IBM Sterling Call Center インストール・ガイド
前提 本文書について 前提 環境 本文書は、 IBM Sterling Call Center の導入手順について記述したものです。 Sterling Selling and Fulfillment Foundation(以降、SFSと表記)が導入済みであることを前提とします。SFSの導入手順は本ガイドでは取り扱いません。 本ガイドでは、IBM Sterling Call Center導入手順について解説します。以下のアプリケーションは本ガイドの対象外とします。 IBM Sterling Store IBM Sterling Web IBM Sterling Field Sales IBM Sterling Store Inventory Management IBM Sterling Call Center と IBM Sterling Storeを合わせてCOM (Customer Order Management)と呼ばれますが、本ガイドにおける「COM」の表記は、IBM Sterling Call Center のみを指すものとします。 環境 以下の環境で検証を行っています。 Red Hat Enterprise Linux 5.5 WebSphere Application Server V7.0.0.23 DB2 Enterprise Server Edition V9.7.0.0
目次 COMについて COMとは? COMの仕組み 導入・構成作業の流れ 作業手順
COMとは? COMとは何か? IBM Sterling Call Center and Sterling Store に含まれる、customer order management(COM)アプリケーションを指します。 Sterling Call Center and Sterling Storeでは、マルチチャネルでのオーダー管理機能(コールセンター用オーダー修正のUI / store walk-in のオーダー修正のUI)を提供しており、主にコールセンターでの利用を想定したアプリケーションです。
COMの仕組み クライアント サーバー Smfcs.ear HTTP アプリケーションサーバープロセス COMアプリケーション オプションでWASの コネクションプールを 使用する構成も可能 JDBC Application Console
導入・構築作業の流れ 1 2 3 4 5 6 7 8 前提 サーバー側作業 1. 導入イメージを用意 Sterling Call Center and Sterling Store client applications の導入 1 2. Sterling Selling and Fulfillment Foundation / Language packの導入 Sterling Call Center and Sterling Store client applications Language pack の導入 2 3. Sterling Selling and Fulfillment Foundation の構成 Factory Setup Data のロード 3 COMアプリケーション作成の前提作業 4 今回のドキュメントの対象外とします。 COMアプリケーションの作成 5 COMアプリケーションインストーラーの作成(Windowsのみ) 6 クライアント側作業 COMの導入・配置 7 COMの起動 8
Sterling Call Center and Sterling Store client applications の導入 1 サーバー側作業 作業の目的 ここでは、COM導入にあたっての前提条件を満たすための作業実施するとともに、COMアプリケーションの製品バイナリをサーバーに導入します。 手順 導入イメージの配置 COMアプリケーションは、SA91.zipというファイルに含まれています。これを任意のディレクトリに配置し、解凍します。以下のファイルが解凍されます。 SCIInstallWizard.jar COM.jar SFS.jar SWC.jar SOP.jar SOP_Add-in.jar SFS DBの稼動確認 SFSのDBが起動していることを確認します。(導入中に接続するため) インストールウィザードの起動 以下のコマンドを実行し、インストール・ウィザードを起動します。 <JAVA_HOME>/bin/java -Xmx512m -jar SCIInstallWizard.jar
Sterling Call Center and Sterling Store client applications の導入 1 サーバー側作業 手順 ウィザードの流れは、以下のようになります。 1) Nextをクリック 2) SFS導入ディレクトリーを指定し、Nextをクリック 3) 入力した内容が正しいことを確認し、Nextをクリック 4) 導入するアプリケーションを選択し、Nextをクリック (ここではCOMのみ選択)
Sterling Call Center and Sterling Store client applications の導入 1 サーバー側作業 手順 5) サマリーを確認し、Nextをクリック 6) 導入が開始される 7) 導入が終了したことを示すポップアップが表示。OKをクリック 8) Show Details>Outputタブより、ビルドが成功し、正常に導入が完了していることを確認
