京都大学理学研究科物理第2 宇宙線研究室 中森 健之

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京都大学理学研究科物理第2 宇宙線研究室 中森 健之 CANGAROO-IIIの進行状況 京都大学理学研究科物理第2 宇宙線研究室 中森 健之 CONTENTS  ・CANGAROOの紹介  ・ステレオ観測の意義  ・現在のCANGAROO-III  ・これからの観測計画  ・Summary

CANGAROO Project Collaboration of Australia and Nippon for a GAmma Ray Observatory in the Outback 解像型大気チェレンコフ望遠鏡による TeVγ線観測実験 @Woomera, Australia

CANGAROO Team 名古屋大学 アデレード大学 山形大学 オーストラリア国立大学 山梨学院大学 茨城大学 大阪市立大学 甲南大学 北里大学 信州大学 茨城県立医療大学 アデレード大学 オーストラリア国立大学 茨城大学 東京大学宇宙線研究所 宇宙科学研究所 国立天文台 東海大学 東京工業大学 京都大学

CANGAROO Telescope 10m 望遠鏡 焦点距離 8m 形状 回転放物面 CFRP 反射鏡 (世界初!) 直径80cm   (世界初!) 直径80cm 114枚(57m2) イメージングカメラ 光電子増倍管 576本 視野角 ~ 3 エレクトロニクス TDC & charge ADC 角度分解能 0.25 (FWHM)

Observation Method γ線 陽子 カメライメージ

Alpha distribution 視野 ON OFF 観測データ (Crab) シミュレーション ●ON source ●OFF source

TeV γ-ray Source TeVγ発生機構 3 Pulsar Nebulae Crab, Vela, PSR1706-44 8 Blazars Mrk412, Mrk501,   1ES2344+514, PKS2155-304 3C66A, BL Lac, 1H1426+428, 1ES1959+65 3 SNRs SN1006, Cas A, RX J1713.7-3946 1 Star Burst Galaxy NGC 253 1 X-ray Binary Cen X-3 First Detected!! 電子加速 X線 高エネルギー電子 磁場 γ線 宇宙背景放射 陽子加速 γ線 高エネルギー陽子 π0 γ線 原子核 π+ π- 高エネルギー粒子加速の立証

Major Results SNR SNR RX J1713.7-3946 SN1006 NGC253 電子起源 Inverse Compton 陽子起源 π0 decay ? Tanimori et al. APJ,1998 Enomoto et al. Nature,2002 NGC253 スターバースト銀河からの TeVγ線 Itoh et al. A&AL,2002

Advantage of Stereo (1) ◎角度分解能の上昇 ▲詳細なimagingが可能に! 単独の観測    ~0.25deg  (1ヶ月) 10m X 2 Stereo   ~0.15deg (イベント毎!)   ~0.05deg, or better !!  (1ヶ月) ステレオ観測 到来方向角 ▲詳細なimagingが可能に! シャワー軸交点 カメラA カメラB 望遠鏡A 望遠鏡B

Advantage of Stereo (2) ◎ノイズ除去能力の向上 ▼有効面積 ×0.8 ▼Trigger rateの低下 Alpha <15゜ ▼有効面積 ×0.8 ▼Trigger rateの低下 952±137events(6.9σ) イメージによるノイズの識別 ▲S/N比 ×6-7 !!      (Enomoto et al. 2002) ★エネルギー閾値の低下 750±60 (12σ) Eth ~ 200GeV ▲より広いEnergy bandでの   スペクトルが得られる!! 0.45<E(TeV)<6.25

Time schedule 現在までに2台でステレオ観測中 3号機は現在最終調整中 4号機の外観部が完成 NOW!! 2003 2004 1号機 2号機 3号機 4号機 10m×2 10m×3 10m×4 2002 12月 NOW!! 2003 11月 現在までに2台でステレオ観測中 3号機は現在最終調整中 4号機の外観部が完成

“Near” future targets RX J1713 : SNR Galactic Center, disk 2003 8月 NGC253 ステレオによる高角度分解能で TeV放射領域の特定へ RX J1713 : SNR Galactic Center, disk PKS2155 : Blazar NGC253 : Starburst Galaxy Crab : Pulsar Nebula Vela : Pulsar Nebula 2004 2月

Summary CANGAROO-IIIでは4台の 大気チェレンコフ望遠鏡でステレオ観測を行う。    大気チェレンコフ望遠鏡でステレオ観測を行う。 2002年より2台でのステレオ観測を行っている。 3台目は現在調整中、まもなく観測開始 4台目の建設が進行中で、年内に完成する。 ステレオ観測により、イベント毎に<0.15°の    角度分解能を実現、S/Nは6倍以上改善。

Appendix

Multi wavelength spectra RX J1713.7-3946 SN1006 Naito et al. Astron. Nach. 1999 Enomoto et al. Nature 2002

Imaging camera Timing Distributions of PMTs ~14nsec. Shower Raw data Timing Distributions of PMTs ~14nsec. After Noise reduction Shower Night Sky Noise

T2 Event Sample

High energy γ-ray detectors GLAST