高速ネットワーク技術、スーパーコンピュータ関連の国際会議にて受賞 家庭用PCで超高速Webアクセス環境を実現するUsadaFoxを用い、 遠距離Webアクセス性能を1000倍高速化 東京大学データレゼボワール実験グループ
データレゼボワール開発の歴史 遠距離・超高速のディスク間データ共有システム 第5世代 – 1 CPU PC, 6 SSDで10Gbps 第1世代 – 26 サーバ, 26 ディスクで 500Mbps 第2世代 – 16 サーバ, 64 ディスクで 10Gbps 第3世代 – 8 サーバ, 32 ディスクで 10Gbps 第4世代 – 1 サーバ, 32 ディスクで 10Gbps 第5世代 – 1 CPU PC, 6 SSDで10Gbps 第5世代 2009 第4世代 2006 第1世代 2001 第2世代 2003 第3世代 2005
小型、安価、ローカルシステムと同じ使い方 第5世代データレゼボワール 私たちの夢のシステム(2001年) 誰もが10ギガビットを享受できるためのキーテクノロジー 小型、安価、ローカルシステムと同じ使い方 航空機の機内持ち込み荷物で運べる小ささ 普通のPCと同程度の価格 10ギガビットネットワークを1台でフルに活用 シェアード・ネットワークで使える安定性 1個のファイルから使え、1個のTCPストリームで通信 ファイルシステムとしてのインタフェース ウェブシステムとしてのインタフェース
ウェブインタフェース 超高速のウェブサービス実現 Apache サーバ (同じ小型PC上に実現、東京大学に設置) Firefox改造 ウェブブラウザ (ポートランドに設置) Linux OS, SSD(フラッシュディスク)を6個使用 (RAID 0) シングルTCPストリームを用いHttp プロトコルでデータ転送 ゼロコピー化した EXT3 ファイルシステム
データレゼボワール技術によるWebデータ転送 LFN Apache on normal Server Browser on normal PC : : ~1GB/s ~1GB/s
PCIe x8 マザーボード: ASUS Rampage II GENE (Micro ATX) SATA RAID 10 ギガビット ネットワーク Intel Core i7 940 DDR3 SDRAM 6GB 1333 MHz (8-8-8-20) PCIe x8 ネットワーク インタフェース Chelsio S310 Intel X58 マザーボード: ASUS Rampage II GENE (Micro ATX) Intel ICH10R ソフトウェア CentOS 5.3 linux-2.6.18-128.el5 EXT3 file system Apache FireFox Adaptec SATA RAID SSD ×6 Intel X25-E SATA RAID
ネットワーク経路 West Coast, US 西海岸、米国 Tokyo, Japan 東京、日本 Server (tama) Server (tama) the Univ. of Tokyo DR E600 DR E600 DR E600 DR E600 WIDE RX4 SCinet DR S7148SX Server (koro2) Server (koro3) NTT Otemachi T-LEX NI40G T-LEX NI40G NLR-FN Sunnyvalle JGN2plus GS4000 PacificWave Sunnyvalle PacificWave Los Angeles Tokyo, Japan 東京、日本 JGN2plus E300 Portland JGN2plus 10G TYO
SC09 ネットワーク・ダイアグラム 東京大学 サニーベール ポートランド koro2 Server T-LEX,東京 JGN2plus tama Server 東京大学 E600 DR Tokyo NLR Sunnyvale NLR FrameNet SCinet Portland サニーベール E600 DR Tokyo 6509 PWave Sunnyvale S7148SX DR Booth#759 Portland ポートランド RX-4 NEZU Tokyo PWave NI40G T-LEX Tokyo 6509 PWave LA koro2 Server T-LEX,東京 GS4K JGN2plus Tokyo E300 JGN2plus LA koro3 Server JGN2plus ロサンゼルス
用いた高速化技術 精密ペーシング技術 [Kamesawa+SC04] TCP通信最適化技術 (buffers, windows, 等) [Yoshino+SC08] Apache と Firefoxの改造 Apache の実装 不要なOptionを省略してビルド Firefox の実装 データ操作の最適化 メモリコピーの排除 Firefox内バッファサイズの最適化 I/O 最適化 mmap と madvice の利用 EXT3 を write backで使用 バックグラウンドで、頻繁なファイルキャッシュのフラッシュ
測定された性能(BWC公式測定)
本発表の意義 日本の超高速インターネット技術、インターネット利用技術の高さを世界に示した 10ギガビットのインターネットをパーソナルな環境で活用可能とした これまで、限られたスパコンセンターやネットワーク関連施設でしか活用できなかった 誰にでも遠距離・超高速データ転送が可能になった ファイルを1本のTCPストリームで送り、ウェブブラウザ経由のユーザインタフェースを用いる ローカルなデータアクセスと同じ環境を実現
今後の展開 UsadaFoxは、長距離・超高速インターネットを活用するツールとして、まだまだ荒削り 今後、システムとしての完成を目指す 長距離通信で優位性をもつシングルストリームTCP通信の特質を生かすウェブシステム構築 これまで得られなかったウェブシステムの実現により、コンピュータサイエンス分野や、大量データを扱うスーパーコンピューティング分野の発展に寄与したい