Sterling Call Center and Sterling Store client applications の導入 手順 Sterling Call Center and Sterling Store client applications の導入 1 サーバー側作業 導入の確認 正常に導入されたか、ログの内容を見て確認します。 以下を個別に確認します。 導入作業全体 <INSTALL_ DIR>/Application_PreInstallSI.log COM <INSTALL_ DIR>/COM_PreInstallSI.logを確認し、末尾に以下が出力されていればOKです。 Add-in <INSTALL_ DIR>/Add-in_PreInstallSI.log を確認し、末尾に以下が出力されていればOKです。 Deployer completed successfully. Invoking InstallService extensions "Finished running InstallService on COM.jar" Deployer completed successfully. Invoking InstallService extensions "Finished running InstallService on COM_Add-in.jar"
Sterling Call Center and Sterling Store client applications Language pack の導入 2 サーバー側作業 作業の目的 デフォルトでCOMが対応している言語は英語です。ここでは、COMを日本語化するために必要な、Language Packを導入します。 手順 導入イメージの配置 以下の2ファイルを任意のディレクトリに配置します。 CI5WBML の中の、Japaneseの中の、AddIn9.1_ja_JP.zip CI5WDMLの中の、Japaneseの中の、COM91_ja_JP.zip ファイルを任意のディレクトリに解凍します。( <LangPack_DIR> とします。) 解凍してできる各種ディレクトリーを<INSTALL_DIR>にコピーします。 cp -pr <LangPack_DIR>/rcp <INSTALL_DIR> cp -pr <LangPack_DIR>/repository <INSTALL_DIR> cp -pr <LangPack_DIR>/resources <INSTALL_DIR> cp -pr <LangPack_DIR>/xapidocs <INSTALL_DIR>
Factory Setup Data のロード 3 サーバー側作業 作業の目的 手順 データのロード Factory Setup Data(エラー・コード、アイテムの説明、イベント、User Exit、パイプライン等の構成データ)をActivatedモード(factory setupで新たに提供されたデータがアクティベートされるモード)にてロード cd <INSTALL_DIR>/bin/ ./sci_ant.sh -f localizedstringreconciler.xml import -Dbasefilename=ycdfcaddinliterals2translate -Dsrc=<INSTALL_DIR>/repository/factorysetup/COM_Add-in/XMLS -Dvariablefilename=resources/ycd_fc_variable.properties ./sci_ant.sh -f localizedstringreconciler.xml import -Dbasefilename= ycdfcpcaliterals2translate -Dsrc=<INSTALL_DIR>/repository/factorysetup/COM/XMLS アプリケーションリソースファイルの再作成 resource.jarの再作成を行います。 (resourcejar作成後は、SFSアプリケーションEARの再ビルドが必要です。) <INSTALL_DIR>/bin/deployer.sh -t resourcejar
4 作業の目的 手順 COMアプリケーション作成の前提作業 実際にCOMアプリケーションを作成する前に必要となる前提作業を実施します。 サーバー側作業 作業の目的 実際にCOMアプリケーションを作成する前に必要となる前提作業を実施します。 COMはRCP(Rich Client Platform)の一部ですが、そのプラットフォームにCOMが組み込まれるようにする作業です。 手順 COMアプリケーション作成の前提作業 RCP_EXTN_FOLDER用のディレクトリを作成し、そのサブディレクトリとしてresourcesとcommandsを作成します。 (例:/work/RCP_EXTN_FOLDERを作成) mkdir -p /work/RCP_EXTN_FOLDER/resources mkdir -p /work/RCP_EXTN_FOLDER/commands 作成したディレクトリをRCP_EXTN_FOLDER環境変数にセットします。 export RCP_EXTN_FOLDER=/work/RCP_EXTN_FOLDER
COMアプリケーション作成の前提作業(続き) 4 サーバー側作業 手順 COMアプリケーション作成の前提作業(続き) <INSTALL_DIR>/platformrcp/<platform_version>/rcpclient/com.yantra.yfc.rcp_1.0.0/locations.ycfg.sample をコピーし、<RCP_EXTN_FOLDER>/resources に locations.ycfg という名前にして移動します。 cp –p <INSTALL_DIR>/platformrcp/<platform_version>/rcpclient/com.yantra.yfc.rcp_1.0.0/locations.ycfg.sample /work/RCP_EXTN_FOLDER/resources/locations.ycfg locations.ycfgを、 SFSで導入済みアプリケーションの定義に合わせて修正します。 (例:太字が編集箇所) <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <Locations> <Location id="DEFAULT" proxyServer="" proxyPort="" updateType="pull"> <Config Name="DEFAULT" Protocol = "http" BaseUrl = "localhost" PortNumber = "9080" ApiUrl = "/smcfs/RcpServlet" CompressionEnabled="Y"> </Config>
