元検出器 LLD変化の 生データ カドミウムマスク LLD変化の 差分データ =波高 分布図 時間データと 2次元画像例
ネットワーク制御システム J-PARCに向けた、ネットワークデータ集積システムの構築 サーバーコンピュータ USB2.0 TAモジュール群 検出器 制御コンピュータ サーバーコンピュータ USB2.0 PSDモジュール群 検出器 TCP/IP サーバーコンピュータ GPIB等 温度調節器等 J-PARCに向けた、ネットワークデータ集積システムの構築
ネットワーク制御システム 各VME電源モジュールごとにコンピュータ(Mac-mini)をUSB2.0で接続し、ネットワークを通して制御している。
ネットワーク制御システム TAサーバー画面 制御用画面 PSDサーバー画面 TCP/IP
まとめ 第1ステージのJ-PARCでは、He3ガス検出器が主流になる。当面はTAとPSDシステムのリニュアルが必要である。 第2ステージのために、特性の優れた検出器の開発と同時に、最適な読み出しシステムの開発が必要である。 大きなシステムになるため、ネットワーク制御技術の開発が必要である。 2年後には完成する必要がある。>>素核研の方々の協力が得られれば、可能かもしれない。