Massively Multiplayer Online Gameにおける P2Pの可能性

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Massively Multiplayer Online Gameにおける P2Pの可能性 koyu

コンテンツ オンラインゲームの分類 (MOとMMO) MOの特徴 MMOの特徴 MMOへのP2Pの応用

オンラインゲームの分類 (MO) MO (Multiplayer Online Game) セッションを作成し、そこに接続しプレイする 一つのセッションは、数人~十数人 Diablo(BLIZZARD), PHANTASY STAR ONLINE(SEGA), Age of Empires(Microsoft)に代表されるRTS(Real Time Strategy Game)など

オンラインゲームの分類 (MMO) MMO (Massively Multiplayer Online Game) 一つに世界に全てのプレイヤーが存在し、互いに影響しあう プレイヤー数は数百~数千 Ultima Online(Electric Arts), RAGNAROK ONLINE(GRAVITY), FINAL FANTASY XI(SQUARE ENIX) など

MOにおけるネットワークモデル(1) ロビーサーバ ゲームサーバ セッションの管理(作成・削除) ユーザのマッチング ロビーサーバのないモデルもある →ゲームサーバのアドレスを他の手段(メッセンジャーやIRCなど)で取得し接続する ゲームサーバ セッションの状態を持つ クライアントと通信し、セッションの状態を変更する

MOにおけるネットワークモデル(2) クライアント ロビーサーバに接続 セッションの作成要求を出す 既存セッションへの参加要求を出す ゲームサーバと通信をし、セッションの状態を変更する

MOへのP2Pモデルの応用 ゲームサーバの処理をクライアントに肩代わりをさせることで中央サーバをなくす or 負担を小さくすることができる 中央サーバを置かないモデルでは一般的 →RTSなど 中央ロビーサーバを置いているモデルでは、Phantasy Star Onlineなどで採用

MMOの特徴 大規模 エリアの概念 ゲーム空間が非常に広大 プレイヤーは一つのゲーム空間に存在する ゲーム空間を非連続的に分断したもの プレイヤーがエリア間を移動するときはエリア切り替え動作が必要となる

MMOにおけるネットワークモデル(1) ロビーサーバ エリアサーバ クライアントをエリアサーバに割り振る 各エリアを管理する プレイヤーは存在するゲーム空間中のエリアに対応するエリアサーバと通信を行う

MMOにおけるネットワークモデル(2) クライアント ロビーサーバに接続し、エリアサーバを得る エリアサーバに対し、データを送り、ゲームの状態を変化させる

MMOにおける分散処理 エリアサーバは互いに独立している →分散化可能 MMOは分散システムと相性がいいといえる

MMOの実際の規模 FINAL FANTASY XI 同時接続数 約4,000人 × 30ワールド 転送量 Client → Server 100~500 Byte/sec Server → Client 500~4500 Byte/sec エリア数 100超 ※ 1エリアが1サーバ使ってるわけではない 1エリアの最大収容プレイヤー数 約400

FINAL FANTASY XI のネットワーク構成

MMOにかかるコスト 多くのサーバを持たないといけないため、莫大なコストがかかる 実際、MMO市場は縮小傾向にある True Fantasy Live Online(Microsoft)やUltima Onlineの開発中止 大手の寡占にならざるを得ないという背景 コストを減らせないか・・・

P2PのMMOへの応用可能性 エリアサーバの機能をP2Pノードに分散させて処理する ゲームの運営側がもたねばならないのは、ロビーサーバやグローバルな機能を持ったサーバ(チャットサーバなど)のみ →コストの大幅削減

現実的か? 先の数字を参考に平均的に見積もると・・・ ブロードバンドの今なら現実的? ゲームのステートの計算はおそらく足りるはず・・・ 1エリアに 100人 転送量1Clientあたり 500~5000 Byte/sec → 1エリアあたり 50K ~ 500K Byte/sec ブロードバンドの今なら現実的? ゲームのステートの計算はおそらく足りるはず・・・

P2Pのその他のメリット オンラインゲームは頻繁にバージョンアップされ、パッチが配布される

セキュリティ(1) おそらく絶望的に難しい チート・デュープの蔓延 キャラクタデータをサーバに保存している場合は比較的少ない(それでもかなりある) キャラクタデータをクライアントが保存しているPhantasy Star Onlineでは、発売後数日でチートコードが出回った

セキュリティ(2) エリアサーバをP2Pノードに委ねるということは、一時的にとはいえ、クライアントにデータを置いていることになる →クライアント保存のものと同等、あるいはそれ以上の困難と推測できる

ビジネスモデルとしては・・・ コストが安い というのはなによりのメリット クライアントがサーバの処理を行う報酬として、 課金額を少なくする ゲーム内でのアドバンテージを与える 特に後者は大きそう・・・

今後への可能性 現在の一般的なMMOには、エリアのような不連続な概念が存在している。 エリアの概念をなくし、または、エリア間の移動をシームレスにすることで、より一層一つの大きな世界を感じられる? エリアサーバのゲーム空間のカバー範囲を可変とすればできるかもしれない

参考にしたサイト http://www.playonline.com/ff11/index.shtml http://akiba.ascii24.com/akiba/game/interview/2002/02/24/633792-000.html http://www.iajapan.org/bukai/idc/event/2002/pdf/SQUARE.pdf

MMOとP2Pに関する論文 Peer-to-Peer Support for Massively Multiplayer Games, Bjorn Knutsson, Honghui Lu, Wei Xu and Bryan Hopkins, to appear in INFOCOM 2004, March 2004, Hong Kong, China.  The Design of Synchronization Mechanisms for Peer-to-Peer Massively Multiplayer Games, Honghui Lu, Björn Knutsson, Margaret Delap, John Fiore and Baohua Wu, Penn CIS Tech Report MS-CIS-04-xy.pdf.