COMアプリケーション作成(Linuxの場合) 5 サーバー側作業 作業の目的 COMはクライアント側で動作しますが、その実態であるアプリケーションを作成します。 Windows用とLinux用でコマンドが異なりますので注意してください。 Windows用の場合は、インストーラーも併せて作成する必要があります。(ステップ6で実施します。) 手順 COMアプリケーション作成(Linuxの場合) COMアプリケーションのビルドを実行します。 cd <INSTALL_DIR>/bin/ ./sci_ant.sh -f buildcomapplication.xml buildCOMForGTKLinux –logfile <logfile> ビルドが完了すると、以下のパスにcom.zipが作成されます。 <INSTALL_DIR>/rcpdrop/gtk.linux.x86/9.1/com.zip COMアプリケーション作成(Windowsの場合) Windows(後述するCOMインストーラー作成用にWindows用の導入も必要) ./sci_ant.sh -f buildcomapplication.xml buildCOMForWindows –logfile <logfile> ビルドが完了すると、以下パスにcom.zipが作成されます。 <INSTALL_DIR>/rcpdrop/windows/9.1/com.zip
COMアプリケーションインストーラーの作成(Windowsのみ) 6 サーバー側作業 作業の目的 他のWindows端末へCOMアプリケーションを配布するための、インストーラーを作成します。Windows環境上で実施します。 インストーラ作成にあたっては、NSIS(Nullsoft Scriptable Install System)が導入されている必要があります。 手順 NSISの導入 http://nsis.sourceforge.net/Download からNSISをダウンロードし、Wizardに従って導入してください。 ファイルの配置 ステップ5で生成されたファイル群(uiinstallerとcom)を、ひとつ上のディレクトリに配置します。 mv <INSTALL_DIR>/rcpdrop/windows/9.1/uiinstaller <INSTALL_DIR>/rcpdrop/windows/ mv <INSTALL_DIR>/rcpdrop/windows/9.1/com <INSTALL_DIR>/rcpdrop/windows/
COMアプリケーションインストーラーの作成(Windowsのみ) 6 サーバー側作業 手順 インストール時に必要となるプロパティーの設定 <INSTALL_DIR>/installed_data/COM/files/resources/SterlingCallCenterAppInstaller.properties を自身の環境およびインストーラーを配布する先の環境に合わせて編集します。 (修正例) # Licensed Materials - Property of IBM # IBM Sterling Call Center and Store # (C) Copyright IBM Corp. 2008, 2011 All Rights Reserved. # US Government Users Restricted Rights - Use, duplication or disclosure restricted by GSA ADP Schedule Contract with IBM Corp. # This file contains all the properties needed for UI installer APP_NAME=IBM Sterling Call Center Application VERSION=9.1 SPLASH_PAGE_BITMAP=${rcpdropDir}\\windows\\9.1\\uiinstaller\\com\\splash.bmp APP_INSTALL_DIR=C:\\Program Files\\SterlingCall Center Application START_MENU_GROUP=IBM Sterling Call Center Application NSIS_PATH=C:\\Program Files\\NSIS COMPANY_URL=http://www.sterlingcommerce.com UI_INSTALL_ICON=${rcpdropDir}/windows/9.1/uiinstaller/com/logo_window.ico UI_UNINSTALL_ICON=${rcpdropDir}/windows/9.1/uiinstaller/com/logo_window.ico UI_WELCOMEFINISHPAGE_BITMAP=${rcpdropDir}\\windows\\9.1\\uiinstaller\\com\\ui_welcome_com.bmp #UI_PAGE_LICENSE=${rcpdropDir}/windows/uiinstaller/com/README_COM_PCA.htm OUTPUT_FILE=${rcpdropDir}/windows/9.1/SterlingCallCenterAppSetup.exe SRC_DIR=${rcpdropDir}/windows/9.1/com\\* UI_END_USER_LICENSE_AGGREMENT=End User License Aggrement
COMアプリケーションインストーラーの作成(Windowsのみ) 6 サーバー側作業 手順 インストール設定ファイルの用意 comClientApp.nsi.sampleをコピーし、comClientApp.nsiにリネーム cd <INSTALL_DIR>/rcpdrop/windows/9.1/uiinstaller/com cp -p comClientApp.nsi.sample comClientApp.nsi インストーラービルド設定ファイルの編集 <INSTALL_DIR>/rcpdrop/windows/9.1/uiinstaller/com/buildSterlingCallCenterAppInstaller.xmlを編集 (修正例) <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <project basedir="." default="build" name="IBM Sterling Rich Client Application UI Builder"> <property environment="env"/> <property name="uiinstaller" value="${rcpdropDir}/windows/9.1/uiinstaller/com"/> <property file="${uiinstaller}/SterlingCallCenterAppInstaller.properties"/> <path id="run.class.path"> <fileset dir="${uiinstaller}"> <include name="*.jar"/> </fileset> </path> <taskdef name="nsisTask" classname="com.yantra.pca.ycd.tools.ant.taskdefs.YCDUIInstallerTask" classpathref="run.class.path"/> <target name="build"> <nsisTask property="${uiinstaller}/SterlingCallCenterAppInstaller.properties" script="${uiinstaller}/comClientApp.nsi" path="${NSIS_PATH}"/> </target> </project>
COMアプリケーションインストーラーの作成(Windowsのみ) 6 サーバー側作業 手順 COMアプリケーションファイルのコピー(オプション) COMアプリケーションをUnix環境上で作成した場合は、Windowsマシンへコピーしておきます。 以下の様なディレクトリ体系を維持してください。 <任意のディレクトリ>\rcpdrop\windows\ ├com └uiinstaller └com インストーラー作成 前ステップで用意した、<任意のディレクトリ>\windows\uiinstaller\com に移動します。 以下のコマンドを実行し、インストーラーを作成します。(ANTが導入されている必要があります。) <ANT導入ディレクトリ>\bin\ant.bat -f buildSterlingCallCenterAppInstaller.xml -DrcpdropDir= <ANT導入ディレクトリ>\rcpdrop <任意のディレクトリ>\rcpdrop\windows\SterlingCallCenterAppSetup.exe が生成されます。これがインストーラーです。
7 作業の目的 手順 Windowsの場合 Linuxの場合 COMの導入・配置 7 クライアント側作業 作業の目的 COMの稼動環境がWindowsの場合は、生成されたインストーラーを使用してCOMアプリケーションの導入を行います。 COMの稼動環境がLinuxの場合は、com.zipを展開することで導入を行います。 手順 Windowsの場合 前ステップで生成された、SterlingCallCenterAppSetup.exe ファイルを導入対象クライアントにコピーします。 SterlingCallCenterAppSetup.exe を実行し、導入ウィザードを起動します。ウィザードに従って必要事項を選択・入力(導入先とライセンス確認)します。 Linuxの場合 <INSTALL_DIR>/rcpdrop/gtk.linux.x86/com/com.zip を解凍します。 com.ini.sample を com.ini にrenameします。 以下のファイルに実行権限を付与しておく <INSTALL_DIR>/rcpdrop/gtk.linux.x86/<COM_Version_Number>/com/com.sh <INSTALL_DIR>/rcpdrop/gtk.linux.x86/<COM_Version_Number>/com/jre/bin/*
8 作業の目的 手順 COMの起動 ログイン 注意 導入したCOMを実行します。 Windowsの場合 Linuxの場合 クライアント側作業 作業の目的 導入したCOMを実行します。 手順 COMの起動 Windowsの場合 「スタート」メニューから、「IBM Sterling Call Center Application」 ⇒ 「IBM Sterling Call Center Application」 と選択します。 Linuxの場合 以下コマンドにてビルドされたcomを起動します。 <INSTALL_DIR>/rcpdrop/gtk.linux.x86/9.1/com ログイン 右のような画面が立ち上がります。 SFS導入時に作成していたユーザーにてログインします。 注意 COMは32bitのJavaのみサポート(64bitのJavaだと起動エラーとなる) 64bit javaがデフォルトになっている場合、PATHに32bit javaのパスを通しておく必要がある